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2026
09.17薬剤6剤の適応・禁忌・用量・副作用の頻度を規制文書で確かめ直し、国ごとの違いを潰していた記述を書き分けた。
- 薬剤xylometazoline点鼻の用法を、成人用0.1%製剤と小児用0.05%製剤で分けて記載した(各鼻孔1噴霧・1日3回まで、英国の小児用点鼻液は1〜2滴で1日2回まで・24時間に2回を超えない)。従来の「1回1〜2噴霧を1日2〜3回」はどの製品概要にも無い数字だった。年齢の下限と連用日数が国と製剤で違うこと(英国の小児用は6歳以上で5日、ハンガリーは1歳から7日、スペインは6〜12歳で3日で改善しなければ中止)も表にした。禁忌も国ごとに分け、スペインのficha técnicaには閉塞隅角緑内障・褐色細胞腫の記載が文書全体に無いこと(禁忌は過敏症と経蝶形骨洞下垂体摘出術後の2項目だけ)を明示した。スペインが避けるよう求めているのはβ遮断薬ではなく、MAO阻害薬・三環系/四環系抗うつ薬・メチルドパ(2週間空ける)とフェノチアジン系薬・アドレナリン作動性気管支拡張薬である。(出典:Otrivine Congestion Relief 0.1% SmPC、Rhinovín ficha técnica)
- 薬剤mometasone経鼻モメタゾンの適応年齢が3極で違うことを明記した——アレルギー性鼻炎の治療はEUが3歳以上、米国は処方箋用製品が季節性鼻炎の予防(12歳以上)と鼻茸(18歳以上)だけで鼻症状の治療はOTCの側にあり、日本の効能・効果は成人のアレルギー性鼻炎のみで鼻茸を含まない。禁忌も国別に分けた(EUは過敏症・鼻粘膜を含む未治療の局所感染・治癒前の鼻手術や鼻外傷後、日本は有効な抗菌剤の存在しない感染症と全身性真菌症、米国の処方箋用は過敏症のみ)。乳幼児での副腎抑制は「特にリスクが高い」という表現から原文の数値(生後6〜23か月の97例中、治療前に副腎機能が正常だった患者の約16%)へ直し、フルチカゾンとの直接比較はどちらの添付文書にも無いことを明記した。外用ELOCONクリームの出典の年も、DailyMedの掲載年2010から文書に印刷された改訂表示(Rev. 3/04=2004年3月)へ訂正した。(出典:NASONEX SmPC(ハンガリー OGYÉI)、モメタゾン点鼻液50μg「タカタ」電子添文、Mometasone furoate nasal spray 米国添付文書)
- 薬剤linagliptin排泄の内訳を「約90%が胆汁・糞便へ」から「投与放射能の約85%が4日以内に回収され、内訳は腸肝系(糞便)約80%・尿中約5%。吸収された薬物の大部分(約90%)が未変化体」に分けた(2つの別々の文を混ぜていた)。CAROLINA試験の「5.9年」は追跡期間ではなく投与期間の中央値である(追跡期間の中央値は6.23年)。心不全の注意を置いているのは米国の添付文書だけで、EUのSmPCと日本の電子添文には対応する警告が無いことを明示し、CARMELINA(HR 0.90)に加えCAROLINA(HR 1.21、対グリメピリド、いずれも有意差なし)も併記した。「腎機能を問わず同一用量で使える唯一のDPP-4阻害薬」という記述は、テネリグリプチンの電子添文が腎機能別の用量調整を置いていないため撤回した。副作用の頻度も文書ごとに分け(EUのcommonはリパーゼ上昇のみ、日本の電子添文だけが重大な副作用にイレウスと間質性肺炎を挙げる)、EUでは単剤療法がメトホルミン不耐または禁忌の場合に限られること、10〜17歳で有効性を示せず小児に推奨されないことを追記した。(出典:TRADJENTA 米国添付文書、Trajenta EU 製品情報、テネリアOD錠 電子添文)
- 薬剤iloprost禁忌の一覧から落ちていた限定語を復元した(活動性の消化性潰瘍、NYHA II〜IVのうっ血性心不全は静注製剤のみで吸入製剤にはこの項目が無い、期限が付くのは6か月以内の心筋梗塞だけ)。承認適応も規制文書に合わせ、どの製品概要にも記載が無い全身性強皮症を外し(根拠はEULARの推奨であって承認ではない)、スペインで承認されている閉塞性血栓血管炎(Buerger病)を加え、肺高血圧症には「原発性・NYHA III・英国の吸入製剤」の限定を付けた。英国とスペインで適応の書き方が違う点(重症レイノー現象は英国が「進行する栄養障害を伴う」、スペインが「他の治療手段に反応しない」)も明示した。「数日にわたる持続点滴を避けるのは血小板のタキフィラキシーが起こるためだ」という因果の説明は、原文が2文を並置しているだけで「臨床的な帰結は認められなかった」という但し書きを伴うことに合わせて書き直した。日本ではPMDAに電子添文が掲載されていないことも確認して明記した。(出典:Iloprost 100 micrograms/ml SmPC、Ventavis SmPC、ILOMEDIN ficha técnica)
- 薬剤iptacopan副作用の整理を直した。日本の電子添文で「重大な副作用」に挙がるのは髄膜炎菌感染症(頻度不明)と莢膜形成細菌による重篤な感染症(2.1%)の2項で、後者は「まれ」ではない。中止後に最低2週間の溶血監視を求める規定は、米国・EU・日本のいずれもPNHの項に置かれた規定であることを明記した。第3相試験の48週の達成割合は「赤血球輸血の有無を問わない集計」であり、輸血なしを要件とするのは18〜24週の主要評価項目である点、組入れがPNHクローン10%以上であった点も補った。禁忌については、莢膜形成菌の感染症を禁忌の欄に置くこと自体は3極に共通し、違うのは対象菌と限定語(日本の2.1は髄膜炎菌に限定語なし、米国は「未解決の重篤な」、EUは「投与開始時点で未解決の」で『重篤な』が付かない)であることを書き分けた。腎移植後に再発したC3腎症についてEUの製品概要だけが開始の目安を示していることも追記した。(出典:FABHALTA 米国添付文書、FABHALTA EU 製品情報、ファビハルタカプセル200mg 電子添文)
