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  1. 2026 09.17

    抗SARS-CoV-2中和抗体4剤について、緊急使用許可(EUA)が実際に取り消された日と理由を連邦官報で確定し、『変異株に効かなくなった』と『許可が消えた』を分けて書いた。

    • 薬剤sotrovimabEUAが地域除外にとどまるのか正式に取り消されたのかが未確定のまま残っていた。連邦官報の告示(90 FR 35685)で、FDAが2024年12月13日にREGEN-COV(EUA 091)・ソトロビマブ(EUA 100)・EVUSHELD(EUA 104)・ベブテロビマブ(EUA 111)の4件を取り消したことを確認した。ソトロビマブはGSKが2024年11月22日に取消しを申請したもので、理由は『EUA下の全ロットが有効期限切れとなり、同社が米国で本品を提供する意向をもはや持たない』ことである(根拠条項は564(g)(2)(C)=公衆衛生上の保護のために取消しが適切、であって要件不充足の(B)ではない)。EUでも欧州委員会が2026年2月18日にXevudyの販売承認を取り下げている(MAHの申請、商業上の理由による販売の恒久的中止)。WHOの現行版(2025年8月)は非重症COVID-19に対する強い反対推奨を維持している。『現在ソトロビマブを承認・推奨している国はない』という断定は、確認できたのが米国と欧州の2極だけなので削除し、日本の特例承認の現況が確認できていないことを肯定形で書いた。変異株については、出典の総説が述べているのは『BA.2以降で in vitro の感受性が低下し中和に高い濃度を要する』であって活性の消失ではないため、表現を原文に合わせた。(出典:Federal Register 90 FR 35685、EMA Xevudy、WHO Therapeutics and COVID-19 living guideline, August 2025)
    • 薬剤bebtelovimab『BQ.1・BQ.1.1の台頭により2022年末までにEUAが取り下げられた』という記述を是正した。EUA 111は2022年2月11日に発行され、取消しは2024年12月13日(Lillyが2024年12月5日に申請、理由は在庫の有効期限切れと米国での提供終了)である。効かなくなった時点と許可が消えた時点は別で、規制上の取消しは有効性の否定を理由とするものではない。BQ.1・BQ.1.1のK444T・N460Kで結合と中和活性が著しく低下した、という出典の記述も原文の強さに合わせた。(出典:Federal Register 90 FR 35685)
    • 薬剤imdevimabWHOの治療ガイドラインが2023年1月13日更新版のまま引かれていたため、現行版(2025年8月、198頁)をIRISから取得して差し替えた。カシリビマブ・イムデビマブに対する推奨は現行版でも『強い反対推奨』のまま維持されている(推奨自体が最後に改訂されたのは2023年1月13日で、2025年8月版はそれを再掲している)。(出典:WHO Therapeutics and COVID-19 living guideline, August 2025)
    • 薬剤casirivimab同じ連邦官報の告示が、ソトロビマブ・ベブテロビマブのノートとは別の出典idで登録され、発行年も2024年(取消しの効力日)になっていたため、3ファイルを1つのidへ統合し年を告示の発行年(2025年)に揃えた。内容の変更はない。(出典:Federal Register 90 FR 35685)
  2. 2026 09.17

    ジギトキシンを2026年ESC心不全ガイドラインとDIGIT-HF試験で書き直し、強心配糖体と抗ムスカリン薬の禁忌・治療域を国ごとの規制文書で分けた。

    • 薬剤digitoxin『米国では既に製造されておらず一部の欧州諸国でわずかに使われ続けているに過ぎない』という切り捨てと、『目標血清濃度は近年下方修正されている』という無出典の記述を削除した。2026年ESC心不全ガイドラインの推奨表は、最適な薬物治療下でも症候性のHFrEF(LVEF 40%以下)で心不全入院を減らす目的に強心配糖体(ジゴキシンまたはジギトキシン)を考慮するとしてジギトキシンを名指ししている。DIGIT-HFは主要複合評価項目39.5%対44.1%(HR 0.82、95%CI 0.69–0.98、P=0.03)で有意だが、⚠️ 全死亡単独(27.2%対29.5%、HR 0.86、0.69–1.07)も心不全入院単独(28.1%対30.4%、HR 0.85、0.69–1.05)も有意差に達していない。治療域の血中濃度は3文書で違うため寄せずに書き分けた(DIGIT-HFの目標は8〜18 ng/mL、ドイツのFachinformationは定常状態で通常10〜30 ng/mL・とくに35 ng/mL超で中毒症状、オーストリアの製品概要は数値を示していない)。『禁忌はジゴキシンと同一』という断定も撤回した。オーストリアのジギトキシン製品概要は低カリウム血症・高カルシウム血症・低マグネシウム血症・胸部大動脈瘤・頸動脈洞症候群・予定された電気的除細動を禁忌欄に置くが、スペインのジゴキシン製品概要の禁忌欄にはいずれも無い。効能・用量・副作用の頻度区分と、indicationDiseases(慢性心不全)も添付文書から補った。(出典:2026 ESC 心不全ガイドライン、DIGIT-HF、Digimerck SmPC(BASG)、Digitoxin AWD Fachinformation、DIGOXINA KERN PHARMA ficha técnica)
    • 薬剤digoxin承認された効能とガイドラインの推奨が別物であることを明示し、EUの一例としてスペインの製品概要(2025年8月改訂)を追加した。閉塞性肥大型心筋症の禁忌には『心房細動と心不全を併存する場合を除く』という但し書きが付く。血中濃度については、同文書が『最も有効な血清濃度の範囲について厳密な指針は存在しない』と断ったうえで、⚠️ 0.8〜2.0 ng/mLを『多くの患者が中毒の危険が小さいまま利益を得られる』帯として示している(この帯は中毒域ではない)。3.0 ng/mL超は中毒である可能性が非常に高いとされる。indicationDiseases(慢性心不全・心房細動・心房粗動)も添付文書から補った。(出典:DIGOXINA KERN PHARMA ficha técnica、2026 ESC 心不全ガイドライン)
    • 薬剤darifenacin禁忌が米国の3項目だけで書かれていた。EUの製品情報の4.3は9項目で、過敏症・尿閉・胃内容排出遅延・コントロール不良の閉塞隅角緑内障に加えて重症筋無力症・重度肝機能障害(Child-Pugh C)・重度潰瘍性大腸炎・中毒性巨大結腸症・強いCYP3A4阻害薬との併用を置く。重度肝障害はEUでは禁忌、米国では『投与を推奨しない』で段が違う。強いCYP3A4阻害薬の扱いも逆向きで、EUはリトナビル・ケトコナゾール・イトラコナゾールとの併用を禁忌とし、クラリスロマイシンは中等度の側に置く(米国はクラリスロマイシンを強い阻害薬として例示し7.5 mg上限とする)。ケトコナゾール400 mg併用でAUCは約5倍、CYP2D6低代謝者では約10倍になる。認知機能への影響については、根拠にしていた2021年の研究が7剤をATCコードでまとめた累積曝露の解析で受容体選択性による層別を行っていないため、『選択性による予防効果は確立していない』という書き方を改めた。出典も再包装業者が2010年に掲載した旧様式のSPLから現行の添付文書(Revised: 1/2026)へ差し替えた。(出典:Emselex EU製品情報、DARIFENACIN 添付文書、AUA/SUFU 過活動膀胱ガイドライン)
    • 薬剤solifenacin『米国の添付文書は禁忌を尿閉・胃内容排出遅延・コントロール不良の閉塞隅角緑内障の3つに限る』は誤りで、4項目目にソリフェナシンまたは添加剤への過敏症(報告された反応にアナフィラキシー・血管浮腫を含む)がある。日本の電子添文の禁忌8項目のうち成分過敏症が本文・まとめから落ちていたのも復元した。出典のURLも中身の無いフレームセット形から本文が読める形へ差し替えた。(出典:ベシケア錠 電子添文、VESIcare 添付文書)
  3. 2026 09.17

    痛風の目標尿酸値5 mg/dL未満をACRではなくEULARの推奨として帰属し直し、甲状腺では放射性ヨウ素と眼症の線引き、潜在性甲状腺機能低下症の高齢者の推奨を原文の段階どおりに書き分けた。

