脳神経内科学

脳神経内科学 · G3-11

パーキンソン病の治療

G3-11: Treatment of Parkinson's disease

前提:病態
神経変性疾患治療薬(錐体外路系・脳代謝賦活薬)
前提:正常
運動機能における小脳と大脳基底核の役割。錐体外路系(大脳基底核との関連)
薬剤
アポモルヒネ
疾患
パーキンソン病
症状
ウェアリングオフ現象ジスキネジア
スコア
Hoehn-Yahr重症度分類MDS-UPDRS(改訂版統一パーキンソン病評価尺度)

🧠 全体像:パーキンソン病の治療は、運動症状を中心に調整しつつ、非運動症状・リハビリテーション・デバイス治療を患者ごとに組み合わせる。現在も根治療法ではない1。

治療の目標

  • 、、振戦を軽減し、日常生活機能を保つ。
  • 、、を抑える。
  • 認知、気分、睡眠、自律神経、嚥下などの非運動症状を同時に扱う。

薬物療法

薬剤群 主な役割 重要な注意
+末梢性阻害薬(、) 最も強力な運動症状改善。高齢者や機能障害が明らかな患者で軸となる 悪心、、、長期の
(、、の) 若年者の初期治療または追加療法、はオフ時の救済 傾眠、、浮腫、2。高齢者では慎重
阻害薬(、、サフィナミド) 軽症初期またはへの追加 効果は比較的穏やか。他の選択的阻害薬どうしの併用は禁忌。⚠️ 日本の電子添文では、・サフィナミドとも三環系/・・・・、および・・が「注意」ではなくである34
阻害薬(配合剤など) を延長しオフ時間を短縮 下痢、。は肝障害に注意
主に 、混乱、。腎機能で調整
(、) 若年者の難治性振戦に限定的 、尿閉、便秘、の危険
国内で承認された補助薬(、イストラデフィリン、サフィナミド) 併用下での短縮 いずれも含有製剤との併用が用法に書き込まれている。下記「日本で使える補助薬」を参照

⚠️ 早期患者で運動症状の治療を要する場合、はや阻害薬より運動効果が高い。開始を不必要に遅らせる理由はない。かつては早期の開始がやを早めるという懸念からを温存し若年者ではから始める考え方もあったが、LEAP試験の5年間長期追跡では、開始を40週間早めた群と遅らせた群で・のに有意差はなく、開始を先延ばしする根拠は乏しいことが示された5。早期パーキンソン病患者361例のELLDOPA試験でも、投与群はプラセボ群よりUPDRS総スコア悪化が少なく、少なくとも臨床評価スケール上はがを早めるという懸念を支持しなかった(ただし画像所見では群でシグナル低下が大きく、このと画像所見の乖離の解釈は未確定である)6。

⚠️ 阻害薬と抗うつ薬の組み合わせは、日本では「のリスクがあるので慎重に」ではなくである。 サフィナミドの電子添文は三環系・抗うつ剤、、、、、、中枢神経刺激剤などを禁忌に列挙し、切り替えには原則14日間(含有製剤からは2〜3日、からは7日など薬剤ごとに規定)のを求めている4。の電子添文もの薬剤を禁忌としている3。💡 抑うつはパーキンソン病の高頻度の非運動症状なので、この禁忌は机上の話ではなくに当たる。

日本で使える補助薬——ウェアリングオフへの追加

⭐ を使ってもが残る段階で追加できる補助薬が、日本には3剤ある。 日本の処方を読むときに必要になるので、名前と位置づけを分けて覚える。

薬剤 機序 効能・効果と用量
(トレリーフ) 併用下で線条体の細胞外ドパミンを上げる。阻害は比較的B型に選択的で、電子添文自身が「作用機序はまだ完全に解明されてはいない」と述べる7 「パーキンソン病(含有製剤に他のを使用しても十分に効果が得られなかった場合)」。含有製剤と併用し1日1回25 mg、の改善には1日1回50 mg7
イストラデフィリン(ノウリアスト) アデノシンA2A受容体拮抗薬。非ドパミン系の機序で大脳基底核の出力を調整する 「含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるの改善」。1日1回20 mg、症状により40 mg。⚠️ 40 mgでも20 mgを上回るオフ時間の短縮効果は認められておらず、増量はオン時の改善を期待する場合の選択である8
サフィナミド(エクフィナ) 選択的・可逆的な阻害に加え、阻害による抑制という非ドパミン作動性の作用を併せ持つ 「含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるwearing off現象の改善」。1日1回50 mg、症状に応じて1日1回100 mgまで4

