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  1. 2026 09.05

    統合失調症ノートが鑑別疾患に挙げる6疾患は、相手ノート側が統合失調症に一言も触れていなかった。逆参照だけが表示される状態を、各ノートに出典つきの鑑別点を書いて解消した。

    • 疾患気分障害(うつ病・双極性障害)精神病症状を伴う気分障害と統合失調症・統合失調感情症の境界(精神病症状が気分エピソード内に限られるか、気分症状のない時期に2週間以上あるか、気分エピソードが総期間の大半を占めるか、統合失調症だけが前駆期・残遺期込みで6か月を要すること)を鑑別表に追加した。(出典:StatPearls: Schizoaffective Disorder)
    • 疾患精神作用物質使用症(アルコール以外)物質誘発性の精神病症状と原発性の精神病性障害の切り分けを新設した。DSM-5が定めるのは発現時期(中毒・離脱の最中またはその1か月以内)であって断薬後の持続期間の閾値ではないこと、物質誘発性精神病から統合失調症への移行が約25%(95%CI 18〜35%、25研究・34,244人、平均追跡4.0年)で大麻34%・幻覚薬26%・アンフェタミン22%と物質により差があることを追加した。(出典:Fiorentini 2021、Murrie 2020)
    • 疾患てんかんてんかんに伴う精神病の節を新設した。有病率5.6%(95%CI 4.8〜6.4)、対照に対するオッズ比7.8、側頭葉てんかん7%、発作間欠期精神病5.2%、発作後精神病2%と、両病型の定義(発作間欠期=てんかんが無ければ統合失調症の基準を満たす、発作後=発作直後から1週間以内に出現し24時間〜3か月持続)を追加した。(出典:Clancy 2014)
    • 疾患自己免疫性脳炎精神症状が初発症状となる割合(60%)、3分の1が最初に精神科病棟へ入院すること、抗NMDA受容体抗体陽性例は全例が行動変化・幻覚・記憶障害・緊張病・妄想のいずれかを示すこと、およびレッドフラグ/イエローフラグの全項目を追加した。⚠️ 診断遅延について「警告サインで58%短縮しえた」と「483日から74日へ」を因果でつないでいたが、原著では前者は2013〜2016年群の74日から31日への仮想的短縮、後者は精神科で最初に診療された35例を暦年で二分した比較(著者は疾患認知度の向上によるとする)で、別のことを述べている。(出典:Herken & Prüss 2017)
    • 疾患自殺と自傷行為統合失調症の自殺リスクを追加した。長く引用されてきた生涯自殺死亡率「約10%」(1977年の総説)は過大評価で約5%が実態に近いと系統的レビューが結論していること、危険因子(若年・男性・高学歴・過去の企図回数・抑うつ症状・活発な幻覚妄想・病識が保たれていること)、一貫した保護因子は有効な治療の提供と継続だけであることを示した。(出典:Hor & Taylor 2010)
    • 疾患統合失調症鑑別表でせん妄・てんかん・自己免疫性脳炎が「示唆する所見」として一括され鑑別点が書かれていなかったため、意識と注意の障害・日内変動(せん妄)、発作性で常同的な症状と脳波異常(てんかん)、3か月未満の亜急性進行(自己免疫性脳炎)に書き分け、抗NMDA受容体脳炎の probable 基準(6群中4群以上が3か月未満に出現+脳波異常または髄液細胞増多/オリゴクローナルバンド+他疾患の合理的除外)を追加した。あわせて「クロザピンという例外を除けば有効性の平均的な差は薬剤間で大きくない」という全薬剤間の等価性に読める記述を、裏づけのある「第一世代と第二世代の平均的な差は大きくない」へ限定した。(出典:Graus 201600401-9))
  2. 2026 09.05

    眼科3ノートで、出典が支えていない数値・出典と正反対の断定・欧州の承認状況の一般化を是正し、AAOのAMD診療パターンが2026年更新版へ差し替わっていたのを反映した。