    • 疾患痛風『痛風結節例は5 mg/dL未満』をACR 2020に帰属させていたのを是正した。ACR 2020の全文に5 mg/dlという値は無く、同ガイドラインは『従来のACRおよびEULARのガイドラインと異なり、本ガイドラインは痛風結節など重症例に対して6 mg/dl未満を超える(より低い)血清尿酸の閾値を定めない』と明記している(理由はより低い閾値を支持する試験データが無いこと)。5 mg/dL未満はEULAR 2016推奨6のもので、対象は痛風結節だけでなく慢性関節症・頻回発作を含む重症痛風、しかも結晶が完全に溶解するまでの暫定目標であり、同じ推奨は3 mg/dL未満まで下げることを長期には推奨しないとしている。目標値の表を新設して両者を書き分けた。(出典:ACR 2020 痛風ガイドライン、EULAR 2016 痛風管理推奨)
    • トピックGoutHLA-B*58:01検査の対象が『保有頻度が高い集団』とだけ書かれていたのを、ACR 2020が名指しする集団(東南アジア系=漢民族・韓国系・タイ系、アフリカ系米国人)と条件付き推奨・確実性very low、それ以外への一律検査は条件付きで非推奨、へ具体化した。⚠️ 保有率(7.4%/3.8%/白人・ヒスパニック系0.7%)とアレル頻度(欧州系と日本人がともに約1〜2%)は尺度が違うので並べて読まない。尿酸降下療法の適応も、原表の5段(年2回以上=強い推奨、年2回未満=条件付き、初回発作は原則開始しないことを条件付きで推奨、無症候性高尿酸血症は条件付きで非推奨など)に潰れていた2段から戻した。EULARの5 mg/dL未満の対象を『重症結節性痛風』と狭めていたのも原文(重症痛風=痛風結節・慢性関節症・頻回発作、結晶が溶けるまで)に戻し、日本のガイドライン(合併病態が無ければ9.0 mg/dL以上、あれば8.0 mg/dL以上から薬物治療を考慮、6.0 mg/dL以下を目標)と高尿酸血症の定義の日米差も補った。ACR 2020が2誌同時掲載のため2つの出典idに割れていたのも1つへ統合した。(出典:ACR 2020 痛風ガイドライン、EULAR 2016 痛風管理推奨、高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版 2022年追補版、NCBI Medical Genetics Summaries: Allopurinol Therapy and HLA-B*58:01 Genotype)
    • トピックGout『ACR 2020は42の推奨のうち16を強い推奨に格上げした』という版差の主張を是正した。原文にあるのは42の推奨(うち16が強い推奨)を作成したという記述だけで、前版からの格上げではない。16の内訳(尿酸降下療法の適応3・開始6・漸増と目標達成型2・不成功後2、発作治療3)も補った。尿酸降下療法の適応の段階も原表の5段へ戻した。(出典:ACR 2020 痛風ガイドライン)
    • トピックThyroid disorders symptoms diagnosis and treatment放射性ヨウ素治療と甲状腺眼症が『活動性眼症を悪化させ得る』とだけ書かれていたのを、ATA 2016の段階別の推奨へ書き直した。活動性かつ中等症〜重症または視力を脅かす眼症では行わないことを強く推奨し(手術か抗甲状腺薬を優先)、軽度の活動性眼症で選ぶ場合はグルココルチコイド併用を考慮(増悪の危険因子があれば強い推奨)、非活動性ならグルココルチコイドなしで可とする。プレドニゾン0.4〜0.5 mg/kg/日を投与1〜3日後から1か月続け2か月で漸減、という用法も補った。甲状腺クリーゼでのヨウ素は抗甲状腺薬から1時間以上あける、という原文の規定も追加した。潜在性甲状腺機能低下症の高齢者(70歳以上)は、抄録の『重症度によらず一般に推奨しない』という1文に潰れていたのを原文の2段(軽症=適応がない・強い推奨・質は高/重症=一般に推奨しない・弱い推奨・質は中)へ戻し、この基準値が韓国人集団固有(TSH 0.6〜6.8 mIU/L)であることを明記した。EUGOGOとATA/ETAの比較表も、ATA/ETA側の欄を取り違えていたため、両文書が一致するのは中等症〜重症かつ活動性でのRAI回避と軽症かつ活動性でのステロイド予防投与の2点で、視力を脅かす眼症で抗甲状腺薬とする指定はEUGOGO側にしかない、と書き分けた。(出典:2016 ATA 甲状腺機能亢進症ガイドライン、EUGOGO 2021とATA/ETA 2022の比較、韓国甲状腺学会 潜在性甲状腺機能低下症 2023)
    • トピックDisease of the thyroid gland小児Graves病での放射性ヨウ素と眼症の規定が抜けていた。ETA 2022小児Graves病ガイドラインは、活動性の甲状腺眼症があるときはRAIを避け、非活動性であっても再燃・増悪を防ぐためにステロイドを併用すべきとし(強い推奨・エビデンスの質は高)、活動性眼症では手術をRAIより優先するとしている。⚠️ 小児の線引きは成人(中等症〜重症かつ活動性で回避、軽症の活動性はステロイド併用)より厳しく、非活動性でもステロイドを併用する点が違う。小児の甲状腺眼症の頻度(27〜63%、眼瞼後退の中央値72%、眼球突出53%、運動障害と視神経症はまれ)も補った。(出典:ETA 2022 小児Graves病ガイドライン)
    • 疾患甲状腺機能低下症潜在性甲状腺機能低下症の高齢者の行が無出典だったため、韓国甲状腺学会2023の全文から2段階の推奨(70歳以上の軽症=適応がない・強い推奨・質は高、重症=一般に推奨しない・弱い推奨・質は中)を入れた。同ガイドラインが韓国人集団の基準値(TSH 0.6〜6.8 mIU/L、軽症6.8〜10.0、重症10.0超)で組まれていること、測定キット差を考慮する必要があること、開始時期については『TSHの上昇が進行するか顕性に近づいたときに考慮する』としか書かれていないことも明記した。(出典:韓国甲状腺学会 潜在性甲状腺機能低下症 2023)
    • トピックPurine, iron, copper and other rare metabolic disorders『5 mg/dL未満を提案する指針もある』にACRの脚注が付いていたが、ACR全文に5 mg/dlは無い。6 mg/dL未満=ACR、5 mg/dL未満(重症痛風で結晶が溶けるまで、3 mg/dL未満は長期に非推奨)=EULAR、と出典ごとに書き分けた。2誌同時掲載で割れていたACRの出典idも統合した。(出典:ACR 2020 痛風ガイドライン、EULAR 2016 痛風管理推奨)
  4. 2026 09.17

    ビンデシンの国差と血管外漏出時の処置を規制文書で書き直し、チオプリン薬理遺伝学の指針を2025年改訂版へ更新、異所性妊娠のメトトレキサート多回投与法のロイコボリン救済を複数資料で確かめ直した。