⭐ 3剤とも「含有製剤と併用する」ことが用法・用量に書き込まれている。 単独では使わない。はさらに「他のを使用しても十分に効果が得られなかった場合」という限定が効能・効果そのものに入っており、未使用例の第一選択にはならない7。イストラデフィリンとサフィナミドも、の投与量・投与回数を調節してもなおが残る患者に使うと効能・効果に関連する注意で定められている84。

日本神経学会「パーキンソン病診療ガイドライン2018」のCQ2は、を呈する患者への追加とイストラデフィリン追加をどちらも2C(弱い推奨/エビデンスの質「低」)として提案し、両者に同じ付帯事項「本邦のみでの承認薬剤であるために、海外での評価は定まっていない点に十分注意する必要がある」を付している9。サフィナミドは同ガイドラインのMAOB阻害薬の章にもCQ2にも一度も現れない——刊行後に日本で承認された薬である9。

⚠️ この付帯事項は2018年時点のものであり、その後の各国の判断は薬剤ごとに分かれた。 米国は2019年8月27日にイストラデフィリンを、併用下のオフ症状を伴うパーキンソン病への追加治療として承認している(過去20年でが承認した初の非ドパミン系パーキンソン病治療薬である)10。一方、は同じ薬(Nouryant)の販売承認を拒否し、2021年11月11日の再審査でも拒否を維持した。理由は、提出された8件の主要試験(3,245例)のうちオフ時間の短縮を示したのは4件にとどまり、増量しても効果は増大せず、圏の患者を含む2試験(とくに最大限かつ最適な治療を受けている患者を対象とした最新の試験)では効果が認められなかったことで、「利用可能な結果では有効性が確立しているとは考えられない」としている。販売承認の拒否は2022年1月6日付である11。💡 「海外での評価が定まっていない」は、その後「定まった」のではなく地域ごとに逆向きに定まった。 上の位置づけは国ごとに別の当局文書が決めるので、1国の判断を他国へ持ち込まない(→パーキンソン病)。

進行期治療

flowchart TD
  A["内服最適化後も<br>オフ・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dyskinesia'>ジスキネジア</span>・振戦"] --> B["認知・精神症状、姿勢歩行、<br>薬剤反応性を多職種評価"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='deep brain stimulation, DBS'>脳深部刺激療法</span>"]
  B --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='continuous infusion'>持続注入</span>療法"]
  C --> E["主に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='subthalamic nucleus'>視床下核</span>または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='globus pallidus internus (GPi)'>淡蒼球内節</span>"]
  D --> F["[[drugs/apomorphine|<span class='jp-term jp-term-diagram' title='apomorphine'>アポモルヒネ</span>]]<span class='jp-term jp-term-diagram' title='continuous subcutaneous infusion'>持続皮下投与</span>"]
  D --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='levodopa-carbidopa'>レボドパ・カルビドパ</span>空腸内<span class='jp-term jp-term-diagram' title='repeated/continuous dosing'>持続投与</span>"]
  D --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='foslevodopa'>フォスレボドパ</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='foscarbidopa'>フォスカルビドパ</span><br>24時間<span class='jp-term jp-term-diagram' title='continuous subcutaneous infusion'>持続皮下注入</span>"]
  • は反応性症状とを改善するが、を止めない。刺激部位は主にまたはから選ぶ。パーキンソン病患者299例を対象にしたでは、24か月後の運動スコア改善に両部位間で有意差はなく、群は必要量が少ない一方で視覚運動の低下が目立ち、群では抑うつが改善する傾向がみられた12。従来は内服調整でも制御できないのが適応とされてきたが、早期の(平均7.5年)を有する患者251例を対象に刺激と薬物療法単独を比較した無作為化試験では、刺激群で指標・運動障害スコアがいずれも有意に優れており、適応をより早期の患者にも広げる根拠となっている13。
  • 高度な認知症、制御困難な精神症状、主症状が薬剤非反応性のである場合は適応が乏しい。
  • 破壊術や視床破壊術などのは、選択例で検討される。
  • 内服最適化やデバイス手術の適応が難しい患者では、療法が選択肢になる。、経腸ゲルの空腸内(パーキンソン病を対象にした試験で、経腸ゲル群は経口群よりオフ時間の減少が有意に大きく、これは持続的投与の有用性を示した初の対照試験であった14)に加え、2024年10月にが承認した・(のを専用ポンプでする製剤)が、パーキンソン病の成人のに対する新たなの選択肢となっている15。投与は患者の覚醒時間帯に限ることも24時間続けることもでき、24時間投与が必須というわけではない16。

