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  1. 2026 09.05

    結節性紅斑の治療でNSAIDsを第一選択としていた記述を是正し、炎症性腸疾患では病勢を悪化させうるという警告を補った。Löfgren症候群の定義とサルコイドーシスの生検省略の推奨の強さもあわせて是正した。

    • 疾患結節性紅斑「禁忌がなければNSAIDsを第一選択とする」を是正した。Am J Clin Dermatol 2021の総説は大多数で対症療法が適切とし、NSAIDsは疼痛コントロールに用いるものと位置づけている。⚠️ 同総説は炎症性腸疾患患者ではNSAIDsが病勢を悪化させうるとしており、炎症性腸疾患が主要な誘因であるにもかかわらずこの注意が欠けていた。難治例のヨウ化カリウム(300〜900 mg/日、妊娠・授乳中は禁忌)を追加し、コルヒチンは主にBehçet病に伴う例、ダプソンは反復・難治例と適応を分け、全身ステロイドは「まれに用いる」もので投与前に感染症だけでなく悪性腫瘍も除外すべきことを明記した。妊娠可能年齢の女性への妊娠反応検査が初期精査から抜けていた点も補った。(出典:Am J Clin Dermatol 2021)
    • 疾患サルコイドーシスLöfgren症候群を「結節性紅斑+両側肺門リンパ節腫脹+急性関節炎の3徴」としていた記述に、ATS 2020ガイドラインの定義「両側肺門リンパ節腫脹に結節性紅斑および/または関節周囲炎を伴うもの」を並記した。結節性紅斑を欠いて足関節炎だけを呈する型(男性に多い)も同じ疾患であり、発熱はどちらの書き方でも定義の構成要素ではない。あわせて「典型像がそろえば組織診断を省略できることが多い」を、ATSの推奨どおり「条件付き推奨・エビデンスの質は非常に低い・採取しない患者には綿密な臨床経過観察を要する」へ是正し、無症候性の両側肺門リンパ節腫脹単独例には推奨が出されていないことを追記した。(出典:ATS サルコイドーシス診断ガイドライン 2020、Grunewald & Eklund, AJRCCM 2007)
    • 疾患肥厚性幽門狭窄症超音波の診断基準を是正した。幽門筋厚のカットオフはメタ解析が推奨する「≥3 mm」(>3 mmでは3 mmちょうどの扱いが反対になる)で、幽門管長は研究間で>13 mm〜≥20 mmと幅があり統合解析ができておらず「>15 mm」を単一の目安として掲げられない。危険因子も相対危険度つきに置き換え、母体の妊娠中・授乳期のマクロライド使用については統合結果が有意でないことを明記した(生後早期の乳児自身への曝露は生後14日以内でOR 12.89だが絶対リスクは2.6%)。frontmatterの症状欄にあった圧痛・発熱は、本文が「腫瘤は無圧痛」「発熱を伴う場合は他疾患を除外」と書いているため削除した。(出典:Br J Radiol 2022、Pediatr Surg Int 2016、Ital J Pediatr 2019)
  2. 2026 09.05

    5α還元酵素阻害薬とホルモン療法薬の記述を各国の添付文書へ突き合わせた。日本のフィナステリドのAGA標準用量が1 mgではなく0.2 mgであること、タモキシフェンの手術前休薬が乳癌治療では逆向きに書かれていることが最も重い。