    • 薬剤vindesine出典が支えていない因果の物語(神経毒性を減らす目的で作られたが骨髄抑制が増強し、それが米国で承認されなかった理由)を削除した。引用元の教科書はヴィンデシンをビンブラスチンの主要代謝物として同定された脱アセチル体と説明するだけで、設計意図も非承認の理由も述べていない。血管外漏出の処置も是正した。日本の現行電子添文(2023年4月改訂 第1版)は漏出しないよう慎重に投与することしか規定しておらず、患部冷却はインタビューフォームの処置一覧に載る記述である。一方EUの製品概要と米国のビンブラスチン添付文書は、いずれもヒアルロニダーゼの局所注射と適度な加温を規定している。EUの存在も丸ごと欠けていたため、スペインに実在するビンデシン製剤(適応は緩和的治療としての小児急性白血病・CML急性転化・進行乳癌・悪性黒色腫、用量は体表面積基準で成人3 mg/m²)と日本の固定量・4区分の効能を比較表にした。禁忌も国で違い、日本は過敏症と髄腔内投与の2項目だが、EUは薬剤誘発性の重度顆粒球減少・血小板減少、重篤な細菌感染症、Charcot-Marie-Tooth病の脱髄型を加える。電子添文に無い機序(腎での代謝、フェニトインの相互作用の機序)も原文どおりに直した。(出典:注射用フィルデシン 電子添文、ENISON ficha técnica、Holland-Frei Cancer Medicine: Vinca Alkaloids)
    • トピックB28: Immunopharmacology I (cytotoxic agents)CPICのチオプリン投与指針が2018年版のまま引かれていた。2025年改訂版では東アジア系のNUDT15低機能代謝者の頻度が『50人に1人程度』から『約100人に1人』へ変わっている(比較対象として挙がる欧州系のTPMT低機能代謝者は0.19%で、集団も対象遺伝子も別)。新旧両版の全文を取得して逐語照合したうえで差し替え、両遺伝子に変異をもつ患者への推奨が新設されたことも追記した。⚠️ 2025年版には訂正が出ているが本文が非公開で内容を確認できていない。異所性妊娠のメトトレキサート出典の記述も、PMCで読めるのが著者最終稿であることを明示するよう他ノートと揃えた。(出典:CPIC チオプリン指針 2025 Update)
    • トピックB31: Drugs used in cancer treatment I (antimetabolites)EMAのDPD検査推奨の射程が落ちていた。原文は『これらの推奨は日光角化症やいぼなど皮膚に用いるフルオロウラシル製剤には適用されない』と明記しており、外用5-FUの適応を同じ箇条書きで挙げている以上この除外は落とせない。部分欠損での減量開始、フルシトシンだけ検査を要しないことも補った。CPICのチオプリン指針も2025年改訂版へ差し替え、東アジア系NUDT15低機能代謝者の頻度を約100人に1人へ是正した。ペメトレキセドの葉酸・ビタミンB12補充による生存差(13.0か月対8.0か月)は無作為化比較ではなく試験途中のプロトコル変更による群間比較(43例対21例)である点、シタラビンの不可逆性運動失調は原文どおり16.7%であることも直した。(出典:EMA DPD検査に関する勧告、CPIC チオプリン指針 2025 Update)
    • 疾患異所性妊娠メトトレキサート多回投与法のロイコボリン救済を、複数の一次資料で確かめ直した。引用しているメタ解析の著者最終稿のTable 1は第2日のロイコボリンの欄が空で、第14日の5回目まで延ばす形で書かれているが、同じプロトコルを記述する他の資料は救済を各メトトレキサート投与の24時間後(第2・4・6・8日)に置き、投与の上限を4回とする。本文はこの2通りを帰属を分けて併記し、投与の判定も『各回の前にhCGを測る』ではなく前値との比較で次を打つかを決める形へ緩めた。(出典:Alur-Gupta ほか 2019、Bachman & Barnhart 2012、Mullany ほか 2023)
    • トピックEctopic pregnancy多回投与法のロイコボリン救済の日程を上記と同じ形(各メトトレキサート投与の24時間後、上限4回)へ揃えた。2回投与法の『以後の判定は単回法と同じ』も原表と食い違っていたため、第7日に3回目・第11日に4回目・第14日で手術検討(単回法は第7日に2回目・第14日に3回目・第21日で手術検討)と節目を書き分けた。(出典:Alur-Gupta ほか 2019、Bachman & Barnhart 2012、Mullany ほか 2023)
    • 薬剤methotrexate異所性妊娠の多回投与法について、ロイコボリン救済の日程と上限回数を上記2ノートと同じ形へ揃えた。(出典:Alur-Gupta ほか 2019、Bachman & Barnhart 2012、Mullany ほか 2023)
    • トピックCore49: Pharmacogenetics, pharmacogenomics - definition, examplesCPICのチオプリン指針を2025年改訂版へ差し替え、東アジア系のNUDT15低機能代謝者の頻度を『約50人に1人』から『約100人に1人』へ是正した。比較に置かれている欧州系のTPMT低機能代謝者0.19%とは集団も対象遺伝子も違うことも明記した。(出典:CPIC チオプリン指針 2025 Update)
    • トピックCore60: Drug-induced adverse reaction: bone marrow damage同じくCPICのチオプリン指針を2025年改訂版へ差し替え、東アジア系のNUDT15低機能代謝者の頻度を約100人に1人へ是正した。(出典:CPIC チオプリン指針 2025 Update)
  5. 2026 09.16

    バッチ47の疾患・トピックノートを監査。NICEの高眼圧症の治療閾値を「24mmHg超」と誤っていた点、AASM推奨の帰属の誤り、Lake Louise 2018年版スコアの同一ファイル内の割れを是正した。

    • 疾患高眼圧症NICE NG81 の治療開始の閾値を「眼圧24mmHg超」と書いていたが、推奨1.4.4 の原文は 24 mmHg or more(以上)であるため3箇所を是正した。同じガイドラインから落ちていた但し書きも補った——色素散布症候群に伴う例は除外されること、生涯にわたり視覚障害のリスクが無い人には治療を提供しないという明示的な否定推奨があること、ジェネリックのプロスタグランジン類似薬が置かれる場合が4つあること。OHTS の5年成績(観察群9.5%・投薬群4.4%)の根拠を版の無い参照サイトから原著へ移し、生の割合ではなく60か月時点の累積確率であること、ハザード比0.40(95%CI 0.27〜0.59)であることを明示した。危険因子は多変量解析で残った5項目(年齢・C/D比・眼圧・パターン標準偏差・中心角膜厚)と、そこに入っていない人種・性を書き分けた。あわせてAAOの緑内障疑いPPPの出典を2020年版から2025年版(2025年9月6日承認)へ更新した——7項目を照合した結果、本文の記述を変える必要は無かった。(出典:NICE NG81・Kass 2002 OHTS・Gordon 2002 OHTS ベースライン予測因子)
    • 疾患急性高山病2018年改訂 Lake Louise 急性高山病スコアの判定規則が同一ファイル内で2通りに割れていた(本文は合計3点以上かつ頭痛1点以上、まとめは頭痛+他4症状中1つ以上)。原著で確認して合計点の規則へ統一し、4項目各0〜3点の配点表を新設した。原著が明記する最大の限定——このスコアは研究者向けであり臨床家・ガイド・一般の診断や管理を意図していない——が落ちていたので追加した。デキサメタゾンを「小児には推奨されない」と治療まで否定していたが、出典の限定は予防投与のみであるため射程を戻した。予防・治療の選択肢(イブプロフェン、緩やかな登高、事前順化、携帯高圧バッグ)も補った。(出典:Roach 2018 Lake Louise AMS Score・WMS 高所疾患 2024年更新に関する論文)
    • 疾患高地脳浮腫高地脳浮腫について「急性高山病がほぼ全例で先行する」と断定していたが、出典の逐語は Most patients initially experience AMS before progression to HACE, although isolated cases of HACE without preceding AMS have been documented, particularly in association with high-altitude pulmonary edema (HAPE). であるため、例外条項ごと書き直した。急性高山病を欠く高地肺水腫患者の神経症状を見逃す方向の断定だった。(出典:StatPearls 高地脳浮腫)
    • 疾患心房細動カテーテルアブレーションを「選択された発作性心房細動でClass I」と書いていたが、ESC 2024 で選択された(selected)が掛かるのは持続性心房細動の側であり、発作性心房細動の第一選択としてのアブレーションはClass I/LoE A である。カルディオバージョン後の抗凝固を出典の記述欄で「全例4週間継続」としていた点も、血栓塞栓の危険因子が無く発症24時間以内に洞調律へ戻った場合は任意という例外条項ごと書き直した(アブレーション後2か月は本当に全例)。直接経口抗凝固薬4剤の心房細動用量と減量基準の表を新設した。(出典:ESC 2024 心房細動ガイドライン)
    • 疾患深部静脈血栓症血栓溶解の適応として「症状発現から14日以内」「経験のある施設で行える」の2条件を ASH 2020 の推奨として書いていたが、全文に14日の記載は無く、施設の但し書きは深部静脈血栓症ではなく肺血栓塞栓症のカテーテル的血栓溶解の推奨に付くものだった。原文にある younger(若年)の限定も落ちていた。14日はATTRACT試験の除外基準が出どころなので、そちらへ移した。ヘパリン起因性血小板減少症で「フォンダパリヌクスも選択肢」と閉じた書き方をしていたが、ASH 2018 は5剤を条件付き・非常に低い確実性で並べるだけで第一選択を立てていないため書き直し、ダナパロイドを追加した。直接経口抗凝固薬4剤の用量表を新設し、エドキサバンとダビガトランは非経口抗凝固薬の先行が必要である点をアピキサバン・リバーロキサバンと書き分けた。(出典:ASH 2020 静脈血栓塞栓症ガイドライン・ASH 2018 ヘパリン起因性血小板減少症ガイドライン・ATTRACT試験)
    • 疾患ベーチェット病治療薬にシクロスポリンAを挙げながら本文で一度も扱っていなかったため、日本の電子添文に基づき眼病変の節へ追記した。効能が「ベーチェット病(眼症状のある場合)」に限られること、神経ベーチェット病には治療上やむを得ない場合を除き投与しないこととされ、神経症状の誘発・悪化が重大な副作用として1〜5%未満で記載されていること、肝臓または腎臓に障害のある患者でコルヒチンを服用中の場合が禁忌であること(肝・腎障害が無ければ併用注意)を加えた。有効性の位置づけは重症ぶどう膜炎の無作為化比較試験でアダリムマブがシクロスポリンAに優ったことを添えた。EULAR 2025年改訂版の出典の年を誌上公開の2026年へ是正した。(出典:ネオーラル 電子添文)
    • 疾患特発性過眠症ICSD-3-TR(2023年)で特発性過眠症の診断基準そのものは変更されていないことを確認して明記した。治療表がAASM 2021ガイドラインの5推奨のうち4件しか挙げておらず、メチルフェニデート(条件付き推奨・非常に低い確実性)の行が抜けていたので追加した。モダフィニルを「第一選択として強く推奨される」とガイドラインに帰属させていたが、ガイドラインに第一選択の語は無く、5推奨中唯一のSTRONGであるという事実と教科書的な第一選択の記述を分離した。アクチグラフィ単独の11時間の閾値には注意して解釈すべきとされていること、小児には診断基準が存在しないことを補った。(出典:AASM 中枢性過眠症治療ガイドライン 2021・Foldvary-Schaefer 2025)
    • 疾患不眠障害・ナルコレプシーAASM の成人ナルコレプシーの推奨を無出典で述べていたので出典を付けた。あわせて、ガイドラインが名指ししているのはナトリウムオキシベートであって低ナトリウム配合剤を評価した記述は無いこと、推奨のあいだに使用順序は定められていないことを明示した。
    • 疾患特発性頭蓋内圧亢進症Friedman 2013 の改訂診断基準の出典URLをPubMed形式からDOIへ寄せ、同じ出典を共有する画像所見ノートと同時に揃えた。あわせて表1脚注の probable(A〜Dを満たすが髄液圧が確定域に届かない場合)の規定を出典の記述欄に補った。⚠️ 原著本文は取得できず、表1を逐語転記しているオープンアクセス文献3本の一致で確認している。(出典:Friedman 2013 改訂診断基準)
    • トピックSleep Disordersカタプレキシーに対する抗うつ薬(SNRI/SSRI・三環系)の使用をAASM 2021ガイドラインに帰属させていたが、同ガイドラインはSSRI/SNRIについて逐語で insufficient and inconclusive evidence として推奨を出しておらず、三環系は評価対象ですらない(全文に tricyclic・clomipramine・antidepressant が0件)。ガイドラインの外にある補助的な位置づけとして書き分けた。7剤を一律に「推奨」と平坦化していた点も、強い推奨4剤(モダフィニル・ピトリサント・ナトリウムオキシベート・ソルリアムフェトール)と条件付き推奨3剤(アルモダフィニル・デキストロアンフェタミン・メチルフェニデート)に書き分け、ガイドラインが使用順序を定めていないことを明示した。(出典:AASM 中枢性過眠症治療ガイドライン 2021)
  6. 2026 09.16

