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2026
09.05アレルギー性鼻炎の薬物療法がARIA 2019年版のままだったため2024〜2025年のARIA-EAACI改訂版へ更新し、あわせて出典の書誌がURLの指す論文と別物だったのを是正した。遺伝性血管性浮腫は小児の推奨を国際小児ガイドラインで書き直した。
- 疾患アレルギー性鼻炎薬物療法を2024〜2025年のARIA-EAACI改訂版へ更新した。従来「中等症〜重症では鼻噴霧用抗ヒスタミン薬+ステロイド配合剤の方が症状抑制に優れる」と書いていたが、改訂版が根拠にしたネットワークメタ解析では配合剤と鼻噴霧用ステロイド単独の症状・QOL改善はほぼ同等(trivial differences)で有害事象も同程度であり、配合剤の推奨は条件つき、理由は効果発現の速さ・満足度・費用対効果である。ロイコトリエン受容体拮抗薬は、経口抗ヒスタミン薬をLTRAより強く推奨(中等度の確実性)したうえで、未治療例へのLTRA開始にも経口抗ヒスタミン薬への上乗せにも反対する提案(条件つき・中等度)へ変わった。点鼻血管収縮薬は「数日以上」を5日と確定し、12歳未満・妊婦(とくに初期)・高齢者では回避、エフェドリン系には反対、鼻噴霧用ステロイドへの上乗せにも反対(導入期の短期併用は考慮可)を明記した。あわせて改訂版が「大半のRCTがARIAの間欠性/持続性分類を採用していない」として季節性/通年性で整理している点を書いた。(出典:ARIA-EAACI 2024-2025 Part I、Part II)
- 疾患遺伝性血管性浮腫小児の推奨を2026年の国際小児HAEガイドラインで書き直した。発作時治療は出生〜2歳が静注pdC1INHのみ、2〜12歳がイカチバント・静注pdC1INH・静注rhC1INH、12歳以上はそれに加えてエカランチドと経口セベトラルスタット。長期予防は2〜12歳がラナデルマブまたはpdC1INH、12歳以上はベロトラルスタット・ガラダシマブ・ラナデルマブ・pdC1INHのいずれでもよい。従来「小児にアンドロゲンを用いない」と平坦に書いていたが、第一選択がどれも入手できない場面に限りTanner V期の思春期例へ有効最小用量で提案され、その際の監視項目(血圧・体重・身長・脂質・肝機能・空腹時血糖と肝超音波)が定められている。診断では確定にも除外にも一致した2回の結果が要ること、C1インヒビターが成人値に達するのは多くが生後6か月〜1歳であることを補い、思春期のエストロゲン含有経口避妊薬とACE阻害薬に反対する推奨、定期予防接種は通常どおり行う推奨、発作時治療にすぐ手が届くなら運動・スポーツを制限しない推奨を追加した。(出典:国際小児HAEガイドライン2026)
- 疾患ばら色粃糠疹「マクロライドは効く」と読める書き方だったのを、Cochrane 2019がマクロライドを一括りにしていない点に沿って直した。クラリスロマイシンは掻痒消失(RR 0.84、95%CI 0.47〜1.52、28例)でも発疹改善(RR 1.13、0.89〜1.44、60例)でも偽薬と差がなく、アジスロマイシンも3つの評価項目すべてで差がない。エリスロマイシンだけが掻痒スコアで有利(MD 3.95、34例、中等度の確実性)だが、発疹改善の推定値はRR 4.02、95%CI 0.28〜56.61(低い確実性)と極端に不精確で偽薬が優る可能性も排除できない。あわせてアシクロビルの上乗せ試験(標準治療=カラミンローション+経口セチリジンへの上乗せ、24例)が落ちていたのを追加し、掻痒消失RR 4.50(1.22〜16.62)・掻痒スコア低下MD 1.26(0.74〜1.78)を単剤比較の結果と分けて書いた。(出典:Cochrane CD005068.pub3)
2026
09.05プラジカンテルの菌種別用量が版の無い二次資料だけに支えられていたため、CDCの現行ページで裏を取った。あわせて神経住血吸虫症の種による違い、駆虫の時期、プラジカンテルの分子標的、イソトレチノインの用法を補った。