    • 薬剤finasteride日本のAGA適応の用法が「0.2 mgを1日1回、必要に応じて増量できるが1日1 mgを上限とする」であり、本文の「1 mg」一本では日本の標準用量とずれることを是正した。あわせて主語の無かった献血制限(添付文書ではなく日本赤十字社の基準)、年齢の勾配を潰していた半減期(18〜60歳で約6時間、70歳超で約8時間)、用量・期間の無かったDHT低下率(5 mg/日を4年間までで約70%)を補い、高悪性度前立腺癌のリスク(PCPTで1.8%対1.1%、相対リスク1.70[95%CI 1.23-2.34]、組入れは55歳以上・直腸診正常・基線PSA 3.0 ng/mL以下の健康男性18,882例)と、日本の電子添文が記載する自殺念慮・自殺企図の注意を追加した。副作用欄の「浮腫」は根拠が無く、過敏症としての血管性浮腫に差し替えた。(出典:PROSCAR 米国添付文書、プロペシア錠 電子添文)
    • 薬剤dutasteridefrontmatterの関係フィールドが7つとも空だったため承認適応と副作用を添付文書から埋め、比較表の各数値に用量・期間・主語を補った。DHT低下率は0.5 mg/日で1年94%・2年93%、半減期は英国SmPCが約3〜5週間・日本の電子添文が3.4±1.2週間・米国が約5週間と資料で異なる。日本のザガーロ(AGA)は日本固有の適応であること、日本の電子添文が重大な副作用に肝機能障害(1.5%)・黄疸を挙げていること、REDUCE試験の高悪性度前立腺癌(1.0%対0.5%)も追加した。(出典:Avodart 0.5 mg SmPC、アボルブカプセル0.5mg 電子添文)
    • 疾患前立腺肥大症5α還元酵素阻害薬によるPSA低下を「40〜50%」としていた記述を「約50%」へ是正した。40%は日本のプロペシア電子添文が国内の男性型脱毛症患者(低用量)について書いている値で、前立腺肥大症の集団の値ではない。あわせてPSAの実務(6か月以上投与例は測定値を2倍、中止後6か月以内に投与前値へ復帰、% free PSAは補正不要、癌があってもPSAは下がるため最低値からの上昇は基準範囲内でも精査)と、高悪性度前立腺癌のリスクをPCPT・REDUCEの組入れ基準つきの表で追加した。前立腺体積の縮小も「最大30%程度」から実測値へ置き換えた。(出典:AVODART 米国添付文書、アボルブカプセル0.5mg 電子添文)
    • 薬剤tamoxifen禁忌と手術前休薬の射程を是正した。英国SmPCは適応ごとに書き分けており、深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症の既往が禁忌になるのは乳癌の一次予防の適応、特発性静脈血栓塞栓症の個人歴・家族歴が禁忌になるのは無排卵性不妊の適応で、乳癌治療の適応では禁忌欄に挙がらず4.4の警告である。手術前休薬も同様で、「待機手術の約6週間前に休薬」は一次予防・不妊治療の規定であり、乳癌治療では逆に「タモキシフェンによる血栓のリスクが治療中断のリスクを明らかに上回るときにのみ中止する」と書かれている。全適応共通の禁忌にアナストロゾール併用があることが抜けていた点、CYP2D6阻害薬の併用でエンドキシフェンが65〜75%低下する点も追加した。(出典:Tamoxifen 20mg SmPC)
    • 薬剤letrozole「多くの国でPCOSの排卵誘発は適応外使用」という記述を是正した。日本の電子添文は2022年9月の効能追加で「多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発」「原因不明不妊における排卵誘発」「生殖補助医療における調節卵巣刺激」を承認適応としており、適応外ではない(一方で英国のFemara SmPCは適応が閉経後乳癌に限られ、閉経前の内分泌状態そのものを禁忌としている)。「無排卵性不妊の第一選択」という書き方も、2023年の国際ガイドラインの推奨が「他に不妊因子を持たないPCOSの無排卵女性」に限っていることに合わせて射程を限定し、Legro試験の組入れ基準を本文に明記した。用量に無出典の「7.5 mg」があったので電子添文の上限5 mgへ是正した。(出典:フェマーラ錠2.5mg 電子添文、PCOS国際ガイドライン 2023)
    • 薬剤anastrozole適応表に「乳癌(閉経前・HR陽性):GnRH作動薬による卵巣機能抑制と必ず併用」という行があったが、英国SmPCは承認適応4つとも閉経後女性に限り、「閉経前女性に使用すべきではない」「LHRHアナログとの併用を支持するデータは無い」と明記している。機序上の説明は残したうえで、承認適応ではないことを明示した。タモキシフェン・エストロゲン含有製剤との併用(タモキシフェン側では禁忌)が書かれていなかった点も補った。(出典:Arimidex 1mg SmPC)
  3. 2026 09.05

    特発性細菌性腹膜炎の予防・アルブミン併用・経験的抗菌薬をEASL 2018の推奨文へ突き合わせ、閾値と推奨レベルを明示した。リファキシミンの位置づけは反対向きに書かれていた。

