外科学

外科学 · B/10

胃腫瘍(症状・診断・治療)

Tumors of the stomach (symptoms, diagnosis, treatment)

前提:病態
胃腫瘍胃炎
疾患
MALTリンパ腫(節外性辺縁帯リンパ腫)消化管間質腫瘍粘膜下腫瘍
症状
Leser-Trélat徴候Sister Mary Joseph結節

ポッドキャスト

🧠 には良性病変から悪性腫瘍まで含まれるが、悪性では腺癌が最多。1 ほかにリンパ腫・・()がある。診断の主役は内視鏡+生検で、は・EUS・を組み合わせる。はと適切なリンパ節郭清を目標とする。2 ⚠️ の適応と周術期治療の組み立ては地域で大きく違うので、「どの国の標準の話か」を意識しながら読むこと。

1. 総論

  • には良性病変と悪性腫瘍があり、悪性腫瘍では腺癌が最多。1
  • 50歳未満では稀、男性に多い。

⚠️ 授業資料は「はほぼすべて悪性である」と言い切るが、これは臨床で出会う胃腫瘤への身構え方であって、分類の記述ではない。 胃には悪性化リスクが組織型ごとに異なる良性・ポリープも生じる1。「胃の腫瘤を見たらまず悪性を疑う」は保ちつつ、「良性は存在しない」と読み替えない。

2. 腫瘍の種類

flowchart TD
  ST["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gastric tumors'>胃腫瘍</span>"] --> AC["腺癌<br>(粘膜由来・最多)"]
  ST --> LY["リンパ腫<br>(若年者に多い)"]
  ST --> CA["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neuroendocrine tumor, NET'>神経内分泌腫瘍</span><br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='carcinoid tumor'>カルチノイド</span>)"]
  ST --> GI["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gastrointestinal stromal tumor, GIST'>消化管間質腫瘍</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gastrointestinal stromal tumor'>GIST</span>)"]
  AC --> INT["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intestinal type'>腸型</span><br>(予後良好)"]
  AC --> DIF["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='diffuse type'>びまん型</span><br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='signet ring cell'>印環細胞</span>)"]

腺癌——粘膜から発生する

病因(原因):

⭐ 病歴で「燻製・塩蔵食品を好む」「血液型A」「H. pylori陽性」が並んだらを疑う。

亜型(組織亜型):

項目
組織像 に類似、細胞が塊状に増殖、著明な炎症浸潤 単一細胞がバラに、しばしば一列に配列、間質反応を伴う
— 様の外観
肉眼形態 隆起・潰瘍を伴う腫瘤、悪性潰瘍 びまん性浸潤癌(=、linitis plastica)
予後 良好 不良

臨床像:

遠隔転移の — 覚え方は「胃癌の身体所見はどれも遠隔転移の」:

部位・所見
左リンパ節
卵巣への転移で腫大
Blumer棚 で触れる腫瘤()
腹水
のな結節

:

リンパ腫——リンパ組織由来

カルチノイド・神経内分泌腫瘍

  • はの様細胞()由来で、1型・2型・3型の病型と・によるグレードで評価する
  • 症状は無症候から腹痛・下痢・出血までさまざまで、分泌性症候群を呈することもある
  • 治療は病型・大きさ・・グレードで決まり、低リスク病変では内視鏡切除や経過観察、進行リスクの高い病変ではを検討する3

⚠️ の症候(発作性・水様性下痢・・)は覚えるが、質を「」と覚えない。 この症候群を起こすのはセロトニンなどの血管作動性物質である。消化管由来のセロトニンは門脈から肝臓へ入ってで不活化されるため、典型的なは後に生じやすい。症候群そのものの機序と診断は・に、胃の1型・2型・3型のはにまとめてある。

消化管間質腫瘍(GIST)

大きさ 授業で示される目安 現行の総説が加える条件
2 cm未満 経過観察 手術の要否は一義的に決まらない。内視鏡と画像で定期的に監視し、EUSで境界不明瞭・・潰瘍・出血・といったが出てきたらへ切り替える4
2 cm超 外科的切除 総説が診断確定を待たずに手術を勧めるのは5 cm超、または出血・疼痛などの症状がある場合。2〜5 cmはリスク評価しだいで、機能温存を意識した切除範囲を選ぶ4

