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更新ログ
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2026
09.21外科学トピックの監査で見つかった誤りが、同じ形で残っていた他科トピック28本の是正(7/7)。同一論文が2つの出典idに割れていた3組も統一した。⚠️ 併せて是正した scores/bi-rads と scores/tnm-classification は、この更新ログが扱えるコレクションの区分外のため本文のみの反映である。
- トピックTumors and tumor-like lesions of the liver肝血管腫について「生検は禁忌(出血リスク)」と3箇所で断定していた。指針間で割れている論点で、EASLは被膜と病変縁のあいだに正常肝実質が介在していれば禁忌ではないとし全体の正診率を96%としている(英語原文が取得できないため公式のスペイン語版・フランス語版と、3指針の推奨を英語逐語で転記した総説の3経路で確認した)。ACGとブラジル肝臓学会は避ける側で、同じコーパスの別ノートは既にこの割れを正しく書いており、このノートだけが浮いていた。典型像なら生検は不要という実務上の原則は残して書き分けた。このトピックは肝良性腫瘍のトピックの前提トピックに入っており学習動線として先に読まれる。(出典:EASL 2016・Haring 2021)
- トピックInflammations and tumors of the biliary system and gallbladder胆嚢癌の深達度の定義が誤っていた。「粘膜下層までのT1a以下は胆嚢摘出単独で5年生存率が最大100%」としていたが、原著の逐語は粘膜にとどまる病変であり、粘膜下層への浸潤はT1aではない。出典の記述と本文の2箇所とも直した。あわせて、磁器様胆嚢の癌リスクの数値は原著と一致していたが、原著の結論(健常者には予防的胆嚢摘出が適切だが重い併存疾患があれば非手術的方針を考慮する)が落ちて「思ったほど高くない」で閉じていたので結論を併記した。(出典:Søreide 2019・Schnelldorfer 2013)
- トピックHormonal regulation of calcium & phosphate metabolism原発性副甲状腺機能亢進症の原因に「PTH産生腫瘍」が並んでおり、異所性PTH産生が原因であるかのように読めた。原因は副甲状腺腺腫(単腺、約85%)・多腺病変(約15%)・副甲状腺癌(1%未満)で、異所性PTH産生は原因ではなく鑑別診断に属する(しかも非常にまれ)。悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症の主役はPTH関連蛋白である点も添えた。同じコーパスの2ファイルは正しく書けており、このトピックだけが浮いていた。(出典:Kochman 2023)
- トピックWound infections: symptoms and treatment手術部位感染の監視期間を「30日を基本とし人工物を留置した手術では90日間まで延長」と書き、2008年の定義論文に帰属させていた。原典に当たると二重に誤っていた。当時の規定は90日ではなく「人工物があれば1年」で、90日という区分が入ったのは2013年版である。さらに現行では人工物の有無ではなく手術区分で決まり、現行の章の全文に「人工物」という語は1度も現れない(腹部大動脈瘤修復や各種移植はむしろ30日側にある)。監視期間の列を追加して手術区分別であることを明記し、旧定義との違いを書き分けた。元の出典は本文を取得できなかったため、内容についての記述を書かずにエントリごと外し、脚注は全文を確認した現行と2012年版のマニュアルへ付け替えた。(出典:CDC/NHSN 2026)
- トピックPreoperative care, ERAS, prehabilitation, and perioperative nutrition術前検査についての記述が無出典だったので、同じ内容を支える指針を当てて脚注を付けた。手術侵襲の3段階とASA区分の組み合わせで検査を決める枠組みと、安静時心エコーの分岐条件を補った。(出典:NICE NG45)
- トピックMalignant diseases of the gallbladder and biliary tract胆嚢癌T1bの扱いが「再切除を含む拡大胆嚢摘出を個別検討」と弱く、しかもこのノート自身の出典の記述(追加切除の術式・範囲・時期は依然として議論がある)を「追加切除の利益に議論がある」へ平坦化していた。出典の記述のほうが正しかったので本文を直した。一次治療の免疫チェックポイント阻害薬もESMOの2025年中間更新でデュルバルマブ併用とペムブロリズマブ併用の両方が[I, A]で推奨されているので現行の形に揃えた。TOPAZ-1の効果量も実測値で書き直した(2022年の更新解析の値と初回解析の値を混ぜないよう注記した)。(出典:IHPBA-APHPBA 2024・ESMO 2025 中間更新)
- トピックBenign tumors of the liver限局性結節性過形成について「症候性なら専門チームで切除を検討」と書いていたが、指針は治療を推奨しないとしており、症状との相関が乏しく症状があっても治療が必要になることはまれで、例外は有茎性・増大性・外方突出に限られる。症候性のときに推奨されているのは切除ではなく多職種チームへの紹介である。肝細胞腺腫の治療選択も推奨の強さと増大の判定基準(RECISTに倣った径の20%以上)を入れ、5 cmという閾値が指針の中で割れていることを明記した。肝血管腫の生検についても他ノートと同じ書き分けを追加した。(出典:EASL 2016)
- トピックAcute and chronic pancreatitis乳酸リンゲル液の推奨に強さが無く「特に乳酸リンゲル液を用い」と断定的に読めた。条件つき推奨・エビデンスの質は低いという格付けを付け、液種を特定せず等張晶質液とする別の指針の記述と併記した。壊死性膵炎への介入適応の3段構造(4週以降の4項目、8週以降の疼痛)も無かったので表で補った。(出典:ACG 2024・WSES 2019)
- トピックSurgical aspects of Crohn disease狭窄形成術の禁忌の列挙が原文と入れ替わっていた。原文は活動性出血を伴う粘膜病変・瘻孔形成・癌・腸管壁の蜂窩織炎の4項目だが、前2者が落ち、原文に無い腹腔内敗血症と穿孔が入り、原文に無い程度の限定(強い、著しい)が付いていた。原文の4項目に戻したうえで、落とした2項目は消さずに層を分けた(遊離穿孔や制御できない腹腔内敗血症は緊急切除の対象であって狭窄形成術を検討する場面ではない)。狭窄長による術式の使い分けの表と、推奨の強さも補った。大腸の狭窄については2つの資料で強さが違うので差を保ったまま併記した。(出典:Meima-van Praag 2021・ECCO 2024)
- トピックBenign anorectal diseases痔核の治療を段階的に記述しているのに推奨度が1つも無かったので、ゴリガー分類の定義と学会ガイドラインの推奨度表を追加した。外来処置と手術の線引きについて、授業資料の3段階の書き方とガイドラインの書き方が食い違うのはIII度の置き場所だけで両端は動かないことを対比表で示した。無出典だった「排膿後は最大約半数で再膿瘍または痔瘻が明らかになる」は、記述自体は正しく出典が無かっただけだったので原著(146例・平均99か月追跡で痔瘻37%・膿瘍再発10%)を当てた。複雑痔瘻の軸と女性の前方交連も補った。(出典:山名ら 2017・Hämäläinen & Sainio 1998)
- トピックInguinal and femoral hernias女性と大腿ヘルニアの推奨に強さが1つも書かれていなかったので、推奨ボックスの「強い推奨(合意により格上げ)」を反映し、同じ文書の要約節と強さの表示が割れていることも注記した。登録データの数値(大腿ヘルニアの36〜39%が緊急修復、待機修復後30日の死亡リスクは0.1%未満だが緊急修復後は3.8%)も補った。腹腔鏡下修復を第一選択とする推奨の但し書き(Lichtenstein法を第一選択とすべき患者背景とヘルニアの特徴がある)が落ちていたので戻した。(出典:HerniaSurge 2018・HerniaSurge 2023年改訂)
- トピックAbdominal wall and other hernias縫合修復を考慮できる欠損径1 cm未満という閾値とエビデンスの確実性が、出典の記述にも本文にも入っていなかったので補った。無症候例の経過観察についての推奨がこのノートに1行も無かったので追加し、経過観察の可否には欠損径の条件が付いていないことを明記した。あわせて指摘外の誤りを1つ直した。術後切開創ヘルニア予防の試験の記述が、割付数と解析数を混ぜていたので分母を明記した。(出典:Henriksen 2020・EHS/AHS 合意調査 2022)