非薬物療法と非運動症状

⚠️ の「パーキンソン病に伴う認知症」という適応は、日本の電子添文には無い。 米国の EXELON PATCH は1項で軽度〜中等度の(PDD)を適応に挙げている17が、日本のイクセロンの効能又は効果は「軽度及び中等度のにおける認知症症状の進行抑制」の1項目のみで、パーキンソン病に伴う認知症は含まれていない18。💡 同じ電子添文は、(パーキンソン病、等)のある患者を、線条体のコリン系神経を亢進して症状を悪化させるおそれがあるとして慎重投与に挙げている18——⭐ の国差と、機序から予測される注意点が、この薬では同じ方向を向いている。

⚠️ 治療そのものが症状を悪化させうる場面

まとめ

  • が運動治療の中心で、年齢・症状・副作用に合わせて補助薬を選ぶ。
  • 日本にはに追加できる補助薬として・イストラデフィリン・サフィナミドがあり、いずれも含有製剤との併用が用法に書き込まれている。前2剤は2018年ガイドラインで2C(弱い推奨)で、同ガイドラインが付けた「本邦のみでの承認薬剤」という但し書きは2018年時点のものである(イストラデフィリンはその後、米国が承認・が拒否と地域で判断が分かれた)。
  • ⚠️ 日本の電子添文では、・サフィナミドとも多くの抗うつ薬・一部のオピオイドがである。「のリスク」で済ませない。
  • 治療は薬剤反応性、認知・精神状態、生活目標を含む専門的評価が必要である。
  • 運動、リハビリ、非運動症状への介入は全病期で欠かせない。
  • ⚠️ のという適応は米国の添付文書にはあるが日本の電子添文には無い1718。非運動症状の薬は国によってが違うので、処方を読むときは当該国の文書で確かめる。
  • ⚠️ D2遮断薬(・抗精神病薬)を避け、・を急に中止しない(と同じ病態を起こす)。