- 薬剤pergolide心臓弁膜症を「まれな副作用」として載せていた副作用表を、規制文書の実際の頻度区分へ直した——EUの製品情報では very common(10人に1人超)、日本の電子添文では重大な副作用・頻度不明である。「頻度不明」は「手元のデータからは推定できない」であって「まれ」ではない。心エコー研究で報告された23.4%(服用中の64例で中等度〜高度の弁逆流を認めた割合)は、規制上の頻度区分とは分母も測り方も違う量であることを明示した。日本の電子添文の頻度区分に合わせ、幻覚・妄想が5%以上(国内長期試験で幻覚13.4%)である一方、傾眠や起立性低血圧は0.1〜5%未満であることも表に反映し、1日3000 µgを超える投与量で線維化による弁膜症のリスクが高いという注意(承認された維持量は1日750〜1250 µg)も加えた。(出典:EMA カベルゴリン・ペルゴリド Article 31 附属書III、ペルマックス錠 電子添文、Zanettini 2007)
2026
09.17同じガイドラインを引く周辺ノートに残っていた旧い読み方を、発生源と同じ実行で揃えた。
- トピックSurgery of the spleen and retroperitoneumITPに対する脾摘の記述を ASH 2026 ガイドライン本文の構造どおりに分けた。「複数の薬物療法に不応・不耐/長期の薬物治療を避けたい/重度の血小板減少に緊急の治療を要し反応不十分」は脾摘を検討する背景の説明であり、good practice statement は別に2本(可能なら診断後1年以上延期する、術前2週以上前の適切な予防接種と抗菌薬予防の説明・術後は少なくとも年1回の追跡)である。good practice statement を「推奨の枠外に置かれる弱い記述」と説明していた箇所も、ガイドライン自身の定義(系統的レビューに基づかないが強い推奨として解釈しうる)へ直した。脾摘前ワクチンの菌種の指定はこのガイドラインの記述ではないため、出典を分けて明示した。(出典:ASH 2026 ITP ガイドライン)
- 薬剤eltrombopagASH 2026 の推奨2aが比べているのは個々の薬ではなく薬効群であることを明記した。ガイドラインはアバトロンボパグ・エルトロンボパグ・ヘトロンボパグ・ロミプロスチム・遺伝子組換えヒトトロンボポエチンを互換として扱っており、「2剤を比べて差が無かった」という読み方はできない。(出典:ASH 2026 ITP ガイドライン)
- トピックMacrocytic anemiaビタミンB12欠乏の判定閾値の表(総B12 180 ng/L未満が欠乏、180〜350 ng/Lが判定保留)を追加し、補充経路を原因別に書き分けた。NICE NG239は自己免疫性胃炎・胃全摘・終末回腸の完全切除以外の吸収障害について「経口より筋注を考慮」としており、旧記述(一部の吸収障害では経口を選べる)とは向きが逆だった。筋注を勧める理由もガイドラインの言葉(経口投与ではどれだけ吸収されるか判断が難しい、6か月以上使う場合の費用対効果)で示し、経口を否定しているわけではないことを添えた。メチルマロン酸の解釈に腎機能を添える記述は、それを述べていないNICEのガイドラインから、実測した研究へ出典を付け替えた。(出典:NICE NG239、Supakul 2020)
- トピックThrombocytopeniasASH 2026 の good practice statement の重みと、推奨の主語が血小板産生刺激薬という薬効群であることを明記した。トロンボポエチン受容体作動薬と読み替えると、同じ薬効群に含まれる遺伝子組換えヒトトロンボポエチンが範囲から落ちる。(出典:ASH 2026 ITP ガイドライン)
- 薬剤sitagliptin「添付文書はクラス全体への注意喚起として心不全の徴候・症状の観察を求めている」という主語のない記述を、文書ごとに書き分けた。心不全の項を置いているのは米国の添付文書(5.2)だけで、EUのSmPCの4.4には心不全の小見出しが無く、日本の電子添文には「心不全」の語が文書全体に現れない。肝機能障害についても、シタグリプチン自身の3文書のどこにも禁忌も使用制限も無いことを確認して記述を改めた。(出典:JANUVIA 米国添付文書、Januvia EU 製品情報、ジャヌビア錠 電子添文)
- 薬剤vildagliptin「肝機能障害で禁忌」という平坦化を解いた。日本の電子添文の禁忌は「重度の肝機能障害のある患者」に限られ、重度でない肝機能障害は禁忌ではなく注意の側にある。一方EUのSmPCでは4.3の禁忌が過敏症だけで、肝機能障害は「ALTまたはASTが正常上限の3倍を超える患者を含め使用しない」という用法・用量と警告の側の規定であり、重症度の限定語が付かない。つまり区分の重さはEUのほうが軽く、掛かる範囲はEUのほうが広い。なお米国にはこの薬の添付文書が存在しない(原薬としての登録のみ)ことも明記した。(出典:Galvus EU 製品情報、エクア錠50mg 電子添文)
- 薬剤pegcetacoplan副作用表の「重篤・まれ」という行の括りを、規制文書の実際の頻度区分へ直した。日本の電子添文では過敏症が重大な副作用として2.5%、莢膜形成細菌による感染症と髄膜炎菌感染症はいずれも頻度不明の重大な副作用であり、EUの製品情報ではPNHで溶血が very common(19%)、C3腎症・一次性IC-MPGNでは過敏症が very common である。「まれ」はどの文書の区分とも一致しない。(出典:エムパベリ皮下注 電子添文、ASPAVELI EU 製品情報、EMPAVELI 米国添付文書)
- 疾患脳内出血(非外傷性)「3か月以内の脳血管イベントを独立した禁忌に置くのは英国の静注イロプロストだけ」と読める記述を、英国の吸入製剤(ベンテイビス)も同じ禁忌を持つと直した。スペインのIlomedinの禁忌欄にこの項目が無く、4.4が利益と危険の評価を求めるにとどまる(しかも参照先として挙げる4.3に該当項目が無い)という記述は原文どおりで変えていない。(出典:Ventavis SmPC、ILOMEDIN ficha técnica)