- 疾患住血吸虫症神経住血吸虫症を種別に書き分けた。従来は「S. japonicum は中枢神経系にも及ぶ」とだけあり、S. mansoni・S. haematobium による脊髄症(横断性脊髄炎、円錐部・馬尾の神経根症)が抜けていた。中枢神経病変は感染のどの時期にも起こりうる。あわせて「診断した日に駆虫しない」を追加した——プラジカンテルは成熟虫にしか効かず、かつ成熟した抗体応答を要するため、渡航者では最終の淡水曝露から最低6〜8週あけて投与する。治癒判定は治療1〜2か月後の糞便・尿の再検で行う。CDCの2〜4週追加投与(軽度感染で免疫応答が弱い例への上乗せ)とMSDの4〜6週再投与(急性期に未熟だった虫の取りこぼし)は目的も対象も別なので分けて書いた。急性期の具体的プロトコル(感染後4〜5週にメチルプレドニゾロン0.5 mg/kg/日を3日サイクル、7〜8週にプラジカンテル40 mg/kgを2時間あけ2分割しステロイド単回併用、12〜14週でCAA残存1/34)は、南アフリカでS. mattheei × S. haematobium 交雑種に感染した旅行者34例という母集団を明記したうえで載せた。(出典:CDC Schistosomiasis: Clinical Treatment、Lancet Neurol 201170170-3)、J Travel Med 2025)
- 薬剤praziquantel分子標的を更新した。従来「外皮のカルシウムチャネルを撹乱」としていたが、2019年に住血吸虫の一過性受容体電位チャネル SmTRPM(PZQ) が標的として同定されている——ナノモル濃度で作用し、(R)体に立体選択的で、持続的なCa²⁺シグナルを起こし、筋収縮と外皮破壊という薬理プロファイルに一致する。薬効群の表・冒頭説明・機序図・まとめも同時に更新した。あわせて菌種別用量の3行目にCDCの現行ページを出典として足し(S. mansoni・S. haematobium・S. intercalatum は40 mg/kg/日を2分割・1日間、S. japonicum・S. mekongi は60 mg/kg/日を3分割・1日間)、版の無い二次資料だけが支えている状態を解消した。「いつ投与するか」の節を新設し、耐性は「まだ広がっていない」であって「無い」ではない旨を明記した。(出典:CDC Schistosomiasis: Clinical Treatment、J Biol Chem 2019)
- 疾患尋常性痤瘡イソトレチノインの用法が丸ごと無かったので補った。米国添付文書では0.5〜1 mg/kg/日を2分割で食後に15〜20週、2コース目は2か月以上の休薬後。食物とともに服用するのは用法の一部で、空腹時では吸収が落ちる。低用量の長期使用は添付文書が明確に否定している(低用量であっても長期使用は検討されておらず推奨されない)。あわせて、米国の承認適応は「重症の難治性結節性痤瘡」のみであり、瘢痕・心理社会的負担・標準治療抵抗性を理由とする使用は米国でも適応外使用にあたることを明示した。(出典:DailyMed イソトレチノイン添付文書)
2026
09.05皮膚T細胞リンパ腫のB2病期の定義が緩む方向に壊れていたため原表どおりに直し、病期分類が2007年版で止まっていたのを2022年の更新提案と併記する形にした。モガムリズマブの移植片対宿主病の警告が疾患ノート側に無かったのも補った。
- 疾患皮膚T細胞リンパ腫B2病期の定義が緩む方向に壊れていた。本文は「…のいずれかを満たす場合、あるいはT細胞クローナリティが陽性の場合」と書いており、クローン陽性だけでB2になると読めたが、ISCL/EORTC 2007の原表は Sézary細胞1,000/µL以上「かつ」クローン陽性であり、クローン性は腫瘍細胞量に加えて必要な条件である。同じノートが「クローン性だけで悪性とは断定しない」と書いている箇所と自己矛盾していた。あわせて病期分類が2007年版で止まっていたため、2022年にISCL・USCLC・EORTCが提案した更新(B分類がリンパ球に占める割合からフローサイトメトリーによるCD4+CD26−/CD4+CD7−細胞の絶対数へ、クローン性は各区分に添字A/Bを付ける形へ、内臓病変はM1a骨髄のみ/M1b骨髄以外へ)を併記し、数値を比較する前にどの版かを確かめるよう書いた。セザリー症候群の要件に「血液のクローンが皮膚のクローンと一致すること」が抜けていたのも補った(臨床試験でSSとして扱う症例の要件、という原文の限定つき)。名前だけで中身の無かったTNMBの項目も表にした。(出典:Blood 2022、Blood 2007)