    • 疾患特発性細菌性腹膜炎一次予防の対象が「低蛋白腹水+腎障害・肝不全高度の追加因子」と曖昧だったため、EASL 2018の推奨文どおり「Child-Pughスコア9点以上かつ血清ビリルビン3 mg/dL以上で、腎機能障害または低ナトリウム血症のいずれかを伴い、腹水蛋白15 g/L未満」(I;1)に確定した。二次予防に欠けていた中止規定(臨床状態が長期に改善し腹水が消失したら中止、III;1)を追加し、急性消化管出血時の予防が静脈瘤性・非静脈瘤性を問わず最長7日で、セフトリアキソン1 g/24時間または経口ノルフロキサシン400 mg 1日2回であることを明記した。⚠️ リファキシミンを「SBP発症リスクの低下にも寄与しうる」と好意的に書いていたが、EASLは二次予防の代替として推奨できない(I;2)としており、記述が反対向きだった。アルブミンの適応も推奨文が層別していないことに合わせ、原著(Sort ら 1999)の主要評価項目が腎機能障害33%→10%であることとEASLが引く1型肝腎症候群30%→10%が別の評価項目である点を併記した。(出典:EASL 非代償性肝硬変CPG 2018、Sort ら, N Engl J Med 1999)
    • 薬剤sulfamethoxazole + trimethoprim承認適応が英国SmPCに基づいて整理されていなかったため、無条件の適応(ニューモシスチス肺炎の治療・予防、トキソプラズマ症、ノカルジア症)と条件つきの適応(急性単純性尿路感染症、急性中耳炎、慢性気管支炎の急性増悪)を書き分け、市中獲得型MRSAやStenotrophomonas maltophiliaへの使用が承認適応の枠外であることを明記した。「施設のプロトコルで確認する」だけだった用量を、標準量・小児量・PJP治療量(TMP 20 mg/kg/日+SMX 100 mg/kg/日を2週間)・腎機能別の減量まで具体化した。(出典:Co-Trimoxazole 160mg/800mg Forte SmPC)
    • 薬剤ethinylestradiol + levonorgestrel本剤の英国SmPC 4.8が結節性紅斑を「まれ(1/1000未満)」の副作用として明記していることを確認して皮膚の副作用の節を新設した。総説が挙げているのは「経口避妊薬」という薬効群にとどまるため、本剤を名指しできる根拠がSmPC側にあることも明示した。まとめにあった「PMOS」の誤記を多嚢胞性卵巣症候群に直し、英国SmPCの適応が特定の疾患名を挙げていないことを追記した。(出典:Microgynon 30 SmPC)
  4. 2026 09.05

    皮膚科の3ノートで、系統的レビューの結論と逆向き・帰属違いの記述を一次資料に当てて是正した。ばら色粃糠疹でアシクロビルが掻痒を軽減するとしていた記述が Cochrane の結論と正反対だった点が最も重い。

    • 疾患ばら色粃糠疹アシクロビルの効果の向きを是正した。Cochrane 2019 は「掻痒の消失はアシクロビルより偽薬のほうが起こりやすい(相対危険0.34、95%CI 0.12〜0.94)」「掻痒への効果の証拠は結論が出ていない」と述べており、支持されるのは医師評価による発疹の改善(相対危険2.45、95%CI 1.33〜4.53、3試験141例、確実性は中等度)だけである。「発症早期の重症例」「高用量」という限定は原著に無いため外し、試験で用いられた用量に置き換えた。狭帯域UVBはレビューが解析から除外しており結論を出していないため脚注を外した。あわせて妊娠中の転帰(11論文177例で15週より前の発症は不良41%・自然流産27%、15週以降は不良21%・自然流産0例)を、症例集積の偏りに触れたうえで追加した。(出典:Cochrane 2019、Int J Womens Dermatol 2025)
    • トピックPityriasis Rosea同じ Cochrane 2019 の記述が旧文言のまま残っていたため、疾患ノートと同じ内容へ揃えた。あわせて妊娠転帰の数値の食い違い(Drago 2008 の「15週未満発症の62%が流産」と2025年レビューの27%)が、前者は単一施設の流産5人を含む部分集団、後者は11論文177例の統合という母集団の違いによることを原著で確かめ、両方を残して食い違いの正体を本文に書いた。
    • 疾患扁平苔癬口腔扁平苔癬の第一選択の根拠が支持を失っていたため差し替えた。従来引いていた英国皮膚科学会の患者向け冊子は現行版が2023年3月更新で、カルシニューリン阻害薬に一切言及していない。Cochrane 2020(35試験1474例)へ移し、接着基剤の外用ステロイド対偽薬の疼痛消失が相対危険1.91(95%CI 1.08〜3.36、2試験72例)ながら確実性は低いこと、タクロリムスはむしろ疼痛消失で優る可能性があるが確実性は非常に低いことを確実性ごと書いた。あわせて「WHOの2020年改訂分類で口腔潜在的悪性疾患」という帰属を、分類を実際に定めた2021年のWHO口腔癌協力センター合意報告へ移し、悪性転化率を原著どおり展開した(口腔扁平苔癬0.94%、口腔苔癬様病変1.95%、苔癬様粘膜炎異形成6.31%)。(出典:Cochrane 2020、Oral Diseases 2021)
    • トピックLichen Ruber Planus同じ旧出典を同じ用途で引いていたため、疾患ノートと同じ差し替えを行い、確実性の記述を補った。
  5. 2026 09.05