2026
09.17心不全と心原性ショックの3ノートを2026年ESCガイドラインとSCAI 2022年改訂版へ更新し、補助循環の推奨を「一律には勧めない」と「選ばれた例には考慮する」に分けた。
- トピックAcute heart failure, cardiogenic shock - etiology, symptoms, diagnostics2026年ESC心不全ガイドラインが「急性心不全」を「非代償性心不全」に置き換えたこと、非代償性心不全が非代償性左心不全・非代償性右心不全・急性肺水腫・心原性ショックの4つの臨床像に分かれ重なりもありうることを追記した。心原性ショックには血圧のカットオフが置かれず、生化学的な裏づけは動脈血乳酸2 mmol/L超であること、正常血圧のまま低灌流がある型のほうが低血圧型より予後が良いこと、昇圧薬と強心薬がいずれもClass IIb(レベルC)にとどまることも加えた。wet/warmの枠は2021年版由来であると版を明示して残し、2026年版が同じ所見を左側うっ血・右側うっ血・低灌流の3群に整理して「低灌流は低血圧の同義語ではない」と述べることを併記した。(出典:2026 ESC Guidelines for the management of heart failure、2021 ESC Guidelines)
- トピックCardiogenic shock: symptoms, diagnostics and therapySCAI SHOCK分類が2019年の原版でなく2022年改訂版で読まれていることを反映した。改訂版では段階は3軸モデル(病因・表現型・危険因子)の1軸にすぎず、ステージCは「明らかな血行動態不安定の有無を問わない低灌流」で、低血圧を伴わない低灌流のほうが低灌流のない低血圧より死亡リスクが高い。ステージDから「30分以上の観察」という時間規定が外れ、心停止の修飾因子は昏睡を伴う心停止に限定された。機械的循環補助は、選別しない心原性ショックへの一時的補助循環とIABPがいずれもClass III、ST上昇型心筋梗塞に伴う選択例への微小軸流ポンプがClass IIaと、方向の違う推奨に分けて書いた。(出典:SCAI SHOCK Stage Classification Expert Consensus Update、2026 ESC Guidelines)
- 疾患循環性ショック(心原性・循環血液量減少性・閉塞性・血液分布異常性)トピック2件と同じ是正を疾患ノート側にも反映し、出典が1件も無かったこのノートに3件を登録した。あわせて「敗血症性ショックが全ショックの50%超で最多」という無出典の断定を、ICUで昇圧薬を要した1,679例の内訳(敗血症性1,044例・心原性280例・循環血液量減少性263例)という分母つきの記述に置き換えた。(出典:2026 ESC Guidelines、SCAI 2022、SOAP II試験、ESICM合意文書)
2026
09.17薬剤8剤の適応・禁忌・用量を欧州・日本・米国の現行文書で読み直し、一国の記載を世界共通として書いていた箇所を国別に分けた。
- 薬剤venetoclax「強力化学療法に不適格な高齢者」という一括りをやめ、米国は75歳以上または強力寛解導入の併存症がある成人、EUは年齢を問わず強力化学療法に不適格、日本は年齢の限定が無く強力な寛解導入療法の適応となる患者での有効性・安全性は確立していない、と書き分けた。適応も、日本にだけ再発・難治のマントル細胞リンパ腫があること、EUの急性骨髄性白血病の併用相手が低メチル化薬に限られることを明示した。禁忌は、用量漸増期の強いCYP3A阻害薬併用が慢性リンパ性白血病に限られ急性骨髄性白血病には掛からないこと、セイヨウオトギリソウがEUだけ全患者で禁忌であることを加えた。(出典:Venclyxto EPAR 製品情報、ベネクレクスタ錠 電子添文、VENCLEXTA 添付文書、ELN 2025 フィットネス評価)
- 薬剤selpercatinib適応表が米国の内容だけを国名なしで掲げていたのを3極に分けた。日本の効能はRET融合遺伝子陽性の固形腫瘍とRET遺伝子変異陽性の甲状腺髄様癌の2つで前治療の条件が無く、EUは肺癌にのみRET阻害薬の前治療歴が無いことという条件が付く。禁忌は米国が「なし」、EUが過敏症、日本がアナフィラキシー等の重篤な過敏症の既往と3極で文言が違う。小児の最小体表面積区分が1日3回投与であることも加えた。あわせて「忍容性を理由に選択的RET阻害薬が優先される」の根拠を2021年の総説から第3相LIBRETTO-531へ差し替え、同試験の無増悪生存期間が前治療あり群で推定不能・前治療なし群で23.6か月(イベントが1割未満で不安定と原著が注記)であることを正しく書いた。(出典:レットヴィモ 電子添文、Retsevmo EPAR 製品情報、RETEVMO 添付文書、LIBRETTO-531)
- 薬剤vandetanib「正式な禁忌は先天性QT延長症候群のみ」という国名の無い断定を解いた。日本の電子添文の禁忌は成分への過敏症の既往・先天性QT延長症候群・妊婦の3項目で、適応も米国にある「症候性または進行性」という限定が無い。QTcBが500ミリ秒を超えたら休薬し480ミリ秒以下で減量再開、6週以内に軽快しなければ中止という日本の数値基準も追記した。(出典:カプレルサ錠 電子添文、CAPRELSA 添付文書)
- 薬剤pralsetinibARROW試験の甲状腺髄様癌のデータを訂正した。前治療あり群は55例ではなく61例で、奏効率は前治療ありで60%・前治療なしで74%。無増悪生存期間は両群とも未到達だが、これまで添えていた「追跡期間中央値11.1か月」は同じ表のセルペルカチニブ側の値だったため削除した。(出典:Current Guidelines for Management of Medullary Thyroid Carcinoma)