3. 診断

検査 意義 使いどころ
内視鏡+生検 最良の初期検査かつ確定診断 全例
を用いたX線、食道・胃・十二指腸を評価 補助的
(腹部・骨盤・胸部) 遠隔転移・リンパ節転移の検出 胸部と腹部のは常に撮る2
(EUS) ・()評価 を予定する患者で考慮しうるが、結果が方針を変えうるときにのみ行う2
・ 遠隔転移(M因子)の評価、とくに肝病変の性状診断 ルーチンには行わない。 転移が見つかれば方針が変わる場面で有用2
胸部X線 スクリーニング —
(つき) ・細胞診陽性の確認 のM1診断のは81%にとどまる。cT3・cT4が疑われる例やM1リスクが高い例(、リンパ節転移が多い例)で行い、を考えるなら化学療法の開始前に行う2

⭐ の収穫は大きい。 米国の施設の報告では、内視鏡でcT3が84%・リンパ節陽性が66%を占める集団において、腹腔鏡でが21%、さらに細胞診陽性のみが13%見つかり、肝硬変や局所高度浸潤の発見も含めた総収率は36%だった。5

TNM分類

胃癌のは/第8版が基準である。日本胃癌学会の治療ガイドライン第7版(2025年)も、T/N/Mと病期の記述を胃癌取扱い規約第15版に置き、それが/分類第8版と同一であると明記している。6 第9版でも胃のcT・cN・cM・pT・pN・pMの区分は変更されておらず、胃について加えられたのはとに関する明確化にとどまる。7

因子 内容
T1a / T1b または/
T2
T3
T4a / T4b 漿膜()に露出/隣接臓器・構造へ浸潤
N1 / N2 1〜2個/3〜6個
N3a / N3b 7〜15個/16個以上
M1 遠隔転移(陽性だけでもM1)

N区分は所属リンパ節(No.1〜12、14v)のうち転移を来した個数で決まり、N1は1〜2個、N2は3〜6個、N3aは7〜15個、N3bは16個以上である。M1には遠隔臓器への転移に加え、腹膜(CY1、すなわち陽性を含む)との外のリンパ節への転移が含まれる。6

⚠️ が陽性なだけでM1(遠隔転移あり)=Stage IVとして扱う。 米国のNCCNガイドラインは細胞診陽性例をとみなし、または最善の支持療法を勧める。だからこそ、を始める前に腹腔鏡と洗浄細胞診を済ませておく必要がある——化学療法は陽性の細胞診を陰性に変えうるので、後から行うとStage IVの既往がある患者を切除に回してしまう。5

切除不能の基準

  • 遠隔転移
  • 主要血管への浸潤(大動脈、、)
  • 領域節転移(M1)

⚠️ 転移例では、症状が無ければ非治療を優先する。 手術は、放射線・化学療法・といったより低侵襲な手段で対応できない症状の緩和に限って考慮する。緩和目的のは例外的な状況でのみ、多職種で議論したうえで行う。2

4. 治療

早期病変

  • : リンパ節転移の可能性がきわめて低い早期胃癌では、(EMR)または(ESD)で外科切除と同等の治癒が期待できる
  • または
  • H. pylori除菌(±化学療法)

⭐ 早期胃癌でも約10%にリンパ節転移がある——これが最大のである。 臨床病理学的な情報から約3分の2は治療前にリンパ節転移陰性と判断でき、この群はESDで切除できる。残りの3分の1は転移の可能性があるため外科切除が必要になるが、D1+郭清を伴う胃切除でほぼ全例が治癒しうる。8

⚠️ の適応基準は国によってかなり違う。 「2 cm以下・分化型・潰瘍なし」という覚え方は米国NCCNの線引きに近く、日本の基準はこれよりはるかに広い。どちらの数字を答えるべきかは、設問がどの国の診療を前提にしているかで決まる。

国・団体 の適応
日本胃癌学会 第7版(2025年) 絶対適応は次の4つ。①EMRまたはESD…分化型・UL0・cT1a・2 cm以下 ②ESD…分化型・UL0・cT1a・2 cm超(大きさ不問) ③ESD…分化型・UL1・cT1a・3 cm以下 ④ESD…・UL0・cT1a・2 cm以下。絶対適応とはリンパ節転移の可能性が1%未満で外科切除と同等の効果が期待できる腫瘍を指す6
米国NCCN(米国の施設の総説が引用する基準) 2 cm以下、高〜中分化、までにとどまる、なし、側方・深部断端陰性。欧米の集団ではこの厳しい基準を満たす腫瘍は少なく、ESDの技術と機器も米国では広く普及していない5