- 疾患皮膚T細胞リンパ腫モガムリズマブの最も重い警告が疾患ノート側に一言も無かった。治療表に同種造血幹細胞移植が挙がっているのに、その前にモガムリズマブを投与すると移植後の重篤な急性移植片対宿主病が増える点が欠けていたため追加した。あわせて、電子添文がCCR4陽性の確認を求めているのは成人T細胞白血病リンパ腫と末梢性T細胞リンパ腫の適応であって、皮膚T細胞リンパ腫の効能にはその限定が付かないことを書き分けた。ロミデプシンは日本の効能が末梢性T細胞リンパ腫のみで皮膚T細胞リンパ腫は国内適応外、米国の現行添付文書は逆に皮膚T細胞リンパ腫のみという国差も明記した。CCR4/CLAによる皮膚指向性の機序と、成人T細胞白血病リンパ腫との鑑別(皮疹の形では区別できず、HTLV-1・高カルシウム血症・花弁状核細胞・経過の速さで見分ける)も補った。(出典:ポテリジオ点滴静注 電子添文、イストダックス点滴静注用 電子添文)
2026
09.05ゾニサミドのノートが抗てんかん薬としての内容だけで、日本で承認されているパーキンソン病適応(トレリーフ)に一言も触れていなかった。電子添文を読んで書き分け、パーキンソン病ノートにも国内承認の補助薬の節を新設した。
- 薬剤zonisamide日本のゾニサミドが「エクセグラン=てんかん」「トレリーフ=パーキンソン病/レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズム」という2つの販売名・2つの用量帯で流通する点を書き分けた。効能・効果は製剤規格でも違い、OD錠25mgがパーキンソン病とレビー小体型認知症に伴うパーキンソニズムの2適応、OD錠50mgはパーキンソン病のみである。どちらの適応も「レボドパ含有製剤を使っても足りなかった場合」という限定が効能・効果そのものに書き込まれている。50 mgへの増量は、電子添文が「1日50 mg投与において、1日25 mg投与時を上回るon時の運動機能の改善効果は確認されていない」と明記しており、意味を持つのはwearing-off短縮に限られる。禁忌も適応ごとに違い、トレリーフは妊婦が禁忌である一方、日本のてんかん用製剤は禁忌が過敏症の1項目のみで妊婦は有益性投与、米国Zonegranはスルホンアミド過敏症も禁忌。従来は米国ラベル由来の1行だけを全適応共通のように置いていた。てんかん側の用量(成人1日100〜200 mg開始→200〜400 mg、最高600 mg/小児2〜4 mg/kg開始→4〜8 mg/kg、最高12 mg/kg)と、連用中の急激な減量・中止でてんかん重積を起こしうる注意も初めて記載した。無出典だった半減期「約60時間」は、日本神経学会ガイドラインの94時間(Tmax 4.0時間)へ差し替えた。抗パーキンソン作用の機序(レボドパ併用下の線条体細胞外ドパミン上昇、B型に比較的選択的なMAO阻害、T型Ca・Naチャネル電流阻害)が抗てんかん作用と別機序であることも書いた。(出典:トレリーフOD錠 電子添文、ゾニサミド錠EX 電子添文)
- 疾患パーキンソン病国内で承認されている補助薬の節を新設し、ゾニサミド・イストラデフィリン・サフィナミドを機序と位置づけで表にした。日本神経学会パーキンソン病診療ガイドライン2018の第II編CQ2では、ゾニサミド追加もイストラデフィリン追加もどちらも2C(弱い推奨/エビデンスの質「低」)で、両者に同じ付帯事項「本邦のみでの承認薬剤であるために、海外での評価は定まっていない点に十分注意する必要がある」が付く。この「本邦のみ」は2018年時点の記述であり、規制上の位置づけは各国当局文書で確かめる必要がある旨も明記した。イストラデフィリンのオフ時間短縮(20 mg/日で1.31時間、40 mg/日で1.58時間)はガイドライン自身の結果ではなくガイドラインが引用する無作為化二重盲検比較試験の成績として書いた。サフィナミドは2018年ガイドラインに一度も現れず、刊行後に加わった薬である。あわせて、本文の薬物療法表に出ているのにfrontmatterから漏れていたロチゴチンとトリヘキシフェニジルも治療薬に加えた。(出典:パーキンソン病診療ガイドライン2018)
- 疾患血管性・レビー小体型・前頭側頭型認知症など非アルツハイマー型認知症レビー小体型認知症の治療にゾニサミドの記述が無かったため補った。日本ではレボドパ含有製剤を使ってもパーキンソニズムが残存する場合に限り、トレリーフOD錠25 mgを1日1回25 mgでレボドパ含有製剤と併用する適応がある。50 mg錠にこの適応は無く、パーキンソン病のみである。(出典:トレリーフOD錠 電子添文)
2026
09.05同じ出典・同じ文言を共有する担当外のノートへ、今回の是正を波及させた。アレルギー性鼻炎の出典はURLが指す論文と書誌が別物のまま4ノートに複製されており、皮膚T細胞リンパ腫のB2病期の誤りもトピック側に複製されていた。