- 薬剤rotigotine「非麦角系で唯一の貼付剤」という記述を、ロピニロールの経皮吸収型製剤が日本で承認済みであることに合わせて訂正し、貼付剤でむずむず脚症候群にも使えるのがロチゴチンだけである、と限定した。日本の用法がパーキンソン病(1週間ごとに4.5 mgずつ、上限36 mg)とむずむず脚症候群(1週間以上あけて2.25 mgずつ、上限6.75 mg)で別であることを表にし、急激な減量・中止で悪性症候群が起こりうることを追記した。MRIや電気的除細動の際に貼付剤を外す規定が米国は警告・英国は禁忌・日本には対応する記載が無いことも書き分けた。(出典:ニュープロパッチ 電子添文、ハルロピテープ 電子添文、NEUPRO 添付文書、Neupro SmPC)
- 薬剤methotrexate承認適応の欄に入っていた毛孔性紅色粃糠疹を外し、英・日・米いずれの規制文書にもある妊娠性絨毛性疾患を入れた。妊娠の禁忌も3極で形が違う——英国の添付文書は妊娠・授乳を無限定に禁忌の節へ置き適応で区切るのは別の節、米国は禁忌の節そのものが「非腫瘍性疾患における妊娠」、日本は禁忌の4項目に妊婦を含まず注意の節で扱う。日本では2026年9月の改訂で造血幹細胞移植時の移植片対宿主病の抑制が効能に加わった。異所性妊娠への使用は英・日・米のいずれでも承認された効能ではない。(出典:Methotrexate Injection SmPC、注射用メソトレキセート 電子添文、Methotrexate Injection 添付文書)
- 薬剤colesevelam2型糖尿病の血糖改善という適応が米国にしか無く、EUの適応は成人の原発性高コレステロール血症だけであることを明示した。禁忌も、米国はトリグリセリド500 mg/dL超・高トリグリセリド血症性膵炎の既往・腸閉塞の既往が絶対禁忌で、EUは過敏症と腸管または胆道の閉塞の2項目——これまで「高トリグリセリド血症は相対的禁忌」としていた記述は誤りだった。エゼチミブとは時間をずらす必要がなく同時に服用できること(EUではエゼチミブ併用そのものが適応)、妊娠中の使用をどちらの規制文書も推奨していないことも直した。日本にはコレセベラムの製品が無く、国内の胆汁酸吸着薬はコレスチミドとコレスチラミンである。(出典:Cholestagel EPAR、WELCHOL 添付文書、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版、薬価基準収載品目リスト)
- 薬剤febuxostat心血管疾患があれば原則使用しない、という記述を訂正した。米国の禁忌はアザチオプリンまたはメルカプトプリンとの併用の1項目だけで、心血管死は枠組み警告として利益と危険を天秤にかけるよう求めるにとどまる。英国は慎重投与と定期的な監視、ACR 2020は心血管疾患の既往や新規イベントがあれば代替薬への切り替えを条件付きで推奨する。適応と用量も国で違い、米国はアロプリノール不応・不耐・不適の3条件に限って40 mgから80 mg、英国はこの限定が無く80 mgから120 mgである。(出典:ULORIC 添付文書、ADENURIC SmPC、2020 ACR Guideline for the Management of Gout)
2026
09.17痛風のHLA検査・異所性妊娠のメトトレキサート・甲状腺髄様癌の周辺で、別尺度の数値の並置や推奨の格付けの取り違えを一次資料に戻して直した。
- トピックA13: Drugs used for treatment of gout. Drugs for headache syndromesHLA-B*58:01について、保有率(漢民族・韓国系・タイ系7.4%、アフリカ系米国人3.8%、白人・ヒスパニック系各0.7%)とアレル頻度(漢民族10〜15%、韓国系約12%、タイ系6〜8%、欧州系・日本人1〜2%)という別尺度の数値を1列に並べていたのを分けた。あわせて痛風発作中に尿酸降下療法を始める推奨が「条件付き」で、発作が治まってから始める代替も患者要因によっては妥当だと原文が明記していること、急性発作の第一選択がコルヒチン・NSAIDs・副腎皮質ステロイドの3つで優先順位が付いていないことを反映した。薬物乱用頭痛の閾値も薬剤群ごとに分け(エルゴタミン・トリプタン・オピオイド・複合鎮痛薬は月10日以上、パラセタモールとアセチルサリチル酸を含むNSAIDsは月15日以上)、メチセルジドが米国で販売中止・EUでは2014年の審査で重症難治例の専門医管理下に限られたことを出典付きにした。(出典:Allopurinol Therapy and HLA-B*58:01 Genotype、2020 ACR Guideline for the Management of Gout、ICHD-3、EMA methysergide Article 31 referral)
- 薬剤allopurinol日本人について本文献が示しているのは保有率ではなくアレル頻度(欧州系と同じ約1〜2%)であることを明示し、ACR 2020が東南アジア系とアフリカ系米国人以外への一律のHLA-B*58:01検査を条件付きで推奨していないことを加えた。痛風発作中の尿酸降下療法の開始も「条件付き推奨」であって、発作が治まるまで待つ選択が現行推奨に反するわけではない、と直した。(出典:Allopurinol Therapy and HLA-B*58:01 Genotype、2020 ACR Guideline for the Management of Gout)
- 疾患痛風HLA-B*58:01の表のセルで、保有率(7.4%・3.8%・各0.7%)とアレル頻度(日本人・欧州系で約1〜2%)が同じ尺度のように並んでいたのを分けた。(出典:Allopurinol Therapy and HLA-B*58:01 Genotype)