出典

  1. 1.Disease-modifying strategies for Parkinson's disease(Movement Disorders・2015)パーキンソン病の病勢進行そのものを止める疾患修飾療法を検証した臨床試験の総説で、これまでに試験された複数の薬剤・治療法(AAV2-neurturin、コエンザイムQ10、クレアチン、プラミペキソール、ピオグリタゾンなど)はいずれも神経保護・疾患修飾を示せず失敗に終わったこと、現在もイスラジピン・カフェイン・ニコチン・グルタチオン・GDNF遺伝子治療・αシヌクレインに対する能動/受動免疫療法などが試験段階にあることを確認した閲覧 2026-08-27
  2. 2.Association of dopamine agonist use with impulse control disorders in Parkinson disease(Archives of Neurology・2006)パーキンソン病患者272例を対象にしたスクリーニング面接研究で、18例(6.6%)が病歴のいずれかの時点で衝動制御障害(病的賭博・買い物依存・性行動亢進)の基準を満たしたこと、多変量解析でドパミン作動薬の使用が衝動制御障害の独立した予測因子であったこと(衝動制御障害を有する患者は有さない患者よりドパミン作動薬の1日用量が高かったこと)を確認した閲覧 2026-08-27
  3. 3.エフピーOD錠2.5 電子添文(2024年2月改訂・第1版)(医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2024)電子添文の本文を取得して確認した。2.禁忌が7項目で、2.2がペチジン塩酸塩含有製剤・トラマドール塩酸塩又はタペンタドール塩酸塩を投与中の患者、2.3が他の選択的MAO-B阻害剤(ラサギリンメシル酸塩及びサフィナミドメシル酸塩)を投与中の患者、2.6が三環系抗うつ剤又は四環系抗うつ剤を投与中の患者、2.7が選択的セロトニン再取り込み阻害剤・ボルチオキセチン・ミルタザピン・セロトニン ノルアドレナリン再取り込み阻害剤・アトモキセチン・マジンドール・メタンフェタミン又はリスデキサンフェタミンを投与中の患者であること、すなわちこれらの併用が「注意」ではなく禁忌として規定されていることを確認した閲覧 2026-09-13
  4. 4.エクフィナ錠50mg 電子添文(2024年1月改訂・第5版)(医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2024)電子添文の本文を取得して確認した。4.効能又は効果が「レボドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるwearing off現象の改善」、6.用法及び用量が「本剤は、レボドパ含有製剤と併用する。通常、成人にはサフィナミドとして50mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じて100mgを1日1回経口投与できる」であること、2.禁忌が6項目で、2.1他のMAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩)投与中、2.2ペチジン塩酸塩含有製剤・トラマドール塩酸塩含有製剤又はタペンタドール塩酸塩投与中、2.3三環系抗うつ剤・四環系抗うつ剤・選択的セロトニン再取り込み阻害剤・ボルチオキセチン・セロトニン ノルアドレナリン再取り込み阻害剤・アトモキセチン・ミルタザピン・フェンフルラミン・中枢神経刺激剤などを投与中、2.4重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)、2.5本剤の成分に対し過敏症の既往歴、2.6妊婦又は妊娠している可能性のある女性であること、10.1併用禁忌の表が切り替え時に原則14日間の間隔を求めていることを確認した閲覧 2026-09-13
  5. 5.Long-Term Follow-Up of the LEAP Study: Early Versus Delayed Levodopa in Early Parkinson's Disease(Movement Disorders (Frequin et al.)・2024)LEAP試験の5年間長期追跡で、早期パーキンソン病患者においてレボドパ開始を40週間早めても遅らせても5年後の病勢進行や運動合併症(ジスキネジア・ウェアリングオフ)の発生率に有意差が無かったこと、レボドパを温存し開始を遅らせても病勢の進行を遅らせる効果は示されなかったことを確認した閲覧 2026-08-27
  6. 6.Levodopa and the progression of Parkinson's disease(The New England Journal of Medicine・2004)ELLDOPA試験(早期パーキンソン病患者361例の無作為化二重盲検プラセボ対照試験)で、レボドパ投与群はプラセボ群より42週時点のUPDRS総スコア悪化が用量依存的に少なく、少なくとも臨床評価スケール上はレボドパが病勢進行を早めるという懸念を支持しなかったこと(一方でドパミントランスポーター画像所見ではレボドパ群でシグナル低下が大きく、この臨床所見と画像所見の乖離の解釈は未確定であること)を確認した閲覧 2026-08-27
  7. 7.トレリーフOD錠25mg/トレリーフOD錠50mg 電子添文(2023年9月改訂・第2版、再審査結果)(医薬品医療機器総合機構(PMDA)電子添文・2023)電子添文の本文を取得して確認した。4.効能又は効果が〈OD錠25mg〉「パーキンソン病(レボドパ含有製剤に他の抗パーキンソン病薬を使用しても十分に効果が得られなかった場合)」「レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズム(レボドパ含有製剤を使用してもパーキンソニズムが残存する場合)」の2つ、〈OD錠50mg〉はパーキンソン病のみであること、6.用法及び用量が「本剤は、レボドパ含有製剤と併用する」としたうえでパーキンソン病に1日1回25mg・症状の日内変動(wearing-off現象)の改善には1日1回50mgであること、18.1作用機序が「作用機序はまだ完全に解明されてはいない」としつつ片側6-OHDA処置ラットでレボドパ併用下の線条体細胞外液中ドパミンレベルを有意に上昇させ、線条体のMAO活性を比較的B型に選択的に阻害すると述べていることを確認した閲覧 2026-09-13