    円形脱毛症のJAK阻害薬の対象年齢が国によって違うのに、コーパス全体が米国の「成人のみ」だけで書かれていた。日本の電子添文を直読して4ノートを是正した。

    • 疾患脱毛症日本ではバリシチニブが成人限定ではないことを明記した。電子添文(2026年7月改訂・第13版)の用法は〈円形脱毛症〉「通常、成人及び12歳以上かつ体重30kg以上の小児にはバリシチニブとして4mgを1日1回経口投与する」で、成人のみに限られるのは米国と欧州である。あわせて適応が「脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る」と限定されること、投与開始時に頭部全体の概ね50%以上の脱毛が過去6ヵ月程度自然再生なく続いている必要があること、36週までに治療反応が無ければ中止を考慮すること、投与前の結核スクリーニングと血球数の定期確認を追記した。米国で2024年に承認された3剤目の経口JAK阻害薬デュルキソリチニブ(CYP2C9低代謝者と中等度・強力なCYP2C9阻害薬併用が禁忌)と、男性型脱毛症のデュタステリドが抜けていたので補った。(出典:オルミエント錠 添付文書、LEQSELVI PI、ザガーロカプセル 電子添文)
    • 薬剤baricitinib適応表の日本の行に円形脱毛症の対象年齢が無く、⭐が「米国は成人のみ」とだけ書いていたため、日本では本剤自身が12歳以上かつ体重30kg以上に使えることを電子添文の用法どおり明記した。適応の限定(広範囲に及ぶ難治例)、投与開始の要件(頭部全体の概ね50%以上・過去6ヵ月程度自然再生なし)、36週での中止考慮も補った。
    • 薬剤ritlecitinib「バリシチニブは成人限定」という地域を伴わない記述と、「12歳以上に承認された唯一の円形脱毛症治療薬」という断定を是正した。日本ではバリシチニブも12歳以上(体重30kg以上)に投与できる。あわせてリットフーロカプセルの電子添文を読んで日本の用法(成人及び12歳以上の小児に50mgを1日1回、体重規定なし)、48週での中止考慮、禁忌9項目を追記した。従来は「妊娠中は避ける」とのみ書かれていた。(出典:リットフーロカプセル50mg 電子添文)
    • 薬剤minoxidil「成人のバリシチニブ、12歳以上のリトレシチニブ」という地域を伴わない書き分けを、日本と米国で分けて書き直した。
  6. 2026 09.05

    遺伝性血管性浮腫を2026年1月公開の国際ガイドライン全文に当てて8点是正し、薬剤ノート2件へ波及させた。急性発作にアンドロゲン誘導体・トラネキサム酸を用いないという強い推奨と、妊娠・授乳中の第一選択が本文に無かった点が重い。