- トピックEctopic pregnancyメトトレキサートの投与法が単回法だけだったのを、単回法・2回法・多回法の3プロトコルに分け(多回法だけがロイコボリン救済を組み込む)、2回法が単回法より成功のオッズが高い一方で副作用のオッズも高いことを加えた。薬物療法と手術の線引きも、hCG 1,500 IU/L未満・1,500〜5,000 IU/L・5,000 IU/L以上および付属器腫瘤35 mm以上・胎児心拍あり、という英国の推奨で具体化した。この用法が承認された効能ではないこと、投与中は葉酸サプリとNSAIDsを避けることも追記した。(出典:NICE NG126、単回法と2回法のメタ解析、ACOG Practice Bulletin No.193 Correction)
- 疾患異所性妊娠出典が1件も無かったこのノートに3件を登録し、メトトレキサートの3プロトコルとhCGによる線引きをトピックと同じ形に揃えた。抗D免疫グロブリンの扱いは英国の2026年改訂で変わっており、妊娠11週6日までの異所性妊娠・流産・切迫流産には予防投与を行わず、RhD陰性で12週0日以降に内科的管理または外科的処置を受ける場合に250 IU以上を投与する、と現行の推奨に合わせた。(出典:NICE NG126、単回法と2回法のメタ解析、ACOG Practice Bulletin No.193 Correction)
- 疾患甲状腺髄様癌穿刺吸引細胞診とカルシトニン免疫染色でも術前診断は難しく、判定困難・悪性疑いの結果で甲状腺切除を行った後に診断されることがある、という原文の但し書きを補った。リンパ節郭清の目安にも原文の限定(予防的か、甲状腺内にとどまる小病変か、超音波所見、学会名)を戻し、セルペルカチニブの無増悪生存期間の書き方も原著どおりに直した。(出典:Current Guidelines for Management of Medullary Thyroid Carcinoma)
- 疾患C細胞過形成血清カルシトニンの閾値と交絡因子の出典を、実際にその記述を持つ資料へ整理した。10〜100 pg/mLの不確定域に入る患者は1.7%とまれだが、その中での髄様癌の有病率は約10%に及び、20 pg/mLを超えると有意に上昇する——この但し書きが落ちていた。高ガストリン血症は反応性C細胞過形成の背景として挙がるが、原文が「前悪性病変ではない」と名指しするのは副甲状腺機能亢進症・慢性自己免疫性甲状腺炎・腎不全・加齢の4つである。(出典:血清カルシトニン測定の白書、カルシトニン高値の鑑別の総説)
- トピックAML (Myeloperoxidase = MPO)急性前骨髄球性白血病の一次治療の推奨を原文の構造どおりに書き直した。治療を振り分ける単位は白血球数1万/μL以下か超かの2群で、1万/μL以下ではATRA+亜ヒ酸が化学療法なしの第一選択、亜ヒ酸が禁忌または入手できない場合にATRA+アントラサイクリンが第2の選択肢になる。分化症候群を疑った最も早い時点でデキサメタゾン10 mgを1日2回静注し、分化療法の一時中断は重症例に限ることも加えた。あわせて本文の「APL」のリンクが急性骨髄性白血病のノートへ飛んでいたのを、急性前骨髄球性白血病のノートへ張り替えた。(出典:ELN APL管理推奨 2019)
- トピックB9: Drugs affecting lipid metabolism. Drugs controlling body weightEUで販売が止まった薬について、停止と取下げを分けた。ニコチン酸/ラロピプラント配合剤は2013年3月22日の販売停止のあと同年4月10日に承認が取り下げられ、リモナバンも2009年1月16日に取り下げられている。一方シブトラミンは停止のままで、便益が危険を上回る患者群を特定できるデータが出るまで停止を継続する、というのが欧州委員会の決定である。コレセベラムの2型糖尿病の適応が米国だけであること、VESALIUS-CV試験の主要評価項目が2つあることも直した。(出典:Tredaptive EPAR、Acomplia EPAR、シブトラミンの照会手続、WELCHOL 添付文書)
2026
09.17スタチン3剤とエゼチミブ・フェノフィブラートの適応・禁忌・用量を3極の規制文書で書き分け、米国では妊娠が禁忌欄から外れていることや、併用時の用量上限が剤ごとに違うことを明示した。
- 薬剤simvastatin併用時の用量上限が1剤ぶんずれていたのを是正した。米国添付文書はベラパミル・ジルチアゼム・ドロネダロンで1日10 mg、アミオダロン・アムロジピン・ラノラジンで1日20 mgと2段に分け、EU(スペイン版SmPC)はアミオダロン・アムロジピン・ベラパミル・ジルチアゼムを一括で20 mg、日本の電子添文はこの4剤に数値上限を置かない。妊娠・授乳は米国の現行添付文書では禁忌欄に無く(妊娠が判明したら中止を検討する記載へ移っている)、EUと日本は禁忌のままである点も書き分けた。80 mgの新規開始制限も米国固有で、日本には1日20 mgの上限しかない。「脂溶性だから筋への移行が多い」という機序説明は、日本の電子添文が『有効性及び安全性は脂溶性又は水溶性に基づくものではない』と明記しているため削除した。ロミタピド併用の上限には、80 mgを長期服用してきた患者では40 mgまでという例外を補った。(出典:ZOCOR 添付文書、Ficha técnica ZOCOR、リポバス錠 電子添文)
- 薬剤rosuvastatinシクロスポリン併用の扱いが米国の規則だけで書かれ、禁忌が消えていたのを是正した。EU(スペイン版SmPC)と日本の電子添文は併用禁忌(日本はAUC約7倍を根拠に挙げる)で、米国は禁忌ではないが併用を推奨せず、やむを得ない場合も1日5 mgを超えないという扱いである。用量も日本の承認範囲を外れていたため、日本は2.5 mgで開始し最大20 mg、クレアチニンクリアランス30 mL/min未満では2.5 mg開始・最大5 mgと書き直した。EUはアジア系・中等度腎障害・フィブラート併用などで40 mgを禁忌とし、SLCO1B1 c.521CC と ABCG2 c.421AA では半量・最大20 mgという遺伝子型の規定を持つ(米国は用量規定なし、日本は記載なし)。「スタチンの中で最も強力」という断定は、日本動脈硬化学会2022年版がアトルバスタチン・ピタバスタチン・ロスバスタチンを同じ低下率区分に置くため、同一用量での比較であると限定した。(出典:CRESTOR 添付文書、Ficha técnica Crestor、Crestor SmPC (emc)、クレストール錠 電子添文)