    • 疾患加齢黄斑変性萎縮型と滲出型の頻度を「約80%:約20%」と並べていたが、AAOの診療パターンにあるのは「患者の約80%が非滲出型」と「重度視力低下の約90%は滲出型による」の2文だけで、滲出型の有病割合そのものの数値は全文に存在しない。80%からの補数であることが分かる書き方へ改めた。⚠️ また補体阻害薬2剤を「欧州では承認されていない」と一般化していたが、根拠があるのは片方だけだったため、ペグセタコプラン(Syfovre)は2024年9月19日の再審査で承認拒否が確定、アバシンカプタドペゴル(欧州申請名Izelvay)は2024年10月24日に企業が申請を取り下げ、と書き分けた。地図状萎縮に対する補体阻害薬が視力を改善しない旨に、アバシンカプタドペゴルのpost hoc解析では持続的な視力喪失への進行が遅くなる可能性が示唆されているという原文の但し書きを補った。抗VEGFの投与レジメン(アフリベルセプト2 mgの4週×3負荷→8週維持が1年目に4週投与と同等、固定・PRN・treat-and-extend等に理想的間隔のコンセンサスは無い、CATTの視力改善は5年時点で維持されず20/40を保ったのは50%)の節を新設した。あわせて出典が「2024年版・2026年更新」へ差し替わっていたため、新旧PDFの全文差分で変更点を確認したうえでURLを更新し、新設された家庭用OCT(SCANLY Home OCT、2024年5月にde novo経路でFDA市販許可)の記述を追加した。(出典:AAO Age-Related Macular Degeneration PPP (2024, Updated 2026)、EMA: Syfovre refusal、EMA: Izelvay withdrawal)
    • 疾患急性網膜壊死「HSV-2は新生児期の初感染から数十年後に発症しうる」と書いていたが、脚注の出典の全文に該当する記述は無く(decadeは0回)、あるのは11例12眼の症例集積が「HSV-2によるARNは初感染ではなく再活性化かもしれない」と示唆したという記述だった。潜伏期間の主張を落とし、症例集積の規模と誘因(眼周囲外傷・脳神経外科手術・高用量ステロイド)ごと書き直した。⚠️ また「全身抗ウイルス薬は発症眼の網膜剥離を減らさない」と3箇所で断定していたが、同じノートが引く2024年の総説は全身+硝子体内併用を「重症度・視力喪失リスク・網膜剥離の発生率を下げる」目的で第一選択に置いており、同一ノート内で出典と正面から矛盾していた。否定を消すのではなく資料ごとに書き分け、どちらも対照群のない後ろ向きの根拠である旨を添えた。第一選択の記述が静注アシクロビルで止まっていたのを、経口バラシクロビルで同等の血漿中濃度が得られるという評価に基づいて改めた。(出典:StatPearls: Acute Retinal Necrosis、Eye 2024 総説、AAO Ophthalmic Technology Assessment)
    • 疾患隅角後退緑内障隅角後退のある患者が緑内障を発症する割合(7〜9%)に「総説は観察期間を明示していない」という注記が付いていたが、総説のDiscussionは during their lifetime と明記しており注記自体が誤りだったため「生涯にわたる累積」へ是正した。一方、穿孔性眼外傷の2.67%には期間の記載が無く(全文で1箇所のみ)、非穿孔性の3.39%だけが6か月の値であるため、両者を並べて差を定量化して読まないよう注記した。(出典:Iannucci 2023、Girkin 2005)
  3. 2026 09.05