- トピックBreast cancer diagnosis and treatment乳房温存療法の断端についての指針が、同一論文でありながらコーパス内で2つの出典idに割れていた(3誌に併載されているためDOIが複数あり、一方のidで検索しても他方に当たらない)。1つに統一し、3つのDOIをすべて記述に書き残して次回どの形で検索しても当たるようにした。(出典:SSO/ASTRO 2014)
- トピックChronic cholecystitis急性胆嚢炎の診断について、出典の記述の末尾が「超音波では胆嚢壁肥厚、腫大、胆石・胆泥、胆嚢周囲液体貯留、sonographic Murphy徴候を評価する」となっていたが、その指針の誌上版全文にsonographic Murphyも胆泥も現れず、診断基準の画像所見欄には所見の一覧そのものが置かれていない。全文で確認した内容に書き直した。本文は最初から正しくMurphy徴候を局所の炎症所見として扱っていたので触っていない。(出典:Tokyo Guidelines 2018)
- トピックGallstones, Cholecystitis and Cholangitis超音波所見のsonographic Murphy徴候と胆泥を急性胆嚢炎診断の指針の脚注で受けていたが、その指針の誌上版全文16頁に両語とも現れない。出典が実際に挙げる所見(胆嚢腫大・壁肥厚・胆嚢周囲液体貯留・内腔のデブリ・結石嵌頓)へ書き換え、診断基準の局所の炎症所見に入るのは触診によるMurphy徴候であることを明記した。フロー図のノードも本文が否定した読み方を描かないよう揃えた。(出典:Tokyo Guidelines 2018)
- トピックAcute Pancreatitis乳酸リンゲル液の推奨に強さが無かったので、条件つき推奨・エビデンスの質は低いという格付けを付け、液種を特定しない別の指針の記述と併記した。壊死性膵炎への介入適応の3段構造も無かったので表で補った。(出典:ACG 2024・WSES 2019)
- トピックBenign and malignant tumors of the liver肝細胞腺腫の切除閾値が、表の1つのセルの中で「5 cm超」と「5 cm以上」に割れていた。このノートが引いている総説は一貫して「5 cm超」側なので揃えたうえで、指針の文書内で推奨欄と本文・図が割れていること自体を注記した。同じセルから落ちていた要素(経口避妊薬中止は強い推奨、β-カテニン変異が証明された例は大きさによらず切除、RECISTに倣った20%以上の増大、5 cm未満は1年後・以後年1回)も補った。肝血管腫の生検についても指針間の割れを添えた。(出典:EASL 2016)
- トピックMalignancies of the Pancreas and the Biliary Tract胆嚢癌T1bの扱いが本文とまとめの2箇所で「個別検討」と弱く書かれていたので、3つの一次資料に従って根治的胆嚢摘出術を提示すべき側に直し、議論が残るのは術式・範囲・時期であることを書き分けた。一次治療の免疫チェックポイント阻害薬も、ESMOの2025年中間更新がデュルバルマブ併用とペムブロリズマブ併用の両方を[I, A]で推奨し、2剤を選び分ける指標は無いと明記しているので現行の形に揃えた。あわせてKEYNOTE-966の効果量を添え、推奨の枠組みの大きさと効果量の大きさは別に読むことを明記した。(出典:ESMO 2025 中間更新・IHPBA-APHPBA 2024)
- トピックGERD and Differential Diagnosis of Dysphagiaバレット食道の低異形成について「内視鏡的根絶療法を推奨する」と書いていたが、原文は提案であり条件つき推奨で、内視鏡的サーベイランスが許容される代替とされている。「推奨する」と書くと許容されている選択肢が消えるので、高異形成・粘膜内癌への強い推奨と低異形成への条件つき推奨の2段に分けた。低異形成の判定一致率が低いこと(市中診断の73%が専門医の再検討で格下げされる)も添えた。出典の記述も同じ回で直した。(出典:ACG 2022)
- トピックPre-cancerous states and malignancies of the esophagus and the stomach同じ段落が自己矛盾していた。前半は「低異型度異形成では内視鏡的根絶療法または厳密監視」と正しく書きながら、後半が「低異型度異形成にも内視鏡的根絶療法を推奨し」と前半を打ち消していた。原文どおり2段の推奨に揃え、出典の記述とまとめも同じ回で直した。(出典:ACG 2022)
- トピックDisorders of the esophagus and stomachブールハーフェ症候群の症状が平坦な列挙で、Mackler三徴が揃うことはまれで訴えが曖昧なまま診断が遅れやすいという但し書きが無かったので補った(25〜45%は嘔吐の既往すら無い)。あわせて指摘外の食い違いを1つ直した。このノートは「マロリー・ワイス裂創が段階的にブールハーフェ症候群へ進む関係ではない」と閉じた否定で書いていたが、同じコーパスの疾患ノートは逆に一連のスペクトラムの一部でありうると書いており、正面から食い違っていた。原著に当たって原則は残したうえで注記を添え、その観察が症例報告1例に基づくもので頻度を示すものではないことも明記した。(出典:StatPearls 2023・Cucci 2018)
- トピックIntra-Abdominal Infections: Cholangitis, Cholecystitis, Abscess, Diverticulitis, and Peritonitis三次性腹膜炎を「一次・二次性腹膜炎の適切な治療後48時間以上」と脚注なしで定義していた。この48時間は2005年の国際敗血症フォーラムが遷延性腹膜炎に与えた定義に由来するもので、4学会合同の2023年ガイドラインはこれを紹介する一方、概念そのものを「定義が不十分で歴史的な概念になっている可能性がある」と評している。時間で線引きしない形に直し、出典を当てた。(出典:WSES ほか 感染源制御 2023)
- トピックExamination and diseases of the esophagus. Dysphagia. Foreign body in the esophagus食道穿孔の節が丸ごと無出典だった(このノートの既存4出典はいずれも嚥下障害・異物・内圧検査のもので穿孔を支えていない)。出典を立てて節を組み直し、医原性が最多であること、Mackler三徴が揃うことはめったにないこと、造影CTとCT食道造影が選択すべき検査であること、内視鏡を第一選択にしない理由(送気で穿孔を広げる)、24時間以内の治療開始で死亡率が大きく変わることを補った。(出典:WSES 2019・Shaheem 2024)
- トピックRadiotherapy, surgical and pharmacological treatment of esophageal cancer術前化学放射線療法の10年成績を報告した論文が、コーパス内で2つの出典idに割れていた(一方はDOI形、一方はPubMed形で、URLの形が違うためDOIで検索しても互いに当たらない)。1つに統一し、URLもDOIへ寄せ、欠落していた発行元を補った。食道癌の術前治療を比較した別の試験のURLもDOIへ揃えた。(出典:Eyck 2021・Hoeppner 2025)
- トピックRadiotherapy, surgical and pharmacological treatment of gastric cancer胃癌治療ガイドラインの出典がPubMedのページを指しており、実在するDOIが使われていなかった。引用規則の優先順位に従ってDOIへ寄せ、欠落していた発行元を補った。同じ出典を共有する疾患ノートと同時に揃えた。(出典:日本胃癌学会 2021年版)
- トピックGrading and staging of cancerAJCC Version 9 へ移行済みの部位を3つしか挙げていなかったが、実際には2026年の唾液腺・HPV関連中咽頭から2021年の子宮頸部まで17のプロトコルが移行している。発行元のページを取得して一覧を確認し、本文を実際の範囲に直した。(出典:AJCC Version 9)
- トピックPenile tumors遠隔転移の区分にMXを挙げ、これを現行の分類として提示していたが、現行版の全文にMXは1度も現れない。版の記載も無かったので、陰茎癌では第9版が第8版と変わらないことを明記した。あわせて指摘外の誤りを3つ直した。臨床的リンパ節分類の定義が病理分類の言い回しになっており(cN0を「転移なし」と記載していたが、原文は触知や視認による腫大の有無で定義する)、病理リンパ節分類の表が丸ごと欠落し、T分類から非浸潤性疣贅癌が落ちていた。(出典:EAU-ASCO 陰茎癌 2026)
2026
09.17水疱性類天疱瘡の第一選択・DRESSの治療・フルオロピリミジンのDPYD検査を、いずれも現行の一次資料へ更新した。