- 薬剤atorvastatin「妊娠中・授乳中は禁忌」という国を書かない断定を3極に分けた。米国 LIPITOR の禁忌欄は急性肝不全・非代償性肝硬変と過敏症の2項目だけで、妊娠は『判明したら中止する。あるいは個々の患者の治療上の必要性も考慮する』という記載へ移っている。EU(スペイン・英国)と日本は妊娠・授乳を禁忌に置く。用量も「高強度40〜80 mg」を無条件に書いていたが、日本の電子添文は1日10 mg(重症で20 mgまで、家族性高コレステロール血症で40 mgまで)で80 mg製剤が無い。SPARCLの記述には、添付文書が個別に利益と危険を検討するよう求めるのは直近の出血性脳卒中の患者であって組入れ集団全体ではないことを補った。(出典:LIPITOR 添付文書、Ficha técnica Cardyl、Lipitor SmPC (emc)、リピトール錠 電子添文)
- 薬剤ezetimibe適応と禁忌の平坦化を解体した。EUだけが冠動脈疾患と急性冠症候群の既往例での心血管イベント抑制を適応に持ち、米国だけがフェノフィブラート併用での混合型高脂血症を持つ。EUはスタチンと併用する場合の妊娠・授乳を禁忌とし、日本は『本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合、重篤な肝機能障害のある患者』という別の文言を置く。中等度以上の肝機能障害は3極とも「注意」ではなく投与を推奨しない扱いである。胆汁酸吸着薬とは2時間以上前または4時間以上後という服用間隔(コレスチラミン併用で総エゼチミブAUCが約55%低下)も追加し、IMPROVE-ITについて出典に無い『非スタチン薬で初めて証明した』という表現を外した。脂溶性ビタミンへの影響が確かめられているのはA・D・Eで、ビタミンK吸収がNPC1L1を介するためワルファリン併用時はINRを監視するという日本動脈硬化学会の注意も加えた。(出典:Ficha técnica Ezetrol、ZETIA 添付文書、ゼチーア錠 電子添文)
- 薬剤fenofibrate「著明高TG血症では膵炎予防が最優先の適応」という位置づけを、規制文書とガイドラインで強さが違うものとして書き分けた。米国の現行添付文書の Limitations of Use は『著明なTG高値は膵炎の危険を高めうるが、本剤がその危険を下げる効果は明らかにされていない』と限定し、膵炎予防の一次薬という推奨はEndocrine Societyのガイドライン(TG 1,000 mg/dL超)の側にある。米国の適応は重度高TG血症(TG 500 mg/dL以上)と、推奨されるLDL低下療法が使えない場合のLDL低下の2項目だけで、混合型脂質異常症もスタチン併用も含まない(EU・英国は3項目、日本は高脂血症の1項)。禁忌も、妊婦・授乳婦を置くのは日本だけ、膵炎と光線過敏の既往を置くのはEU・英国だけと分かれる。ACCORD-LIPIDのサブグループは交互作用p=0.057の示唆にとどまり、その表現型を組入れ基準にしたPROMINENTが否定的であったこと、FDAが2016年にフィブラート・ナイアシンのスタチン併用効能を撤回したことも併記した。(出典:ANTARA 添付文書、Ficha técnica Fenofibrato、Supralip SmPC (emc)、トライコア錠 電子添文、ACCORD-Lipid)
2026
09.17PCSK9阻害薬とインクリシラン、胆汁酸吸着薬の記述を規制文書に合わせ、「妊娠中も使える」「相互作用は基本的にない」「米国で唯一承認」といった無裏づけの断定を外した。
- 薬剤colesevelam薬効群の表の「妊娠中も使える非全身吸収性オプション」という記述が、コレセベラムを載せる8ファイルに複製されていたため、規制文書の書き方に揃えて一括で是正した。EUのSmPC 4.6 は臨床データが無いとしたうえで妊婦への処方に注意を求め(動物試験では有害作用を認めていないとも書く)、米国の添付文書 8.1 は全身吸収されないため胎児曝露は想定されないとしつつ、妊娠が判明したら継続に既知の臨床的有益性が無いことを説明するよう求める。どちらも禁忌には置いておらず、推奨もしていない。本ノート自身にも「どちらの規制文書も推奨していない」という原文に無い要約が3か所あったので、両文書の書き方をそのまま示す形に直した。(出典:WELCHOL 添付文書、Cholestagel EPAR)
- 薬剤cholestyramine妊娠・授乳の節を新設し、4文書で書き分けた。米国は『母体への利益と母児への危険を比較衡量する』(Pregnancy Category C)、英国SmPCは『妊娠・授乳中の安全性は確立していない』、スペインのficha técnicaは『妊娠中・授乳中は使用しないこと』、日本の電子添文は有益性投与である。4文書に共通しているのは安全性ではなく脂溶性ビタミンの吸収阻害という懸念のほうであった。胆汁うっ滞性掻痒について「米国で唯一正式に承認された薬」という断定も外した(マラリキシバト・オデビキシバトがアラジール症候群や進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の胆汁うっ滞性掻痒に承認されている)。LDL-C低下率も、コレスチラミン自身の用量反応(8〜12 gで12〜18%、最大24 gで最大25%)と、胆汁酸吸着薬というクラスの値(15〜30%)を分けて書き直した。(出典:Questran 添付文書、Questran SmPC (emc)、Ficha técnica Resincolestiramina、クエストラン粉末 電子添文)