    中脳水道狭窄・根尖性歯周炎・アンドロゲン産生腫瘍・自律神経過反射で、出典の局在・場合分け・母集団が落ちていた箇所を是正した。

    • 疾患中脳水道狭窄Parinaud症候群を「視蓋(上丘)の圧迫」で説明していたが、中脳背側症候群が局在するのは後交連である。上方向きの信号だけが後交連を経由するのに対し下向きは同側直接下行路も持つという非対称を機序として追加し、⚠️「対光近見解離」が「対光反射消失」と読める書き方だったのを、対光反射が減弱しても近見反応は保たれる点を明示する形へ改めた。⚠️ またLOVAコホートについて「ETV群の合併症率がシャント群より有意に低い(4.8%対42.9%)」だけを書いていたが、同じ抄録にある「臨床的改善率は82.1%対85.7%、p=0.812で有意差なし」が落ちていたため両方を示し、シャント群が7例のみの後ろ向き単施設コホートである点を添えた。ETV Success Scoreの配点表(年齢0/10/30/40/50、原因0/20/30、シャント既往0/10、最高90点)も追加した。(出典:Saab 2025、StatPearls: Parinaud Syndrome、LOVAコホート、Kulkarni 2009)
    • 疾患根尖性歯周炎「口腔レンサ球菌の菌血症が心臓弁に定着」とだけ書かれ、感染性心内膜炎の予防投与の枠組みが丸ごと欠けていたため、読者が「歯科処置前には抗菌薬を」と補完しうる状態だった。米国心臓協会が2007年に対象を最高リスク群4カテゴリーへ絞り込み2021年声明でも変更していないこと、対象手技が歯肉組織・歯根尖部の操作および口腔粘膜穿孔を伴う処置に限られること、絞られた理由(有害反応のリスクが利益を上回るという評価、耐性菌への懸念、予防投与が心内膜炎を防ぐかのデータが一致していないこと)を追加し、⭐主たる予防策は口腔衛生と定期的な歯科受診であることを明記した。原因菌もviridans群レンサ球菌による亜急性型として書き直した。⚠️ 2021年声明で外れたクリンダマイシンは「予防投与」の代替薬であって歯性感染の治療推奨ではない旨も添えた。(出典:AHA 2021 科学的声明、ADA: Antibiotic Prophylaxis Prior to Dental Procedures)
    • 疾患アンドロゲン産生腫瘍非古典型先天性副腎過形成のスクリーニング閾値を基礎17-ヒドロキシプロゲステロン「10 nmol/L超」としていたが、同じガイドラインには用途の異なる3つの数値(基礎5〜7 nmol/L超でACTH負荷試験へ進む警戒閾値、基礎で典型的に10 nmol/L超という診断の目印、負荷後30 nmol/L超で診断的)があるため表で書き分け、落ちていた採血条件(早朝・卵胞期早期)を補った。⚠️ 卵巣腫瘍の手術方針を「両側付属器切除が標準」と平坦化していたが、原文は閉経後でGnRHアナログ後に抑制される例(明らかな片側病変が無ければ両側卵巣摘出)と、閉経前で画像上片側病変を同定できない例(静脈サンプリングを検討し、側方性が示せれば妊孕性を温存する片側卵巣摘出)で書き分けている。またMRIの78%/100%は卵巣腫瘍の同定、83%/80%は卵巣腫瘍と卵巣過剰莢膜症の鑑別についての数値で、問いが違うことを明示した。DHEA-Sが副腎マーカーになる理由を「卵巣は副腎前駆体を作らないから」としていたのは誤りで(同ガイドラインは卵巣静脈でアンドロステンジオンの濃度勾配を確認したと述べる)、硫酸抱合の場が副腎に限られるためと是正した。(出典:Society for Endocrinology: Androgen excess in women)
    • 疾患自律神経過反射「完全損傷では不全損傷よりおよそ3倍多い(91%対27%)」という数値を原典(JNNP 1997)まで遡ったところ、対象は四肢麻痺22例のみで対麻痺例は0%、値は尿流動態検査中に徴候が出た割合であって生涯発生率でも脊髄損傷全体の値でもなく、「約3倍」も原文の表現ではなかった。数値は残しつつ射程を明示し、本来の頻度としてT6以上の脊髄損傷で20〜70%(頸髄・上位胸髄で90%超)を置いた。⚠️ 舌下ニフェジピンがガイドラインで明確に非推奨とされている点(吸収が不安定で、丸ごと嚥下する場合と生物学的利用能に大差がないため)、ホスホジエステラーゼ5阻害薬服用中の硝酸薬の時間窓(シルデナフィル・バルデナフィルは24時間以内、タダラフィルは48時間以内は投与しない)、および落ちていたカプトプリルを含む薬剤ごとの用量・発現・作用時間の表を追加した。T6が境目になる機序(大内臓神経がT5〜T9由来で体内最大の血液プールである内臓循環を調節し、T10以下では代償性の副交感性拡張が働く)も補った。(出典:Curt 1997、PVA/CSCM 2020 臨床診療ガイドライン、StatPearls: Autonomic Dysreflexia)
  4. 2026 09.05

