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  1. 2026 09.08

    ACOG Committee Opinion 797 を共有する7ノートを、発行元が公開している本文全文と突き合わせて揃えた。文書は2025年に再確認(Reaffirmed 2025)されており現行だが、ペニシリンアレルギーの「高リスク」がアナフィラキシーの危険だけで決まるという書き方が3ノートに残っていた。原文の Table 2 は Stevens-Johnson症候群・中毒性表皮壊死融解症などの重症非IgE介在性反応も高リスク側に含める。あわせてスクリーニングの2つの免除条件、ペニシリンとアンピシリンの序列、これらが米国の枠であることを明示し、B群レンサ球菌の「ペニシリン系に常に感受性」を是正した。

    • 微生物Streptococcus agalactiae / GBS①ペニシリンアレルギーの代替薬を選ぶ表が高リスクを「アナフィラキシーの危険が高い」とだけ書いていたのを是正した。原文の Table 2 の表題は「Penicillin Allergy: Low Risk or High Risk of Anaphylaxis or Severe Non-IgE Mediated Reaction」で、Figure 3 の脚注は高リスク側に、IgE介在を示唆する反応に加えて、反復する反応・複数のβラクタムへの反応・ペニシリンアレルギー検査陽性と、好酸球増多と全身症状を伴う薬剤性過敏症症候群・Stevens-Johnson症候群・中毒性表皮壊死融解症という重症遅発型反応を含めている。これを落とすと、SJS/TENの既往がある妊婦にセファゾリンを選ぶ方向に倒れる。この区分の言い回しは同文書の interim update で手が入った箇所そのものである。②「ペニシリン系に常に感受性」「ペニシリン系に耐性化しておらず、常に感受性」という2箇所の断定を是正した。ペニシリンが治療と分娩時予防の第一選択であり続けることは変わらないが、ペニシリン感受性が低下した株の分離は2008年以降に報告され、高度耐性株のデータは日本・米国・カナダ・アフリカから出ている。機序はβラクタマーゼではなくペニシリン結合タンパク質(とくにPBP2X)のアミノ酸置換で、最初期の報告は日本の分離株である。判定はCLSIがMIC 0.12 µg/mL超、EUCASTがECOFF 0.125 mg/Lとしている。③スクリーニングの週数と予防投与の記述が米国産科婦人科学会の枠であることを明示した。(出典:Prevention of Group B Streptococcal Early-Onset Disease in Newborns、Penicillin-Binding Proteins in Streptococcus agalactiae and Their Association with Reduced Penicillin Susceptibility)
    • トピックStreptococcus agalactiae, Enterococcus genus①「すべての妊婦は妊娠36週0日〜37週6日に腟と直腸のスワブで検査する」が原文の例外を落としていたのを是正した。原文は「unless intrapartum antibiotic prophylaxis for GBS is indicated because of GBS bacteriuria during the pregnancy or because of a history of a previous GBS-infected newborn」と続き、今回の妊娠中のGBS菌尿またはGBS感染児の出産既往があればスクリーニング自体が要らない(採る前に適応が決まっているため)。②「治療:ペニシリンまたはアンピシリン」を是正した。原文は静注ペニシリンが第一選択、静注アンピシリンは許容される代替で、2剤は同格ではない。同じコーパスの他4ノートは正しく書き分けており、このノートとトピック1-13だけが浮いていた。③陰性的中率95〜98%という数値にACOGの脚注も付いていたのを外した。この数字はCDC 2010の記述で、ACOG 2020が述べるのは培養から分娩までの間隔が5週間を超えると予測能が有意に落ちる(P<.01)ことまでである。④この文書が2025年に再確認されており後継文書が出ていないことを本文に明記した。(出典:Prevention of Group B Streptococcal Early-Onset Disease in Newborns、Prevention of perinatal group B streptococcal disease--revised guidelines from CDC, 2010)
    • トピックInfectious diseases in pregnancy. Bacterial and parasite infections①代替薬を分ける「アナフィラキシーリスク」という書き方を是正した(微生物ノートと同じ型で、原文の Table 2 は重症の非IgE介在性反応も高リスク側に含める)。②保菌状態が不明な場合の適応表の行を原文の4項目へ揃えた——早産の危険が大きい状態での陣痛発来、早産期の前期破水、正期産での破水18時間以上、分娩中の発熱38.0℃以上。③スクリーニングの2つの免除条件(今回の妊娠中のGBS菌尿、GBS感染児の出産既往)が「培養を待たず予防の適応」とだけ書かれていたのを、スクリーニング自体が不要である旨へ改めた。④節全体が米国産科婦人科学会の枠であることを明示し、国内の枠が同じではないことを追記した。日本産婦人科医会の解説によれば産婦人科診療ガイドライン産科編2017年版では、検査時期が妊娠35〜37週、採取が腟入口部と肛門内、保菌不明時の適応は破水後18時間以上と38度以上の発熱の2つだけで、2014年版にあった37週未満は外れており、米国が残している早産の項目と正面から違う。同解説は日本では第3世代セフェム系やカルバペネム系も使われていること、アンピシリンの用量が保険適用範囲を超えることにも触れている。⚠️ この解説が扱うのは2017年版で、現行版は2026年4月発行の産科編2026である旨も本文に明記した。(出典:Prevention of Group B Streptococcal Early-Onset Disease in Newborns、関沢教授の周産期講座 7.妊娠中のGBS検査について)
    • 疾患前期破水①分娩時予防の適応列挙にあった「GBS尿の既往」を是正した。原文が適応とするのは今回の妊娠中に検出されたGBS菌尿(菌量を問わない)であって、前回妊娠の既往ではない。あわせて母体発熱を38.0℃以上、遷延破水を18時間以上と原文の値で書いた。②「潜伏期抗菌薬と分娩時のGBS予防は目的も薬剤選択も異なる」という断定を是正した。原文の Figure 2 の脚注は「Latency antibiotics that include ampicillin given in the setting of preterm prelabor rupture of membranes are adequate for GBS prophylaxis」とし、GBSをカバーしないレジメンを使う場合にGBS予防を追加せよとしている。区別すべきなのは目的と投与の場面であって薬剤群が必ず別だという意味ではない。同じファイルの出典の claim 欄が既にこの点に触れていたのに本文が反対のことを書いていた。③アンピシリンを「代替として選択できる」から「許容される代替(同格ではない)」へ改めた。(出典:Prevention of Group B Streptococcal Early-Onset Disease in Newborns)
    • トピックChemoprophylaxis: its importance and examples①出典の claim が「Europe PMC の抄録で確認した。抄録は投与する薬剤名を挙げていない」となっていたのを、発行元が公開している本文全文で確認した内容へ書き直した。薬剤名は原文に明記されている。②これに伴い予防薬の欄を「ペニシリンまたはアンピシリンの静注」から「静注ペニシリンが第一選択、静注アンピシリンは許容される代替(同格ではない)」へ是正した。③スクリーニングの週数が米国産科婦人科学会の枠であることを明示し、今回の妊娠中のGBS菌尿・GBS感染児の出産既往があればスクリーニング自体が不要であることを追記した。④帝王切開の除外条件を「破膜前の予定帝王切開」から原文どおり「破膜がなく陣痛開始前の帝王切開」へ改めた。(出典:Prevention of Group B Streptococcal Early-Onset Disease in Newborns)
    • トピックMicrobes causing pre- and perinatal infections (list) in the fetus / new-born babyGBSの行が「陽性妊婦には分娩時抗菌薬予防投与を行う」と閉じており、原文が置いている除外(破膜がなく陣痛開始前の帝王切開なら不要)が落ちていたので追記した。あわせてスクリーニングの週数が米国の枠であることを明示し、出典の claim にも取得経路と文書の現行性(Reaffirmed 2025、interim update と2020年4月の訂正が反映された版)を書き足した。(出典:Prevention of Group B Streptococcal Early-Onset Disease in Newborns)
    • トピックNeonatal infections早期発症感染の危険因子を「18時間超の破水」と書いていたのを「18時間以上」へ是正した。原文は「rupture of membranes for 18 or more hours at term」で、同じコーパスの他3ノートはいずれも18時間以上と書いており、このノートだけが境界を1つずらしていた。あわせて母体発熱に38.0℃以上という値を添え、出典の claim に取得経路と文書の現行性を書き足した。(出典:Prevention of Group B Streptococcal Early-Onset Disease in Newborns)
  2. 2026 09.08