    バッチ47の薬剤ノートを監査。サルファジアジンで先天性トキソプラズマ症の治療を自分で否定していた禁忌の書き方、スチムリマブの承認されていない適応、セトメラノチドの勃起関連3概念の同居を是正した。

    • 薬剤sulfadiazine米国添付文書の禁忌「生後2か月未満」から除外規定(先天性トキソプラズマ症の治療でピリメタミンと併用する場合を除く)が落ちており、同じノートの適応の項が挙げる治療を禁忌の項が否定していた。除外規定は禁忌・用量・小児への投与の3節に書かれている。禁忌の根拠を教育的総説から規制文書2本へ移し、G6PD欠乏症がスペインの製品概要では禁忌、米国添付文書では使用上の注意(用量依存性)と文書で位置づけが割れることを明示した。スペイン版にしか無い3項目(重度の腎・肝障害/妊娠第3三半期/他のスルホンアミド系・スルホニル尿素薬・チアジド・炭酸脱水酵素阻害薬への交差過敏)も追加した。肝障害の記述を「特発性」としていたが出典の原語は idiosyncratic であり、全文に idiopathic は0件であるため「特異体質性」へ是正した。アルブミン結合置換による相互作用の節を新設し、核黄疸と同一機序であることを示した。(出典:Sulfadiazine Tablets 添付文書・Sulfadiazina Reig Jofre 製品概要・LiverTox サルホンアミド)
    • 薬剤sutimlimab適応疾患の欄に遺伝性・後天性溶血性貧血が入っていたが、EU・日本・米国いずれの効能も寒冷凝集素症の1件だけであるため削除した。本文の適応表でも「寒冷凝集素症」というラベルが別ノートへ張られていたので、専用ノートへ一本化した。日本の電子添文の禁忌が2項目(髄膜炎菌感染症に罹患している患者/成分過敏症)であるのに対し、EU・米国は過敏症のみであるという国差を明示した。古典経路阻害に固有の注意である自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス)の警告が丸ごと欠落していたので追加し、IL-6低下によるCYP脱抑制の相互作用の節を新設した。副作用表から高血圧・先端チアノーゼ・レイノー現象(EUでvery common、日本で10%以上)が抜けていたので文書別に書き直した。(出典:Enjaymo EU 製品情報・エジャイモ点滴静注 電子添文)
    • 薬剤setmelanotide副作用の記述が「勃起障害(男性の自然な持続勃起)」という一文に、勃起障害・自然勃起・持続勃起症という3つの別概念を同居させていた。米国添付文書の全文に priapism は0回で、記載があるのは性的興奮の障害としての自然勃起と勃起頻度の増加である。EU の製品概要は、これらを報告した患者のうち4時間を超える遷延勃起で緊急受診を要した者はいなかったと積極的に述べている。3概念を書き分け、副作用の欄から持続勃起症の関係を外した。機序を「MC4R以外のメラノコルチン受容体への作用」としていたが、EU の製品概要は MC4 受容体の神経刺激によると述べており逆であるため是正した。禁忌の節に禁忌が書かれていなかったので追加し(米国のみ重篤なという限定が付く)、用量を0.5mgから3mgへと平坦化していた点を適応・年齢・地域の3軸の表に作り直した。心拍数・血圧・皮膚診察の監視要求がEUにのみあることも明示した。(出典:Imcivree 米国添付文書・Imcivree EU 製品情報)
    • 薬剤istradefyllineミダゾラムのAUCが2.41倍という相互作用の数値を用量の限定なしに書いていたが、日本の電子添文の当該成績は1日80mg(承認用量の2倍)での反復投与によるもので、同じ節に承認用量は1日40mgまでという注が付く。米国添付文書は20mgではミダゾラムの曝露に影響しないと書き分けている。表・注意書き・まとめ・出典の記述欄の4箇所を是正した。米国添付文書の禁忌が逐語で None であること(重度肝障害は禁忌ではなく使用を避ける)、1日20本以上の喫煙者は最初から40mgで開始すること、強いCYP3A4誘導薬との併用を避けること(日本は併用注意まで)といった国差を追加した。(出典:NOURIANZ 米国添付文書・ノウリアスト錠 電子添文)
    • 薬剤solriamfetol全体像で「カタプレキシーには効かない」と断定していたが、米国添付文書が述べているのはカタプレキシーの有無で有効性に差が示されなかったところまでであるため、同じファイルの本文・まとめと同じ「示されていない」に揃えた。禁忌の記述を「高血圧クリーゼ」としていたが原語は hypertensive reaction(高血圧反応)で、crisis は全文に無いため是正した。出典を2022年のFDA掲載PDFから現行のDailyMed収載版(本文の改訂表示は2023年6月、販売者はAxsome Therapeutics)へ差し替えた。(出典:SUNOSI 添付文書)
    • 薬剤oxybate米国のLumryz(ナトリウムオキシベートの徐放性経口懸濁剤)が本文に一度も出てこず、その結果「オキシベート製剤は夜2回分割が基本」という即放性製剤だけの事実を総称に広げていた。Lumryzはナルコレプシーでも1日1回夜間投与で、XYWAV and XYREM REMS とは別個のLUMRYZ REMSに属し、適応は7歳以上のナルコレプシーのみで特発性過眠症を含まない。3製剤の対比表・用法・適応表・まとめを是正した。AASMガイドラインが名指ししているのはナトリウムオキシベートであって低ナトリウム配合剤ではないことも明示した。(出典:LUMRYZ 添付文書・AASM 中枢性過眠症治療ガイドライン 2021)
    • 薬剤pitolisantAASMガイドラインでモダフィニルの改善が示された転帰を日中過眠・疾患重症度の2つとしていたが、原文は生活の質を含む3つである。剤ごとに書き分け、条件付き推奨3剤の存在も追記した。比較表のモダフィニル欄「実績は限定的」も、原文がカタプレキシーを転帰に挙げていないという事実に合わせて「改善は示されていない」へ揃えた。(出典:AASM 中枢性過眠症治療ガイドライン 2021)
  7. 2026 09.16