- 疾患自己免疫性水疱症(天疱瘡・水疱性類天疱瘡)水疱性類天疱瘡の初期治療の枠組みが逆だったため是正——欧州の指針は重症例でも「全身への超強力外用ステロイド30〜40 g/日」か「経口プレドニゾン0.5 mg/kg/日」の2つを第一選択とし、1 mg/kg/日のような高用量経口は全身外用より死亡率・副作用が高いとして初期治療に推奨していない。ドキシサイクリンは「専門家の合意が得られなかった」という原文の位置づけへ戻した。デュピルマブの水疱性類天疱瘡への適応は米国2025年6月18日承認(FDA承認レター)、日本は中等症から重症で全身性ステロイドとの併用開始、EUの製品情報には適応が無い、と3極で書き分けた。薬歴の遡り方も原文どおり「原則は発症前6か月、DPP-4阻害薬と免疫チェックポイント阻害薬だけは1年以上前の開始も含める」に修正。(出典:EADV S2k 2022、BLA 761055/S-070 承認レター、デュピクセント電子添文)
- トピックBullous Diseases of Autoimmune Origin同じ誤りがトピック側にも残っていたため同時に是正——デュピルマブの米国承認日を企業プレスリリース由来の6月20日からFDA承認レターの6月18日へ、水疱性類天疱瘡の第一選択を上記の2択へ、尋常性天疱瘡は「リツキシマブ+短期ステロイド」だけでなく全身性ステロイド単独(0.5〜1.5 mg/kg/日)も第一選択でアザチオプリン・ミコフェノール酸モフェチルが第一選択のステロイド節約薬であることを明示した。(出典:JAAD 天疱瘡国際合意 2020、EADV S2k 2022)
- 疾患薬疹(SJS・TENを含む)DRESSの治療が「重症例は全身性ステロイドを検討」の1文しかなかったため、2024年の国際Delphi合意(19か国54名)に基づく重症度別の枠組みを追加——確定例は全例でステロイドを開始し、軽症は超強力外用で6週〜3か月、重症は全身性で3〜6か月かけて漸減、ステロイド抵抗例はシクロスポリン・抗IL-5/IL-5R抗体・免疫グロブリン静注、血中CMVウイルス量が高ければガンシクロビル。退院後6か月の追跡と回復期の甲状腺機能・自己抗体スクリーニングも加えた。カルバマゼピンのHLA-A*31:01(欧州系・日本人を含む世界中に分布し全病型に関係する)が欠けていた点も補い、アロプリノールについて「CPICは禁忌とするが米国リウマチ学会とオランダの作業部会は他剤が使えない場合の脱感作を残している」と書き分けた。(出典:JAMA Dermatol 2024 DRESS国際合意)
- 疾患薬剤性過敏症症候群上と同じ国際Delphi合意の枠組みを、DRESSそのものを主題とするこのノートへも反映した(治療が1文で止まっていた)。再発が10〜15%とされるのは合意項目ではなく導入部の背景記述である点、重症度の閾値は合意パネル自身が前向きコホートでの検証を要すると述べている点も明示した。(出典:JAMA Dermatol 2024 DRESS国際合意)
- トピックB31: Drugs used in cancer treatment I (antimetabolites)フルオロピリミジンのDPYD検査の日米欧の記述が古かったため更新——米国は2025年10月の改訂で注射用フルオロウラシルに枠組み警告が新設され「緊急に治療を要する場合を除き、投与前にDPYD遺伝子の変異を検査する」と定められた(FDAが承認した検査は現時点で存在しないとも同じ節に書かれている)。EUは表現型または遺伝子型の検査を推奨し完全欠損を禁忌とする立場で、両者を並べて書き分けた。メトトレキサートの用量区分から異所性妊娠を外し(高用量は500 mg/m²超の点滴で大量輸液とロイコボリン救援を要するもの、異所性妊娠は50 mg/m²単回筋注)、5-FU過量投与の解毒薬がウリジントリアセタート(投与終了後96時間以内)でロイコボリンではないことを明示した。(出典:注射用フルオロウラシル添付文書、Ramsey 2018、Alur-Gupta 2019)
- 薬剤fluorouracil「可能であればDPYD遺伝子型・DPD活性の評価が推奨される」という2世代前の記述を、米国(枠組み警告で検査を要求)とEU(検査を推奨し完全欠損は禁忌)に書き分けた。禁忌欄がどの国の文書に基づくかを明示し、米国の注射剤添付文書の禁忌欄は「なし」で、EU加盟国(スペイン)のSmPCがDPD完全欠損などを禁忌に挙げること、妊娠はEUでは禁忌欄ではなく4.6の避妊規定であることを整理した。過量投与の解毒薬ウリジントリアセタート(96時間以内)も本文に追加した。(出典:注射用フルオロウラシル添付文書、Fluorouracilo Accord SmPC)
- 薬剤capecitabineDPD欠損を4箇所で扱いながら出典が無かったため、現行の米国添付文書とEU加盟国のSmPCで裏づけた。腎機能による扱いの違い(EUはクレアチニンクリアランス30 mL/分未満を禁忌、米国は30〜50で25%減量・30未満は用量が確立していない——「確立していない」は「禁忌」ではない)と、過量投与時のウリジントリアセタートを追加した。(出典:XELODA添付文書)
- 薬剤pralsetinib相互作用表で例示薬が1段違う行に置かれていた(イトラコナゾールが300 mg/日への減量の行にあったが、添付文書はP-gp阻害作用を併せ持つ強いCYP3A阻害薬として200 mg/日を指示しており、曝露は3.5倍になる)ため是正した。承認の経歴も2段階(非小細胞肺癌は2020年9月4日、甲状腺髄様癌と融合陽性甲状腺癌は別申請で12月1日)に直し、髄様癌の適応取り下げは2023年7月20日で、FDAの補足承認レターが挙げている理由は確証的第III相試験を完遂する上での困難である(レターは安全性・有効性上の所見を挙げていない)と肯定形で書き直した。企業プレスリリースを根拠から外した。(出典:NDA 213721/S-014 承認レター)
- 疾患甲状腺髄様癌プラルセチニブの髄様癌適応の取り下げについて、日付(2023年6月→7月20日。6月30日は補足申請の受理日)と根拠(企業プレスリリース→FDAの補足承認レター)を是正し、「安全性の問題ではなく」という否定形をレターが述べている理由の記述へ改めた。確証的試験AcceleRET-MTCが登録0例で中止されたことも公的な試験登録で裏づけた。(出典:NDA 213721/S-014 承認レター、NCT04760288)
2026
09.17間質性膀胱炎の診療指針を日本・欧州の現行版で補い、腹部コンパートメント症候群の測定法の誤りとニコチン酸の日本での扱いを是正した。
- 疾患間質性膀胱炎国内の診療ガイドライン(2019年版+2021年修正)と欧州泌尿器科学会の2026年版が反映されていなかったため追加——国内版は「膀胱痛症候群=ハンナ病変のない間質性膀胱炎/膀胱痛症候群」と定義し、点状出血は症状の重さとも遺伝子発現とも関連しないとして診断指標から外している(指定難病の枠での「非ハンナ型」とは用語の射程が違う)。欧州版は全身麻酔下の硬性膀胱鏡を強い推奨とし、点状出血の凝固は推奨せず、水圧拡張の単独使用も推奨していない。ジメチルスルホキシド膀胱内注入について、膀胱粘膜麻酔に局所麻酔薬を用いた場合は排液してから注入すること(吸収が促進されるため)と、保持時間が日本では「15分以上」の下限、米国では「15〜20分に限る」の上限で向きが逆であることを明示した。ペントサンポリ硫酸の効果量(改善21〜56%対プラセボ13〜49%、相対危険1.69)と、国内で保険収載されている治療が水圧拡張術とDMSO注入の2つだけであることも追加。(出典:間質性膀胱炎・膀胱痛症候群診療ガイドライン2019年版、同 2021年修正、EAU Chronic Pelvic Pain 2026)
- 薬剤dimethyl sulfoxide膀胱内注入の安全に関わる3点が欠けていたため追加——局所麻酔薬を先に注入した場合は排液してから本剤を注入する(本剤が併用薬の吸収を促進しうるため、リドカイン中毒の懸念がある)、保持時間の上限(米国の指針は15〜20分に限るとし、長く保持すると強い痛みを伴う)、妊婦・授乳婦・小児の規定(動物実験で催奇形性の報告があり有益性投与、乳汁移行の可能性、小児での臨床試験なし)。(出典:間質性膀胱炎診療ガイドライン2021年修正、ジムソ電子添文)
- 疾患腹部コンパートメント症候群腹腔内圧測定の注意書きの向きが誤っていた(「体位を誤ると偽低値」と書かれていたが、頭側挙上位では仰臥位より高く出る——実測で9.8対14.9 mmHg)ため、査読論文を根拠に書き直した。注入量が多いほど高く出ること(10 mLに対し50 mLで平均21%、100 mLで40%高い)も一次資料を立てて復元した。国際学会の推奨に強さの格付け(経鼻胃管による減圧や同一入院中の筋膜閉鎖など)を付記し、乏尿15 mmHg・無尿30 mmHgを「その圧を超えると必ず起こる閾値」と読めない形に改めた。腸管虚血から細菌転位・敗血症へ至る経路は、原典が「推定された機序」と述べている段階であることを明示した。(出典:Tayebi 2025、De Waele 2006、Cheatham 2009)