- 薬剤olopatadine出典の書誌がURLの指す論文と別物だったのを訂正した(題名はBousquetらのNext-generation ARIA guidelines だが、URLのPMC7066682が指す実体はKlimekらのARIA guideline 2019: treatment of allergic rhinitis in the German health system)。あわせて「中等症〜重症の持続性アレルギー性鼻炎に対する第一選択は鼻噴霧用ステロイド単独」を現行版に合わせて直した——ARIA-EAACI 2024-2025 Part I は鼻噴霧用抗ヒスタミン薬とステロイドの配合剤を単独より条件つきで提案しており、症状・QOL改善はほぼ同等で、理由は効果発現の速さ・満足度・費用対効果にある。オロパタジン+モメタゾンがその配合剤の一方であること、配合剤どうしではアゼラスチン+フルチカゾンが提案され、苦味が問題ならオロパタジン+モメタゾンが選ばれうることも追記した。(出典:Allergologie Select 2019、ARIA-EAACI 2024-2025 Part I)
- 薬剤dimetindene同じ出典の書誌を訂正したうえで、脚注の射程超えを是正した。この出典は蕁麻疹の治療を扱っていないため「アレルギー性鼻炎・蕁麻疹ガイドライン(ARIA)」という帰属を鼻炎に限定し、原文が実際に述べている「第1世代経口H1抗ヒスタミン薬とデポ剤ステロイドだけが例外として避けるべき」という形に書き直した。第1世代を避ける理由として原文が挙げているのは鎮静作用のみで、血液脳関門の通過・抗コリン作用という語は全文に出てこない。(出典:Allergologie Select 2019)
- トピックCutaneous T-cell Lymphoma疾患ノートと同じB2病期の誤りが本文と出典のclaimの両方に複製されていたため揃えた。「腫瘍細胞量の基準のいずれかを満たす、あるいはT細胞クローナリティが陽性」ではなく、腫瘍細胞量の基準を満たし「かつ」クローンが陽性であることがB2の定義で、クローン陽性だけではB2にならない。あわせて2022年にISCL・USCLC・EORTCが提案した更新(B分類を絶対数へ、クローン性は各区分に添字A/Bを付ける形へ)を本文に追加し、2007年版が誤りになったわけではなく数値を比較する前に版を確かめる、という疾患ノートと同じ書き方に揃えた。(出典:Blood 2022)
- トピックSchistosomes学名の綴り誤り S. hematobium を S. haematobium へ7箇所(表・本文・図・まとめ)直した。あわせて「膀胱の肉芽腫は肺にも及びうる」という主語の成り立たない記述を、虫卵が静脈系を介して肺へ運ばれそこで肉芽腫を作りうる、という疾患ノートと矛盾しない形に直し、尿管狭窄から水腎症に至る経路も同ノートに合わせて補った。
- 薬剤finasteride否定命題の射程超えを是正した。「日本で承認されているフィナステリド製剤は0.2 mg錠・1 mg錠だけで、BPH用の5 mg製剤は無い」と断定していたが、根拠に置いたプロペシアの電子添文はプロペシア自身の規格を述べているだけで、日本のフィナステリド製剤を網羅した一覧ではない。同じ電子添文が支えるのは「5 mgは本剤承認用量の5〜25倍にあたる量である」までなので、そこまで後退させた。出典のclaimも同時に直した(この出典はデュタステリドのノートと共有しているため、片方だけ直すとコーパス内で記述が割れる)。(出典:プロペシア錠 電子添文)
2026
09.05WHOの2026年リーシュマニア症ガイドラインを本体(PDF全文)で読み直し、8ノートに散っていた「新第一選択」という記述を是正した。原文は条件付き推奨・低い確実性の『提案(suggested)』であり、第一選択への格上げではない。