    アフリカ睡眠病とヒ素中毒で、規制上の位置づけと薬の禁忌・用量が抜けていた箇所を一次資料で埋めた。

    • 疾患アフリカ睡眠病アコジアボロールのEMA審査報告書(全文196ページ)に当たり、CHMPが2026年2月24日に採択した適応が「12歳以上かつ体重40 kg以上、髄液白血球100/µL以上の重症第2期を含む」であること、この重症第2期がWHO 2024分類との不一致が処方者の誤解を招くとして審査の過程で加えられたことを追記した。主要試験の組入れは15歳以上で、12〜14歳は外挿である点も明示した。⚠️ 安全性が丸ごと欠落していたため、CYP3A4・CYP2C・UGT・P糖蛋白の強力な誘導とCYP2D6の強力な阻害(抗マラリア薬・ホルモン避妊薬に及ぶ)、ほぼ全例で生じるQT間隔の「短縮」、妊娠・授乳のヒトデータがほぼ無いことを加えた。あわせてフェキシニダゾールの実際の用量(35 kg以上は負荷期1800 mg×4日→維持期1200 mg×6日、20〜34 kgは1200 mg→600 mg)、飲み落とし・嘔吐時の規則(服用から2時間が境目)、rhodesiense型の妊婦への推奨を追記した。(出典:EMA/CHMP 審査報告書、WHO 2024 HAT治療ガイドライン)
    • 疾患ヒ素中毒米国ではサクシマーの承認適応が「血中鉛45 µg/dL超の1歳以上の小児における鉛中毒」だけで、ヒ素中毒は適応外であること、ヒ素中毒そのものに承認されているのはジメルカプロールであることを添付文書で確認して明記した(2026年9月時点)。DMPSが米国で未承認である旨にも時点を付けた。⚠️ キレート薬の禁忌・副作用が一切書かれていなかったため節を新設し、ジメルカプロールは深部筋注のみ・基剤がピーナッツ油・後ヒ素性黄疸を除く肝機能不全でほぼ禁忌・鉄/カドミウム/セレン中毒には使ってはならない(錯体が金属単独より腎毒性が強い)・尿のアルカリ化が腎保護になること、サクシマーは好中球数1200/µL未満または肝逸脱酵素が基準上限の5倍超で中断すること、胚・胎児毒性があることを加えた。(出典:DailyMed: BAL in Oil、DailyMed: CHEMET)
    • 薬剤dimercaprol用法・用量を「重症度に応じ2.5〜5 mg/kgを4〜6時間間隔で反復筋注」と1つの幅にまとめていたが、米国添付文書は原因金属ごとに別のレジメンを定めている。金属別の表に書き直し、⚠️ 5 mg/kgは水銀中毒の初回量であってヒ素中毒の用量ではないこと(ヒ素の上限は重症例の3 mg/kg)を明示した。(出典:DailyMed: BAL in Oil)
    • トピックTrypanosoma bruceiアコジアボロールの「2026年2月にCHMPが肯定的意見を採択」という記述に2025年の総説の脚注が掛かっており、出典が2026年の出来事を支えられない状態だった。EMAの審査報告書へ付け替え、適応が12歳以上・40 kg以上で重症第2期を含むこと(フェキシニダゾールが重症第2期に推奨されないのと対照的であること)を加えた。(出典:EMA/CHMP 審査報告書)
  5. 2026 09.05