- 薬剤nicotinic acid日本での扱いが「薬価基準に注射薬だけが収載されている=栄養学的用途である」という、出典の支えない推測で書かれていたため、実際に確認できる事実へ置き換えた——医薬品医療機器総合機構の一般名検索でニコチン酸単剤の電子添文は1件も掲載されておらず、承認上の用途は確認できない。代わりに日本で収載されている誘導体ニコモールの電子添文(効能は高脂血症と末梢血行障害の改善、禁忌は重症低血圧症と出血が持続している患者の1項のみで、消化性潰瘍は禁忌ではなく注意)を、別成分であることを明記したうえで追加した。欧州については規制当局の審査文書が「2013年7月時点でニコチン酸とキサンチノールニコチン酸塩はEU域内で脂質異常症の治療として販売されていない」と述べている点を引いた。米国は先発品が販売終了しているが後発の徐放錠が流通しており、効能・禁忌の記述は現行のままであることも確認した。(出典:コレキサミン錠電子添文、EMA Article 31 referral)
- トピックMolecular and cellular agingヘイフリック限界の数値と単位が別ノートと割れていた(「約50分裂」対「約50〜60回」)ため、現行の総説が揃って述べる「培養ヒト二倍体線維芽細胞で40〜60回の集団倍加」に統一し、単位が継代回数ではないことを明示した(原著1961/1965は本文が入手できず、総説が原著に帰属させている記述であることを出典側に明記した)。サーチュインの働きを「転写を抑える側」と一般化していた点は、同じ出典がPGC-1αやHSF-1では活性化を述べているためヒストンに限定した。老化研究の項目一覧が2023年版の12項目より新しいものは出ていないこと、セノリティクスの臨床試験(糖尿病黄斑浮腫の第2相で視力の群間差5.6文字、95%信頼区間 -1.5〜12.7)が有効性を示したとは読めない段階であることも書き足した。(出典:Kumari & Jat 2021、Tartiere 2024)
- トピックB28: Immunopharmacology I (cytotoxic agents)メトトレキサートの用量区分で異所性妊娠が白血病・リンパ腫と同じ「高用量」の枠に入っていたため是正した(高用量は500 mg/m²超の点滴でロイコボリン救援を要するもの、異所性妊娠は50 mg/m²の単回筋注で、ロイコボリンを併用するのは多回投与法のみ)。ミコフェノール酸モフェチルの枠組み警告が催奇形性しか書かれていなかったため悪性腫瘍と重篤な感染症を補い、経口避妊薬の効果が落ちるためバリア法を併用する規定も追加した。アザチオプリンについても唯一の枠組み警告である悪性腫瘍(移植後リンパ腫、炎症性腸疾患患者の肝脾T細胞リンパ腫)を追加した。(出典:IMURAN添付文書、Ramsey 2018)
2026
09.17COPD・悪性黒色腫・皮膚T細胞リンパ腫・非アルツハイマー型認知症・住血吸虫症の推奨を、現行ガイドラインと原著で確かめ直して更新した。
- 疾患慢性閉塞性肺疾患GOLD 2026の追跡治療をクラス一括から薬ごとの書き分けへ是正——デュピルマブは慢性気管支炎がある場合、メポリズマブは有無を問わず、ベンラリズマブは第III相2試験で増悪率を下げなかった。ICS上乗せの閾値を血中好酸球100細胞/µL以上と明示し、初期三剤併用・生物学的製剤の300細胞/µLと区別した。長期マクロライドの条件を「元喫煙者」から原文どおり「現在喫煙していない患者」へ直し、用量・期間・耐性化とQTc延長・聴力障害を追記。増悪時の全身ステロイドを「プレドニゾロン換算」から原文の「プレドニゾン換算40 mg/日を5日間」へ、経口は静注と同等であることを追記した。エンシフェントリンは呼吸困難経路の追加候補という位置づけと、試験設計上の留保・現時点で米国でのみ入手可能であることを明示し、米国添付文書の適応・用法・急性の気管支攣縮への頓用不可・精神症状の警告を加えた。A群・B群の初期治療から落ちていた「入手可能で費用(と副作用)が許せば」という条件も原文どおり復元した。(出典:GOLD 2026 Report、OHTUVAYRE 米国添付文書)
- 疾患悪性黒色腫センチネルリンパ節生検の適応を ASCO/SSO 2018 の4段階(T1a は日常的には推奨しない/T1b は十分な話し合いのうえ考慮/T2・T3 は推奨/T4(4.0 mm超)も十分な話し合いのうえ推奨しうる)へ是正し、1.0 mm ちょうどが2区分にまたがっていた境界を解消した。切除後補助療法の「抗PD-1抗体を最大1年間」は出典に無く、ASCO 2023 の「ニボルマブまたはペムブロリズマブを52週」へ差し替え、病期IIB・IICへの推奨と病期IIAでは臨床試験外で行わないことを追記。補助療法の選択肢からベムラフェニブ+コビメチニブを外し(補助療法は BRAF V600E/K へのダブラフェニブ+トラメチニブ52週)、切除不能・転移例では BRAF 変異があってもニボルマブ+イピリムマブが優先されることを明記した。手術マージンは原文どおり「1.0 mm超2.0 mm以下」に直し、根拠のRCTが頭頸部と末端を概ね除外していることを添えた。病期分類は皮膚黒色腫が Version 9 未移行のため AJCC 第8版が現行であること、LDH高値は M1c への格上げ要素ではなく M1 亜分類の記述子であることも補った。(出典:ASCO 2023 全身療法、ASCO/SSO 2018 SLNB、AAD 2019、AJCC Version 9)
- 疾患悪性黒色腫レボドパ製剤と悪性黒色腫の関係を、製剤×国の表として書き直した。禁忌としているのは英国SmPC(Co-Careldopa、Madopar)だけで、米国添付文書は禁忌ではなく適応を問わない定期的な皮膚診察を求め、日本の電子添文は重大な副作用(メネシット 11.1.4)またはその他の注意(マドパー 15.1.2)に置く。さらに、レボドパ+カルビドパ+エンタカポンの3成分配合剤は英米の添付文書に melanoma の語が全文0件で、日本も15.1.6その他の注意にとどまり、**どの国でも禁忌ではない**ことを実測して明示した(カルビドパ単剤の米国LODOSYNも禁忌ではなくPRECAUTIONSの監視)。パーキンソン病患者の黒色腫リスクが一般人口の2〜6倍という点も、疾患によるのか治療薬など他の要因によるのかは不明という米国添付文書の留保つきで書いた。(出典:Co-Careldopa SmPC、Madopar SmPC、Stalevo SmPC、SINEMET 米国添付文書、メネシット電子添文)
- トピックCutaneous Melanoma Types, Clinical Signs and Prognostic Factors同じ誤りがトピック側にも残っていたため同時に是正——補助療法を52週へ、手術マージンを「1.0 mm超2.0 mm以下」へ、センチネルリンパ節生検を4段階へ直し、ネオアジュバントの適用範囲を ASCO の「臨床病期IIIB〜IV」と NCCN の4区分(病期IVを含まない)に分けて書いた。(出典:ASCO 2023 全身療法、ASCO/SSO 2018 SLNB、AAD 2019)
- 疾患皮膚T細胞リンパ腫2007年 ISCL/EORTC 原著の全文をようやく取得できたため、病期分類の記述を原著の逐語へ合わせた。B2の代替基準の百分率(CD4/CD7− 40%以上、CD4/CD26− 30%以上)は表の基準ではなく本文の提案(has been suggested)であること、クローン性の添字は2007年版から N1・N2・B0・B1 に小文字 a/b として存在し2022年版が N3・B2 へ広げて大文字へ統一したものであること、M1の病理学的確認には「脾臓・肝臓は画像で診断してよい」という例外があること、T3の腫瘤径が同じ原著の表(1 cm以上)と本文(1.5 cm以上)で食い違うことを明示した。治療では、組換えIFN-α 2a・2bの市場撤退を受けて欧州ではペグインターフェロンα-2aへの置き換えが推奨されること、モガムリズマブ・ブレンツキシマブ ベドチンが全身治療歴を要する位置づけであること、モガムリズマブ関連皮疹と病勢増悪の鑑別、ALCANZAのCD30 10%が便宜的な線であること、同種移植の適応条件、病期IA(T1a)の経過観察が正当な第一選択であることを追記した。(出典:ISCL/EORTC 2007、EORTC 2023 コンセンサス)
- 疾患血管性・レビー小体型・前頭側頭型認知症など非アルツハイマー型認知症レビー小体型認知症の診断基準を McKeith 2017 第4次合意の Table 1 に合わせ、必須条件(認知症そのもの)・指標的バイオマーカー3項目(DAT-SPECT/PET・MIBG・PSGで確認したREM睡眠中の筋緊張消失欠如)・「中核症状ゼロ+バイオマーカー陽性」のpossible・「バイオマーカーだけで probable と診断しない」を追加し、1年ルールを「区別が必要な研究では推奨、実臨床では状況に合う用語」という原文の書き分けに直した。前駆期DLBは正式な基準があるのがMCI-LBだけで研究用であること、bvFTDの6番目の基準が「遂行機能の障害+エピソード記憶と視空間機能の相対的保持」の1項目で「早期=発症3年以内」の限定が掛かること、原発性進行性失語の3型とロゴペニック型の基盤病理がアルツハイマー病に多いこと、血管性認知障害のVICCCS分類(6か月の時間関係を課すのは脳卒中後認知症だけ)を追加。薬物療法は NICE NG97 の推奨の強さ(offer/consider/〜の場合にのみ/行わない)で書き分け、ドネペジルのDLB適応の国内運用規定(診断要件、12週までの有効性評価、錐体外路障害の悪化)も加えた。(出典:McKeith 2017、NICE NG97、VICCCS-2)