- 疾患リーシュマニア症出典をWHOのニュース記事からガイドライン本体(ISBN 978-92-4-012329-8、2026年7月28日発行)へ差し替え、全20頁を通読して推奨1.1〜4.3を逐語で確認した。①東アフリカのレジメンを「新たな推奨」から原文どおり「パロモマイシン硫酸塩20 mg/kg/日筋注+経口ミルテホシン(各14日間)がSSG 20 mg/kg/日+パロモマイシン15 mg/kg/日(17日間)より提案される(条件付き推奨・低い確実性)」へ是正。②インド亜大陸の記述が出典の射程を超えていた——同ガイドラインは南アジアについて再発とPKDLしか扱っておらず初回治療の推奨を出していないため、単回リポソーマルアムホテリシンB 10 mg/kgは推奨2.1の前提として述べられているだけであることを明記し、併用レジメンが「再発」の推奨2.2であることと分離した。③推奨はすべてHIV陰性患者が対象で、対象地域も東アフリカ・南アジアのVLとPKDLに限られること、根拠試験の除外基準(4歳未満・50歳超・妊娠授乳中・重症VL・高度栄養失調・Hb<5 g/dL・HIV等)を追記。④ミルテホシンの眼有害事象について、WHO医薬品安全性諮問委員会が2023年に因果関係を「少なくとも合理的な可能性がある」と認めたこと、投与前眼科評価と2週間ごとの眼科検査を追加。⑤喉頭・咽頭病変のある粘膜型では抗リーシュマニア薬の開始そのものが炎症反応で気道閉塞を起こしうるため入院監視と予防的ステロイドを併用する点を追加。⑥診断にrK39迅速検査の性能(13報メタ解析で感度94%・特異度91%だが東アフリカでは75〜85%)と部位別陽性率(脾93〜99%/骨髄52〜85%/リンパ節52〜58%)、脾穿刺は致死的出血の報告があり骨髄が第一検体であること、抗体は治癒判定にも再発診断にも使えないことを追記。(出典:WHO guidelines on leishmaniases、IDSA/ASTMH 2016)
- 薬剤miltefosine「WHOの新第一選択」「新第一選択レジメンの一角」という記述を4箇所で是正した。WHOガイドライン本体の推奨1.1は『パロモマイシン+ミルテホシンがSSG+パロモマイシンより提案される(条件付き推奨・低い確実性のエビデンス)』であり、第一選択への格上げではない。SSGの位置づけも「代替薬に押しやった」から、同併用が除外される患者向け(推奨1.2)へ改めた。(出典:WHO guidelines on leishmaniases)
- 薬剤paromomycin「新たな推奨レジメンとなった」を原文どおりの「SSG+パロモマイシン(17日間)より提案された(条件付き推奨・低い確実性)」へ是正し、用量(パロモマイシン硫酸塩20 mg/kg/日筋注)と比較対照を明記した。(出典:WHO guidelines on leishmaniases)
- 薬剤sodium stibogluconate「東アフリカにおける第一選択の座をミルテホシン+パロモマイシンに譲った」を是正した。原文は条件付き推奨の『提案』であり、SSG+パロモマイシンは同併用が除外される患者向け(推奨1.2)として、SSG単剤(20 mg/kg/日30日間)よりは提案される位置づけである。(出典:WHO guidelines on leishmaniases)
- 薬剤amphotericin B「東アフリカはミルテホシン+パロモマイシン併用がWHOの新第一選択」を是正し、あわせてリポソーマルアムホテリシンBの位置づけを原文どおり明記した——推奨1.3で、パロモマイシン+ミルテホシンとSSG+パロモマイシンの両方が除外される患者向け(条件付き推奨・非常に低い確実性)である。(出典:WHO guidelines on leishmaniases)
- 微生物Leishmania donovani「WHOが新たな推奨とし」を条件付き推奨の『提案』へ是正した。あわせて同ガイドラインが南アジアについては再発とPKDLのみを扱い初回治療の推奨を出していないことを出典のclaimに明記した。(出典:WHO guidelines on leishmaniases)
- トピックCausative agents of arthropod-borne parasitic infections (list) and their diagnosis東アフリカのレジメンを「新たな推奨レジメン」から条件付き推奨の『提案』へ是正した。(出典:WHO guidelines on leishmaniases)
2026
09.05ライム病と水痘・帯状疱疹の脳神経障害が顔面神経しか書かれておらず、声帯麻痺の病因表からの参照に裏づけが無かった。一次資料で確認して両ノートに追記し、帯状疱疹ワクチンの記述が米国の推奨を国名なしで断定していたのも是正した。