💡 日本の基準が広いのは、リンパ節転移リスクを外科の実測から積み上げているからである。 絶対適応・・相対適応という3段の枠組みは「リンパ節転移の可能性が1%未満か」「長期成績の根拠があるか」で切り分けられており、相対適応は高齢・重篤なで手術を勧められない場合に、遺残リンパ節転移のリスクを説明したうえで選ぶ枠である。6

限局病変

⚠️ 「が世界の標準」と一括りにしない。 ここは国・地域で治療の骨格そのものが違う代表例である。

地域 局所進行胃癌の骨格
米国(欧米のに基づく診療) 正確なのうえで・を行ってから切除する施設が多い。術後治療のが悪いことが理由として挙げられる。東西で・検診・危険因子・腫瘍生物学・治療が明確に異なるため、自国の診療は欧米の試験に導かれる、というのがこの立場の前提である5
日本 手術先行+術後が骨格。pStage IIにはS-1の1年投与が推奨され、pStage IIIではS-1単剤は条件付き推奨で、S-1+、CapeOX(+)、SOX(S-1+)などの併用が推奨される。⚠️ 日本胃癌学会は「周術期は他国では標準と考えられているが、日常診療へ導入することについて日本では合意が無い」と明記している6

どちらの地域でも、の目標は断端陰性(R0)切除と適切なリンパ節郭清である2。完全かつ根治的な切除が達成できたでは、が高く、が低く、生活の質も良好である。

手術

幽門側(部分)胃切除との使い分け:

全摘の適応
短期の・死亡率が低い 胃角部の腫瘍
入院期間が短い 多中心性腫瘍
カロリー摂取量が多く、が良い 多臓器合併切除が必要な場合
が良好 (HDGC、E-cadherin遺伝子変異)に対する

💡 「胃角部の」が側に入るのは、断端の確保が難しいからである。 胃角部(角)はと前庭部の境目にあたり、ここに(=びまん性に浸潤しやすい)腫瘍があると、ではのが足りなくなりやすい。(上部)の腫瘍だから全摘、という覚え方ではない——部位そのものより「必要な断端が取れるか」が決め手で、下の断端の表と合わせて理解する。

術式の選び方: 日本胃癌学会第7版は、cN陽性またはcT2〜T4aの腫瘍に対する標準術式をまたはとし、十分な断端が得られるなら、得られないならを選ぶと規定している。で膵脾合併切除を要する場合は腫瘍の位置にかかわらずになる。6

断端をどれだけ取るか(日本胃癌学会第7版):

腫瘍 必要な断端
T2以深・膨張性発育(1型・2型) 3 cm以上
T2以深・浸潤性発育(3型・4型) 5 cm以上
T1 肉眼的に2 cm

これを満たせない場合は断端の全層を術中で検索する。食道浸潤例では5 cm超は必ずしも要らないが、を担保するために切離線のが望ましい。6

を選択する場合:

  • 胃全体を切除し、十二指腸断端を閉鎖
  • ・の切除
  • 根治的リンパ節郭清(範囲は下表)

💡 授業資料は「+リンパ節郭清」を、幽門側・を代替アプローチと位置づけている。 現行のガイドラインはこれを一律には採らず、腫瘍の位置と必要な断端が取れるかでとを選び分ける6。授業の枠組みを問われたら「全摘+郭清が標準」、臨床の枠組みを問われたら「部位と断端で選ぶ」と、どちらの枠の質問かを見分ける。

・(代替アプローチ):

  • ・を切除、十二指腸断端を閉鎖
  • 根治的リンパ節郭清

リンパ節郭清の範囲(D1/D1+/D2)