- 疾患住血吸虫症尿試験紙による血尿検出の記述が対象集団を欠いたまま血清学の限界と並んでいたため、帰国者・移住者の診断における感度の低さ(英国指針)と、流行地で感染した小児ではほぼ必ず顕微鏡的血尿があり試験紙で検出できる(WHOファクトシート)を、対象を明示して併記する形に直した。小児用製剤の前史も、出典が支えていない「錠剤が大きく苦味が強い」から WHO 2022 の逐語(2歳未満には口腔内崩壊錠が開発中、無ければ砕いて柔らかい食物に混ぜる方法を個別治療に限り許容)へ差し替えた。あわせて、WHO が就学前児童へのプラジカンテル予防的化学療法の改訂を2027年第4四半期に予定していること(2026年9月4日時点の一覧)を明示した。(出典:英国 好酸球増多症指針 2025、WHO 住血吸虫症ガイドライン 2022、WHO 策定予定ガイドライン一覧)
2026
09.17麦角系ドパミン作動薬・ドパミン・レボドパ配合剤の規制上の区分を、EMAの審査文書と各国の添付文書で確かめ直した。
- 疾患パーキンソン病麦角系ドパミン作動薬の枠が丸ごと欠けていたため、非麦角系と麦角系を分けた表と、二次選択・心エコー監視の節を新設した。さらに「麦角系は3剤とも同じ扱い」というクラス共通化を解いた——EMAの2008年 Article 31 審査は、二次選択への限定・投与中の定期的な心エコー・1日最大3 mg・心臓弁膜症を very common とする記載をカベルゴリンとペルゴリドにのみ課し、ブロモクリプチンについては「弁の線維症のリスクが増えるかを判定するだけの根拠が無い」として高用量・長期使用の警告、1日30 mg上限、弁膜病変のある患者への禁忌追加にとどめている(附属書IIIでは弁膜症の頻度区分が very common 対 very rare と2段離れる)。日本ではカベルゴリン・ペルゴリドとも「非麦角製剤の治療効果が不十分又は忍容性に問題があると考えられる患者のみ」という限定つきで承認されている。(出典:EMA Article 31 Q&A、同 附属書III(カベルゴリン・ペルゴリド)、同 附属書III(ブロモクリプチンほか)、カバサール電子添文、ペルマックス電子添文)
- 疾患心臓弁膜症薬剤性弁膜症の節が無かったため新設した(このノートは出典0件だった)。5-HT2B受容体の刺激による弁間質細胞の増殖という機序、生じるのは逆流であって狭窄ではないこと、原因薬の中止で改善する例と年単位の休薬後も弁置換を要する例があることを書いた。弁逆流の頻度は、総説の要約(リスクが最大23.4%/28.65%)ではなく原著の有病率——心エコーによる155例と対照90例の研究で、いずれかの弁に中等度〜高度(グレード3〜4)の逆流を認めた割合がペルゴリド群23.4%・カベルゴリン群28.6%、非麦角系群0%・対照群5.6%——に付け替えた(28.65%は総説側の桁の誤り)。(出典:Zanettini 2007、Drug-Induced Valvular Heart Disease(StatPearls)、EMA Article 31 Q&A)
- 薬剤pergolide「2007年に米国・カナダで市場撤退し、多くの国で使用されていない/主に歴史・安全性教育の文脈で参照される薬」という記述を国別に書き分けた。日本ではペルマックス錠として現行(2026年7月改訂・第2版、効能はパーキンソン病、非麦角製剤が無効・不耐の患者に限る)で、用法・禁忌2項目・心エコー監視の間隔(投与前、開始後3〜6か月以内、以降6〜12か月ごと)を追記した。米国撤退の根拠も、撤退に触れていない2007年のラベルから 21 CFR 216.24 の撤回・除去医薬品一覧へ差し替えた。弁逆流の数値は上記のとおり原著の有病率へ付け替え、禁忌に「長期投与では」という限定が付かないのは3剤中ペルゴリドだけであること、1日0.5 mg未満でも弁膜症・線維化反応の報告があることも加えた。(出典:ペルマックス電子添文、21 CFR 216.24(81 FR 69668)、Zanettini 2007)
- 薬剤cabergoline「パーキンソン病の適応は日本のみ」という記述を是正した。スペインでは Sogilen 1 mg/2 mg が同じ適応(非麦角系に反応しない・忍容できない患者の二次治療)を持ち、プロラクチン系の Dostinex とはブランドが分かれている。適応表にEU(スペイン)の列を足し、英国SmPCには入っていないという対比と日本の区分はそのまま残した。あわせて frontmatter の適応・禁忌にパーキンソン病と心臓弁膜症を登録した。(出典:Sogilen ficha técnica、Dostinex ficha técnica、カバサール電子添文)
- 薬剤dopamine用量帯(1〜3/3〜10/10超 µg/kg/分)がどの規制文書にも帰属しない数字だったため、米国添付文書 12.2 の逐語(5 µg/kg/分未満=D1・D2で腎・腸間膜・冠血管を拡張/5〜10=β1/10超=α1)へ揃え、旧様式ラベルでは区切りと血管床の列挙が違うことも明示した。禁忌も是正——現行の米国添付文書は褐色細胞腫の1項目のみ、日本の電子添文も褐色細胞腫・パラガングリオーマの1項目のみで、未治療の頻脈性不整脈・心室細動は禁忌ではなく特定の背景を有する患者の注意である(「未補正の心室性不整脈が禁忌」は旧様式の米国添付文書だけの記述)。血管外漏出時のフェントラミンの用量も加えた。(出典:ドパミン塩酸塩注 米国添付文書、イノバン注100mg 電子添文)
- トピックA4: Catecholaminesドパミンの用量依存性の記述が語として壊れていた(「低用量=D(腕動脈・脳脈)」)のを米国添付文書の3段の区切りへ直し、低用量で腎血流・尿量が増えること自体と、腎保護が示されていないこと(ANZICS)の区別を保った。敗血症性ショックの第一選択昇圧薬に現行ガイドラインの推奨と格付け(ドパミン・アドレナリン・セレプレシンより優先、強い推奨)を追加。アナフィラキシーのアドレナリンには用量(0.01 mg/kg、総量0.5 mgまで、5〜15分ごと反復、体重帯別の目安)と「静注は初期治療には推奨しない」という限定を加え、皮下注が劣る根拠を、それを述べていない資料から実測のある2試験へ付け替えた。血管外漏出時のフェントラミンによる対処も新設した。(出典:ドパミン塩酸塩注 米国添付文書、SSC 2026、WAO 2020、Simons 2001、Simons 1998)
- 薬剤levodopa + carbidopa + entacapone悪性黒色腫の禁忌の記述と関係フィールドを削除した。英国SmPC(Stalevo)と米国の成分名ラベルには melanoma の語が全文に無く、日本の電子添文も15.1.6その他の注意にとどまるため、どの国でも禁忌ではない。代わりに、英国だけが「重度の肝機能障害」を禁忌とし、日本だけが悪性症候群・非外傷性横紋筋融解症の既往を禁忌とするという、この配合剤に固有の項目を表に立てた。ベンセラジド配合剤(英国は禁忌、日本は15.1.2その他の注意、米国に承認製剤なし)とカルビドパ単剤(米国LODOSYNは禁忌ではなくPRECAUTIONSの監視)も同様に書き分けた。(出典:Stalevo SmPC、スタレボ電子添文、Madopar SmPC、LODOSYN 米国添付文書)
- 薬剤lecanemab出典のPMDA電子添文のURLが404になっていたため現行版(2026年9月改訂・第6版)へ差し替え、その第6版で新設された7.3(レカネマブ皮下投与製剤からの切り替えでは最終投与から1週間あける)を根拠に、「日本には皮下注が無い」と読める記述を是正した。皮下注製剤そのものの用量・間隔は同文書の射程外なので書いていない。(出典:レケンビ点滴静注 電子添文)
- 薬剤praziquantelMDAの節に、WHOが就学前児童へのプラジカンテル予防的化学療法の改訂を2027年第4四半期に予定していることを追記し、現行の記載が2022年版の推奨であることを明示した。(出典:WHO 策定予定ガイドライン一覧)
2026
09.17胸部外傷の処置基準とシラミ症の治療を現行ガイドラインへ更新し、小児の骨粗鬆症の診断基準を補った。