    • 疾患遺伝性血管性浮腫2026年の国際/カナダ版ガイドライン(51項目のGRADE推奨)で次を是正した。①短期予防は静注の血漿由来または遺伝子組換えC1インヒビター製剤が推奨(確実性 Low・強い推奨)で、抗線溶薬は他に治療が入手できない場合に限る——従来は両者を並列に書いていた。②アンドロゲン誘導体とトラネキサム酸は急性発作の治療に用いない(Low・強い推奨)。③妊娠・授乳中は発作時治療も長期予防も血漿由来C1インヒビター製剤が第一選択で、エカランチドは妊娠中に用いず、アンドロゲン誘導体は両方で用いない。④長期予防の第一選択にドニダロルセンが抜けていた(5剤に直接比較試験は無くいずれも第一選択としてよい)。⑤ダナゾールの禁忌・有害事象・監視項目(最小有効量200mg/日以下、6か月ごとの血算・肝酵素・尿検査・AFP・CK・脂質・血圧、年1回の肝超音波)が一言で終わっていた。⑥診断はC1インヒビターの抗原量または機能で行い、C4単独で確定も除外もしてはならない(High・強い推奨)。⑦正常C1インヒビター型の治療が空白だった。⑧発症の最大25%は新規変異によるもので、家族歴陰性は診断除外の根拠にならない。(出典:The International/Canadian hereditary angioedema guideline)
    • 薬剤tranexamic acid遺伝性血管性浮腫を無限定の適応として挙げていたため、「長期予防・短期予防に限り、起きている発作を止める目的では用いない」という区別を追加した(承認適応そのものは消していない)。短期予防での位置づけが「他に治療が入手できない場合に限る」であることも明記した。あわせて英国SmPCと日本の電子添文を読み、承認適応に鼻出血が含まれることを確認して本文へ追加し、局所トラネキサム酸の位置づけを標準処置への上乗せとして書いた。空だった承認適応の欄も添付文書を読んで埋め、長期投与時の定期的な眼科検査を追記した。(出典:Tranexamic Acid 500 mg Tablets SmPC、トランサミン 電子添文)
    • 薬剤danazol遺伝性血管性浮腫の適応が「長期予防」だけで急性期の否定が無かったため是正した。日本の電子添文を読み、禁忌10項目(アンチトロンビンIII・プロテインC・プロテインS等の凝固制御因子の欠損・減少は日本だけが立てている禁忌)と重大な副作用5つ(血栓症・心筋梗塞・劇症肝炎・肝腫瘍/肝臓紫斑病・間質性肺炎)、日本の用法・用量を追加した。ワルファリン相互作用の機序が「肝代謝酵素阻害」と誤っていたのを、電子添文の記載(クマリンレセプター部位への親和性増加とビタミンK依存性因子の産生阻害・異化促進)へ差し替えた。出典に用いていた二次的な薬剤情報サイトを電子添文へ置き換え、米国添付文書の改訂年も2011年から2020年へ是正した。(出典:ボンゾール錠100mg 電子添文)
    • 疾患鼻出血局所トラネキサム酸の位置づけを一次資料3件で決着させた。Cochrane 2018(再出血67%から47%へ、相対危険0.71。ただし局所単独は1試験68例で質が低い)、NoPAC 2021(496例、パッキング必要性43.7%対41.3%で有意差なし。組入れ基準は一次止血法と局所血管収縮薬でも止まらなかった患者に限る)、2026年のメタ解析(18研究2760例、10分止血のオッズ比2.54、早期再出血0.42、浸したガーゼ2.98に対し噴霧0.29と投与法依存)から、標準処置に上乗せする補助手段であり難治例のパッキング回避は支持されていないと結論づけた。あわせて原因薬の記述が薬効群名だけで実薬名を欠いていたのを補った。(出典:Cochrane 2018、NoPAC、Australas Emerg Care 2026)
  7. 2026 09.05

    ムンプス精巣炎を「不妊の原因」としていた記述が、CDCの現行の書き方(不妊との関連は示されておらず精巣萎縮と造精機能低下を来しうる)と食い違っていた。5ノートを是正した。

    • 疾患流行性耳下腺炎精巣炎を「不妊症の原因となりうる」としていた3箇所を、CDCの逐語(不妊との関連は示されていないが精巣萎縮と造精機能低下を来しうる)へ是正した。「不妊にならない」と逆方向へ断定はせず、両側性精巣炎後の造精機能低下が実在する障害であることと予防接種の意義が変わらないことを併記した。あわせて合併症の頻度(罹患した思春期後男性のうち未接種者約30%・接種者約6%、卵巣炎と乳腺炎は1%以下、膵炎・難聴・髄膜炎・脳炎は近年の米国流行で1%未満)、潜伏期(平均16〜18日、範囲12〜25日)、感染性のある期間(耳下腺腫脹の2日前から5日後)を追加した。日本ではムンプスワクチンが定期接種の対象疾病に含まれず任意接種であることと、学校保健安全法施行規則第十九条第二号ニの出席停止基準(腫脹発現後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで。ただし学校医その他の医師が感染のおそれがないと認めたときはこの限りでない)も補った。(出典:CDC Clinical Features of Mumps、厚生労働省 予防接種・ワクチン、学校保健安全法施行規則)
    • 微生物Mumps virus同じ「精巣炎イコール不妊」の記述が表・図・まとめの3箇所に残っていたため、疾患ノートと同じ書き方へ揃え、頻度を補った。
    • トピックParamyxoviruses: Mumps-, Morbillivirus同じ記述が合併症表・図・まとめに残っていたため是正し、膵炎・髄膜炎の頻度を補った。
    • トピックInflammatory lesions of the testis and epididymis. Cryptorchidism and testicular atrophy「萎縮+不妊」を「萎縮+造精機能低下」へ是正した。あわせて頻度「成人男性の15〜40%」の下限15%が引用元の全文に存在しない数値だったため、原著の「若年成人男性のムンプス症例の最大40%」と、接種歴で層別したCDCの「未接種約30%・接種約6%」を母集団ごとに書き分けた。
    • 疾患精巣上体炎・精巣炎合併症欄の「不妊」を、細菌性の精管・精巣上体の瘢痕化による閉塞性男性不妊(これは実在する)と、ムンプス精巣炎(不妊との関連は示されず精巣萎縮と造精機能低下)とに書き分けた。
  8. 2026 09.05