  8. 8.ノウリアスト錠20mg 電子添文(2022年4月改訂・第1版)(医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2022)電子添文の本文を取得して確認した。4.効能又は効果が「レボドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるウェアリングオフ現象の改善」、5.効能又は効果に関連する注意が「レボドパ含有製剤の投与量及び投与回数の調節を行ってもウェアリングオフ現象が認められる患者に対して使用すること」、6.用法及び用量が「本剤は、レボドパ含有製剤と併用する。通常、成人にはイストラデフィリンとして20mgを1日1回経口投与する。なお、症状により40mgを1日1回経口投与できる」であること、7.1が「患者のオン時の運動機能の改善を期待する場合、40mgを1日1回経口投与できる。ただし、40mgでは、20mgを上回るオフ時間の短縮効果は認められていない」と定めること、7.2が中等度の肝障害のある患者およびCYP3Aを強く阻害する薬剤を投与中の患者では1日1回20mgを上限とすること、2.禁忌が本剤成分への過敏症・妊婦又は妊娠している可能性のある女性・重度の肝障害の3項目であることを確認した閲覧 2026-09-13
  9. 9.パーキンソン病診療ガイドライン2018(日本神経学会(監修)/「パーキンソン病診療ガイドライン」作成委員会・2018)第I編第3章・第8章・第9章および第II編第3章CQ2のPDFを取得して確認した。CQ2-2-3「ウェアリングオフを呈する進行期パーキンソン病患者においてイストラデフィリンを加えることを提案する(2C、弱い推奨/エビデンスの質「低」)」とCQ2-2-4「同じくゾニサミドを加えることを提案する(2C)」がいずれも同じ付帯事項「本邦のみでの承認薬剤であるために、海外での評価は定まっていない点に十分注意する必要がある」を伴うこと、同じCQ2のMAOB阻害薬の項(CQ2-2-2)も2Cだが付帯事項は「本邦で承認されているセレギリンのRCTが少ない。ラサギリンについては2018年3月に製造承認されたばかりであり、現時点で国内のエビデンスが公表されていない」と別内容であること、第I編第8章がゾニサミドについてL-ドパ併用下25〜50mg/日で運動症状改善に有効・50mgではオフ時間の短縮が期待できるとすること、第I編第9章がイストラデフィリンを2013年5月より本邦で使用可能になったと記しオフ時間が20mg/日で1.31時間(p=0.013)・40mg/日で1.58時間(p<0.001)短縮したと述べていることを確認した。⚠️ サフィナミドは、取得した第I編第3章(MAOB阻害薬)と第II編第3章CQ2のPDF全文に一度も現れない(他の章は本実行では取得していない)閲覧 2026-09-13
  10. 10.The belated US FDA approval of the adenosine A2A receptor antagonist istradefylline for treatment of Parkinson's disease(Purinergic Signalling(Chen JF, Cunha RA)・2020)Europe PMC(PMC7367999)の抄録で逐語を確認した。2019年8月27日に米国FDAがアデノシンA2A受容体拮抗薬イストラデフィリン(Nourianz)を、オフ症状を伴うパーキンソン病に対するレボドパへの追加治療として承認したこと、Istradefylline is the first non-dopaminergic drug approved by FDA for PD in the last two decades と述べていることを確認した。⚠️ 全文は非オープンアクセスで、確認できたのは抄録の範囲のみである閲覧 2026-09-13
  11. 11.Nouryant (istradefylline) — Refusal of the marketing authorisation(European Medicines Agency (EMA)・2022)EMAのEPARページ(Nouryant、EMEA/H/C/005308)を取得して逐語で確認した。承認状態は Refused(This medicine has been refused authorisation)で、CHMPは2021年7月22日に初回意見を採択し、2021年11月11日の再審査後も拒否の勧告を維持、販売承認の拒否(Refusal of marketing authorisation)は2022年1月6日付である。申請の根拠は、レボドパ基盤治療を受けオフ時間を経験しているパーキンソン病患者3,245例を対象とする8件の主要試験であった。拒否の理由としてEPARは、①結果が一貫せずオフ時間の短縮を示したのは8件中4件にとどまったこと(Only four out of the eight studies showed a reduction in ‘off’ time)、②用量を増やしても効果は増大しなかったこと(and the effect did not increase with an increased dose of Nouryant)、③EU圏の患者を含む2試験——とくにパーキンソン病に対して最大限かつ最適な治療を受けている患者を対象とした最新の試験——では効果が認められなかったことを挙げ、再審査でも efficacy cannot be considered established based on the available results と結論してベネフィットがリスクを上回らないと判断したことを確認した。⚠️ 原文は「用量反応関係(dose-response relationship)」という語を使っておらず、増量しても効果が増えなかったという書き方である閲覧 2026-09-14