指針 郭清範囲の決め方
カナダ・オンタリオ州の診療ガイドライン 根治目的の切除ではD2郭清が望ましい。ただしT1N0の症例やが重い症例ではD1郭清でもよい。⚠️ 切除・をルーチンにしない(・死亡率が上がる)2
日本胃癌学会 第7版 原則としてcN陽性またはcT2以深はD2、cT1N0はD1またはD1+。D1はEMR/ESDの基準を満たさないcT1aと、分化型・径1.5 cm以下のcT1bN0に適応し、それ以外のcT1N0はD1+。・リンパ節転移の術前・術中診断は当てにならないので、転移の可能性を否定できないときはD2を行う。進行した胃上部癌でも、に腫瘍がかからなければ時に脾臓は温存する6

⭐ リンパ節は「郭清の範囲」と「評価する個数」の2つで見る。 正確なのためには最低16個のリンパ節を評価する必要がある(/がに必要とする個数でもある)。16個を超えて採取・検索すると、病期のが減ってが上がり、生存の改善も示唆されている。2

💡 D2の是非は東西で評価が割れてきた。 東アジアの研究は一貫しての利益を示すが、西欧のMRC試験とオランダ試験は当初利益を示せなかった——膵切除・のによる合併症が原因とされる。オランダ試験の15年追跡では、D2群で胃癌関連死が少なく(D1 48%対D2 37%)、局所再発も少なかった。膵切除・を伴わないD2の安全性はイタリアのIGCSG-R01試験が支持している。25

:

  • 出血量が少なく、入院期間が短く、使用量が減少
  • 5年生存率は同等、短期成績は良好、長期も同等
  • ⚠️ 切除は開腹と同じ水準で行える場合に限る。 高度なと胃癌診療の両方に習熟したが、開腹手術と同じ基準を満たして行うことが条件である2

再建術式

術式 内容
Billroth I +
Billroth II +
胃バイパス ・後の再建に用いる術式。遠位食道と切離した空腸遠位脚を(、esophagojejunostomy)し、消化管閉塞を防ぐ

💡 は「Y字」に空腸を吊り上げることで胆汁・膵液の逆流を防ぎつつ通過路を確保する再建法 — 胃切除以外にでも使われる。

まとめ

  • には良性病変と悪性腫瘍があり、悪性では腺癌が最多(は比較的予後良好、は・予後不良)。
  • 遠隔転移の(、、Blumer棚、)はだけで進行胃癌を疑わせる。
  • リンパ腫(特にMALTリンパ腫、H. pylori関連)と(由来)は腺癌とが異なる。
  • は/第8版で、第9版でも胃のT・N・M区分は変わっていない。N3はN3a(7〜15個)とN3b(16個以上)に分かれ、陽性(CY1)はそれだけでM1である。67
  • 診断の核は内視鏡+生検。では胸腹部は常に撮り、EUSは結果が方針を変えうるとき、・はルーチンには行わない。+はを始める前に済ませる。25
  • 治療の分かれ目は。早期は(⚠️ 適応基準は日本胃癌学会のほうが米国NCCNの線引きより広い)、は根治的胃切除+リンパ節郭清が柱となる。⚠️ 周術期治療の骨格は地域で違い、米国では先行、日本では手術先行+術後である。65
  • 郭清範囲は根治目的ならD2が基本だが、T1N0やの重い症例ではD1(またはD1+)でよい。切除・はルーチンにしない。には最低16個のリンパ節評価が要る。26
  • との使い分けは「腫瘍の位置・多発性・遺伝性素因・十分な断端が取れるか」で決まり、再建はBillroth I/II、が基本。

