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  1. 2026 09.21

    呼吸器内科トピック45本の手動監査(2/4)。手技・画像・薬物療法・酸素療法・肺移植の10本で、脚注の射程超えと安全側の記述の脱落を直した。

    • トピックPulmonary emergencies重症市中肺炎の大基準・小基準に2026年のATSガイドラインの脚注が付いていたが、同ガイドラインが扱う4論点に重症度基準は含まれない。基準の出どころである2019年ATS/IDSAガイドライン(2007年基準を検証済み定義として採用)へ付け替え、落ちていた但し書き(白血球減少は感染によるもので化学療法によるものを含めない)を戻した。重症度予測ルールの推奨の強さ(肺炎重症度指数は強い推奨、CURB-65は条件付き)と、これらが入院の要否のための道具でICU判断の道具ではないことも補った。急性呼吸窮迫症候群の管理は5推奨をすべて同じ強さに平坦化していたが、強い推奨は「長時間のリクルートメント手技を行わない」1つだけである。緊張性気胸の針減圧も1つの部位だけを無出典で書いていたので、治療の第一選択が胸腔ドレーンであること、部位が資料間で割れること、胸膜腔到達の失敗率が高いことを推奨の強さごと書き分けた。(出典:ATS/IDSA 2019 市中肺炎・WSES/AAST 2025 胸部外傷・Ahmad 2025 針減圧のメタ解析)
    • トピックBronchoscopy術前の凝固検査・血算を全例ルーチンとして並べていたが、英国胸部学会の推奨は臨床的な危険因子がある場合に行うもので、同ガイドラインは定型検査が出血の危険や重症度を予測しないと明記している。危険因子と、同ガイドライン自身の但し書き(有意な出血をきたした患者の3分の2超は凝固が正常で危険因子も持たない)を併記した。クロピドグレルの休薬も日数が無かったので7日前・対象手技・推奨グレードを補い、酸素投与の文に2つの資料の脚注が抱き合わせになっていたのを、投与の引き金と目標値に分けて帰属し直した。局所麻酔の濃度が経路ごとに違うのを平坦化していた点、絶飲食の上限(揚げ物・脂肪食・肉では8時間以上)、生検をしていなくても気胸の観察が要ることも補った。(出典:BTS 2013 診断的気管支鏡・ASA 2017 術前絶飲食)
    • トピックThoracentesis1回の排液量を「1.5 L前後を実務上の目安」と書いていたが、ガイドラインの逐語は原則として1.5 Lを上限とするもので、それ未満でも症状が出れば中止し、より多量は専門チームの監視下という限られた状況に限る。上限を中心値に読み替えない形へ直した。カラードプラによる血管確認も出典より強く書いていたので、出血合併症を減らす確かなエビデンスがまだ無く主要ガイドラインに未採用であることを明記し、避けるべきなのが後腋窩線ではなく後方アプローチ一般である点も原文どおりにした。合併症の頻度を数値で持っていなかったので節を新設し、穿刺後X線の気胸には医原性・非膨張肺・空気の引き込みが混じること、症候性の再膨張性肺水腫が1%未満であることを、2つの出典が吸引の扱いで食い違う点ごと書いた。(出典:BTS 2023 胸腔手技)
    • トピックImaging techniques in pulmonologyヨード造影剤のステロイド前投薬について本文が一言も持っていなかったので、現行の造影剤マニュアルから1項を新設した(前投薬はすべての反応を防がないこと、既往反応を理由に前投薬した患者でも2.1%にブレークスルー反応が起こること、約81%は初回と同程度の重症度にとどまること、高リスク患者で1件を防ぐのに必要な前投薬数が全重症度69・重症569と見積もられたこと、皮内テストによる予測が有用と示されていないこと)。あわせて出典の版が2025年版から2026年版へ上がっていたので、この出典を共有する3ファイルを同時に更新した(版履歴で確認した結果、引用している章の内容自体は変わっていないため本文の改訂は不要)。(出典:ACR Manual on Contrast Media 2026)