    狂犬病免疫グロブリンの投与可能期間と住血吸虫症の治療薬が、いずれも治療機会を失う向きに書かれていた。WHOの原文に当てて感染症の6ノートを是正した。

    • 疾患狂犬病狂犬病免疫グロブリンを「ワクチン初回接種と同日(day 0)に投与する」としていた記述を是正した。WHOの原文は「1回のみ、曝露後予防の開始後できるだけ早く、ワクチン初回接種から7日を超えない」で、day 0 を過ぎたら投与できないと読める書き方は治療機会を失う方向に倒れる。最大用量(ヒト由来20 IU/kg、ウマ由来40 IU/kg、最小用量の規定はない)を明記し、残量を「破棄する」という原文に無い選択肢を削除した(原文は無菌的に小分けして他の患者に用いてよい)。創部洗浄が曝露後予防の第一段階であること(石けんまたは洗剤と大量の流水で約15分間、続けてヨード等のウイルス殺滅外用薬)、既往接種者の1回受診法、Zagreb法、曝露前予防の2回接種、曝露後予防完遂後3か月以内の再曝露は創部処置のみでよいことを補った。モノクローナル抗体の記述に付いていた脚注は、そのPDF本文に該当語が1回も現れないためファクトシートへ付け替え、主張も創部に投与するものとして並べて挙げられている、という範囲まで後退させた。(出典:WHO position on rabies vaccines and immunoglobulins, April 2018、WHO Rabies fact sheet)
    • 微生物Rabies virus同じ「day 0 に投与」「残量は破棄」という記述と、モノクローナル抗体の誤帰属が残っていたため是正し、創部洗浄の時間と手技を補った。
    • 薬剤rabies immunoglobulin同じ投与時期の記述を是正し、モノクローナル抗体の脚注を付け替えた。米国添付文書の改訂年が本文の改訂表示(2021年5月)と食い違っていたため是正した。
    • トピックRhabdoviruses残量の「廃棄」という原文に無い選択肢を削除し、創部洗浄の15分と免疫グロブリンの投与時期・最大用量を補った。
    • 疾患住血吸虫症治療薬の欄が空のままだったのを解消し、プラジカンテルの用量を資料ごとに書き分けた。米国添付文書は菌種を分けず20 mg/kgを4〜6時間あけて1日3回・1日のみとし、WHOの集団投与は単回である(推奨文にmg/kgの記載は無く、根拠の節で歴史的に40〜60 mg/kgの単回年1回だったこと、現在は身長から体重を推定する用量ポールで決めることが述べられている)。集団投与の条件を「年1回以上」から原文どおり「有病率10%以上、年1回、治療カバー率75%以上、2歳以上の全年齢層」へ是正した。書かれていなかった禁忌(過敏症、眼嚢虫症、リファンピシン等の強力なCYP3A誘導薬との併用)、性器住血吸虫症、急性期に虫卵が出ないこと、S. haematobium の尿管線維化から閉塞性腎症に至る機序を追加した。(出典:WHO guideline on control and elimination of human schistosomiasis、BILTRICIDE PI)
    • 薬剤praziquantel集団投与の頻度を「年1回以上」から「年1回」へ是正し、住血吸虫症の用量を米国添付文書・WHO・二次資料の3者で書き分けた。日本の電子添文を読み、日本では住血吸虫症が承認適応でないこと(承認は肝吸虫症・肺吸虫症・横川吸虫症)と、禁忌の②が米国と食い違うこと(米国は眼嚢虫症のみ禁忌で神経嚢虫症は警告、日本は有鉤囊虫症そのものが禁忌)を書き分けた。リファンピシン併用で血中濃度が約100%低下することも追記した。(出典:ビルトリシド錠600mg 電子添文)
  9. 2026 09.05

    パーキンソン病の診断基準の数え方が緩い方向に壊れていたのを是正した。支持所見を6項目として「2つ以上で臨床的確実」と書いていたが、MDS 2015 原著の支持所見は4項目で、6項目は後年のレビューが集計のために分解した単位である。