  12. 12.Pallidal versus subthalamic deep-brain stimulation for Parkinson's disease(The New England Journal of Medicine・2010)進行期パーキンソン病患者299例(淡蒼球内節刺激152例・視床下核刺激147例)を対象にした無作為化比較試験で、24か月後の運動スコア(UPDRS-III、薬物非服用時)の改善に両群間で有意差が無かったこと(P=0.50)、視床下核群は淡蒼球群よりドパミン作動薬の必要量が少なかったこと、視覚運動系の処理速度低下は視床下核群でより大きく抑うつは視床下核群で悪化し淡蒼球群で改善したことを確認した閲覧 2026-08-27
  13. 13.Neurostimulation for Parkinson's disease with early motor complications(The New England Journal of Medicine (EARLYSTIM Study Group)・2013)パーキンソン病で早期の運動合併症を有する患者251例(平均年齢52歳、罹病期間平均7.5年)を視床下核刺激+薬物療法群と薬物療法単独群に無作為割付した2年間の試験で、QOL指標(PDQ-39要約指数)が刺激群で7.8点改善し薬物療法単独群で0.2点悪化したこと(群間差8.0点、P=0.002)、運動障害スコア(UPDRS-III)も刺激群で有意に優れていたことを確認した閲覧 2026-08-27
  14. 14.Continuous intrajejunal infusion of levodopa-carbidopa intestinal gel for patients with advanced Parkinson's disease: a randomised, controlled, double-blind, double-dummy study(The Lancet Neurology (LCIG Horizon Study Group)・2014)進行期パーキンソン病で運動合併症を有する成人を対象にした12週間の無作為化二重盲検二重ダミー試験で、レボドパ・カルビドパ経腸ゲルの空腸内持続投与群(35例)はオフ時間が4.04時間減少し即放性経口レボドパ・カルビドパ群(31例)の2.14時間減少より有意に大きかったこと(差-1.91時間、95%CI -3.05〜-0.76、P=0.0015)、煩わしいジスキネジアを伴わないオン時間も経腸ゲル群でより大きく増加したこと(P=0.0059)、これが持続的レボドパ投与の有用性を示した初の二重盲検対照試験であったことを確認した閲覧 2026-08-27
  15. 15.NDA 216962 Approval Letter — Vyalev (foscarbidopa and foslevodopa) injection, for subcutaneous use(U.S. Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research・2024)2024年10月16日付の承認書で、フォスカルビドパ・フォスレボドパ皮下注(Vyalev)が進行期パーキンソン病の成人の運動変動(motor fluctuations)の治療薬として承認されたことを確認した閲覧 2026-08-25
  16. 16.VYALEV (foscarbidopa and foslevodopa) injection, for subcutaneous use — Prescribing Information(U.S. National Library of Medicine, DailyMed(AbbVie)・2026)米国添付文書では、フォスカルビドパ・フォスレボドパはVYAFUSERポンプによる持続皮下投与のみで用い、患者の覚醒時間帯に投与しても24時間投与してもよいこと、フォスレボドパとして1日最大3,525mg(レボドパ換算約2,500mg)であることを確認した閲覧 2026-08-25
  17. 17.EXELON PATCH (rivastigmine transdermal system) — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)・2024)openFDA(set_id 07c12e14-bbd5-4ec8-84e4-fbe7b5ba10e0、labeler は Novartis Pharmaceuticals Corporation)で1項 INDICATIONS AND USAGE を逐語で確認した。EXELON PATCH は 1.1 軽度・中等度・重度のアルツハイマー型認知症に加え、1.2 で EXELON PATCH is indicated for the treatment of mild-to-moderate dementia associated with Parkinson's disease (PDD) と、パーキンソン病に伴う軽度〜中等度の認知症を適応に挙げている。⚠️ 本文に印刷された改訂表示としては患者向け情報の Revised 6/2020 しか取得できておらず、year 2024 はコーパスの既存エントリ(SPLの更新日 20240508・version 30 に由来するとみられる)をそのまま引き継いだものである閲覧 2026-09-14
  18. 18.イクセロンパッチ4.5mg/イクセロンパッチ9mg/イクセロンパッチ13.5mg/イクセロンパッチ18mg 電子添文(医薬品医療機器総合機構(PMDA)電子添文・2024)電子添文の本文を取得して確認した。4.効能又は効果は「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」の1項目のみで、パーキンソン病に伴う認知症は含まれていない。本文全体で「パーキンソン」の語が現れるのは9.1.7の「錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)のある患者」という慎重投与の項の1回だけで、そこでは線条体のコリン系神経を亢進することにより症状を悪化させるおそれがあるとされている閲覧 2026-09-14