    バッチ48の薬剤・疾患ノートを監査。セトメラノチドの国内承認と日本だけが挙げる重大な副作用、急性高山病のデキサメタゾン用量の取り違え、Alström症候群の乳児心筋症の予後を是正した。

    • 薬剤setmelanotideセトメラノチドが2026年8月に「イムシブリー皮下注10mg」として国内承認されたことを追記した。⚠️ 電子添文の効能又は効果は**後天性視床下部性肥満の1項目のみ**で、Bardet-Biedl症候群とPOMC/PCSK1/LEPR欠損症は国内では適応外である(米国・EUはいずれも承認されている)。国内の用法(0.5mgから1週間ごとに漸増、6歳以上3.0mg、6歳未満は体重別)も追加した。(出典:イムシブリー皮下注10mg 電子添文)
    • 薬剤setmelanotide持続勃起症について「本剤の報告された副作用ではない」という断定を撤回した。日本の電子添文は「11.1 重大な副作用」に持続勃起症(頻度不明)を独立の項として立て、メラノコルチン4型受容体(MC4R)活性化作用に基づくもので、処置が遅延すると陰茎組織の損傷や勃起機能の永続的な障害を来しうると述べている。米国・EUの副作用一覧には無く、2文書の不在を全体の否定にしていた。同一ファイル内で「副作用ではない」と「副作用として報告されている」が正面から衝突していた点もあわせて解消した。(出典:イムシブリー皮下注10mg 電子添文)
    • 薬剤setmelanotide中等度腎機能障害(eGFR 30〜59)で用量調節を要するかが日米欧で異なり、調節不要としているのは米国添付文書だけであることを表にした。あわせてEUだけが肝機能障害への投与を禁じていること(4.2 should not be administered)、Bardet-Biedl症候群への投与がEUでは遺伝学的に確認された例に限られるのに対し米国は臨床診断で足りること、EUは注射部位を腹部のみとすること、EUがベンジルアルコールの蓄積リスクから3歳未満での注意と2歳児での代謝性アシドーシスの監視を求めることを追記した。(出典:IMCIVREE EU SmPC・DailyMed IMCIVREE 添付文書)
    • 疾患Alström症候群乳児期の心筋症について「支持療法で軽快することが多い」と書いていたが、GeneReviews の逐語は Most infants with severe cardiomyopathy develop irreversible heart failure, leading to death within the first weeks to months of life であり、安心する方向へ平坦化していた。重症例の大多数が生後数週〜数か月で死亡すること、生涯のいずれかの時点で60%超がうっ血性心不全を来すことを追記した。あわせて全体像にあった「BBSomeを介した視床下部シグナル伝達の障害」という記述を是正した——ALMS1 は BBSome の構成因子ではなく中心体・基底小体に局在する蛋白で、同じファイルの病態節は元から正しく書いていた。(出典:GeneReviews Alström Syndrome)
    • 疾患Bardet-Biedl症候群多指症の頻度「60〜80%」を軸後性多指症の値として書いていたが、ERN のコンセンサス原文では多指症全体の値であり、狭い分母に付け替えていた。網膜変性の有病割合も原文の 90%超(estimated to be > 90%)へ直した。あわせて日本ではセトメラノチドが本症に使えないこと、投与対象の要件がEU(遺伝学的確認が必須)と米国(臨床診断で足りる)で異なることを追記した。(出典:ERN Bardet-Biedl症候群コンセンサス)
    • 疾患単一遺伝子性肥満セトメラノチドの適応表が米国の承認内容であって国内で処方できる範囲ではないことを明記した。POMC・PCSK1・LEPR欠損症は日本では適応外である。(出典:イムシブリー皮下注10mg 電子添文)
    • 疾患急性高山病急性高山病の治療に用いるデキサメタゾンの用量が、高地脳浮腫の用量(8mg負荷後4mgを6時間ごと)になっていた。WMS 2024 の Table 1 は治療の行を AMS: 4 mg every 6 h と HACE: 8 mg once then 4 mg every 6 h に分けており、同じファイル内の別の出典は元から正しく「4mgを6時間ごと」と書いていた。小児の1回上限(デキサメタゾン0.15 mg/kg・最大4mg、アセタゾラミド2.5 mg/kg・最大250mg)、予防の別法(4mgを12時間ごと)、5〜7日を超えたら1週間かけて漸減すること、アセタゾラミド125mgが低〜中リスク行程の用量で高リスクでは250mg 1日2回であること、サルファ剤アナフィラキシー・Stevens-Johnson症候群の既往が禁忌であることを追記した。(出典:WMS 2024 Altitude Summary)
    • 疾患高地脳浮腫高地脳浮腫の急性治療におけるアセタゾラミドを「治療的役割を持たない」と断定していたが、WMS 2024 の Table 1 脚注は Acetazolamide can also be used at this dose as an adjunct to dexamethasone in HACE treatment, but dexamethasone remains the primary treatment for HACE. としている。StatPearls と割れているので両論を書き分け、両者が一致する「主軸はデキサメタゾン」を要点に立てた。(出典:WMS 2024 Altitude Summary)
    • 疾患高地肺水腫高地肺水腫の治療薬からアセタゾラミドを外した(2024年版は利尿作用が不利であるとして強い推奨で非推奨としている)。下山は少なくとも1,000m・労作を避けること、2024年版が「まず酸素化」へ順序を寄せたこと、ニフェジピン・タダラフィル・シルデナフィルの用量、⚠️ ニフェジピンとタダラフィルを併用しないこと(There is no role for concurrent use)、薬物予防は高地肺水腫の既往者に限ること、サルメテロールが上乗せ推奨から外れたことを追記した。(出典:WMS 2024 Altitude Summary)
    • 疾患凍傷イロプロスト・血栓溶解療法を開始できる期限の起点が資料によって異なることを明示した(総説は受傷後、発行団体自身の要約は再加温後と書いており、誌上版が取得できないため断定を撤回して両論併記とした)。急速な再加温ができない場面では自然融解が推奨されること(避けるべきは融かして再凍結させること)、現場でのイブプロフェン、2024年版が新たに交感神経切除術を行わないよう推奨したこと、イロプロストが2024年2月に米国で承認されたことを追記した。乾熱を避ける理由も「加温が不均一」から原文どおりの熱傷の危険へ訂正した。(出典:WMS 2024 Frostbite Summary・Omidi 2025 WMS凍傷ガイドラインの評価)
  8. 2026 09.16

    バッチ48の残り。急性前骨髄球性白血病の分化症候群の診断基準が誤った出典に帰属して3ファイルに広がっていた点、寒冷凝集素症の治療の重心、細菌性腟症のパートナー治療の適用範囲を是正した。