    • 疾患パーキンソン病MDS 2015 診断基準の支持所見を原著どおり4項目に戻した。「レボドパへの劇的な反応」と「増量での改善・減量での悪化」は原著では同一項目の本条件と代替判定、「嗅覚低下」と「MIBGによる心臓交感神経脱神経」は『特異度80%超の補助検査が1つ以上陽性』という同一項目の例示である。6項目のまま『支持所見2つ以上で臨床的確実』を当てはめると、実質1つしか満たさない患者を高い確実性へ繰り上げてしまう。確実性レベルの定義と支持所見の脚注も、集計レビューではなく原著へ付け替えた。(出典:MDS Clinical Diagnostic Criteria for Parkinson's Disease)
    • 疾患パーキンソン病LEAP試験の記述を試験デザインごと書き直し、レボドパ/カルビドパ300/75 mg/日という用量、比較しているのが開始時期の40週の差であること、5年時点の数値(平方根変換総UPDRSの推定差0.24、標準誤差0.13、P=0.07/ジスキネジア46/160対62/161、P=0.06)を明記した。従来は「有意差なし」とだけあり、用量・組入れ・比較の射程が読者に見えなかった。あわせて中枢D2遮断薬で悪化させないこと、レボドパ・ドパミン作動薬の急な中止が悪性症候群と同じ病態を起こすことを追加した。(出典:LEAP 5-year follow-up)
    • 疾患流行性耳下腺炎ムンプス難聴の頻度を国内の査読済み実測値で書けるようにした。健保レセプト解析ではムンプス患者1万人あたり15.0人(95%CI 12.2〜18.2、668人に1人)で、16〜64歳が0〜15歳の8.4倍。全国調査では335例中320例(95.5%)が一側性で、一側例の91%が高度以上だった。資料間で頻度が桁違いに見えるのは、罹患者を分母に取るレセプト解析と分母を持たない全国調査を混同しているためである。あわせて難聴を無菌性髄膜炎の合併症として入れ子にしていた無出典の機序帰属を、疾患ノートと微生物ノートの両方で解いた。(出典:J Epidemiol 2022、日耳鼻会報 2018)
    • 微生物Mumps virus難聴を髄膜炎の合併症として書いていた同じ記述を、疾患ノートと同じ内容へ揃えた。
    • 疾患遺伝性血管性浮腫薬剤誘因の扱いと小児の推奨を追加した。ACE阻害薬・エストロゲン含有製剤・DPP-4阻害薬・ネプリライシン阻害薬は中止・回避すべき誘因であると同時に、これらの薬剤歴があることは遺伝性血管性浮腫の診断を否定しない(むしろ顕在化させうる)。従来この但し書きが無く、薬剤歴を理由に検査を控える読み方ができた。エカランチドだけは投与の5%に過敏反応がありアナフィラキシー対応可能な場所で医療者が投与すべき薬で、他のオンデマンド薬と並列に書くと自己注射できるように読める点も是正した。発作の自然経過(未治療で2〜5日、レジストリ実測では中央値48時間)と喉頭浮腫の時間スケール(窒息死した6例で20分〜14時間)に出典を付けた。(出典:国際/カナダ版HAEガイドライン、PLoS ONE 2013、Mayo Clin Proc 2000)
  10. 2026 09.05

    疥癬・尋常性痤瘡・脱毛症で、日本の承認状況と推奨度が抜けていた箇所を電子添文と国内ガイドラインで埋めた。バリシチニブの「男性60歳以下・女性70歳以下」が投与要件だという記述は誤りで、臨床試験の選択基準だった。