- トピックDiagnosis and treatment of traumatic hemothorax and pneumothorax現行ガイドラインを1本も引かずに総説とEASTだけで組まれていたため、WSES/AAST 2025 胸部外傷ガイドラインで組み直した。血胸のドレナージ閾値は資料で割れる(総説300 mL超/WSES 500 mL以上、300 mL未満は保存的)ので帰属つきで書き分け、不安定例は大きさを問わず太いドレーンとした。手術適応は「他の出血源が無い状況で、24時間に1,500 mL超または3時間連続で200 mL/時超」という逐語と推奨の強さ(エビデンスの質は低いが強い推奨)を明示。緊張性気胸の穿刺減圧はATLS第10版・欧州外傷コース・WSES・メタ解析の提案に分解し、左側は心損傷の危険から第5肋間中腋窩線では行わないという左右差を追加した。胸腔ドレーン留置時の抗菌薬予防の立場の違い、ATLS第11版(2025年公開)に触れつつ本ノートの数値が第10版に基づくことも明記した。(出典:WSES-AAST 2025、針長・減圧部位のメタ解析 2025、EAST 2021、ATLS 2025 更新レビュー)
- 疾患気胸開胸の時間条件が「200 mL/時が数時間(概ね2〜4時間)」という、どの資料にも無い合成値だったため、WSES/AAST 2025 の逐語へ是正した(条件と推奨の強さつき)。ドレナージの条件も入れ替わっていた——500 mLは安定例の閾値で、不安定例は大きさを問わず太径ドレーンである。安定例の小気胸を「2 cm以下は24時間以上の観察」、胸腔ドレーンの挿入部位を第4〜6肋間の前腋窩線または中腋窩線へ帰属つきで直し、針減圧の部位も資料別に分けて左右差を加えた。このノートは出典0件だったため、根拠を突き止めた分の出典を登録した。(出典:WSES-AAST 2025、針長・減圧部位のメタ解析 2025、Hemothorax(StatPearls))
- 疾患胸部外傷(肋骨骨折・血胸・外傷性気胸・フレイルチェスト)開胸適応と血胸のドレナージ閾値を無帰属の数値から WSES/AAST 2025 の逐語と格付けへ移し、緊張性気胸の減圧部位を資料別の表に展開して左側の禁止を追加した。針減圧が移動・閉塞しうるため指胸郭開放も有効であること、StatPearls が別の閾値(2〜4時間連続で300〜500 mL/時)を書いていることも帰属つきで併記した。(出典:WSES-AAST 2025、針長・減圧部位のメタ解析 2025、Hemothorax(StatPearls))
- トピックPediculosis頭ジラミの薬剤選択に適用年齢が1つも書かれていなかったため、CDCの臨床向けページから7剤の年齢制限(1%ペルメトリン=生後2か月以上、ピレトリン=2歳以上、ベンジルアルコール・スピノサド・イベルメクチンローション=生後6か月以上、マラチオン=6歳以上、経口イベルメクチンは体重15 kg未満と妊婦に使用しない)と薬剤別の再治療時期を表にした。「殺卵効果が不十分な製剤では7〜10日後に反復」という薬剤を問わない記述も薬剤別の日数へ置き換え、スピノサドは初回治療の7日後に生きた虫体が見られる場合にのみ再治療、イベルメクチンローションは医療者に相談せずに再治療しない、と条件を付けた。リンデンの使用禁止対象には体重110ポンド(約50 kg)未満と、寄生部位の皮膚に刺激やただれがある人を補った。日本の事情(2001年にピレスロイド抵抗性を初確認、沖縄県の採集個体の96%が抵抗性、作用機序の異なる4%ジメチコン製剤が2021年に医薬部外品として承認)も追加した。(出典:CDC Clinical Care of Head Lice、IASR 殺虫剤抵抗性 2025)
- 疾患シラミ症日本のアタマジラミのピレスロイド抵抗性と、2021年に医薬部外品として承認された4%ジメチコン製剤(気門を塞いで窒息させ孵化も阻止するため、ナトリウムチャネルの変異に左右されない)を追加した。ケジラミ症のパートナー遡及期間は、CDCが直近1か月、IUSTI欧州ガイドラインが3か月と、どちらも原文に忠実なため帰属を明示して併記する形に改めた。(出典:IASR 殺虫剤抵抗性 2025、CDC STI 治療ガイドライン 2021、IUSTI 欧州ガイドライン 2017)
- トピックCalcium & phosphate metabolism — effects on the skeletal system「骨粗鬆症は骨端線閉鎖後の概念」という誤りを削り、小児の診断基準(非外傷性の椎体圧迫骨折が1つでもあれば骨密度を問わず診断、椎体骨折が無ければ骨折歴+Zスコア −2.0以下の両方)を加えた。引用元が同基準の改訂を提案するPerspectiveであることも明示した。あわせて骨量減少の定義(−2.5SDより大きく−1.0SD未満)と、椎体・大腿骨近位部以外の脆弱性骨折では従来どおりYAMの80%未満を骨粗鬆症とし骨量減少の定義を使わないという例外を補った。(出典:小児・思春期の骨粗鬆症の定義と診断 2020、原発性骨粗鬆症の診断基準 2012年度改訂版)
- トピックCutaneous T-cell Lymphoma2007年 ISCL/EORTC 原著の全文が取得できたため、出典の記述から「原著PDFに到達できなかったため未確認」という断りを外し、代替基準の百分率が表の基準ではなく本文の提案であること、クローン性の添字が2007年版から存在し2022年版がN3・B2へ広げたものであることを本文にも明示した。(出典:ISCL/EORTC 2007)
2026
09.17細菌性腟症の診断基準と治療の記述をCDC 2021の原文どおりに直し、パートナー治療をACOG 2025の2区分で4ノートに揃えた。
- トピックBacterial Vaginosis2025年10月のACOG改訂を反映し、パートナー治療を①再発性・症候性例の男性パートナーは経口+外用の同時治療を検討②同性パートナー例と初回発症例は共有意思決定、の2区分で書き分けた。あわせて、この改訂の根拠となった無作為化比較試験の組入れが「細菌性腟症をもつ女性と一夫一婦関係にある男性パートナー」であって再発例に限っていないこと、6試験953組のメタ解析では男性パートナー治療全体の再発抑制が有意でない(リスク比0.97)ことを追記した。Amsel基準の文言も原文へ寄せ(分泌物の色の記載は無い、魚臭は10% KOH添加の前後いずれか)、メトロニダゾール内服中の禁酒が不要であることを加えた。(出典:CDC STI Treatment Guidelines 2021、ACOG Clinical Practice Update 2025、StepUp試験、メタ解析)
- 疾患細菌性腟症Nugentグラム染色を「研究上の基準法」としていたのを検査室の基準法へ直し、落ちていた中間型(4〜6点)を復元した。代替レジメンがセクニダゾール1剤しか無かったのを5つ(クリンダマイシン内服・腟坐剤、セクニダゾール、チニダゾール2用法)に復元し、セクニダゾールを代替に置く理由が高価・長期転帰データ不足であることを原文どおりに書いた。クリンダマイシンがラテックスを弱める期間(クリームは5日間、腟坐剤は72時間)、禁酒が不要であること、妊娠中の扱いも追加。あわせて「単一病原体による古典的な性感染症ではない」という断定を、CDCの言い方(単一の性感染症病原体の獲得によって起こるかは分かっていない)へ直した。(出典:CDC STI Treatment Guidelines 2021、ACOG Clinical Practice Update 2025)
- 微生物Gardnerella vaginalis本菌が単独で起こす感染症ではないという正しい主張は残しつつ、「細菌性腟症は単一病原体による性感染症ではない」という病因論の断定を、CDCの「分かっていない」へ後退させた。危険因子の列挙も原文どおりにし(新規パートナー・複数パートナー・女性パートナー・腟洗浄・コンドーム不使用・HSV-2抗体陽性、男性の割礼はリスクを下げる)、旧学名のままだったリンク表記を現行学名 Fannyhessea vaginae(旧Atopobium vaginae)へ直した。(出典:CDC STI Treatment Guidelines 2021)
- トピックInflammatory disorders of the vulva and vaginaパートナー治療が「推奨は更新途上」で止まっていたのを、ACOG 2025の2区分とメタ解析の結果まで含めて書き直した。トリコモナス症の女性の再検査時期は「約3か月後」ではなく「初回治療から3か月以内」で、男性の推奨レジメン(メトロニダゾール2 g単回)が欠けていたので補った。外陰腟カンジダ症のパートナー欄も「一律治療なし」の平坦化を解き、亀頭炎のある男性パートナーは外用抗真菌薬で症状が改善するという原文の例外を書いた。(出典:CDC STI Treatment Guidelines 2021、ACOG Clinical Practice Update 2025)
2026
09.17薬剤7剤の記述を3極の規制文書と原著で検算し、標的分子・禁忌・適応の書き分けを直した。