    毛細血管拡張性運動失調症と無脾症で、ワクチンの価数・保因者の扱い・診断マーカーの制約を国別の一次資料で書き分けた。

    • 疾患毛細血管拡張性運動失調症肺炎球菌ワクチンを「13価結合型・23価莢膜多糖体」とだけ書いていた箇所を、①A-T固有の推奨(不活化なら安全、肺炎球菌とインフルエンザは全例に)と②製剤の価数(国と時期で動く)に書き分けた。GeneReviews は2025年12月改訂版でも13価と書いているが、日本は2024年10月以降の小児で原則PCV20(PCV15も可)、米国CDCは基礎疾患のある成人にPCV15・PCV20・PCV21である。⚠️ 重度免疫不全のA-T患者では肉芽腫のリスクから風疹ワクチンを避けること、血清AFPは2歳頃まで誰でも高値で診断マーカーにならないこと(失調の発症時期と重なる)、予後を決めるのが悪性腫瘍・肺疾患・感染であることを追記した。ATM保因者については、通常線量の放射線治療は禁忌ではなく、乳癌検診は原則40歳からの毎年マンモグラフィ(c.7271T>G は25歳から強化検診)であることを明記し、患者本人の放射線感受性を保因者に当てはめないよう注意を加えた。(出典:GeneReviews: Ataxia-Telangiectasia、厚生労働省 子どもの肺炎球菌ワクチン、CDC Pneumococcal Vaccination: Adults)
    • 疾患無脾症・脾機能低下症ワクチンの推奨が米国CDCのみに依拠していたため、日本の一次資料に当たって書き分けた。日本の定期接種は高齢者肺炎球菌が「65歳」と「60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器またはHIVによる免疫機能障害」に限られ、無脾症・脾摘後は対象要件に挙がっていない。髄膜炎菌ワクチンは定期接種の対象疾病表に無く任意接種である。⚠️ その結果、日本では脾摘後の患者に必要なワクチンの多くが定期接種の枠外に落ちる。あわせて高齢者の定期接種ワクチンが令和8年度(2026年度)からPPSV23よりPCV20へ変更されたことを追記した。米国側については、CDCスケジュールの無脾症の列に髄膜炎菌ACWYとBが別々に載っており、ACWYだけでは血清群Bに穴が残ることを明記した。(出典:厚生労働省 予防接種・ワクチン、厚生労働省 高齢者の肺炎球菌ワクチン、CDC Adult Immunization Schedule by Medical Condition)
    • トピックStreptococcus pneumoniae, oral streptococci and cariogenesis. Anaerobic cocciまとめが「ワクチンは成人用23価多糖体と小児用13価蛋白結合型」と固定した対応で書かれており、同じファイルの本文にある「結合型の価数は13価で止まっていない(PCV15・PCV20へ)」という注意と矛盾していた。免疫応答の違い(多糖体=IgM、T細胞非依存性で免疫記憶を残さない/結合型=IgG)を残したまま、価数の対応が固定ではなく国ごとに違うことをまとめにも反映した。
  6. 2026 09.05

    不整脈原性心筋症の診断基準を2023年の欧州Task Force基準まで更新し、Aicardi-Goutières症候群の頻度表から抜けていた原因遺伝子を補った。