    • トピックMicrobiology cytology histology and laboratory techniquesレジオネラの下気道検体検査を「重症レジオネラ肺炎では」と書いていたが、ガイドラインの推奨は重症市中肺炎全体に掛かるもので、起因菌が分かる前の段階に向けられている。旧記述では検査機会を失う方向に倒れるため対象集団を直した。結核の皮内反応についても、ほとんどの場合は血液検査を用い皮内反応は代替という現行の立場と、5歳未満では皮内反応を推奨するという例外が反映されていなかったので補い、皮内反応のページが支えていないIGRAへの言及を外した。ブースター現象と2段階法、禁忌、偽陰性の原因も本文に無かったので追加した。凍結生検の推奨も、4推奨のうち2つが落ち、エビデンスの確実性が「低い」と書かれていた(原文は「非常に低い」)ので直した。(出典:ATS/IDSA 2019 市中肺炎・CDC ツベルクリン皮内反応)
    • トピックInhalation pharmacotherapy吸入インスリンの項に、添付文書の警告のうち肺癌に関する項(活動性・既往・リスクのある患者では利益と危険を個別に比較する)と、FEV1がベースラインから20%以上低下した場合に中止を検討するという基準が落ちていたので補った。ネブライザーの節には、抗コリン薬の溶液をフェイスマスクで噴霧すると薬液が直接眼に触れて急性緑内障を誘発しうるという安全上の注意を追加した。吸入指導の項にあった「講義で示された6分以上」は講義資料の読み違いで、スライドの逐語は最低6か月・実技との組合せ・反復であるため、1回の受診で完結しない枠組みとして書き直した。(出典:Afrezza 添付文書・GOLD 2026)
    • トピックSystemic pharmacotherapyテリスロマイシンが現行の選択肢として無印で並んでいたが、EUでは2019年6月7日に販売承認が取り消され(製品は2018年7月以降EUで販売されていない)、米国でも該当する2製品が販売中止の表示になっている。分類そのものは薬理の学習対象として残したうえで、規制上の状況を国ごとに明記した(日本の状況は確認していない旨も添えた)。β2刺激薬とムスカリン拮抗薬に機序だけあって有害事象が1行も無かったので補い、静注メチルキサンチンを推奨しない理由(治療域が狭い、致死的な不整脈と全般強直間代発作、薬剤ごとに該当と非該当が分かれる相互作用)も追加した。増悪時の抗菌薬の適応症候が資料で3項目と4項目に分かれる点も帰属つきで書き分けた。(出典:EMA Ketek 承認取消し・Drugs@FDA NDA 021144・GOLD 2026)
    • トピックOxygen therapyII型呼吸不全の閾値を「英国胸部学会は45〜46 mmHg超を異常とする」と書いていたが、同学会の線は46 mmHg超のみで45はこの資料の数字ではない。PaCO2単独で定義する流儀と、低酸素血症も要件として線を45または50 mmHg超に置く流儀を⚠️で書き分けた。携帯酸素の推奨の強さ(労作時SpO2 88%以下の重症労作時低酸素血症に対する条件付きの提案)も落ちていたので補い、長期酸素療法の第2基準の上限が資料間で59と60 mmHgに分かれることを明示した。高齢者のSpO2正常下限も「おおむね94%前後」ではなく実測値(71歳超で平均96.7%、2標準偏差下限95.2%)に置き換え、携帯酸素と呼吸リハビリテーション中の酸素という射程の違う2つを混ぜない書き分けを新設した。(出典:ATS 2020 在宅酸素療法・TSANZ 2024 成人在宅酸素療法)