    • 疾患急性前骨髄球性白血病分化症候群の診断基準を ELN 2019 に帰属させていたが、同ガイドラインの全文には weight gain も pulmonary infiltrate も一度も現れず、基準そのものが書かれていない。正しい出典(PETHEMA の Montesinos 2009 が引く Frankel の記述)へ付け替え、同一ファイル内で3通りに割れていた閾値を原文に揃えた——項目は6つ、体重増加は**5 kg超**、2〜3項目で中等症、4項目以上で重症、そしてどの単一の徴候も診断には不十分とされた。⚠️ 胸部X線(肺浸潤または胸膜心膜の貯留液)は1項目であり、2つに割ると重症へ繰り上がりやすくなる。あわせて、これが症例を数えるための研究上の分類であって治療を待つ閾値ではないことを明示した(ELN 推奨1.13 は最も早い臨床的疑いの時点でデキサメタゾンを直ちに開始するとしている)。(出典:Montesinos 2009 PETHEMA・ELN 2019 APL推奨)
    • 疾患急性前骨髄球性白血病高リスク急性前骨髄球性白血病の導入療法を「ATRA+ATOに化学療法を追加する」の一本に平坦化していたが、ELN 推奨2.3(Ib–A)の逐語は there are 2 valid options, either ATRA + ATO with a certain amount of chemotherapy or conventional ATRA + anthracycline-based chemotherapy であり、無作為化試験でいずれの優越性も示されていない。イダルビシンとダウノルビシンが同等とされるのは ATRA+化学療法の骨格どうしの比較であって、ATRA+ATO に足す細胞減量薬の話ではない点も書き分けた。凝固障害の補充目標(フィブリノゲン100〜150mg/dL超・血小板3〜5万/μL超・INR 1.5未満、1日1回以上の監視)を追加し、トラネキサム酸が JSTH 2024 で Grade 1C(強くは推奨しない)であること、遺伝子組換えトロンボモジュリンが Grade 2B で弱く推奨される一方 ELN は臨床試験の外では推奨しないという日欧の割れを追記した。(出典:ELN 2019 APL推奨・JSTH 2024 DIC診療ガイドライン Part 2)
    • トピックAcute myeloid leukemia, lymphoplasmocytic lymphoma分化症候群の診断基準が「体重増加2.5kg超・3項目以上で中等症」と誤っていたため原典へ是正した(正しくは5kg超、2〜3項目で中等症、4項目以上で重症、胸部X線は1項目)。高リスク急性前骨髄球性白血病の導入療法が2つの妥当な選択肢であることも追記した。(出典:Montesinos 2009 PETHEMA・ELN 2019 APL推奨)
    • トピックAcute Leukemias同じ誤った分化症候群の基準を是正し、ATRA・ATOの中断が重症例に限られること、ELN 推奨2.10 が化学療法を用いない治療では維持療法を要しないとしていること(出典の記述欄は逆に「長期維持療法を推奨する」と書いていた)を直した。(出典:Montesinos 2009 PETHEMA・ELN 2019 APL推奨)
    • 疾患寒冷凝集素症治療を2025年のASH教育プログラム総説に合わせて更新した。B細胞標的治療の重心をリツキシマブ+フルダラビンからリツキシマブ+ベンダムスチンへ移した(BR は奏効率71%・完全奏効40%で奏効期間中央値88か月超、リツキシマブ単剤は奏効率約50%・奏効期間中央値1年未満)。⚠️ **補体阻害薬は寒冷誘発性の循環症状を改善しない**——無作為化試験では肢端チアノーゼの出現がスチムリマブ群18%対プラセボ群0%であり、症状が補体系と非補体系の2系統に分かれるという機序上の要点が丸ごと欠けていた。「軽症は保温だけ」という枠も、症状の負担が過小評価されてきたため大多数の患者に治療を提示すべきだと考えられている、という原文の書き方へ改めた。スチムリマブ中止後3〜4週で溶血が再燃すること、骨髄リンパ球浸潤10%超の患者は第3相試験から除外されており根拠が無いこと、日本でも「寒冷凝集素症」を効能として承認されていることを追記した。(出典:Berentsen 2025 ASH Education Program)
    • 疾患遺伝性・後天性溶血性貧血(遺伝性球状赤血球症・G6PD欠乏症・自己免疫性溶血性貧血・発作性夜間ヘモグロビン尿症)自己免疫性溶血性貧血の表で、スチムリマブを「急速な溶血制御を要する例などに用いる」と位置づけながら米国添付文書の脚注で受けていたが、添付文書は「成人の寒冷凝集素症における溶血の治療」としか述べていない。承認されている効能と、劇症溶血での優先・中止後3〜4週の溶血再燃という臨床的な位置づけを別の出典に帰属し直した。(出典:Berentsen 2025 ASH Education Program)
    • トピックHemolytic anemia寒冷凝集素症の治療欄に、スチムリマブが日本でも承認されていること、投与2週間前までに髄膜炎菌および肺炎球菌へのワクチン接種が必要なこと、日本だけが髄膜炎菌感染症に罹患している患者を禁忌に挙げていること(EU・米国の禁忌は過敏症のみ)を追記した。(出典:エンジェイモ点滴静注液 電子添文)
    • 微生物Gardnerella vaginalis細菌性腟症のパートナー治療について、2025年のACOG改訂が対象別に書き分けていることを原典で確認して是正した——再発性・症候性の患者の**男性**パートナーには経口+外用の併用治療を検討、**同性パートナーをもつ再発例と初回発症の症候例は共有意思決定**であり、初回発症まで治療推奨に含めていたのは平坦化だった。治療レジメンの帰属を StatPearls から CDC 2021 STI Treatment Guidelines の原典へ移し、セクニダゾールが第一選択ではなく代替であること(高価で長期転帰データが不足)、落ちていた0.75%メトロニダゾールゲル5日間、Amsel基準4項目と感度37〜70%・特異度94〜99%、Nugentスコアの区分、再発時の抑制療法を追加した。パートナー治療については反対側の証拠(6試験953組のメタ解析で有意差なし)も併記した。(出典:ACOG Clinical Practice Update 2025・CDC 2021 STI Treatment Guidelines)
    • 微生物Sin Nombre virusFour Corners 集団発生を臨床経過の表で「1994年」、致死率の表とまとめで「1993年」と呼び分けていたため統一した(**発生が1993年、最初の17例の報告が1994年**)。致死率の各値に分母を付け、CDC の集計(2023年末まで890例・死亡35%)が非肺型31例を含む点で先行研究の35%とは別物であることを明示した。(出典:Duchin 1994 NEJM)
    • 微生物Andes virus2026年のクルーズ船集団発生について「7か国で188名を隔離し追加症例は出なかった」と書いていたが、原著では**3例が隔離中の接触者監視と週1回検査で発見されている**ため射程を訂正した。「確定12・疑い1」という訳も原文の 12 confirmed and one probable に合わせて「検査確定12・準確定1」へ直した。致死率の各値に分母を付け、ECMOの早期開始で生存率が約80%に達すること、曝露後4〜42日という観察期間、発症72時間以内は検出できないことがあり再検査を要することを追記した。(出典:CDC HAN-00528・Martínez 2020 NEJM)
    • 微生物Mycobacterium marinum治療について「2剤併用が標準」と書いていたが、出典の逐語は There is no consensus on the regimen or the duration of therapy であり、免疫正常者ではミノサイクリン単剤も用いられ、併用は免疫抑制患者に対するものである。対象を取り違えたうえで出典より強く断定していた。期間も原文(有効なら1か月以内に皮疹が治癒し、免疫正常者はさらに2か月継続)へ直し、抗菌薬を変更する前に3か月続けること、外科的デブリードマンがしばしば必要であること(コホートでは40例中11例が手術併用)を追記した。(出典:StatPearls Mycobacterium marinum・Hendrikx 2022 Open Forum Infect Dis)
    • 疾患劇症型痤瘡治療が「低用量から緩徐に」という言葉だけで用量・期間を欠いていたため具体化した——プレドニゾロン0.5〜1 mg/kg/日を少なくとも2週間(全身症状があれば少なくとも4週間)、イソトレチノイン0.1 mg/kg/日を4週間併用、増悪が無ければさらに4週間続けつつステロイドを漸減し、累積120 mg/kg以上を目指す。ダプソン使用時に**男性ではG6PD欠損の陰性確認**が要ることも追加した。根拠を患者向けの解説ページから劇症型痤瘡そのものを扱う資料へ移し、外用薬を「急性期には無効」としていた点も原文(単独の治療選択としては推奨されないが、潰瘍性結節には強力な外用ステロイドを1日2回7〜10日間)に合わせて書き分けた。(出典:StatPearls Acne Fulminans)
    • 薬剤zileuton適応・禁忌・用法が国を書かずに断定されていたため、米国添付文書の記載であることを明示した。⚠️ **投与中の中止基準が丸ごと欠けていた**——開始時の禁忌(トランスアミナーゼが基準上限の3倍以上)だけが書かれており、読者はそれを中止基準と取りうる。原文は、肝機能障害の症状が出るか**トランスアミナーゼが基準上限の5倍を超えた**場合に中止するとしている。3〜5倍の症例の転帰、中止後の回復に平均32日を要すること、中止後2週間以内に初めて上昇が見つかることがあることも追記した。(出典:DailyMed ZYFLO 添付文書)
    • 疾患急性出血性結膜炎治療・感染対策が2行しかなかったため補った。承認された抗ウイルス薬が無いこと、⚠️ **続発する細菌感染はきわめてまれで、耐性の問題から予防的な抗菌点眼は必要でないかもしれない**こと、そして原文が伝播の主体として最初に挙げる医療従事者の手と医療器具(眼圧計チップ・倒像鏡レンズ・細隙灯)への具体的な対策(器具は水洗後80%エタノールに10分以上浸漬、耐熱器具は10秒煮沸、両眼性では点眼瓶を左右で分ける)を表にした。(出典:Muto 2023 Viruses)
  9. 2026 09.16