- 薬剤gilteritinib標的キナーゼを「FLT3(ITD・TKD)とKIT」としていたのを「FLT3とAXL」へ是正した。EUの製品概要5.1はFLT3およびAXL阻害薬と述べ、米国12.1・日本18.1のいずれもKITを挙げていない。原著はむしろ、変異FLT3に対する値の100倍という弱さでKITを避けていることを第1世代(ミドスタウリン・キザルチニブ)との違いとして述べている(原著は高用量での部分阻害の可能性を留保しており、KITを阻害しないと断定はしていない)。あわせて、可逆性後白質脳症症候群への対応が3極とも投与中止であること、膵炎(米国で4%)と間質性肺疾患(日本で0.4%)が欠けていたこと、1日200 mgという増量上限が米国の添付文書には無くEU・日本の規定であることを書き分けた。(出典:Lee 2017、Xospata EU 製品情報、ゾスパタ錠 電子添文、XOSPATA 米国添付文書)
- 薬剤alteplase禁忌を適応ごとに書き分けた。英国の製品概要4.3は3適応共通・心筋梗塞と肺塞栓の追加・脳卒中の追加の3区画、日本の電子添文も効能共通と虚血性脳血管障害急性期と急性心筋梗塞で別項、米国は4.1(脳卒中)と4.2(心筋梗塞・肺塞栓)の2本立てで、内容が違う。大動脈解離はどの添付文書の禁忌欄にも無く(日本は警告1.3)、禁忌として挙げているのは急性冠症候群診療ガイドラインの側である。用量の国差(脳梗塞は英米0.9 mg/kg・上限90 mgに対し日本0.6 mg/kg・上限60 mg)、時間窓の国差(米国の添付文書は3時間)、肺塞栓症が日本の承認適応に無いことも追加した。(出典:Actilyse SmPC、アクチバシン注 電子添文、Activase 米国添付文書、JCS 2018 急性冠症候群ガイドライン)
- 薬剤zafirlukast米国での入手可能性を「ブランドの包装」と「成分」に分けた。ACCOLATEの2包装は2026年3月12日で販売終了となりNDCディレクトリにブランド名の製品は無いが、同じ承認番号の製品が同社から成分名で販売継続され、後発品も複数が販売終了日なしで収載されている。あわせて授乳婦への投与(母乳移行そのものではなく動物での腫瘍原性と新生仔の感受性が理由)、肝毒性の記述の粒度(臨床試験での肝酵素上昇は推奨用量の4倍での観察が多く、市販後の肝イベントは女性に多い)、日米で定期的な肝機能検査の求め方が違うことを追加した。(出典:ACCOLATE 米国添付文書、openFDA NDC、openFDA Drugs@FDA)
- 薬剤setmelanotide妊娠・授乳の項が無かったので3極の規定を並べた。EUの製品概要は妊娠中・妊娠を試みている間は開始しないとし、米国は妊娠が判明した時点での中止(理由は薬の催奇形性ではなく、妊娠中に体重を減らすこと自体の胎児リスク)、日本は有益性投与で動物データを添える。日本の電子添文だけが持つ規定(急性副腎皮質機能不全が疑われる場合の減量・休薬、バソプレシン分泌低下症の併存例での血清ナトリウム・体重・水分摂取量の観察)も追加した。(出典:IMCIVREE EU 製品情報、イムシブリー皮下注 電子添文、IMCIVREE 米国添付文書)
- 薬剤idebenoneLeber遺伝性視神経症での開始時期・継続期間・中止の基準が無かったので、2017年の国際コンセンサスに基づいて追加した。発症1年未満ならできるだけ早く1日900 mgで開始、反応の評価には最低1年またはプラトーまで、反応が無ければ中止(維持量での継続は13名中11名が完全に反対)。あわせて「発症1年以内」は承認の条件ではなく専門家合意であること(EU・英国の製品概要は効能に期間の限定を置かない)を書き分けた。(出典:Carelli 2017 国際コンセンサス、Raxone EU 製品情報、Raxone SmPC)
- 薬剤axatilimab「禁忌は本剤成分への過敏症」としていたのを削った。米国添付文書の禁忌欄は逐語でNoneであり、過敏症反応はインフュージョンリアクション(18%、Grade 3/4が1.3%)として警告の側にある。出典の改訂年も2024年から現行の2026年6月版へ更新した。(出典:NIKTIMVO 米国添付文書)
- 薬剤belumosudil中等度(Child-Pugh B)・重度(Child-Pugh C)の肝障害では、肝移植片対宿主病によるものでない限り使用を避けるという規定を追加した。肝機能の監視も添付文書どおり「少なくとも月1回」に直した。出典の改訂年も2021年から現行の2026年1月版へ更新した。(出典:REZUROCK 米国添付文書)
- 薬剤pyrazinamideMycobacterium marinum が本剤に自然耐性であることを追記した。結核の標準4剤併用をそのまま流用できない理由になる(耐性の分子機序は引いた一次資料が述べていないので書いていない)。(出典:ATS/IDSA 2007 非結核性抗酸菌症声明、StatPearls: Mycobacterium Marinum Infection)
2026
09.17疾患・微生物・トピック8件で、分類や数値の帰属を一次資料に合わせ、治療方針が特発性のものか続発性のものかを分けた。
- 疾患毛細血管漏出症候群急性期の管理(血圧をある程度低いまま許容して輸液量を抑える、回復期の積極的な利尿、ヘパリン類似体による抗凝固、筋区画内圧による減張切開)が、いずれも総説では特発性の急性増悪について書かれた方針であることを明示し、続発性は原因薬・原因病態の除去が要であると書き分けた。生存率の分母も「69例全体」から「追跡できた65例」へ是正し、テルブタリンの再発率・重症度の数値が投与歴のない群との比較であること、免疫グロブリンとテルブタリンを単変量解析の有無で対比できないことを明記した。(出典:Druey 2024、Pineton de Chambrun 2017、Shin 2018)
- 疾患移植片対宿主病慢性移植片対宿主病の診断規則が無かったので、NIH 2014基準の4つの格(診断的・特徴的・その他・急性と慢性の両方に見られる所見)と、診断的所見1つ、あるいは特徴的所見1つに生検・検査の裏づけを加えることで診断が成り立つという規則を追加した。臨床像の表から落ちていた肝(総ビリルビン・ALPが基準上限の2倍超)と男性の性器病変も補い、閉塞性細気管支炎症候群が他臓器に特徴的所見があるときにのみ肺の診断的所見になることを明示した。(出典:NIH Consensus 2014 診断・病期分類)
- 疾患Leber遺伝性視神経症イデベノンをいつ始め、いつまで続け、いつやめるかが書かれていなかったので、2017年の国際コンセンサスに基づく節を新設した(病期の定義、発症1年未満での早期開始、反応の定義と評価に要する期間、非反応例の中止、無症状の保因者には治療でなく生活指導)。規制文書が期間の限定を置いていないことも書き分けた。(出典:Carelli 2017 国際コンセンサス、GeneReviews)
- 疾患大動脈解離Stanford A型解離の3〜15%という数値を「急性冠症候群を合併する」と書いていたのを、原文どおり「冠動脈への波及が報告されている」へ是正した(冠動脈が巻き込まれることと急性冠症候群の診断基準を満たすことは別である)。あわせて、急性心筋梗塞と誤認しての血栓溶解が禁忌である根拠が、添付文書の禁忌欄ではなく急性冠症候群診療ガイドラインの絶対的禁忌であることを出典つきで明示した。(出典:JCS 2018 急性冠症候群ガイドライン、アクチバシン注 電子添文)
- 疾患脳内出血(非外傷性)アルテプラーゼの禁忌としての位置づけを適応ごとに書き分けた。日本の電子添文は効能共通の出血に加えて虚血性脳血管障害急性期と急性心筋梗塞に頭蓋内出血の既往を重ねて置き、英国の製品概要は脳卒中の追加禁忌に既往と画像所見を別項目で置く一方、米国は4.1(脳卒中)にのみ現在の頭蓋内出血を置く。(出典:アクチバシン注 電子添文、Actilyse SmPC)
- 疾患リンパ管炎Mycobacterium marinum の治療期間を版で書き分けた。表にあった「症状消退後2〜3か月」は2001年の総説の記述で、2007年のATS/IDSA声明は活性のある2剤で症状消退後1〜2か月・総計3〜4か月とし、薬剤もクラリスロマイシン+エタンブトールを効果と忍容性のバランスで挙げる(骨髄炎などではリファンピシンを追加)。どちらも比較試験に裏づけられた標準ではないことも添えた。(出典:ATS/IDSA 2007 非結核性抗酸菌症声明)
- 微生物Mycobacterium marinum自然耐性がピラジナミドだけのように読めたのをイソニアジドにも耐性があると直し、感受性側(リファンピシン・リファブチン・エタンブトール・マクロライド・ST合剤・テトラサイクリン系)も書いた。培養温度について「StatPearlsは低温のみ」と読める記述も、両資料とも低温と37℃の併用を求めていると是正した。感受性検査を数か月の治療で奏効しない場合に限るという推奨には、声明自身の格付け(A, II)を添えた。(出典:ATS/IDSA 2007 非結核性抗酸菌症声明、StatPearls: Mycobacterium Marinum Infection)