    ACGの2024年H. pylori治療ガイドラインに、抄録が支えていない主張を帰属させていた14ノートを是正した。あわせてビスマス四剤療法の構成薬の誤り、デクスラゾキサンの3極の適応・禁忌、ばら色粃糠疹の妊娠転帰と診断基準を更新した。

    • 微生物Helicobacter pylori一次除菌の記述を国際・日本の2本立てに書き分けた。従来は「ボノプラザンまたはPPI+アモキシシリン+クラリスロマイシン7日間」を地域の限定なしに第一選択とし、ビスマス四剤療法を「クラリスロマイシン耐性疑い時の代替」に格下げしていたが、Maastricht VI/Florence合意は感受性検査ができず耐性率15%超または不明の地域ではビスマス四剤療法を一次治療とする(治療部会Statement 2、Grade B1、合意率92%)。一方、日本ではビスマス製剤が使えず、日本ヘリコバクター学会2024年版は感受性検査を行わない一次除菌にボノプラザン+アモキシシリン+クラリスロマイシン、またはPPI+アモキシシリン+メトロニダゾールを強く推奨している(CQ2-5、合意率90.5%、エビデンスの確実性A)。無出典だった除菌判定の待機期間にも出典を付けた。(出典:Maastricht VI/Florence consensus report、H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024)
    • 薬剤bismuth subsalicylateビスマス四剤療法の構成薬を「ドキシサイクリン」としていた誤りをテトラサイクリンへ是正した。日本ではビスマス製剤が使用できず、クエン酸ビスマスが国内未承認であることも補った。(出典:Treatment of Helicobacter pylori Infection in Korea、H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024)
    • 薬剤rabeprazoleH. pylori除菌での位置づけが出典と逆向きだったので是正した。日本ヘリコバクター学会2024年版は、感受性検査を行わない一次除菌の強い推奨にPPI+アモキシシリン+メトロニダゾールを明示的に含める一方、感受性が判明している場合の推奨レジメンはすべてボノプラザンベースである。(出典:H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024)
    • 薬剤clarithromycinH. pylori除菌での用量を「1回400 mgを1日2回(800 mg/日)」から、日本ヘリコバクター学会2024年版が推奨する400 mg/日(1回200 mgを1日2回)へ改めた。800 mg/日への増量も保険上は可能だが、除菌率に有意差がなく(オッズ比0.92、95%CI 0.73〜1.17)副作用が有意に増える(オッズ比1.35、95%CI 1.08〜1.68)ため、推奨と保険上の範囲を分けて記述した。(出典:H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024)
    • 疾患消化性潰瘍未治療例の一次治療を「最適化ビスマス四剤療法」としていた誤りを是正した。ACG 2024が未治療かつ感受性不明例に置くのは無印のビスマス四剤療法14日間で、「最適化」ビスマス四剤療法は既治療の持続感染例の語である。クラリスロマイシン・レボフロキサシンを含むレジメンの制限も、同ガイドラインではサルベージ療法についての推奨である。(出典:ACG Clinical Guideline: Treatment of Helicobacter pylori Infection)
    • 疾患機能性ディスペプシアH. pylori除菌の第一選択について、上と同じ「最適化」の誤りと、クラリスロマイシン制限の帰属を是正した。あわせて、耐性率15%超の地域で三剤療法を一次治療にしないという国際的な線引きに対し、日本では今もクラリスロマイシン三剤療法が一次除菌の強い推奨であることを併記した。(出典:ACG Clinical Guideline: Treatment of Helicobacter pylori Infection、H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024)
    • 疾患胃炎「クラリスロマイシン三剤療法を第一選択としないことが国内外の現行指針で共通する」という記述が日本について誤りだったので是正し、表が日本の推奨2レジメンを1本に潰していたのを分割した。クラリスロマイシンはボノプラザンと、メトロニダゾールはPPIと組むのが推奨の形である。(出典:H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024)
    • トピックPeptic Ulcer and Helicobacter pylori Infection「ACG 2024は耐性率が不明な集団でもクラリスロマイシン三剤療法を第一選択にすべきでないとした」という、同ガイドラインが述べていない断定を削除した。除菌判定の待機期間(抗菌薬終了4週以降・PPI/P-CAB中止2週以降)の出典を日本ヘリコバクター学会2024年版の診断章へ付け替え、日本では保険上の一次除菌が三剤療法であることを追加した。(出典:H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024 第1章「診断」)
    • トピックCampylobacter genus and Helicobacter pylori「クラリスロマイシン三剤療法は、もう経験的一次治療ではない」という見出しを、日本ではビスマス製剤が使えず三剤療法が今も一次除菌の標準であることを踏まえた表現へ後退させた。P-CABがPPIを上回るという無出典の記述にも日本ヘリコバクター学会2024年版の実測値(ボノプラザン三剤89.4%対PPI三剤79.1%)を付けた。(出典:H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024)
    • トピックGastritis未治療例の一次治療から「最適化」を外し、除菌判定の待機期間の出典を日本ヘリコバクター学会2024年版の診断章へ付け替えた。(出典:H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024 第1章「診断」)
    • トピックGI system: diseases of the stomach and small intestine除菌レジメンの表に、日本ヘリコバクター学会2024年版が推奨するPPI+アモキシシリン+メトロニダゾールの行が欠けていたので追加し、P-CAB三剤療法の位置づけを「日本では感受性検査を行わない一次除菌の推奨レジメン」へ是正した。(出典:H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024)
    • トピックDisorders of the esophagus and stomach「最適化」ビスマス四剤療法の誤りを是正し、日本ではクラリスロマイシン三剤療法が今も一次除菌の強い推奨であることを追加した。このノートだけが既に是正済みの他ノートと正反対の記述になっていた。(出典:H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024)