    • 疾患不整脈原性心筋症診断基準をPadua基準(2020)で止めていたが、2023年に欧州の専門家Task ForceがPadua基準を洗練した基準を発表している。比較表を3列へ拡張し、新基準が遅延造影による心筋瘢痕の組織性状評価を中核に据えて遺伝性・後天性フェノコピーを問わず右室型・両室型・左室型を特徴づけること、瘢痕を伴わない他の心筋疾患を除外する設計であること、瘢痕のリング状パターンが左室優位型(ALVC)の診断的特徴として明示されたことを追記した。⚠️ 2010年修正Task Force基準は捨てられたのではなく、ARVCの診断には良好な精度を示す一方で拡張した表現型スペクトラムを拾う感度に欠ける、という位置づけである。あわせてICDの一次予防適応がリスク層別化の中身を欠いていたため、7因子(男性・年齢・6か月以内の心原性失神・非持続性心室頻拍・24時間PVC数・T波陰転の誘導数・右室駆出率。左室駆出率は除外)から心室性不整脈リスクを推定する予測モデル(528例、楽観補正後C統計量0.77)を追加し、登録時に持続性心室性不整脈・心停止の既往が無い集団のモデルであって二次予防例には適用できないことを明記した。電気ストームの定義も「24時間以内に3回以上の持続性心室頻拍/心室細動またはICDの適切作動」へ精密化した。(出典:European Task Force consensus report、Cadrin-Tourigny 2022(撤回・再出版後の有効版))
    • 疾患Aicardi-Goutières症候群原因遺伝子の頻度表がGeneReviewsのTable 1にある7行のうち RNASEH2A(5%)の1行を落としており、本文が「RNASEH2Aを加えた7遺伝子」と書きながら表は6行という同一ファイル内の矛盾になっていた。行を補い、あわせてこの頻度が7遺伝子を分母とした内訳であって、LSM11・RNU7-1 を含む9遺伝子を分母にした値ではないことを注記した。(出典:GeneReviews: Aicardi-Goutières Syndrome)
    • トピックCardiomyopathiesARVCの診断基準をPadua基準(2020)を最新として書いていたため、2023年の欧州Task Force基準の追記を本文とまとめの両方に反映した。(出典:European Task Force consensus report)
  7. 2026 09.05

    普通感冒と糖尿病性自律神経障害で、試験の組入れ集団・規制の現況・スクリーニングの起点が落ちていた箇所を是正した。

    • 疾患普通感冒経口フェニレフリンをOTCモノグラフから除外するFDAの措置について、2026年9月時点でも改正案(proposed order OTC000036)のままで最終化されていないこと、意見公募が2025年5月7日に締め切られていること、モノグラフM012の記載自体は未変更であることを確認して追記した。⚠️ 根拠となった2015年の試験を「成人539例」とだけ書いており普通感冒の患者を組み入れた試験のように読めたため、対象が季節性アレルギー性鼻炎の患者であること、用量が10・20・30・40 mgの1日4回7日間の第2相試験であることを明記した。ACP/CDCの抗菌薬推奨についても、原著が対象を「慢性肺疾患も免疫抑制状態も無い健常成人」に限っている点が落ちていたため補った。2歳未満での市販感冒薬の禁止は、FDAの原文が「うっ血除去薬または抗ヒスタミン薬を含有する製品」に限っているのに対しまとめが「いかなる種類も」と成分の限定を落としていたため、全体像・本文・まとめの3箇所を統一した。(出典:Federal Register FR-2024-11-08、OTC Monographs@FDA OTC000036、Harris 2016、FDA: Use Caution When Giving Cough and Cold Products to Kids)
    • 疾患糖尿病性自律神経障害自律神経障害のスクリーニング開始時期を「1型糖尿病では発症から5年後」と書いていたが、ADA Standards of Care 2026 の推奨12.19は「1型糖尿病の診断から5年後」である。起点を診断へ是正し、あわせて12.19が心血管自律神経障害だけでなく自律神経障害の症状・徴候全体を対象とすること、他の細小血管合併症(とくに腎疾患と糖尿病性末梢神経障害)がある患者でも評価することを補った。⚠️ 無痛性心筋虚血について「リスクがおよそ2倍に上昇する」と因果的に書いていたが、出典のプールリスク比1.96(95%CI 1.53–2.51、1,468例)は有病率どうしを比べた関連の指標であるため、関連として書き直した。④として起立性低血圧の治療目標が正常血圧化ではなく起立時症状の最小化であること、仰臥位高血圧そのものが管理対象であること、ミドドリンは仰臥位高血圧を避けるため起立・座位でいる時間帯に限って用い漸増すること、ドロキシドパが神経原性起立性低血圧にFDA承認だが糖尿病による起立性低血圧に特化した承認ではないことを追記した。(出典:ADA Standards of Care 2026 第12章、ADA 2017 Diabetic Neuropathy Position Statement、Eleftheriadou 2024)
    • 疾患糖尿病性腎症アルブミン尿スクリーニングの開始時期を「1型糖尿病は発症5年後から」と書いていたが、ADA Standards of Care 2026 の推奨11.1aは「罹病期間5年以上」で、同章は起点を「1型糖尿病の診断から」と記述している。同じノート内の腎生検の項が既に「罹病期間5年未満」と正しく書いており、ファイル内で起点が割れていた。(出典:ADA Standards of Care 2026 第11章)
    • トピックMicrovascular and macrovascular complications of diabetes mellitus同じくアルブミン尿スクリーニングの起点を「1型は発症5年後」から「罹病期間5年以上(診断から5年)」へ是正した。(出典:ADA Standards of Care 2026 第11章)
  8. 2026 09.05