    • トピックRespiratory physiotherapy, rehabilitation, and palliative care呼吸リハビリテーションのガイドラインは6つの推奨を出しているのに表が5行で、初回プログラム後の維持期リハに関する推奨(監視下の維持期リハか通常ケアのいずれでもよい、条件付き)が丸ごと落ちていた。推奨の強さとエビデンスの質の列も無かったので6推奨分を補い、肺高血圧症での実施条件(重症例は試験にほとんど組み入れられておらず有効性・安全性が不確か、不整脈や失神既往では運動中の監視を強めるなど)を追加した。長期酸素療法の適応も「60 mmHg未満かつ肺性心・二次性多血症を伴う」と連言に読める形だったが、原文は「または」である。退院前のリハ開始についても不利な報告だけを引いていたので、同じ段落にある有利なメタ解析を併記し、ガイドラインが「この問いを評価していない」ことを「否定した」と書いていた箇所も直した。(出典:ATS 2023 呼吸リハビリテーション・GOLD 2026)
    • トピックLung transplantation段落全体に付いていた脚注の射程を切り詰めた(出典が支えているのはレジストリの件数だけで、到達経路や両肺移植が大半を占めるという記述は同文書に無い)。サイトメガロウイルス予防は推奨の強さが落ちていたうえ、ドナー陽性・レシピエント陰性で(バル)ガンシクロビルに忍容性がない場合の選択肢(先制治療への切り替えかレテルモビル予防)という現行の推奨が欠けていたので補った。糸状菌のリスクも菌属でまとめて潰れていたので、資料が明示的に対比している2段階に書き分け、絶対禁忌の「改善のない反復性の非遵守」に付く小児の例外も復元した。移植適応の前提として名指しされているCFTR調節薬が2021年版では三剤併用の1つに限られることも、読者がどちらにも倒れないよう明記した。(出典:ISHLT 2021 肺移植候補者選択・TTS CMV コンセンサス第4版)
  2. 2026 09.21

    呼吸器内科トピック45本の手動監査(3/4)。閉塞性肺疾患・呼吸器感染症・肺癌の12本で、重症度分類の取り違えと、現行推奨に残る薬を「使われなくなった」側に置いていた誤りを直した。

    • トピックBronchial asthma気管支拡張薬反応性の小児基準を6〜17歳と書いていたが、ガイドラインで小児とされるのは6〜11歳で、思春期は成人基準側に属する。救急外来の増悪重症度表も判定規則(軽症は全項目、重症は1項目でも該当)が落ちており、重症の第1項が「話す・飲む・横になることができない」であるところを「単語のみ」という旧い書き方にし、無音胸郭を独立項目ではなく付帯扱いにしていたので原文の構造へ直した。生命を脅かす増悪の初期治療からも原文の項目(リザーバー付きマスクでの100%酸素、小児集中治療または麻酔科への応援要請、短時間作用性β2刺激薬の毒性の監視)が落ち、逆に原文に無い記述が入っていたので整理した。経口テオフィリンを推奨しない理由も出典と違っていた(治療域の狭さではなく、吸入薬より有害事象が多く効果が劣るという評価)。(出典:GINA 2026)
    • トピックCOPD acute exacerbation増悪の重症度分類で、低酸素血症(PaO2 60 mmHg以下)を重症の所見から中等症へ降格させていた。現行ガイドラインでは60 mmHg以下は重症側の所見で、中等症の脚注は70〜80 mmHgである。重症の定義も高CO2血症とアシドーシスの枝だけに切り詰められ、低酸素血症の枝が落ちていたので両方を戻し、旧版由来と思われる「アシドーシスを伴わない高CO2血症は中等症」という記述を落とした。2026年版で新設された高流量鼻カニュラ酸素療法の節も丸ごと無かったので追加し、これが先に来るのは低酸素血症が前面のときで、高CO2血症性呼吸不全では非侵襲的換気を優先するという書き分けを添えた(入れ替えるとアシドーシスのある患者から換気補助を奪う向きに倒れる)。増悪時の抗菌薬の適応症候も、ガイドライン本文は発熱を含む4項目、米国内科学会は発熱を含まない3徴候で、脚注の射程を分けた。ネブライザーを酸素駆動ではなく空気駆動で行うという安全上の要点も補った。(出典:GOLD 2026・ERS/ATS 2017 NIV)