    • 疾患脱毛症円形脱毛症でバリシチニブに上限年齢(男性60歳以下・女性70歳以下)が課されるという記述を是正した。この数字は国際共同第II/III相試験BRAVE-AA1・AA2の主な選択基準であって投与要件ではない。日本皮膚科学会の安全使用マニュアル(2026年改訂版)が定める投与対象は①確定診断②成人および12歳以上かつ体重30kg以上の小児③頭部の概ね50%以上の脱毛④罹病期間6か月程度以上の4点で、上限年齢の規定は無く、電子添文も高齢者は慎重投与とするにとどまる。試験の組入れ基準を投与要件と取り違えると、高齢の患者から適応のある治療を不当に外すことになる。あわせて日本の施設要件(届け出、SALTスコア算出・抜毛テスト・トリコスコピーに習熟した治療責任者)とリトレシチニブの国内用法(12歳以上、体重規定なし)を追加した。(出典:安全使用マニュアル バリシチニブ 2026年改訂版)
    • 薬剤baricitinib同じ年齢の取り違えが薬剤ノート側にもあったため、疾患ノートと同じ内容へ揃え、日本の施設要件を追記した。
    • トピックAlopecia - Clinical Forms and Treatment米国の承認年齢しか書かれていなかったため、日本の用法(バリシチニブ=成人および12歳以上かつ体重30kg以上、リトレシチニブ=成人および12歳以上で体重規定なし)、適応の限定、中止考慮の時期(36週・48週)、およびデュタステリド・フィナステリドの国内用法を電子添文で確認して追加した。
    • 薬剤dutasteride承認適応に男性型脱毛症が入っていなかったのを電子添文で確認して追加した。日本ではアボルブ(前立腺肥大症、0.5 mg)とザガーロ(男性における男性型脱毛症、0.1 mg。必要に応じて0.5 mg)が別製品・別の電子添文で、後者の効能を反映していなかった。あわせて『男性型脱毛症の適応は日本のみ』という根拠のない断定を3箇所で外した(確認できているのは英国SmPC・米国添付文書に脱毛症の適応が無いことだけで、他国は調べていない)。フィナステリドの比較欄に前立腺肥大症用PROSCARの添付文書が付いていた脚注の射程超えも、PROPECIAの日米ラベルへ付け替えて是正した。(出典:ザガーロ電子添文)
    • 薬剤finasteride同型の欠落(本文で男性型脱毛症を詳述しながら承認適応が前立腺肥大症のみ)を、日米の添付文書に基づいて是正した。
    • 疾患疥癬日本で疥癬に承認されている外用薬はペルメトリンではなくフェノトリン5%ローションであること、日本皮膚科学会の患者別推奨度(体重15kg以上はフェノトリン外用・イベルメクチン内服がともにA、15kg未満・乳児・妊婦・授乳婦にはAの選択肢が無い)を追加した。あわせて英国BASHH 2025を全文で確認し、通常疥癬の第一選択がペルメトリン外用と経口イベルメクチンの2本立てで有効性が同等であること(従来は経口を代替に落としていた)、2回目の間隔が資料間で7日・14日と違って見えるのは BASHH が7〜14日としているためであることを整理した。妊娠中の経口イベルメクチンをBASHHが推奨しない理由が『安全性の不確実性』と『外用より優れる根拠が無い』の2点であって危険性が示されたのではないことも明記した。授乳の扱いは2018年のガイドライン(1週間中止)と2023年改訂の電子添文(継続・中止を検討)で食い違うため、新しいのは電子添文の側であることを書いた。(出典:BASHH 2025、疥癬診療ガイドライン第3版追補、スミスリンローション5%電子添文)
    • 薬剤permethrin用法をCDCの記述を無条件の標準として書いていたのを、資料ごとに書き分ける形へ是正した。日本では疥癬にペルメトリンではなくフェノトリンを用いる点も追記した。ヒゼンダニのペルメトリン耐性について、同一ノート内でkdr関連変異M918Lの検出(2023年)とBASHHの『治療失敗例で変異が出現した確認された証拠は無い』が『ただし』で繋がれ正反対に読めていたため、BASHHが引く耐性関連文献が2000〜2010年のもので2023年の報告を含まないことを書いて並置した。
    • トピックScabiesフェノトリンの国内用法と日本皮膚科学会の患者別推奨度を追加し、国内の承認用法が頸部以下であるため頭頸部に病変がある乳幼児・高齢者では承認範囲を超える塗布になる点を明記した。
    • 疾患尋常性痤瘡日本のガイドライン(尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023)の全文を確認し、AADと結論が割れる点を対比表として追加した。経口イソトレチノインは国内に承認製剤が無く、ガイドラインは未承認薬を推奨の対象から外したうえで嚢腫に嚢腫内ステロイド局所注射を推奨する。配合経口避妊薬とスピロノラクトンはいずれもC2(推奨しない)。あわせてアクネ研究会の重症度基準(片顔の炎症性皮疹が5個以下=軽症、6〜20個=中等症、21〜50個=重症、51個以上=最重症)と丘疹・結節の境(直径5mm)を追加した。日本皮膚科学会が(痤瘡)瘢痕の定義に色素沈着を含めているため、『炎症後色素沈着を瘢痕と説明しない』という従来の注意書きは用語法の衝突を招く形になっており、両方の用語法を示す形へ直した。(出典:尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023)