    髄液漏の診断・治療を2023年の多職種合意ガイドラインへ更新し、慢性骨髄単球性白血病に現行の病型分類で行われた第III相試験を加えた。

    • 疾患髄液漏自発性低髄液圧症候群の診断が腰椎穿刺(髄液初圧60 mmH2O未満)を起点に書かれていたが、2023年の多職種合意ガイドラインは診断確定だけを目的とした腰椎穿刺を routine には行わないとし、造影頭部MRIと全脊髄MRIを第一選択に置いている。古典的基準は残したまま現行の推奨と典型MRI所見(下垂体腫大・乳頭体橋間距離短縮・脳幹下垂・硬膜肥厚と造影増強・硬膜静脈洞怒張・腹側の脊髄硬膜外髄液貯留)を追加し、⚠️ MRIが正常でも本症は否定できないことを明記した。保存的治療は発症から最長2週間で区切り、軽快しなければ硬膜外自家血パッチへ進む(2回目は2〜4週あけて)という時間軸を追記し、カフェインは検査・治療を遅らせない範囲でのみ考慮する位置づけに改めた。④として治療後リバウンド頭痛(処置前に説明し、生じたら二次性頭蓋内圧亢進を評価する)と、体位性頭痛の病歴がある/外傷・凝固異常・大量飲酒の無い硬膜下血腫・水腫では脊髄髄液漏を探すという逆引きを追加した。頭蓋底骨折への予防的抗菌薬については、無作為化比較試験に限ったコクランレビュー(RCT 5件208例)が髄液漏の有無にかかわらず予防投与を支持していないことを、観察研究を含むメタ解析と表で書き分けた。(出典:Cheema 2023 多職種合意ガイドライン、Cochrane CD004884.pub4)
    • 疾患慢性骨髄単球性白血病増殖期の細胞減量の根拠が1996年のFAB分類時代の試験だけだったため、現行の病型分類で行われた第III相試験DACOTA(170例、デシタビン84例対ヒドロキシ尿素86例)を追加した。主要評価項目の無イベント生存期間は12.1か月対10.3か月(HR 0.83、95%CI 0.59–1.16、P=.27)、全生存期間は18.4か月対21.9か月(P=.67)でいずれも有意差がなく、有意だったのは奏効率のみ(63%対35%、P=.0004)である。⚠️ 奏効率の差を生存の差と読み替えないことを明示し、試験自身が示す説明(進行・転化のリスクは下がるが進行を伴わない死亡が増える)も添えた。④としてCMMLでは心血管イベントのリスクが2倍を超え約20%が全身性の炎症性・自己免疫疾患を併存すること、すなわち炎症が合併症ではなく病態の一部であることを追記した(既にあった「自己免疫疾患があると単球サブセットが評価できない」という注意の理由がこれである)。ベネトクラクスについては、アザシチジンとの併用が急性骨髄性白血病と違いCMMLでは相乗効果に乏しく標準治療ではないことを明示し、単球性・RAS変異クローンがBCL2阻害に抵抗性でMCL-1依存であるという機序を補った。(出典:Itzykson 2023 DACOTA、Marando 2025)
  9. 2026 09.05