    • トピックGastritis (Giemsa)同一段落の中で除菌レジメンの記述が前半と後半で食い違っていたので、ACG 2024・Maastricht VI・日本ヘリコバクター学会2024年版の3つに切り分けた。(出典:Maastricht VI/Florence consensus report)
    • トピックB23: Drugs influencing gastric acid secretion, protective drugs of gastric mucosaビスマス四剤療法の構成薬の帰属を是正し、ビスマスには耐性が生じないため既存レジメンへの上乗せで除菌率が上がること(13試験2,500例超のメタ解析でITTのオッズ比1.63、95%CI 1.33〜2.00)を追加した。(出典:Treatment of Helicobacter pylori Infection in Korea)
    • 薬剤dexrazoxane米国の添付文書の版が6年ずれていた(実際は2025年8月改訂)ため出典を更新し、適応・禁忌をEU・日本・米国の3極で書き分けた。日本では心保護の適応が承認されておらず、効能は血管外漏出のみである。血管外漏出に使う際は投与の15分以上前に冷罨法を外すこと、局所ジメチルスルホキシドとは併用しないことを追加し、二次性白血病・骨髄異形成症候群の報告が小児に限られるという誤りを是正した。(出典:DEXRAZOXANE for injection — Prescribing Information、サビーン点滴静注用500mg 電子添文)
    • 薬剤hyaluronidase「感染・急性炎症部位への注射は禁忌」としていたが、米国の添付文書では禁忌欄は過敏症のみで、感染部位・角膜損傷はいずれも警告・注意の側である。静脈内投与についての記載の所在も製品ごとに違うため書き分けた。血管外漏出への使い方についても、原文にない「漏出縁に沿った複数か所への分割注射」を「漏出部への局所注射と温罨法の併用」へ戻した。
    • 疾患薬剤の血管外漏出アントラサイクリン系の漏出に対する「冷罨法+デクスラゾキサン」が同時併用と読める書き方だったので、デクスラゾキサン投与の15分以上前に冷却を外すという3極共通の規定を追加した。局所ジメチルスルホキシドとの併用が推奨されないことも補った。(出典:サビーン点滴静注用500mg 電子添文)
    • 疾患がん治療関連心機能障害デクスラゾキサンの適応を「累積ドキソルビシン300 mg/m²以上の転移性乳癌」に限られると書いていたが、これは米国の添付文書の書き方であって、EUは進行および/または転移乳癌の成人でエピルビシン540 mg/m²という独立の閾値も置き、日本では心保護の適応そのものが承認されていない。3極で書き分けた。
    • 疾患ばら色粃糠疹妊娠中の発症と胎児予後の記述を、2008年の症例集積中心から2022年の単一施設後ろ向きコホートまで含めた3層に組み替えた。同コホートでは不良な転帰が10.9%(5/46)で、既報7論文53例をまとめた39.6%(21/53)より有意に少なく(P=0.0012)、著者らは多くの場合、妊娠・出生の転帰に影響しないと結論している。2024年のネットワークメタ解析(12試験638例)を加え、Chuhの診断基準を項目ごとに掲載した。梅毒は重症度によらず全妊婦で除外することも追加した。(出典:Pityriasis rosea in pregnancy、Network Meta-Analysis)
    • トピックPityriasis Rosea「掌蹠・粘膜病変があれば別疾患を疑う」という記述が二重に不正確だったので是正した。Chuhの除外項目は掌蹠病変の有無ではなく病変がそこに集中するかであり、口咽頭病変はばら色粃糠疹自体でも最大28%に生じる。薬剤・ワクチンによるばら色粃糠疹様発疹との10項目の対比表を新設し、治療のまとめを2024年のネットワークメタ解析へ更新した。(出典:Beyond the Herald Patch、Network Meta-Analysis)
    • トピックBenign diseases of the stomach. Examination of the stomach and the duodenum, surgical aspects無出典だった除菌判定の待機期間に出典を付け、クラリスロマイシン三剤療法をめぐる国際的な線引きと日本の推奨の違いを併記した。(出典:H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024 第1章「診断」)
    • トピックUlcus pepticum ventriculi「感染が確認された患者では除菌治療を行う」をACG 2024に帰属させていたが、これはMaastricht VI/Florence合意の主張なので出典を付け替えた。(出典:Maastricht VI/Florence consensus report)
    • 薬剤rifabutinH. pylori除菌でのリファブチン三剤療法の位置づけに、ACG 2024が置いている限定(ペニシリンアレルギーのない患者、14日間、最適化ビスマス四剤療法を既に受けた持続感染例では代替)を補った。(出典:ACG Clinical Guideline: Treatment of Helicobacter pylori Infection)
  3. 2026 09.08

    ACGの2024年H. pylori治療ガイドラインの帰属を、抄録の逐語と突き合わせて15ノート分検算した。前回の是正はおおむね行き渡っていたが、抄録が薬効群までしか述べていないレジメンの構成薬を同ガイドラインに帰属させたままの箇所が3ノートに残っていたので付け替えた。

    • 疾患胃炎まとめの行が、ビスマス4剤療法の構成薬(酸分泌抑制薬+ビスマス+テトラサイクリン+メトロニダゾール)を括弧書きでACG 2024の脚注の内側に置いていた。同ガイドラインの抄録は未治療かつ感受性不明例の推奨レジメンを14日間のビスマス四剤療法とするだけで、構成薬を挙げていない。同じノートの本文が既にそうしているとおり、構成薬の出典をMaastricht VI/Florence合意へ分けた。(出典:Management of Helicobacter pylori infection: the Maastricht VI/Florence consensus report)
    • 疾患消化性潰瘍ペニシリンアレルギーの無い例の経験的代替を「ボノプラザン・アモキシシリン二剤療法」とACG 2024へ帰属させていたが、抄録の逐語はカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)二剤療法という薬効群までで、薬剤名は現れない。脚注の側を薬効群へ戻し、どの薬の組み合わせを指すかは脚注の外に別の文として残した。(出典:ACG Clinical Guideline: Treatment of Helicobacter pylori Infection)
    • トピックPeptic Ulcer and Helicobacter pylori Infection上と同じ型で、P-CAB二剤療法の構成薬(ボノプラザンとアモキシシリン)をACG 2024の脚注の内側に置いていたので、薬効群までを同ガイドラインに帰属させ、薬剤名は脚注の外へ出した。(出典:ACG Clinical Guideline: Treatment of Helicobacter pylori Infection)
  4. 2026 09.08