- トピックB30: Immunopharmacology III (Antibodies and fusion proteins)エタネルセプトがクローン病に効かない理由を「分子構造の違い」と断定していたのを撤去した。脚注にしていたStatPearlsはその因果を述べておらず、事実として言えるのは米国の適応に含まれないことと、2001年のプラセボ対照試験で4週時の臨床的反応が39%対45%(P=0.763)だったことである。あわせてブロダルマブの自殺念慮・自殺行動の枠組み警告とREMS、英国の製品概要が活動性クローン病を禁忌に置くことを国名つきで追加した。(出典:Sandborn 2001、StatPearls: Etanercept、SILIQ 米国添付文書、Kyntheum SmPC)
- トピックActinomyces and Nocardia genus, atypical and apathogenic mycobacteriaRunyon I群の表で Mycobacterium marinum の病像が「免疫不全者で肺結核様病変」だけになっていたのを、主病像である皮膚・軟部組織・骨の慢性肉芽腫性感染へ直した。ATS/IDSAの声明は本菌を肺疾患の一覧に挙げておらず、AIDSでの播種性感染はまれな報告として別欄に載る、という書き分けも添えた。(出典:ATS/IDSA 2007 非結核性抗酸菌症声明)
2026
09.17結核・市中肺炎・ITP・巨赤芽球性貧血・GERDの推奨を現行の一次資料で確かめ直し、予防治療の格付け・抗インフルエンザ薬の対象・脾摘の位置づけ・B12の診断閾値・PPIをやめてよい条件を更新した。
- 疾患結核結核予防治療のレジメン表を、WHOが「推奨」(6H/9H・3HP・3HR、いずれもHIV感染の有無を問わない強い推奨)と「代替」(1HP・4R、条件付き推奨)に分けている現行の格付けどおりに直した。6H/9Hの「リファマイシンが使えないとき」は実装上の記述であって格付けではない。接触者とHIV感染者の条件も原文へ是正——対象は「細菌学的に確認された肺結核」の家庭内接触者で、条件は「検査結果にかかわらず」ではなく「結核感染の検査が利用できなくても」である。薬剤耐性結核には2025年版で新設された改変9か月レジメン(BLMZ・BLLfxCZ・BDLLfxZ)と優先順を追加し、フルオロキノロン感受性例で用いるのはモキシフロキサシンを含むBPaLMで、モキシフロキサシンを落としたBPaLは耐性が記録された場合の形であることを明示した(推奨1.1とエビデンス評価の中間結論を書き分けた)。長期レジメンにおけるパラアミノサリチル酸の位置づけ(使用しない方向への条件付き推奨、髄膜炎では有効薬に数えない)も追加した。(出典:WHO Module 1: Prevention 第2版、WHO Module 4: Treatment and care)
- 疾患結核TNF-α阻害薬を始める前の結核スクリーニング(WHO勧告7:抗TNF治療の開始者・透析中・移植前・珪肺は結核感染の系統的な検査と治療の対象)を新設し、インフリキシマブ・アダリムマブ・エタネルセプトの禁忌が3極で違うことを表にした。EUではインフリキシマブが「結核」(活動性の限定語なし)、アダリムマブが「活動性結核」、エタネルセプトは4.3が過敏症・敗血症またはそのリスク・慢性や限局性を含む活動性感染での開始禁止の3段で、結核を名指しするのは4.4である。米国は3剤とも結核を禁忌欄に置かず枠組み警告で扱う。潜在性結核はどの文書でも禁忌ではなく先行治療の対象である。(出典:Enbrel EU 製品情報、Humira EU 製品情報、Remicade EU 製品情報)
- 疾患市中肺炎インフルエンザ陽性の市中肺炎では発症からの経過時間で抗インフルエンザ薬の適否を決めない(入院例は強い推奨、外来例も条件付きの提案として期間を問わず投与する)と是正した。旧稿は対象を重症・高リスクに絞っており治療機会を狭める向きだった。重症CAP小基準の「白血球4,000/μL未満」は感染そのものによる減少を指し化学療法によるものを含まないこと、外来でマクロライド単剤を選べるのは肺炎球菌の「マクロライド」耐性率が25%未満の地域に限られること、小基準3項目以上は重症CAPの定義であって臨床判断と併せて治療強度を決めるものであることも原文どおりに直した。レファムリンの適応が国で違う(米国は原因菌を列挙し黄色ブドウ球菌はメチシリン感受性株のみ、EUは初期治療に通常推奨される抗菌薬が不適切または無効な場合に限る)ことも追記した。(出典:ATS/IDSA 2019 CAP ガイドライン、XENLETA 米国添付文書、Xenleta EU 製品情報)
- 疾患免疫性血小板減少症ASH 2026 ITP ガイドラインの本文を取得できたため、脾摘の記述を原文の構造どおりに書き直した。「複数の薬物療法に不応・不耐/長期の薬物治療を避けたい/重度の血小板減少に緊急の治療を要し反応不十分」の3条件は背景説明であり、good practice statement は別に2本(可能なら診断後1年以上延期する、術前2週以上前の適切な予防接種と抗菌薬予防・生涯の敗血症/血栓リスクの説明・術後は少なくとも年1回の追跡)である。good practice statement は系統的レビューに基づかないが強い推奨として解釈しうる、というガイドライン自身の定義も明示した。術前ワクチンの菌名はガイドラインの記述ではないため帰属を外した。推奨の対象は「トロンボポエチン受容体作動薬」ではなく血小板産生刺激薬(アバトロンボパグ・エルトロンボパグ・ヘトロンボパグ・ロミプロスチム・遺伝子組換えヒトトロンボポエチンを互換として扱う)であることと、各推奨のRemarks(ステロイドの用量と6週以内という期間、リツキシマブ375 mg/m²週1回4回、どの患者でリツキシマブが好まれるか)も追加した。2026年版が診断・治療開始の適応・妊娠中のITP・小児ITPを扱わないことも明記した。(出典:ASH 2026 ITP ガイドライン)
- 疾患巨赤芽球性貧血ビタミンB12欠乏の診断閾値を NICE NG239 の表として追加した(総B12 180 ng/L〈133 pmol/L〉未満が欠乏、180〜350 ng/L が判定保留、350 ng/L 超は可能性が低い。活性B12は25/25〜70/70 pmol/L)。ガイドライン自身が「ゴールドスタンダードの検査は無く、エビデンスが無いなかで委員会が経験に基づいて定めた閾値であり偽陽性が増えうる」と述べている点も添えた。初回検査の選び分け(妊娠中は活性B12、亜酸化窒素の使用が疑われる場合は血漿ホモシステインか血清MMA、採血は補充開始前)と、補充経路を原因別の表に組み直した——自己免疫性胃炎・胃全摘・終末回腸の完全切除は生涯の筋注、それ以外の吸収障害は経口より筋注を考慮、原因不明は筋注より経口を考慮、である。「一部の吸収障害では高用量経口でも同等に補正できる」という無出典の一般化はコクラン2018の範囲(3試験153例、血清B12の正常化について同程度、症状・徴候を比べた試験は無い)へ差し替えた。(出典:NICE NG239、Cochrane 2018)
- 疾患胃食道逆流症H. pylori を胃食道逆流症の原因から削除した(病因表と frontmatter の両方)。Maastricht VI/Florence は逆に「H. pylori 感染と逆流症状の減少に弱い関連、軽症食道炎とも弱い負の関連」「除菌が臨床的に意味のある食道の傷害をもたらすという主張は一貫した所見に基づかない」と述べ、日本のガイドラインも GERD 増加の背景に感染率の低下を挙げている。PPI中止の条件も原文どおりに是正——中止やオンデマンドを試すのは「びらん性食道炎もバレット食道も無く症状が消えた患者」で、無期限の維持療法または逆流防止手術が要るのは Los Angeles 分類 C/D である。酸曝露時間の判定を Lyon consensus 2.0 の3区分(6.0%超で確定、4.0〜6.0%は判定保留、全日4.0%未満かつ症状関連が陰性で否定。4.0%未満でも症状関連が陽性なら逆流過敏症)へ戻し、内視鏡の確定所見(グレードB・C・D の食道炎、生検で確認したバレット食道、消化性狭窄。裂孔ヘルニアは支持所見)も追加した。消化管運動促進薬は胃不全麻痺の客観的な証拠が無い限り推奨されない(強い推奨)一方、米国の添付文書には期間を限った適応が残ることを書き分けた。(出典:ACG 2022 GERD ガイドライン、Lyon consensus 2.0、Maastricht VI/Florence)
- 疾患消化性潰瘍H. pylori の除菌判定時期を「除菌薬終了後4週以降」から「4〜6週以降」に改めた。日本ヘリコバクター学会2024年版が自らの立場として示しているのは序文・検査一覧表・CQ1-1のいずれでも4〜6週で、「4週以降」は同ガイドラインが2016年改訂版から引用している記述である。除菌判定前の休薬が検査ごとに違うこと(尿素呼気試験はPPI・P-CABを2週間以上休薬するが、国内のモノクローナル抗体便中抗原キットはPPI内服のまま実施できる。P-CABはキットごとの検証が必要)も、まとめで一本化していたのを本文と同じ粒度に直した。(出典:H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024 第1章)