- 薬剤alirocumab適応の平坦化を是正した。EUのSmPC 4.1 にホモ接合体家族性高コレステロール血症は入っておらず、これを適応に持つのは米国だけである。米国は2025年10月の改訂で心血管イベント抑制の対象が『リスクが増大した成人』へ広がり、EUは『確立したアテローム性動脈硬化性心血管疾患のある成人』のままという違いも書いた。8歳以上の小児の適応と体重別用量が丸ごと欠けていたので追加し、「薬物相互作用は基本的にない」という記述も是正した(EU 4.5 はスタチン併用で本剤の曝露が約40%、エゼチミブで約15%、フェノフィブラートで約35%下がると述べる。2週ごと投与ではLDL-C低下は維持され用量調節は不要)。LDL-C低下率も実測に置き換えた(12週時点で75 mg 2週ごとの8試験が44.5〜49.2%、150 mg 2週ごとの2試験が62.6%)。(出典:Praluent 製品情報、PRALUENT 添付文書)
- 薬剤evolocumab「適応・位置づけはアリロクマブの項を参照」という代表のさせ方をやめ、3極で書き分けた。EUのSmPCはエボロクマブには10歳以上のホモ接合体家族性高コレステロール血症の適応を与えており(アリロクマブには無い)、心血管の適応も『確立した、または高リスクのアテローム性動脈硬化性心血管疾患』とアリロクマブより広い。日本の電子添文は『心血管イベント発現リスクが高く、スタチンで効果不十分またはスタチンが適さない』という二重の条件つきで、小児の用法・用量を持たない。引いていた米国添付文書が2021年版で古かったため2026年7月改訂版へ差し替えた。相互作用は『基本的にない』ではなくスタチン併用でクリアランスが約20%増えると書かれており、LDL-C低下率も本剤自身の数値(EUは140 mg 2週ごと・420 mg 月1回でプラセボ比 -72%〜-57%)に置き換えた。副作用の中心は注射部位反応ではなく鼻咽頭炎7.4%・上気道感染4.6%で、掻痒は3極いずれの注射部位反応の内訳にも無いため外した。(出典:Repatha 製品情報、REPATHA 添付文書、レパーサ皮下注 電子添文)
- 薬剤inclisiran適応から「エゼチミブでも未達の超高リスク例」という、どの規制文書にも無い前提条件を外し、3極で書き分けた。心血管アウトカムについては、EUのSmPCが『心血管の罹病率・死亡率への効果はまだ決まっていない』と明記しており、ORION-4とVICTORION-2 Preventが進行中である段階として書き直した(米国添付文書がこの位置に置く記述はスタチンと抗体PCSK9阻害薬の試験に基づくクラス記述である)。「腎排泄はごくわずか」も誤りで、約16%が腎から消失し、投与後72時間は血液透析を行わないという注意がある。抗体2剤との注射部位反応の頻度比較は、直接比較した資料が無いため削除した。(出典:Leqvio 製品情報、LEQVIO 添付文書、レクビオ皮下注 電子添文)
- 疾患脂質異常症家族性高コレステロール血症の診断基準を日本語原文に合わせ、未治療LDL-Cの閾値が「180 mg/dL以上」であること(英語版ガイドラインの表は同じ項目を『>180 mg/dL』と印刷しており食い違う)と、2項目未満でも『FHを強く疑う』『FHの可能性あり』に分かれる段を補った。早発性冠動脈疾患の年齢が日本動脈硬化学会(女性65歳未満)とDLCN基準(女性60歳未満)で違う点も明示した。スタチン行の「妊娠中は禁忌」は米国の現行添付文書では禁忌でないため国を書き分け、用量強度の枠組みは2018年版の米国ガイドライン由来で2026年版が廃止・置換したことを但し書きとして添えた(新版の数値は取得できていないため書いていない)。インクリシランの投与間隔は「初回・3か月後・以後6か月ごと」に是正し、ニコチン酸には本文が一度も触れていなかったため、スタチン併用の効能が米国で撤回されEUでも販売承認が停止された経緯を段落として追加した。(出典:JAS 成人FH診療ガイドライン フォーカスアップデート2025、81 FR 22612、Leqvio 製品情報)
2026
09.17三酸化二ヒ素の適応・禁忌・枠組み警告を3極の規制文書で書き直し、コーパスで「亜ヒ酸」「三酸化ヒ素」に割れていた表記を日本薬局方の一般名へ15ファイル一括で揃えた。
- 薬剤arsenic trioxide適応が国を書かずに断定されていたため3極に分けた。EUのSmPCは白血球数10,000/µL以下の低〜中間リスクの新規診断例(ATRA併用)と再発・難治例、米国は新規診断の低リスク例と再発・難治例、日本の電子添文は『再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病』の1つだけである。禁忌の節に禁忌が1つも書かれていなかったので補い、米国とEUが過敏症のみであるのに対し日本はヒ素過敏症と妊婦の2項目を置くことを示した。米国の枠組み警告は分化症候群・心伝導異常に加えて『Wernicke脳症を含む脳症』の3本立てで、この1本が丸ごと欠けていたため追加した(疑えば直ちに中断しチアミンを静注する)。QT延長の40%は再発・難治例の単剤試験の値で、ATRA併用の新規診断例は米国11%・EU15.6%と閾値の定義ごと違うことを併記し、分化症候群の予防投与(プレドニゾン0.5 mg/kg)と、投与期間の上限が米国60日・日本60回・EUの再発難治例50日と分かれることも補った。(出典:TRISENOX 添付文書、Trisenox 製品情報、トリセノックス点滴静注 電子添文)
- 疾患急性前骨髄球性白血病同じ薬を指す表記が本文(亜ヒ酸)とfrontmatterのリンクラベル(三酸化ヒ素)で割れていたため、日本の電子添文の一般的名称である『三酸化二ヒ素』に統一した。この統一は急性前骨髄球性白血病・急性骨髄性白血病・砒素角化症・エナメル上皮腫やトレチノイン・イダルビシン・エナシデニブ・イボシデニブなど15ファイルに及ぶ。臨床で用いられる『亜ヒ酸』と略号ATOは別名として薬剤ノートに残し、化学種としての亜ヒ酸(亜ヒ酸カリウムなど)は置換していない。(出典:トリセノックス点滴静注 電子添文)