    慢性巨大結腸症と炭酸水素ナトリウムの2ノートを是正した。シャーガス病消化管型の病態について、心疾患の整理を外挿せずに済む一次資料(消化管型を再現したマウスモデル)を追加し、まとめが巨大食道の免疫表現型を巨大結腸のものとして書いていた点を直した。炭酸水素ナトリウムでは、CKDでの経口補正の利益をKDIGO 2024自身のエビデンス評価に合わせて両側から書き直し、DKAで投与する場合の具体的な用法を追記した。

    • 疾患慢性巨大結腸症①シャーガス病消化管型の慢性期の病態について、これまで「巨大結腸で同じ非対称(虫体の残存が土台で自己免疫はその上)が成り立つかを述べた一次資料は確認できていない」で終わっていた箇所に、消化管型そのものを扱った実験的な一次資料を追加した。消化管型シャーガス病の主要な特徴(腸管通過の遅延と結腸の腸筋層神経叢の脱神経)を再現する雌C3H/HeNマウスモデルで、感染6週にベンズニダゾールで寄生虫学的治癒が得られた個体は腸管通過機能が持続的に正常化し、治療が失敗して再燃した個体は症状が徐々に戻った。治癒後は神経・免疫系の遺伝子発現が慢性炎症型から組織修復型へ移行し、腸筋層神経叢の神経細胞密度も回復している。著者らは「マウスの消化管型の病態は慢性のT. cruzi感染によって維持されており、急性期の脱神経の必然的な帰結ではない」と結論している。⚠️ マウスの実験モデルであること、同論文が自己免疫の寄与を検討していないこと(全文にautoimmunity・mimicryはいずれも0回)を本文と出典のclaimの両方に明記し、ヒトの巨大結腸についての比重は未確認のまま残した。②治療の節に、同じモデルで治療開始を感染24週まで遅らせると回復が部分的にとどまったこと(未治療の感染個体はHu陽性神経細胞が77%脱落、治癒が得られた個体でも正常の57%までの回復で有意な欠損が残る)を追記し、これがヒトで既に確立した巨大結腸が薬物で戻ることを示したものではない旨を添えた。③まとめが「腸管神経叢周囲のTIA-1陽性T細胞浸潤とTh1型炎症による神経細胞減少が病理学的特徴である」と書いていたのを是正した。本文は同じ免疫表現型を巨大食道で報告されたものとして正しく限定していたのに、まとめだけが巨大結腸の特徴として断定しており、同一ファイル内で食い違っていた。④本文リンクを追加した(糖尿病性自律神経障害・パーキンソン病・胃不全麻痺・巨大食道)。(出典:Enteric nervous system regeneration and functional cure of experimental digestive Chagas disease with trypanocidal chemotherapy、Cardiac and Digestive Forms of Chagas Disease)
    • 薬剤sodium bicarbonate①CKDでの経口補正について、本文・適応の表・まとめが2009年の無作為化比較試験だけを根拠に「CKD進行速度の低下と末期腎不全への進行減少が示されている」と一方向に書いていたのを是正した。KDIGO 2024ガイドライン本体を取得して読むと、2012年版の段階づけられた推奨(血清HCO3⁻22 mmol/L未満で2B)を取り下げた理由がまさにその後のプラセボ対照試験である。3か月以上追跡した15試験(2,445例、追跡期間中央値12か月)のうちプラセボ対照試験に限って統合すると腎不全リスクを下げる効果は確認されず(ハザード比0.81、95%信頼区間0.54〜1.22)、最大のプラセボ対照試験BiCARB(CKD G3〜G4・60歳以上・血清重炭酸22 mmol/L未満)もハザード比0.97(0.64〜1.49)で、腎以外の転帰にも利益は示されず費用は増え生活の質はむしろ低下した。作業部会が「血清重炭酸を上げること自体は明らかに有効で、より重いアシドーシスを避ける治療としては適切」としつつ「正常域までの補正が腎不全リスクを下げることは示されていないため18 mmol/Lよりさらに低い開始閾値も考えうる」と述べている点まで書き足し、薬効群の表の目的欄(旧「血清重炭酸を目標値まで是正しCKD進行を遅らせる」)も揃えた。②DKAで投与の適応があるときの具体的な用法が抜けていたので追記した。8.4%炭酸水素ナトリウム100 mmolを滅菌水400 mLに溶いた等張液として2時間ごとに投与し、pH 7.0超を目指す。③心停止のルーチン投与を否定する推奨が2020年版AHAガイドラインのものであることを明示した。AHAの成人二次救命処置ガイドラインは2025年10月に改訂されているが、本文は今回どの経路でも取得できず、重炭酸ナトリウムに関する記述が変わったかどうかは未確認である旨を本文と出典のclaimに残した。(出典:KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease、Hyperglycemic Crises in Adults With Diabetes、Part 9 Adult Advanced Life Support)
  5. 2026 09.08

    神経管閉鎖の受精後日数が3つのノートで食い違って見えていた原因は所見の対立ではなく、どのCarnegie段階参照表を採ったかの違いだった。各ノートに日数の出どころを明記し、参照表を横断した比較を1箇所に置いた。あわせて中枢神経系の臨床ノートに葉酸補充の具体的な用量・開始時期と、その勧告が適用されない高リスク群を追記した。