- 疾患ライム病①ドキシサイクリンの小児使用が出典より断定的だった。「14日程度までの短期使用なら年齢を問わず安全というコンセンサスに転換」と書いていたが、IDSA/AAN/ACR 2020の原文は『形成されつつある(growing)コンセンサス』で、対象は幼小児、かつ『安全性データはなお望まれる』という但し書きが付く。3点とも反映した。②脳神経障害が顔面神経麻痺しか書かれていなかったのを、原文どおり「VII が最多、次いで VIII、まれに III・V・VI」へ広げ、さらに反回神経麻痺による嗄声・声帯麻痺がまれな病型として報告されていること(2010年時点で報告6例、いずれも抗菌薬で予後良好)を追加した。③神経ボレリア症の経口ドキシサイクリンが遊走性紅斑と用量が異なる(200 mg 1日1回)ことを追記。④曝露後予防の3条件(Ixodes属と同定・高度流行地・36時間以上の付着)を明示し、どれか1つでも欠ければ適応外であることを書いた。⑤ドキシサイクリンとβラクタムのいずれも使えない場合の第二選択(アジスロマイシン)を追加。(出典:IDSA/AAN/ACR 2020 Lyme disease guideline、Furtner 2010、Karosi 2010)
- 疾患水痘・帯状疱疹①帯状疱疹の脳神経障害が Ramsay Hunt(顔面神経)しか書かれていなかった。咽頭・喉頭帯状疱疹34例の後ろ向き解析から、舌咽神経(IX)と迷走神経(X)が各59%で最多(顔面神経は24%)、嚥下障害65%、X神経障害による喉頭麻痺の回復率50%が最も不良、11例(32%)は発疹を欠く無疹性帯状疱疹であることを追記した。②帯状疱疹ワクチンを「組換え非生ワクチンが第一選択」と国名なしで断定していたのを是正——日本では2025年度から予防接種法に基づく定期接種となり、生ワクチン(皮下1回)と組換えワクチン(2か月以上間隔で2回筋注)のいずれも使える。対象と2025〜2029年度の経過措置も追記した。③日本のアメナメビルの用法を電子添文どおり追加(1回400 mgを1日1回食後、皮疹出現後5日以内の開始が望ましい、原則7日間、空腹時は吸収低下、リファンピシン併用禁忌、免疫機能低下患者では有効性・安全性が未確立)。④アシクロビル系の腎排泄と腎機能低下時の神経毒性を追加。⑤「50〜60歳代または免疫不全時に再活性化」が60歳代で頭打ちに読めたため「加齢に伴い発症率が上がり多くは50歳以降。免疫抑制状態では年齢を問わない」へ。⑥水痘と帯状疱疹が同じ節に混在していた治療の記述を主語つきに組み直した。(出典:Minoshima 2026、厚生労働省 帯状疱疹ワクチン、アメナリーフ錠200mg 電子添文)
- 微生物Varicella zoster virus「帯状疱疹予防は現在、組換え帯状疱疹ワクチン(RZV)が第一選択である」という国名なしの断定を是正した。米国では確かにRZVが推奨の中心で生ワクチン(ZVL)は2020年に販売中止だが、日本では2025年度からの定期接種で生ワクチンと組換えワクチンのいずれも使える。国ごとに書き分けた。(出典:厚生労働省 帯状疱疹ワクチン)
- 疾患風疹(先天性風疹症候群含む)①先天性風疹症候群のリスクが「11週未満で最大」という定性表現だけだったのを、Miller 1982の数値に置き換えた。先天感染率(12週まで80%超/13〜14週 54%/第2三半期末 25%、妊娠最終月に再上昇)と奇形頻度(11週より前の感染で全例、13〜16週で35%=難聴のみ、16週以降に感染した63例で奇形なし)が別の曲線を描くことを明示し、原著が11〜12週の奇形頻度を別掲していないことも記した。②ワクチン接種後の妊娠回避期間を国名なしで「28日」と断定していたのを、米国CDC(4週間=28日)と日本の電子添文(接種前約1か月の避妊、接種後約2か月の妊娠回避)に書き分けた。まとめ側の食い違いも同時に解消した。③日本の風しん追加的対策(昭和37年4月2日〜昭和54年4月1日生まれの男性、抗体検査先行のクーポン方式、令和7年3月31日終了)を追記。④CRSの心奇形・眼所見をCDC症例定義の語(末梢性肺動脈狭窄・色素性網膜症)に合わせた。(出典:Miller 198292677-0)、乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン「タケダ」電子添文、厚生労働省 風しんの追加的対策)
2026
09.05脂漏性皮膚炎の第一選択薬をCochraneレビューの根拠の厚みに合わせて是正し、プレスリリースを根拠にしていた出典2件を添付文書へ差し替えた。扁平苔癬では爪病変の治療が丸ごと欠けていた。