出典

  1. 1.The management of gastric polyps(British Society of Gastroenterology・2010)胃には悪性腫瘍だけでなく、組織型により悪性化リスクの異なる良性・前癌性ポリープが生じることを確認した。閲覧 2026-08-09
  2. 2.Staging and surgical approaches in gastric cancer: a clinical practice guideline(Current Oncology・2017)全文(PMC5659154のPMC HTML版)を取得して確認した。カナダ・オンタリオ州のプログラム内診療ガイドラインで、食道胃接合部癌への外挿は認めないと冒頭に断っていること。推奨1が全例を多職種カンファレンスで検討し胸部と腹部のCTは常に行うとし、超音波内視鏡は臨床所見またはCTに基づき根治治療を予定する患者で考慮しうるが「結果が方針を変えうる場合にのみ行う」と限定すること、PETとMRIは肝病変の性状診断などで有用だがルーチンには行わないとすること、CTのM1診断の正診率が81%で審査腹腔鏡により進行癌の最大44%で開腹を回避しうること、術前化学療法を考える患者では化学療法開始前に審査腹腔鏡を行うこと。推奨2が「根治目的の切除にはD2郭清が望ましい。T1N0または重い併存疾患のある患者ではD1郭清でもよい」とし、膵尾部切除・脾臓摘出のルーチン併施は罹患率・死亡率を上げるので行わないとすること、オランダ試験の15年追跡で胃癌関連死がD1 48%対D2 37%(P=0.01、per protocol解析)だったこと。推奨3が根治切除胃癌の適切な病期診断に最低16個のリンパ節評価を求め、16個を超える採取が病期の過小評価を減らし生存を改善しうると述べること。推奨4がR0断端を目標とし、NCCNが4 cm、日本胃癌学会がT1/2で3 cm・T3/4で5 cmの距離を挙げると付記すること(⚠️ この付記は日本胃癌学会の原文と一致しない。第7版(2025年)も、本ガイドラインが発表された当時の第4版(2014年、PMC5215069)も、3 cmと5 cmの別はT区分ではなく肉眼型の発育様式(膨張性の1型・2型か浸潤性の3型・4型か)で決めており、いずれもT2以深に掛かる規定で、T1には別に肉眼的2 cmを課している。本ノートは断端距離を日本胃癌学会側の記述から書いている)。推奨5が転移例では無症状なら非手術的管理を優先し、手術はより低侵襲な手段で対応できない症状の緩和に限ること、緩和的胃全摘は例外的状況で多職種の議論を経て行うこと。腹腔鏡下切除は開腹と同じ基準で、高度な腹腔鏡手術と胃癌診療の双方に習熟した術者が行うこと。⚠️ 本文に endoscopic ultrasonography は現れるが略語 EUS は全文で0件である。閲覧 2026-09-21
  3. 3.Management of Gastric Neuroendocrine Tumors: A Review(Annals of Surgical Oncology・2024)胃神経内分泌腫瘍は胃粘膜のECL細胞に由来し、病型・分化度・病期に応じて内視鏡治療から手術まで個別化することを確認した。閲覧 2026-08-09
  4. 4.Understanding Gastric GIST: From Pathophysiology to Personalized Treatment(Journal of Clinical Medicine・2024)胃GISTは一律に良性・悪性へ二分せず、部位、大きさ、病理学的リスク、遺伝子異常を踏まえて治療を個別化することを確認した。閲覧 2026-08-09
  5. 5.Treatment of localized gastric and gastroesophageal adenocarcinoma: the role of accurate staging and preoperative therapy(Journal of Hematology & Oncology・2017)全文(PMC5558742)を取得して確認した。米国MD Anderson Cancer Centerの立場からの総説で、東西で罹患率・検診・危険因子・腫瘍生物学・治療が明確に異なるため自施設の治療は欧米の試験に導かれると冒頭に明記している。病期評価は高品質CT・超音波内視鏡・腹腔洗浄細胞診を伴う審査腹腔鏡から成り、術後治療の忍容性が悪いことが知られているため術前化学療法・術前化学放射線療法をしばしば行うこと。cT3が84%・内視鏡でリンパ節陽性が66%を占める自施設の集団で腹腔鏡により腹膜播種が21%・細胞診陽性のみが13%見つかり総収率が36%だったこと。腹腔洗浄細胞診陽性はAJCCでStage IVにあたり、NCCNガイドラインは細胞診陽性例を切除不能とみなし全身療法または最善の支持療法を勧めること、化学療法は陽性の細胞診を陰性に変えうるため術前化学療法の前に腹腔鏡を行うべきこと。NCCNの内視鏡的切除の基準が2 cm以下・高分化または中分化・粘膜下層浅層(early T1b)まで・脈管侵襲なし・側方および深部断端陰性であり、欧米ではこの基準を満たす腫瘍は少なく内視鏡的粘膜下層剥離術の技術と機器も米国では広く利用できないこと。東アジアの研究は拡大郭清の利益を一貫して示すが西欧のMRC試験とオランダ試験は示せず、原因は膵切除・脾摘に伴う合併症とされること、オランダ試験の長期追跡ではD2群で局所領域再発と疾患関連生存が改善したこと、膵切除・脾摘を伴わないD2の安全性をイタリアのIGCSG-R01試験が支持すること、臨床病期はAJCC第8版で規定されることを確認した。閲覧 2026-09-21