    • トピックCentral Nervous System — Neural tube & neurulation①前神経孔・後神経孔の閉鎖を「受精後およそ第24〜26日/第26〜28日」と書いていたが、この日数がどの参照表由来かを本文が示していなかったため、他ノートの日数と食い違うと誤りに読めた。総説の全文を読み直し、Table 3 の脚注が受精後日数を O'Rahilly & Müller 1987 から採ったと明記していることを確認して、本文とまとめに「O'Rahilly & Müller 1987 の参照表による」と明記した。②同じ総説の Table 1 から、段階11/12/13の受精後平均日数を O'Rahilly 1987(24/26/28日)・Hill 2007(24.5/28/30日)・O'Rahilly 2010(29/30/31.5日)で比較する表を追加した。③同じ総説が結論で Hill 2007 の表を現時点のゴールドスタンダードとして提案していること(その表なら閉鎖は2日ほど後ろへずれること)と、このノートが1987年の表を採るのは閉鎖時期の原著と揃えるためであって正典を決めたのではないことを明記した。(出典:Discrepancies in Embryonic Staging: Towards a Gold Standard)
    • トピックCentral Nervous System — Clinical①葉酸の一次予防を「妊娠前から補充する意義が大きい」とだけ書き、用量も開始時期も示していなかった。米国予防医療サービス対策委員会の最終勧告文(2023年8月1日、2017年勧告の再確認、グレードA)を発行元の公式ページで読み、葉酸0.4〜0.8 mg(400〜800 µg)を1日1回、受胎予定の少なくとも1か月前から妊娠初期の2〜3か月まで続けることを追記した。②同じ勧告が適用範囲について、神経管閉鎖不全の既往妊娠がある人・家族歴や抗てんかん薬などで極めて高リスクの人・葉酸の働きを阻害する薬(メトトレキサート、カルバマゼピン、バルプロ酸を例示)を使っている人には適用されないと明記していることを、標準用量をそのまま当てはめない旨とあわせて追記した。高用量の値はこの勧告に示されていないため書いていない。③病型の表が前神経孔閉鎖不全として無脳症だけを挙げていたので脳瘤の行を追加した。④全前脳症の軽症型を「中隔視神経形成異常」と呼んでいたが、この語はコーパス全体で当ノートの1箇所だけで、受け皿ノートの表記は視隔膜異形成症である。表記を揃えて本文リンクを張った。⑤同じ出典が、軽度の葉型では前頭葉の癒合がわずかなため視隔膜異形成症のような他の正中部奇形との鑑別がとりわけ難しいとも述べていることを追記し、軽症型を視隔膜異形成症そのものと読まないよう注記した。あわせて最軽症型の名称を出典の表にある中隔視索前野型へ揃えた。⑥DeMyer分類の3型を alobar・semilobar・lobar と英語のまま書いていたので、疾患ノート側と同じ無葉型・半葉型・葉型へ揃えた。⑦②の書き方では「標準用量をそのまま当てはめない」で止まっており、高リスク群の用量が標準より多い側なのか少ない側なのかが読めなかった。USPSTFのための根拠報告(NCBI Bookshelf の全文)を読み、その導入部が高用量(1日4 mg)の葉酸補充は再発の危険を70%超下げると述べていることを確認して、既往妊娠のある人については外れる方向が高用量側であることと数値を本文とまとめに追記した(この一文は同報告自身の系統的レビューの結果ではなく背景の記述である旨を出典の記載に残した)。抗てんかん薬の使用など他の高リスク群については、勧告が対象外としているだけで用量を示していないので、専門家と個別に決めると書くにとどめた。⑧病型の表で脳瘤を無条件に前神経孔閉鎖不全へ分類していたが、無脳症の肉眼標本ノートは脳瘤を「神経管閉鎖自体は一度成立した後の局所的な欠損」として無脳症と区別しており、コーパス内で読み方が割れていた。神経管閉鎖不全の総説の全文を読むと、無脳症と開放性二分脊椎を一次神経胚形成の破綻に分類する一方、脳瘤と髄膜瘤は閉じた神経管が骨の欠損部からヘルニアを起こした閉鎖後(postneurulation)の欠損として図示し、同時にこうした閉鎖性の病型も広い定義のもとでしばしば神経管閉鎖不全に分類されると述べている。どちらかを消すのではなく、分類の軸(前神経孔側/後神経孔側)と機序(閉鎖後の局所的な骨欠損)を書き分けた。(出典:Folic Acid Supplementation to Prevent Neural Tube Defects: Preventive Medication、Holoprosencephaly: Review of Embryology, Clinical Phenotypes, Etiology and Management、Folic Acid Supplementation to Prevent Neural Tube Defects: A Limited Systematic Review Update for the U.S. Preventive Services Task Force、Neural tube defects)
    • トピックThe Embryonic Period, Weeks 3–8 — External appearance外観の指標の表に併記した受精後日数を「Carnegie段階12〜23の三次元再構築標本による」と説明していたが、その論文の表は形態の要点を O'Rahilly & Müller 1987 から要約し、日数は同2010年版に準拠している。日数は再構築標本から測ったものではないので、O'Rahilly & Müller 2010 の参照表に準拠すると明記した。あわせて、神経管閉鎖を扱うノートが原著と揃えて1987年の表を採っており、同じ段階に違う日数が並ぶのは参照表の選び方の違いであることを注記した。⚠️ ところがこの是正のあと、同じノートの体節数の表と導入文の日数(第20〜21日、第22〜23日、第24〜25日、第26日以降)は由来の記載が無いまま残り、宣言した2010年の表と読み合わせると段階のあいだが5〜6日跳ぶように見えていた。体節を数えた原著は、体節の対数が段階9〜12の定義の一部だと明記する一方で対数ごとの暦日を示しておらず、この日数の出どころは特定できない。そこで日数を書き換えるのではなく、出どころを特定できないこと、並びは O'Rahilly & Müller 1987 の表(段階9が第20日・10が第22日・11が第24日・12が第26日)と整合し2010年の改訂表(段階9が第26日・10と11が第29日・12が第30日)とは合わないこと、したがってこのノートの中に1987年系と2010年系の2つの参照表が同居していることを明記した。あわせて、体節の対数の最大が段階14〜16で38〜39対という記載を表の「第26日以降」の行から外に出し、段階14〜16が1987年の表では第32〜37日にあたることを添えた(表の中にあると、第26日と段階14〜16が直結して読めた)。(出典:External surface anatomy of the postfolding human embryo、Discrepancies in Embryonic Staging: Towards a Gold Standard、Somites, spinal Ganglia, and centra. Enumeration and interrelationships in staged human embryos, and implications for neural tube defects)
    • トピックSPECIMEN - Anencephaly脳瘤を無脳症と区別する節が「神経管閉鎖自体は一度成立した後の局所的な欠損によることが多い」と機序だけを述べ、分類上は前神経孔側の神経管閉鎖不全に数えることに触れていなかったため、脳瘤を前神経孔閉鎖不全に分類する他ノートと正面から食い違って見えていた。機序の説明はそのまま残したうえで「分類上は前神経孔側(頭蓋レベル)の神経管閉鎖不全に数えるが」という接続を足し、無出典だったこの機序の記述に、脳瘤を閉鎖後(postneurulation)の欠損として図示し同時に広い定義では神経管閉鎖不全に分類されるとも述べている総説の脚注を付けた。まとめの行も同じ書き分けに揃えた。(出典:Neural tube defects)
    • 疾患神経管閉鎖不全(二分脊椎・無脳症)前神経孔24〜26日・後神経孔26〜28日という日数に出どころが無く、Carnegie段階との対応も書かれていなかった。段階11・段階12との対応を添え、この日数が O'Rahilly & Müller 1987 の参照表によるもので、Hill 2007 の表では段階11が24.5日・段階12が28日・段階13が30日になること、段階に割り当てられる胚齢は出版物間で最大11日ずれることを注記した。日付ではなくCarnegie段階を軸に覚えるほうが安全である旨と、発生学のノートへの本文リンクも加えた。(出典:Discrepancies in Embryonic Staging: Towards a Gold Standard)
  6. 2026 09.08