    バッチ48の続き。前回までの是正そのものが誤っていた3系統(AAD痤瘡指針の推奨の格付け、骨粗鬆症の診断基準の枠づけ、SIRT-1の作用の向き)を一次資料で直し、長期酸素療法・住血吸虫症の再投与・ニコチン酸の機序の帰属を現行の一次資料へ張り替えた。

    • 疾患尋常性痤瘡米国皮膚科学会2024年痤瘡指針で経口イソトレチノインに付く good practice statement という格付けを「格付けのある強い推奨ではない」と説明していたが、同指針自身の定義表が「good practice statement は強い推奨である(推奨される介入の影響についての確実性が高いため)」と明記しており、逆だった。GRADEの確実性評点が付かないのは根拠が十分だが間接的な場合にこの形式を使うためである。あわせて推奨表が18件中11件しか載せず閉じた列挙に見えていたため全件に直し、クラスコテロンとサレサイクリンが確実性「高」のまま費用を理由に条件付きであることを明示した。EUの妊娠予防プログラムを「各国が独自に持つ」としていた記述も、EU全域に適用される制度(有効な避妊法1つ以上)であると是正した。(出典:AAD 2024 尋常性痤瘡診療指針)
    • 薬剤isotretinoin同じ誤った注意書きが本文・まとめ・出典の記述欄の3箇所にあったため是正し、格付けの形式と推奨の強さが別の軸であることを明示した。(出典:AAD 2024 尋常性痤瘡診療指針)
    • トピックAcne Comedonica - Clinical Forms and Therapy同じ誤った注意書きを本文と出典の記述欄の両方で是正し、推奨18件の内訳(強い推奨7・条件付き10・条件付きの否定的推奨1)を明示した。(出典:AAD 2024 尋常性痤瘡診療指針)
    • 疾患骨粗鬆症日本の原発性骨粗鬆症診断基準を「Tスコア体系とは別建て」と説明していたが、2012年度改訂版の原本は「国際的な整合性を目指す」ため腰椎と大腿骨近位部で YAM 70% と −2.5SD を併記したと明記しており、枠づけ自体が誤っていた。診断を3分岐(椎体・大腿骨近位部骨折/その他の脆弱性骨折+YAM 80%未満/骨折なし+YAM 70%以下または−2.5SD以下)に書き直した。⚠️ また「低外傷性で生じた骨折はそれ自体が診断根拠」という記述が部位を落としており、単独で診断根拠になるのは椎体と大腿骨近位部だけである。FRAX 15%閾値には原文の限定(FRAX単独で治療開始を判断しない、骨密度を入力しない、15%は既治療患者の平均値に由来する)を回復した。(出典:原発性骨粗鬆症の診断基準 2012年度改訂版・骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版)
    • トピックCalcium & phosphate metabolism — effects on the skeletal system同じ診断基準の枠づけを是正した。あわせて閉経期の骨量減少率が多民族コホートの平均ではなく白人・標本平均例の推定値であることを明示し、同じ研究が測った人種差(大腿骨頸部の年間減少率は日系2.13%に対し白人1.76%)を補った。ビタミンK2のメタ解析は抄録(RR 0.96)と本文(RR 0.56)で統合値が食い違い著者自身が結論に慎重であるべきだと述べていること、緑黄色野菜はビタミンK1の供給源でK2は納豆などの発酵食品と腸内細菌由来であることも訂正した。FGF23過剰型の骨軟化症で「副甲状腺ホルモンも正常」と断定していた点は、X連鎖性低リン血症の25%に高カルシウム血症を伴わない続発性副甲状腺機能亢進症がみられるという記述へ改めた。(出典:SWAN 骨量減少率・ビタミンK2メタ解析・GeneReviews XLH)
    • トピックMolecular and cellular agingSIRT-1 が「クロマチンを閉じる方向の修飾を外す」と作用の向きが逆に書かれていた(脱アセチル化酵素が外すのは開く方向の修飾で、原文はNF-κB系の脱アセチル化による炎症関連遺伝子の抑制を述べている)。老化の特徴に採用する3要件を2023年版が明文化したものと帰属していた点も、3要件は2013年版の本文に逐語で存在し、2023年版が広げたのは「治療的介入で減速・停止・逆転できる」という第3要件の側だと書き分けた。サルコペニアの「欠失仮説」をミトコンドリアDNAの枯渇と取り違えていたので、筋線維内で欠失変異がクローン性に蓄積して線維脱落に至る機序へ是正した。霊長類のカロリー制限は2012年の「2施設で結果が割れた」で止まっていたため、2014年の最終報告と2017年の両施設共同解析(開始年齢が重要因子)まで更新した。(出典:Herbst 2016 mtDNA欠失・Mattison 2017 霊長類CR比較)
    • トピックOrgan damage from chronic global respiratory failure (COPD)「COPDの死因で最多なのは呼吸器ではなく冠動脈疾患と腫瘍」という無条件の断定を重症度で書き分けた(この所見は軽症〜中等症でのもので、このノートが扱う慢性呼吸不全に至った進行期では呼吸不全が並ぶ)。長期酸素療法については、生存利益を示した2試験の組入れ基準(安静時PaO2 55 mmHg以下、または60 mmHg未満で肺性心・二次性多血症を伴う)を明示し、出典に無い「覚醒時間帯を含めて15時間以上が前提」という一般化を外した。COPDの肺高血圧は有病割合だけだったので機序と重症型の定義(肺血管抵抗5 Wood単位超)を補った。(出典:GOLD 2026 レポート)
    • トピックOxygen therapy長期酸素療法の「使用時間に用量反応がある」「夜間中心の使用は劣る」という記述をGOLD 2026の脚注で受けていたが、同レポートにその記述は無い。前者は米国胸部学会2020年指針、後者はNOTT原著(夜間のみ12時間群の全死亡が連続投与群の1.94倍)へ帰属し直し、「覚醒時間帯を含めて使うことが前提」というどの出典にも無い推論を外した。あわせてGOLD 2026が「1日15時間を超えて酸素を使うという推奨は新しいエビデンスには支持されない」と述べていること(根拠は2024年のREDOX無作為化比較試験)を反映し、目標値の不等号も原文(PaO2 60 mmHg超、SpO2 90%超)へ訂正した。(出典:REDOX 試験・NOTT 原著)
    • 疾患慢性閉塞性肺疾患長期酸素療法の適応が1行の箇条書きで米国胸部学会の基準だけを示していたため、GOLD 2026の基準(3週間の期間内に2回確認、第2基準はSaO2 88%で肺高血圧・末梢浮腫・ヘマトクリット55%超)と並べて書き分けた(別文書なので統一しない)。24時間への延長が示されなかったREDOX試験と、それを受けたGOLD 2026の記述も追加した。(出典:REDOX 試験)
    • 疾患皮膚T細胞リンパ腫「腫瘤期の死因として多いのは腫瘍そのものではなく敗血症」という比較を、出典が多寡を比較していないため「よくある死因の一つ」へ戻し、起因菌もブドウ球菌属(原文はstaph species)へ改めた。病期別の予後を語りながらT・N・M・Bから病期を組み立てる表が丸ごと欠けていたので追加し、病期IVへ押し上げる3条件(B2・N3・M1)と、紅皮症でも血液浸潤がB0/B1なら病期IIIであることを明示した。外用メクロレタミンの適応は米国が病期IA・IBかつ前治療歴のある患者に限るのに対しEUは成人で限定が無い、という国差も追記した。(出典:NCI PDQ 菌状息肉症・セザリー症候群)
    • 薬剤mechlorethamine「米国・EUで現在流通しているのはゲルだけ」という断定を、実際に確認できた範囲(米国のDrugs@FDAとフランス・スペインの登録簿)の肯定形へ戻した。外用ゲルの塗布手順の脚注が米国添付文書だけだったため、EUのSmPCを取得して同一であることを確認し脚注を対にした。非黒色腫皮膚癌の記載には添付文書自身の但し書き(一部は非黒色腫皮膚癌を起こすと知られた前治療歴のある患者に生じた)を補った。(出典:VALCHLOR 添付文書・Ledaga SmPC)
    • 疾患住血吸虫症急性期のあとにプラジカンテルを打ち直す時期の根拠が、版を持たず中身が書き換わる臨床マニュアルだった。英国感染症学会2025年指針(8週後・専門家の意見)とイタリアの学会コンセンサス(6〜8週後)へ張り替え、より短い4〜6週という見積もりは査読総説の逐語(may表現で、さらに2006年の総説への孫引き)であることを明示して残した。神経住血吸虫症にはデキサメタゾンをプラジカンテルの前日から開始するという順序と菌種別の3日間投与を追加し、長期・高用量ステロイドを始める前に糞線虫症を除外することを新設した。旅行者34例のコホートについては、12〜14週に2回目の投与が行われていたことと、原著自身が「虫卵を産めない交雑種だった可能性がある」と限界を述べていることを追記した。(出典:BIA 2025 好酸球増多症の指針・Clerinx 2025 急性住血吸虫症コホート)
    • 薬剤praziquantel同じ再投与の記述を査読資料・学会指針へ張り替え、1日60 mg/kgを何回に分けるかが資料ごとに違う(米国CDCは3分割、英国の指針は2分割)ことを明示した。幼若虫が薬から逃れる理由に、成虫の約2.5倍のABCトランスポーターを持つという分子的裏づけを補った。(出典:BIA 2025 好酸球増多症の指針・Eastham 2024 プラジカンテル耐性の総説)
    • 薬剤nicotinic acid脂質改善作用を「GPR109A活性化による脂肪分解抑制」と確定機序として4箇所に掲げていたが、米国添付文書は逐語で「機序は十分に解明されていない」と述べ、受容体欠損マウスと完全作動薬2剤の臨床試験は遊離脂肪酸仮説を支持しなかった。顔面紅潮だけが確立した受容体機序であると書き分けた。米国では2016年に配合錠ADVICOR・SIMCORの承認自体が安全性または有効性を理由に撤回された一方、単剤NIASPANは2022年の官報で「安全性・有効性を理由とする販売中止ではない」と判定されている、という対比も追記した。日本で脂質異常症に使われるのはニコチン酸そのものではなく誘導体(ニコモール、トコフェロールニコチン酸エステル)であることを薬価基準収載品目リストで確かめて明示した。(出典:Lauring 2012 GPR109Aと脂質効果・日本動脈硬化学会2022年版ガイドライン)
    • トピックZoonotic infections (list) and their preventionシャーガス病の動物リザーバーが「げっ歯類」だけになっていたため、CDCが挙げるアルマジロ・オポッサム・アライグマ・モリネズミ・飼いイヌなど多様な哺乳類へ改め、WHOが「感染そのものは根絶できない」として予防の柱を媒介昆虫対策と輸血・移植スクリーニング・母子感染対策に置いていることを追記した。肝蛭症の予防を「家畜の駆虫と糞便管理」だけで説明していた点も、ヒトの感染源は水生植物に被嚢したメタセルカリアなのでクレソン・セリの生食回避がヒト側の当てどころだと書き分けた。(出典:CDC DPDx アメリカトリパノソーマ症・WHO 食品媒介吸虫症ファクトシート)
  10. 2026 09.16