- 疾患脂漏性皮膚炎①外用抗真菌薬の代表薬をクロトリマゾールからケトコナゾールへ是正した。Cochraneレビュー(51試験9052例)の偽薬対照試験はケトコナゾール12試験 N=3253・シクロピロクス11試験 N=3029に対し、クロトリマゾールは1試験 N=126のみである。クロトリマゾールは削らず根拠の厚みの差として書いた。②抗真菌薬を軸に置く根拠を新設——ケトコナゾール2% RR 0.69(0.59–0.81、8試験、確実性 低)、シクロピロクス1% RR 0.79(0.67–0.94、8試験、中)、両者の直接比較 RR 1.09(0.95–1.26、3試験)。ステロイドを軸にしない理由が効果差ではなく副作用差であること(寛解率 RR 1.17〈0.95–1.44〉で同等、副作用は44%少ない RR 0.56〈0.32–0.96〉)を明示した。③評価のほぼ全部が4週時点で、追跡5週超は51試験中6試験しかないことを明記し、維持療法の期間・間隔の根拠が弱いことを書いた。④ロフルミラストの禁忌(中等度〜重度肝機能障害 Child-Pugh B・C。軽度Aは用量調整不要)が抜けていたので追加した。⑤出典をArcutis社のプレスリリースからDailyMedのZORYVEフォーム0.3%添付文書へ差し替え、適応が9歳以上の脂漏性皮膚炎であること(頭皮・体幹の尋常性乾癬は12歳以上と別枠)を本文で確認して書き直した。(出典:Cochrane CD008138.pub3、ZORYVE foam 添付文書)
- 薬剤roflumilast①出典のArcutis社プレスリリースを削除した(プレスリリースを根拠にしない方針)。適応の脚注はDailyMedの添付文書へ移した。②その出典にしか根拠が無かった「脂漏性皮膚炎領域で約20年ぶりの新規作用機序」という断定を本文2箇所から落とした。添付文書にこの記述は無い。③DailyMed添付文書の年が2023のままだったのを、現行版の改訂年である2026へ是正した(同じ出典idを共有する脂漏性皮膚炎ノートと年が割れていた)。(出典:ZORYVE foam 添付文書)
- 疾患扁平苔癬①口腔扁平苔癬の悪性転化率1.07%に時間の分母が無かった。これは累積割合であって年率ではなく、原著は年率0.32%・月率0.027%を別に示している。平均追跡期間が研究間で16.8〜272.4か月と大きく異なること、『追跡2年以上』の質基準を満たしたのが54研究中7研究のみであることも追記した。②爪扁平苔癬の治療が丸ごと欠けていた。表は「永久的爪変形を残し得る」と書きながら治療の箇条書きに爪の項目が無く、読者が皮膚病変と同じく外用ステロイドを続ける方向に誤る構造だった。生検確定81例のコホートから、爪母病変97.53%・当初誤診44.44%、追跡62例で全身ステロイドが最も有効(中止後42.86%再燃)、外用ステロイド・外用カルシニューリン阻害薬・ヒドロキシクロロキンはおおむね無効、を追加した(単一施設・後ろ向きであることを明記)。③外陰腟歯肉症候群を病型名として名指しした。(出典:Nail Lichen Planus in 81 Patients)
- 疾患パーキンソン病非運動症状に皮膚症状が1件も挙がっていなかった。ドイツの外来レセプトを用いた症例対照研究(新規PD 138,345例と1:2対応の対照276,690例、平均6.0年の遡及)で、PD診断に先行する脂漏性皮膚炎のオッズ比が1.30(95%CI 1.15–1.46)、乾癬1.13、皮膚糸状菌症1.25と報告されていることを追記した。あわせて、これがレセプト病名に基づく観察研究であって因果を示すものではないこと、受診行動の差という残余交絡が残ること、「脂漏性皮膚炎があればパーキンソン病を疑う」という読み方はできないことを明記した。(出典:Schrag 2023 JAMA Neurol)
2026
09.05ベーチェット病でEULAR 2025年改訂に帰属させていた「インフリキシマブを優先」は原文に無い記述だったため全面的に外し、薬剤間の優劣を臓器ごとに証拠の強さつきで書き分けた。ICBD基準の1点項目の表記も原著に合わせた。