    TIAの2剤併用でABCD2スコアを使う場面と、スコアでトリアージしてはならないことを救急ノートに書き分けた。アナキンラのEU適応拡大の根拠を企業のプレスリリースからEMAの公的文書へ置き換えた。

    • トピックG1-16: Emergency in cerebrovascular disorders非心原性の高リスクTIAへの2剤併用に推奨の強さ(強い推奨・エビデンスの質は高)とNIHSS 3以下という条件を補い、クロピドグレル300mg負荷が推奨文ではなく提案であることを明記した。あわせて、ABCD2スコアをトリアージの道具として使わないという別文書の勧告を追記した——ESOのTIA診療ガイドラインは予測ツール単独での高リスク同定・トリアージを弱く否定し(ESO TIA guidelines 2021)、NICEはその後の脳卒中リスクの評価と紹介の緊急度の両方にスコアを用いないよう定めている(NICE NG128)。
    • 薬剤anakinraEUでのスチル病(全身型若年性特発性関節炎・成人発症スチル病)への適応拡大の根拠を、企業のプレスリリースからEMAの承認後手続一覧へ置き換えた。変更手続II/0056として、CHMP意見2018年2月22日・欧州委員会決定2018年4月6日が逐語で確認できる(EMA Kineret procedural steps)。あわせて承認適応の正本フィールドに成人発症Still病を追加した。
    • 疾患骨髄炎培養陰性で抗菌薬が効かない骨髄炎では慢性非細菌性骨髄炎(慢性再発性多発性骨髄炎)を考える旨を診断の節に追記した。この疾患の分類基準は「抗菌薬単独での完全かつ持続的な反応」を除外基準に置いており、抗菌薬が効いたなら細菌性という向きで使う項目である。
  7. 2026 09.08

    歯周炎ノートで、2017年World Workshop分類の射程を是正した。病期・進行度で記述されるのは統合後の「歯周炎」であって、壊死性歯周疾患は独立したカテゴリーとして残る。あわせて歯周膿瘍の定義を補い、菌叢の記述を古典的な複合体解析(第1複合体と第2複合体)まで広げた。

    • 疾患歯周炎①2017年World Workshopの分類を「慢性/侵襲性の二分法を廃し、単一疾患としての歯周炎を病期・進行度の2軸で記述する枠組みへ刷新した」とだけ書いていたため、この2軸がカテゴリー全体を覆うように読めた。workgroup 2合意報告の抄録は逐語で、壊死性歯周疾患を「歯間乳頭の壊死・出血・疼痛という典型的な臨床像をもち、宿主免疫応答の障害と関連し、独立した歯周炎のカテゴリーとして残る」と述べている。統合されたのは旧「慢性」と旧「侵襲性」だけである旨を本文とまとめに追記し、壊死性歯肉炎のノートへ本文リンクを張った。②同じ合意報告が定義している歯周膿瘍(歯周ポケットないし歯肉溝の歯肉壁の内側への限局した膿の貯留と急速な組織破壊を特徴とする急性病変で、全身への播種のリスクを伴う)を本文が扱っていなかったので、歯内-歯周病変の節に追記し、節の見出しも歯周膿瘍を含む形へ改めた。③同じ節で、急性歯周病変の基礎レビューの所見(深い歯周ポケット・プロービング時の出血・排膿を伴いほぼ例外なく疼痛を伴うこと、非歯周炎患者より歯周炎患者で予後が悪いこと)を歯内-歯周病変だけに帰属させていたのを、原文どおり歯周膿瘍と歯内-歯周病変の両方についての記述へ戻した。④菌叢の記述が Porphyromonas gingivalis と Prevotella intermedia の2菌だけだったので、歯肉縁下プラーク13,261検体の複合体解析を追記した。Bacteroides forsythus(現Tannerella forsythia)・P. gingivalis・Treponema denticola の第1複合体がポケット深度とプロービング時出血に際立って強く関連し、P. intermedia は Fusobacterium nucleatum/periodonticum らとともに第2複合体に属する。横断的な関連の記述であって因果を決めたものではない旨も添えた。(出典:Periodontitis: Consensus report of workgroup 2 of the 2017 World Workshop、Acute periodontal lesions and endo-periodontal lesions、Microbial complexes in subgingival plaque)
  8. 2026 09.08

    敗血症とSIRSの2ノートを是正した。経験的治療の広さをSurviving Sepsis Campaign 2026のリスク因子別の推奨へ合わせ、「敗血症は通常菌血症の結果として生じる」を後退させ、Kaukonen研究の症例数を原著に合わせ、Sepsis-3が小児を対象外としていたこと(小児は2024年のPhoenix基準)を追記した。

    • トピックSepsis (definition, pathomechanism, microbiological diagnosis)①経験的治療を「バンコマイシン+カルバペネム/アミノグリコシド、必要に応じてフルコナゾール」という既定のレジメンとして提示していたのを是正した。Surviving Sepsis Campaign 2026は経験的抗真菌薬を行わないことを提案し(条件付き・確実性は低い。リスク因子のある症例で個別に検討するという付記が付く)、特定の多剤耐性菌へのカバーはリスクが低ければ行わないことを提案、嫌気性菌カバーもリスク因子が無ければ含まないレジメンを提案し、感受性が判明したらデエスカレーションすることを強い推奨としている。授業の例示は残したうえで、上乗せの可否をリスク因子で切る表を追加した。②「敗血症は通常、菌血症の結果として生じる」を後退させた。Sepsis-3の定義に菌血症は含まれず、同ノートが引く前向き研究でも重症敗血症像を呈した成人325例で抗菌薬投与前の血液培養が陽性になったのは31.4%にとどまる。まとめの階段(無症候性菌血症→…→敗血症性ショック)にも旧定義による段階づけである旨を添えた。③Sepsis-3の年表が成人のものであり、小児の敗血症定義がSIRSから離れたのは2024年のPhoenix基準(感染を疑う小児でPhoenix Sepsis Score 2点以上を敗血症、循環器系1点以上を敗血症性ショック)であることを追記した。(出典:Surviving Sepsis Campaign 2026、Blood Culture Results Before and After Antimicrobial Administration、International Consensus Criteria for Pediatric Sepsis and Septic Shock)
    • 疾患全身性炎症反応症候群(SIRS)①Kaukonenらの研究を「13万例超の敗血症患者」と書いていたのを原著に合わせて是正した。原著はオーストラリア・ニュージーランドの172のICUに2000〜2013年に入室した1,171,797例のうち、感染と臓器障害を併せもつ109,663例を解析し、12.1%(13,278例)がSIRS基準を2項目以上満たさなかったと報告している。あわせて「SIRSの基準が1つ増えるごとに死亡のオッズが上昇し(各基準あたりオッズ比1.13、95%CI 1.11〜1.15)、2基準という閾値に死亡リスクの段差は無かった」という所見を追記し、SIRSが退けられた理由を「感度は高いが特異度が低い」から「特異度の低さと感度の不足の両方」へ書き改めた。②定義の変遷の表が2016年のSepsis-3で終わっていたのを是正した。Sepsis-3は小児を定義の対象から除外しており、小児でSIRS基準が置き換わったのは2024年のPhoenix基準である。2024年の行と、置き換えられた2005年の小児基準についての合意文書の記述(予測性能に乏しいSIRS基準を用い、冗長な「重症敗血症」という用語を含んでいた)を追記した。③SIRS・敗血症・重症敗血症・敗血症性ショックの死亡率(7%・16%・20%・46%)が現行の分類による段階分けと読めたため、Sepsis-3以前の旧定義による段階分けである旨を添えた。(出典:Systemic Inflammatory Response Syndrome Criteria in Defining Severe Sepsis、International Consensus Criteria for Pediatric Sepsis and Septic Shock)
  9. 2026 09.08