  6. 6.Japanese gastric cancer treatment guidelines 2025 (7th edition)(日本胃癌学会(Japanese Gastric Cancer Association)・2026)全文(PMC12956939)を取得して確認した。T/N/Mと病期の記述を胃癌取扱い規約第15版に置き、それがUICC/TNM分類第8版と同一であると明記すること。N区分が所属リンパ節(No.1〜12、14v)の転移個数でN1は1〜2個・N2は3〜6個・N3aは7〜15個・N3bは16個以上と定義されること。M1が遠隔臓器・腹膜(CY1を含む)・領域外リンパ節への転移であること。内視鏡的切除の絶対適応が、リンパ節転移の可能性が1%未満で外科切除と同等の効果が期待できる腫瘍と定義され、EMRまたはESDでは分化型・UL0・cT1a・2 cm以下、ESDでは分化型・UL0・cT1a・2 cm超、分化型・UL1・cT1a・3 cm以下、未分化型・UL0・cT1a・2 cm以下の4項目であること(同じ4項目は第6版にも逐語で存在する)。相対適応が高齢や重篤な併存疾患で手術を勧められない場合の枠であること。標準的な胃切除が胃の3分の2以上の切除とD2郭清から成ること。口側断端が、膨張性発育(1型・2型)のT2以深で3 cm以上、浸潤性発育(3型・4型)で5 cm以上、T1で肉眼的2 cmとされ、満たせない場合は口側断端全層の術中迅速診断を勧めること。cN陽性またはT2〜T4aの標準術式が胃全摘または幽門側胃切除で、十分な口側断端が得られるときに幽門側胃切除を選ぶこと。リンパ節郭清の適応が原則としてcN陽性または cT2以深でD2、cT1N0でD1またはD1+であり、D1はEMR/ESDの基準を満たさないcT1aと分化型・1.5 cm以下のcT1bN0、D1+はそれ以外のcT1N0、D2は根治可能なcT2〜T4とcT1リンパ節陽性であること、転移の可能性を否定できないときはD2を行うべきこと、胃上部の進行癌でも大弯に腫瘍がかからなければ胃全摘時に脾臓を温存すべきこと。術後補助化学療法がpStage II/IIIに推奨され、pStage IIにはS-1の1年投与、pStage IIIではS-1単剤は条件付き推奨で併用療法が推奨されること。周術期補助化学療法が他国では標準と考えられているが日本では日常診療への導入について合意が無いと明記すること。閲覧 2026-09-21
  7. 7.The 9th Edition of the UICC TNM Classification of Malignant Tumours: Updates and Rationale for Change(Union for International Cancer Control (UICC)・2026)Europe PMC経由でPMC13432304の全文XMLを取得して確認した。第9版の変更点を悪性腫瘍ごとにまとめた表1で、胃(Stomach)の行はcT・cN・cM・pT・pN・pMおよびcStage・pStageの全欄が「—」であり、表の凡例がこれを「変更なし(unchanged)」と定義すること。胃について挙げられている明確化の項目が「cStage and pStage」だけであること。本文の散文には胃に関する記述が無く、gastric という語は全文で0件、stomach も表1の当該行1件のみであることを確認した。閲覧 2026-09-21
  8. 8.Precision surgical approach with lymph-node dissection in early gastric cancer(World Journal of Gastroenterology・2019)全文(PMC6465935)を取得して確認した。早期胃癌の最も重大な予後因子がリンパ節転移で、その頻度が全体で約10%であること。臨床病理学的情報に基づき治療前にリンパ節転移陰性と診断できるのが早期胃癌患者の約3分の2で、この群は内視鏡的粘膜下層剥離術で切除しうること。残る3分の1は転移の可能性のため外科切除を要するが、D1+リンパ節郭清を伴う胃切除でほぼ全例が治癒しうること。腹腔鏡下・ロボット支援胃切除が周術期および腫瘍学的安全性の点で開腹と同等であることから東アジアで広まったこと。D1+胃切除後にも機能的な症状が残りうるため、原発巣の部位と大きさによっては幽門または噴門の温存を考慮し、センチネルリンパ節生検でリンパ節転移陰性を判別できれば郭清範囲の個別化と胃容量の温存が可能になることを確認した。閲覧 2026-09-21