    輪状膵と変形性足関節症で、数値が別の母集団に付け替わっていた3件を原著に当たって是正した。

    • 疾患輪状膵有病率「10万人あたり3.4人」の分母を是正。原著は「腹部画像検査を受けた6,162,600人のうち210人」の値であり、一般人口の有病率ではなかった(引用元の症例報告が population と書き換えていた)。あわせて剖検3/20,000・手術例3/24,519・画像時代の約1/1,000・「人口の1%未満」を、それぞれ何を分母とした値かを示す表に整理した。感度92%・特異度100%も、輪状膵24例と対照30例という小集団の比較から出た値であることを明記。(出典:Alkhayyat 2022、Sandrasegaran 2009)
    • 疾患変形性足関節症成因の比較表を2つのコホートに分割。「関節リウマチ性12%」(連続639関節の8区分の1つ)と「二次性13%」(末期406関節の7病態の合計)は定義の異なるカテゴリで、同じ行に並べられていた。両者が実際に一致するのは外傷後70〜78%と一次性7〜9%の2行だけである。外傷後の内訳に原著が付す39%・16%等が406関節全体を分母とする割合であることも明記した(外傷後例を分母にすると果部骨折は49%)。「若年発症」も撤回し、一次性より7〜16歳若いという相対差に改めた。(出典:Saltzman 2005、Valderrabano 2009)
    • 疾患慢性膵炎TIGAR-O分類の閉塞性の成因に先天奇形(輪状膵)を追加。成人の輪状膵例では慢性膵炎の合併が48%に認められる。(出典:Sandrasegaran 2009)
  10. 2026 09.05

    弱視と前部虚血性視神経症で、ガイドライン原文の但し書きと推奨の強さが落ちていた箇所を補った。

    • 疾患弱視遮閉時間の記述を原文どおりに是正。推奨は「20/80より悪い弱視に6時間以上」で、旧記述の「重度弱視(20/100〜20/400)に6時間以上」は20/80〜20/100が抜け落ちていたうえ、原文の但し書き(2時間で奏効した例もある)が消えていた。アトロピンの用法も「週2回」ではなく「週に連続2日を4か月」。分類を原文の4群(屈折性・斜視性・視性刺激遮断性・逆転)に揃え、アトロピンの副作用(羞明18%・結膜刺激4%・3歳未満は未検討で全身性副作用を受けやすい可能性)と逆転弱視の実測値を追加した。(出典:AAO Preferred Practice Pattern 2023)
    • 疾患前部虚血性視神経症動脈炎性AIONのステロイド用量を明記(メチルプレドニゾロン500〜1000 mg/日を3〜5日、またはプレドニゾン1 mg/kg・最大80 mg/日)し、パルス静注を優先するのが「視力が脅かされている例」に対する条件付き推奨であることを書き分けた。側頭動脈生検と超音波の位置づけは資料間で逆向き(米国ACR/VFは生検を優先、EULAR 2023は全例で超音波を第一選択)であるため、どちらかに寄せず併記した。(出典:2021 ACR/VF GCA・TAKガイドライン、EULAR大型血管炎画像診断 2023 update)