    バッチ48の横断監査で見つかった是正。サルコペニアの暫定診断と老化の3要件の帰属、肝吸虫症の治療表が個別症例と集団投薬を混ぜていた点を直した。

    • 疾患サルコペニアEWGSOP2の暫定診断を「握力低下だけ」と書いていたが、同定義が前面に置いたのは低筋力という概念で、測定手段として握力と5回椅子立ち上がりの2つを挙げている(評価の入口を1つ落としていた)。ミトコンドリアDNAの欠失仮説からは活性酸素種の因果連鎖を外した——原著の全文に reactive oxygen も oxidative も一度も現れず、機序は欠失変異が筋線維内でクローン性に拡大して呼吸能が破綻し、線維の萎縮・断裂・壊死から脱落に至るという連鎖である。あわせてEWGSOP2のカットオフ数値、AWGS 2019との比較表(わずかにずれる値が並ぶので、どちらで診断したかを書かずに記録しない)、GLIS 2024の概念定義(身体機能低下は構成要素ではなく帰結)、ICFSR 2018がビタミンD補充と蛋白同化ホルモンを「推奨なし」としていること(=効かないと確かめられたのではなく根拠が足りない)を追加した。(出典:Herbst 2016 mtDNA欠失・GLIS 概念定義 2024)
    • トピックMolecular mechanisms involved in aging (only for EM-students)老化の特徴に採用する3要件を2023年版が明文化したものと帰属していたが、3要件は2013年版の本文に逐語で存在する(2023年版が広げたのは治療的介入で逆転まで、という第3要件の側)。「ラパマイシンやカロリー制限が寿命延長効果を示す」という無限定の断定も、介入・種・開始年齢で分けた表に置き換えた——霊長類では開始年齢に依存し、ヒトでの寿命延長は示されていない。「テロメラーゼは胚性細胞と原始生殖系列細胞にのみ発現する」という断定は原文(大部分の体細胞は発現しない)に合わせて緩め、コーパス内3ノートの割れを解消した。(出典:Harrison 2009 ラパマイシン・Mattison 2017 霊長類CR比較)
    • 疾患肝吸虫症治療の比較表でWHOファクトシートの行が、個別症例の治療(プラジカンテル25 mg/kgを1日3回・2〜3日間)と流行地の集団投薬(40 mg/kg単回を住民全員に12か月ごと)という別々の2つの戦略を1行に混ぜており、他の行(CDC・米国添付文書・日本の電子添文=いずれも個別治療)と並べられない状態だった。原文の表2に従って2行に分け、40 mg/kg単回が予防的化学療法の用法であることを明示した。(出典:WHO 食品媒介吸虫症ファクトシート)
    • 疾患住血吸虫症急性期にステロイドを併用するとプラジカンテルの血漿中濃度が50%低下する、という同じコンセンサスの記述が薬剤ノート側にだけ入っていたので疾患ノートにも追加した(併用は炎症反応を抑えるためで、駆虫効果の面では不利に働きうる。だからこそ成虫が育ち切った時期の再投与が設計に組み込まれている)。(出典:SIMET 2023 非流行地の住血吸虫症コンセンサス)
    • トピックOxygen therapy酸素滴定の目標値を豪州NZ胸部学会の基準(PaO2 60 mmHg超・SpO2 90%超)だけに書き換えた際、同じ文書が併記している他団体の目標が落ちていた。GOLDはCOPD患者でSpO2 90%以上、米国胸部学会のパネル自身も「一部の指針が採る88%ではなく90%」を目標としており、90%前後という水準は共通で不等号の書き方が資料ごとに違う、と読めるように併記し直した。(出典:ATS 在宅酸素療法の指針 2020)