- 薬剤ivosidenibまとめの「Boxed Warningは分化症候群とQTc延長の2つ」を是正した。現行の米国添付文書の枠組み警告は『WARNING: DIFFERENTIATION SYNDROME IN AML AND MDS』の1本だけで、QTc延長は5.2、ギラン・バレー症候群は5.3の警告である。(出典:TIBSOVO 添付文書)
2026
09.17ウリジントリアセタートの「米国で唯一の緊急解毒薬」という断定を外し、EU・日本での状況を一次資料で確かめて国ごとに書き分けた。
- 薬剤uridine triacetateフルオロウラシル・カペシタビンの過量投与や早期発症の重篤毒性に対する解毒薬としての記述が、どの国の規定に基づくかを書いていなかったため『国ごとの承認状況』の節を新設した。EUは中央審査の医薬品一覧(承認済みだけでなく取下げ・拒否・失効・停止を含む)に品目が無く、確認できた4か国の登録簿にも見つからない(EU全域に無いとは書いていない)。日本はPMDAの未承認薬データベースに国内未承認として掲載されている(同機関自身が承認状況を保証しないと注記しており、当該行の調査日は2018年2月21日)。また『通常の軽度〜中等度の有害反応には推奨されない』という重症度の限定は原文になく、Limitations of Use は重症度で線を引いていないため『非緊急の有害反応には推奨されない』に直した。米国添付文書の禁忌欄・警告欄がどちらも None である点も、この文書がそう書いているという限定つきの記述に改め、有効性(135例中130例が30日生存または化学療法の再開、対照は支持療法のみの後ろ向き25例で84%が死亡)の節を追加した。出典の改訂年も現物に合わせて2026年から2023年へ是正した。(出典:VISTOGARD 添付文書、PMDA 未承認薬データベース、EMA medicines output report)
- 薬剤leucovorin同じ添付文書を引いているのに改訂年と販売業者が古いままで、ウリジントリアセタートのノートと食い違っていたため揃えた(現物の改訂表示は2023年10月、掲載者はBTG International Inc)。あわせて『日本での承認状況は今回確認していない』という但し書きを、PMDAの未承認薬データベースで確かめた内容に書き換えた。(出典:VISTOGARD 添付文書、PMDA 未承認薬データベース)
- 薬剤glucarpidase解毒薬の対比表と本文がウリジントリアセタートを国の限定なしに挙げていたため、米国で承認された適応であることを明示した。あわせて、グルカルピダーゼ自身の添付文書の脚注でウリジントリアセタートの話まで支えていた箇所を分け、それぞれの文書へ付け直した。(出典:VISTOGARD 添付文書)
2026
09.17皮膚T細胞リンパ腫で、病期分類の血液浸潤(B分類)の代替指標の扱いと、インターフェロン治療の現況(組換えIFN-αの市場撤退とペグIFN-α 2aへの置き換え、開始用量)を一次資料で書き直した。
- 疾患皮膚T細胞リンパ腫血液浸潤(B分類)の代替基準(CD4/CD8比10以上、CD4+CD7−が40%、CD4+CD26−が30%)を、セザリー細胞の絶対数と同格の指標のように読ませていたのを是正した。NCI PDQは2025年2月19日の更新で、セザリー細胞1,000/μL以上という血中の裏づけが無いときにこれらが信頼できる病期情報かは明らかでない、と明記している。あわせて2022年の病期分類更新が自ら置いている限界(絶対リンパ球数1,000未満のリンパ球減少例では、絶対数だけで評価すると異常リンパ球量を過小評価しうる)を補い、『百分率は単独では使わない』と『百分率を見ない』を書き分けた。インターフェロン治療は、EORTC 2023の記述に従って組換えIFN-α 2a・2bが市場から撤退し入手できる変種がペグIFN-α 2aだけであること、開始用量が週135〜180 µg皮下投与であること、ペグ化製剤と非ペグ化製剤の用量等価は有効性・毒性のいずれについても確立していないこと(非ペグ化の用量から換算しない)を追加した。米国の後発ロミデプシン添付文書の出典は、DailyMedの掲載更新日(2026年4月)を改訂年として登録していたため、印字された改訂表示(Revised: 11/2021)に合わせて年とidを是正した。(出典:EORTC consensus recommendations 2023、NCI PDQ 菌状息肉症/セザリー症候群、ISCL/USCLC/EORTC 病期分類更新 2022、ROMIDEPSIN 添付文書)
- 薬剤peginterferon alfa皮膚T細胞リンパ腫(菌状息肉症・セザリー症候群)の記述が1件も無かったため、適応の表に行を新設した。EORTC 2023は、この適応で承認・推奨されてきた組換えIFN-α 2a・2bが供給者により市場から撤退したため、残る唯一の入手可能な変種であるペグIFN-α 2aへの置き換えを推奨し、菌状息肉症・セザリー症候群では2bより2aを優先する。開始は週135〜180 µgの皮下投与で、臨床・検査所見を見ながら調整する。⚠️ これは欧州で入手できる製剤についての記述であり、他国の流通・承認状況を示すものではない。(出典:EORTC consensus recommendations 2023)
- 薬剤interferon alfa皮膚リンパ腫の行を適応の表に新設した。EORTC 2023は、この適応で承認・推奨され単剤でも各種レジメン・併用でも広く使われてきたのは組換えIFN-αだけであったと述べたうえで、その2製剤(IFN-α 2a・2b)がいずれも市場から撤退したこと、置き換えとしてペグIFN-α 2aが推奨されることを明記している。出典が0件だったため、今回確認した範囲で1件を登録した。(出典:EORTC consensus recommendations 2023)