    化膿性関節炎のノートに、小児の現行ガイドライン(PIDS/IDSA 2023)に基づく起因菌・検査・経験的抗菌薬・投与期間の記述を加え、MRSAの薬剤選択の根拠にしていた米国のMRSA指針2011年版が現在アーカイブ扱いであることを明記した。同じ穴が空いていた小児骨髄炎の2ノートにも、抗MRSA薬が Kingella kingae を覆わないことを追記した。

    • 疾患化膿性関節炎(敗血症性関節炎)①起因菌の表に「生後6〜48か月」の行を新設した。この年齢層では Kingella kingae が近年の研究で最頻の起因菌として報告されており、経験的治療の推奨もこの年齢で切り替わる。あわせて、この菌を HACEK群のノートへリンクする書き方が「HACEK群そのものが化膿性関節炎の典型起因菌である」と読めた点を、菌種が主題でHACEK群はその所属だと分かる形に直した。②小児の経験的抗菌薬の節を新設した。基本は黄色ブドウ球菌に活性のある薬剤(強い推奨)で、市中型MRSAへの活性は地域の感受性データと重症度に応じて考慮する。生後6〜48か月では Kingella kingae への活性を含めることが提案されている(条件付き推奨)。⚠️ この菌はバンコマイシンに耐性で、クリンダマイシン・リネゾリドにもしばしば耐性であり、抗ブドウ球菌ペニシリンとダプトマイシンも活性が不十分なので、MRSAを狙って選んだ薬だけではこの年齢層の最頻の起因菌を覆えない。これらで開始する臨床的に安定した児にはアンピシリンまたはセファロスポリンの追加を考慮する、という記述を加えた。③小児の投与期間を追記した。隣接骨髄炎を伴わない原発性で、治療第1週の終わりまでに速やかな臨床改善とCRPの一貫した低下がある例は、21〜28日ではなく静注と経口を合わせて総10〜14日という短い期間が提案されている(条件付き推奨)。反応が遅い例・感染源の制御が不十分な例・CRPが下がらない例では21〜28日が好ましく、隣接骨髄炎を伴う例は骨髄炎のガイドラインに従う。根拠になったフィンランドの無作為化試験にMRSAの症例が1例も含まれないことも書き添えた。初期静注に反応した小児では、外来静注抗菌薬療法ではなく経口へ切り替えることが強く推奨されている点も加えた。④検査の記述を補った。小児では血清プロカルシトニンを測らないことが提案されている(条件付き推奨)。関節液は綿棒ではなく十分な量の液体として提出し、Gram染色と好気培養で起因菌が出なかった検体には分子生物学的検査が有用で、とくに Kingella kingae のリスクが高い就学前児で意味がある。画像は、小児では患部関節と隣接骨の単純X線と、関節液貯留の検出のための超音波がいずれも強く推奨されており、成人での「単純X線は診断そのものに寄与しない」という書き方と組み立てが違うことを明記した。⑤手術を要する小児に関節内への抗菌薬投与を日常的に行わないこと(強い推奨)、補助的な副腎皮質ステロイドを用いないこと(条件付き推奨)を加えた。(出典:Clinical Practice Guideline by PIDS and IDSA 2023 Guideline on Diagnosis and Management of Acute Bacterial Arthritis in Pediatrics)
    • 疾患化膿性関節炎(敗血症性関節炎)関節液白血球数の50,000という値の位置づけを直した。これまでは2024年の総説の記述に従い「米国の2学会が採用している閾値」と書いていたが、当のガイドライン本体は50,000/µLを閾値としてではなく分布の記述として示している。化膿性関節炎では通常50,000/µLを超えしばしば100,000/µLを超え、一過性の非細菌性滑膜炎では多くは5,000〜15,000/µL、若年性特発性関節炎では典型的に50,000/µL未満、という形である。ガイドライン自身が白血球数を「おおまかな目安にすぎず、臨床像と他の検査所見の文脈で解釈すべきもの」と明記している。若年性特発性関節炎でも50,000/mm³を超えうるという既存の注意はそのまま残した。(出典:Clinical Practice Guideline by PIDS and IDSA 2023 Guideline on Diagnosis and Management of Acute Bacterial Arthritis in Pediatrics、The Kocher-Caird Criteria for Pediatric Septic Arthritis of the Hip)
    • 疾患化膿性関節炎(敗血症性関節炎)MRSAが確定したあとの薬剤選択と成人の投与期間3〜4週間の根拠にしていた米国感染症学会のMRSA治療ガイドライン2011年版について、これまで「現行の指針として学会サイトに掲載されている」と書いていたのを是正した。2026年9月8日時点で、学会のガイドライン一覧と当該ページの双方がこの2011年版をアーカイブ扱いと表示しており、一覧に後継のMRSA指針は無く、黄色ブドウ球菌菌血症の指針が策定中として挙がっている。薬剤の選択肢そのものは残したうえで、現行の米国推奨としては引けないことを明記した。咬傷の根拠にしている皮膚軟部組織感染症の2014年版は同じ一覧で現行と表示されており、こちらは版の状態を確認しただけで内容は変えていない。(出典:IDSA Clinical Practice Guidelines for the Treatment of Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus Infections in Adults and Children、IDSA Practice Guidelines for the Diagnosis and Management of Skin and Soft Tissue Infections 2014 Update)
    • トピックAcute hematogenous osteomyelitis in children経験的治療の表が「MSSAを必ず覆い、地域MRSA頻度などでクリンダマイシンまたはバンコマイシンを選ぶ」で止まっていた点を補った。同じノートが「生後6〜48か月では Kingella kingae が黄色ブドウ球菌より優勢」と書いているのに、そこで選ばれる抗MRSA薬がこの菌に活性を持たないことが書かれていなかった。PIDS/IDSAの2021年ガイドラインは、就学前児や骨端の骨髄炎など Kingella kingae を考える状況では経験的な抗MRSA治療にアンピシリン・βラクタム/βラクタマーゼ阻害薬配合剤・セファロスポリンの追加を考慮しうるとし、あるいは抗MRSA薬への反応を48〜72時間観察して追加を判断する運用も示している。あわせて、同ガイドラインが血清プロカルシトニンを測定しないことを提案している点も加えた。(出典:Clinical Practice Guideline by PIDS and IDSA 2021 Guideline on Diagnosis and Management of Acute Hematogenous Osteomyelitis in Pediatrics)