- 疾患ベーチェット病①EULAR 2025年改訂に帰属させていた「インフリキシマブを優先」を4箇所から外した。同改訂の抄録が言っているのは『臓器・生命を脅かす病変ではモノクローナル抗TNFα抗体の早期使用が推奨される』であって、インフリキシマブの優先は一言も書かれていない。②代わりに、改訂の根拠となったEULAR系統的レビュー2本(いずれもオープンアクセスで全文取得)から臓器別に証拠の強さを書き分けた——粘膜皮膚ではアダリムマブ対インフリキシマブの初の直接比較RCTで奏効率は同等、血管病変ではインフリキシマブがシクロホスファミドに優る(完全寛解17/19=94%対10/18=56%、RR 1.61〈1.04–2.50〉)、しかし神経病変では同試験のサブグループが5/8=62.5%対4/7=57%、RR 1.09〈0.47–2.52〉で有意差を示していない。従来「眼・血管と同様に神経病変でも抗TNF早期併用が支持されている」と書いていたのを是正した。③免疫抑制療法への抗凝固薬の上乗せは、観察研究9本の結論が三分しており役割不明であることを明示した。④ISG 1990とICBD 2014を項目・数え方・閾値ごと書き分けた。ISGは点数制ではなく『反復性口腔潰瘍が必須+他4項目中2項目以上』である。ICBD側は感度94.8%(93.4–95.9%)・特異度90.5%(87.9–92.8%)をISG(85.0%/96.0%)と並べ、トレードオフを示した。⑤ICBDの1点項目を原著の central nervous system involvement どおり「中枢神経病変」に直した。⑥アプレミラストの「最初かつ唯一の薬剤」という断定を落とし、出典をHealioのニュース記事からDailyMedのOTEZLA添付文書へ差し替えた。適応(ベーチェット病に伴う口腔潰瘍)・維持用量30 mg 1日2回・12週の完全奏効22.3%対52.9%を添付文書で確認した。⑦アプレミラストの禁忌・警告(過敏症、重度の下痢・悪心・嘔吐、うつ・自殺念慮、体重減少、強いCYP誘導薬との併用非推奨)を追加した。(出典:EULAR SLR 主要臓器病変、EULAR SLR 粘膜皮膚・関節病変、ICBD 2014、OTEZLA 添付文書)
2026
09.05DICの診断基準が「4点/5点/6点」とだけ書かれ、どの型がどの閾値かの対応が付いていなかった。あわせてトロンボモジュリンの推奨が、主要評価項目を達成しなかった国際試験に触れないまま書かれていたのを2ノートで是正した。
- 疾患播種性血管内凝固①JSTH 2017年版DIC診断基準の中身を書いた。従来は閾値の数字だけで型との対応が無かった——造血障害型は血小板を採点から外して4点以上、感染型はフィブリノゲンを外して5点以上、基本型は全項目で6点以上であり、閾値が違うのは基準の厳しさではなく満点が下がるためである。AT活性70%以下で1点、分子マーカー(TAT・可溶性フィブリン・F1+2)が正常上限2倍以上で1点、24時間で血小板30%以上減少に+1点(50×10³/μL以下では加算しない)も追記した。②鑑別の「重症肝疾患」という曖昧なラベルを飛び先に合わせて「急性肝不全」に直し、『肝不全による凝固障害との鑑別』の節を新設した。JSTH基準は誤診防止のため肝不全に−3点を課し、その定義に急性肝不全(発症8週以内のPT活性40%以下またはINR 1.5以上)と慢性肝不全(Child-Pugh B・C)の両方を含めている。③古典的に鑑別点とされる第VIII因子について、DIC・肝疾患・両者合併の123例を比較した後ろ向き研究では両群にFVIIIの有意差が無く、ISTHスコアはむしろ肝疾患群のほうが高かったことを、教え方と実証データのずれとして書いた。④遺伝子組換えトロンボモジュリンの国際共同第III相試験SCARLETが主要評価項目を達成していないことに一言も触れていなかったので追加した(28日全死亡26.8%対29.4%、P=0.32、絶対リスク差2.55%〈−3.68〜8.77%〉、重篤な大出血5.8%対4.0%)。国内推奨を国際的エビデンスと読み替えない旨を明記した。⑤抗線溶薬について、線溶抑制型と線溶亢進型で向きが逆になること(「出血しているから抗線溶薬」ではなく「なぜ出血しているか」で決める)を警告として格上げした。(出典:JSTH 2017年版DIC診断基準、SCARLET trial、Acta Haematol 2025)
- トピックDisseminated intravascular coagulation敗血症関連DICでのトロンボモジュリンのGrade 1B推奨を、JSTHガイドラインの評価としてのみ書いていた。国際共同第III相試験SCARLETが主要評価項目を達成していないこと(28日全死亡26.8%対29.4%、P=0.32、重篤な大出血はむしろ実薬群に多い5.8%対4.0%)を追記し、国内推奨を国際的エビデンスと読み替えないよう注記した。(出典:SCARLET trial)