    • 疾患骨髄炎背景ごとの起因菌の表に「乳幼児・就学前児」の行を新設した。新生児の次が鎌状赤血球症へ飛んでおり、乳幼児期の Kingella kingae が抜けていた。抗MRSA薬がこの菌に活性を持たないため、アンピシリン・βラクタム/βラクタマーゼ阻害薬配合剤・セファロスポリンの追加を考慮するか48〜72時間の反応で判断する、という記述も添えた。(出典:Clinical Practice Guideline by PIDS and IDSA 2021 Guideline on Diagnosis and Management of Acute Hematogenous Osteomyelitis in Pediatrics)
    • 疾患化膿性関節炎(敗血症性関節炎)①小児の画像検査の記述で、同じ欄の前半と後半が逆向きに読めていたのを調停した。ガイドラインの推奨に付された注記は「超音波で関節液貯留が無いことは化膿性関節炎ではないことを示唆する」だが、同じ推奨の根拠の項は「関節液貯留が無いことは化膿性関節炎を完全に除外しない」と明記し、偽陰性の多くが発症24時間以内に行われた検査であること、超音波が陰性でも臨床的な疑いが続くなら超音波の再検またはMRIを行うべきこと、偽陰性例で治療が遅れると関節の転帰が悪化することを述べている。注記だけを読むと除外の道具として使う向きへ倒れるので、両方を並べたうえで、貯留が無いことは化膿性関節炎らしさを下げるが疑いが強ければ穿刺の判断は変えない、と書き直した。②米国のMRSA指針2011年版を引く4箇所のうち、いちばん強い断定(化膿性関節炎では関節腔のドレナージまたはデブリドマンを常に行う)の箇所だけにアーカイブ扱いの注記が無かったので補い、ドレナージを併用する原則そのものは英国の指針が独立に示していることを添えた。③Kingella kingae に足すβラクタムの説明から、出典に無い因果を外した。ガイドラインはβラクタマーゼ産生率が約25%であること(ただし多くは定着株)と、追加薬としてアンピシリンとセファロスポリンを並べて挙げることを別々に述べているだけで、前者を後者の理由としていない。あわせて、同じガイドラインが投与期間の節ではβラクタマーゼ産生を約5%と書いており、産生率が文書内で割れていることを明記した。(出典:Clinical Practice Guideline by PIDS and IDSA 2023 Guideline on Diagnosis and Management of Acute Bacterial Arthritis in Pediatrics、IDSA Clinical Practice Guidelines for the Treatment of Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus Infections in Adults and Children)
    • 疾患骨髄炎Kingella kingae と抗MRSA薬の関係の書き方を、より新しい2023年の小児細菌性関節炎ガイドラインの言い方へ揃えた。これまでは2021年の骨髄炎ガイドラインの「クリンダマイシンやバンコマイシンは Kingella に対する活性を持たない」に従って断定していたが、2023年版は「バンコマイシンに耐性で、クリンダマイシンとリネゾリドにもしばしば耐性」「市中型MRSAに活性のある薬剤の多くが十分な抗菌活性を与えない(抗ブドウ球菌ペニシリン・バンコマイシン・クリンダマイシン・ダプトマイシン・リネゾリドを含む)」と薬剤ごとに書き分けている。2021年版の強い言い方も残して併記した。あわせて、まとめの背景別の起因菌の列挙に乳幼児・就学前児の Kingella kingae が入っていなかったので加え、原因微生物の関係欄にも HACEK群のノートを Kingella kingae と分かるラベルで足した。(出典:Clinical Practice Guideline by PIDS and IDSA 2023 Guideline on Diagnosis and Management of Acute Bacterial Arthritis in Pediatrics、Clinical Practice Guideline by PIDS and IDSA 2021 Guideline on Diagnosis and Management of Acute Hematogenous Osteomyelitis in Pediatrics)
    • トピックAcute hematogenous osteomyelitis in children①「この年齢層で最も多い起因菌」という書き方の射程を直した。生後6〜48か月で Kingella kingae が黄色ブドウ球菌より優勢だという報告は小児骨・関節感染全体(骨髄炎と化膿性関節炎の合算)を分母にしたもので、骨髄炎単独の値ではない。骨髄炎のガイドライン自身は「北米では全年齢層を通じて黄色ブドウ球菌が急性血行性骨髄炎の最頻の起因菌である」と明記し、「化膿性関節炎は Kingella kingae が起こす筋骨格系感染のうち最も目立つもので、骨への進展も起こりうる」として詳細を関節炎のガイドラインへ委ねている。両方を並べて書き分け、頻度の主張は疫学研究のほうへ脚注を付け替えた。②抗MRSA薬と Kingella kingae の関係の書き方を、より新しい2023年の関節炎ガイドラインの薬剤ごとの言い方へ揃え、2021年版の「活性を持たない」という強い言い方も残した。③まとめが「黄色ブドウ球菌が中心である」「一律のバンコマイシン+抗緑膿菌薬ではなく狭域化する」のままで、本文で足した2点と噛み合っていなかったので、抗MRSA薬では Kingella kingae を十分に覆えないこと、血清プロカルシトニンを測らないことが提案されていることを加え、狭域化の名のもとにこの菌のカバーを落とさない、と書き添えた。④診断の推奨である血清プロカルシトニンの記述が治療の節に置かれていたので診断の節へ移した。(出典:Clinical Practice Guideline by PIDS and IDSA 2021 Guideline on Diagnosis and Management of Acute Hematogenous Osteomyelitis in Pediatrics、Clinical Practice Guideline by PIDS and IDSA 2023 Guideline on Diagnosis and Management of Acute Bacterial Arthritis in Pediatrics、The Contemporary Bacteriologic Epidemiology of Osteoarticular Infections in Children in Switzerland)
  10. 2026 09.08

    大腿と頭蓋のノートを一次資料で検算し、閉鎖神経の皮膚支配と顎関節の外側靭帯という2つの断定を、実測にもとづく書き方へ直した。