    • トピックAsthma and COPD pharmacotherapy現行ガイドラインが呼吸困難の追跡推奨に載せているエンシフェントリンが1文字も無かったので、位置づけ(上乗せを評価する設計の試験ではないため評価が定まりにくいこと、現時点で米国でのみ入手可能であること)と添付文書の警告(急性の気管支攣縮の頓用に使わない、精神症状・自殺念慮)ごと追加した。三剤併用でもなお増悪する例への分岐(血中好酸球300/µL以上でデュピルマブまたはメポリズマブ)も丸ごと無かったので本文・表・図・まとめに補い、同じ抗体でもベンラリズマブは第III相2試験で年間増悪率を下げなかったことを、喘息の表から疾患をまたいで外挿しないよう⚠️で添えた。ガイドラインが推奨に付している条件節(入手可能で費用が見合うなら、可用性・費用・副作用の問題が無いなら)も落ちていたので戻し、死亡率を下げる介入の記述も原文の粒度(呼吸リハの新しい試験は有意でない、外科は肺容量減少術に限り上葉優位でない群では手術側の死亡率が高かった)に合わせた。(出典:GOLD 2026・Ohtuvayre 添付文書)
    • トピックBronchitis and bronchiectasis2025年の欧州呼吸器学会ガイドラインで長期マクロライドと長期吸入抗菌薬がいずれも条件付きから強い推奨へ格上げされているのに、本文は「検討する」「提案する」と弱いままだった。強さのラベルを戻し、強い推奨が全員への投与を意味しないという同版自身の説明も添えた。気道クリアランスも条件付きから強い推奨へ上がり対象が喀痰産生例に限らなくなっている点、増悪時の抗菌薬期間の短縮条件が「軽症」ではなく感受性菌または早期反応であること、非結核性抗酸菌の検査が選択例から全患者へ変わったことを補った。喀血・外科治療の段落に付いていた2025年版の脚注は、同版がこの論点を扱っていない(2017年版の推奨がなお有効とされている)ため帰属し直し、急性気管支炎の抗ウイルス薬に関する記述も、根拠としていた米国CDCのページに該当語が1つも無かったので分離した。(出典:ERS 2025 成人気管支拡張症ガイドラインの臨床サマリー・CDC 成人外来の抗菌薬適正使用)
    • トピックPneumoniaマクロライド単剤の使用条件を「肺炎球菌耐性率25%未満」と書いていたが、ガイドラインの条件は肺炎球菌のマクロライド耐性率で、ペニシリン耐性率と取り違えないよう明示した。重症度予測ルールの推奨の強さ(肺炎重症度指数は強い推奨、CURB-65は条件付き)と「臨床判断に加えて」という限定も復元し、MRSA・緑膿菌のリスク因子の射程も原文へ戻した(過去の呼吸器検体からの分離ではなく過去の感染歴、静注ではなく非経口抗菌薬)。重症市中肺炎基準の出どころと、白血球減少に付く但し書きも補った。(出典:ATS/IDSA 2019 市中肺炎)
    • トピックViral pneumoniaサリルマブが「効果が否定された薬」の表に入っていたが、現行の感染症学会ガイドラインはトシリズマブが入手できない場合の条件付きの選択肢として推奨している。表から外して入院患者の項へ移し、同じ行の閉じた列挙から落ちていたアバタセプトとインフリキシマブ(バリシチニブとトシリズマブが入手できない場合の条件付き推奨)も補った。アナキンラも「使われなくなった」ではなく「定型的な使用に反対する条件付き推奨」と書き分け、効果が否定された薬と優先薬が入手できないときの代替を同じ箱に入れないという読み方の注意を添えた。外来治療の3剤が米国の枠組みであることも明示し、欧州ではモルヌピラビルの販売承認が拒否されている(臨床的有益性を示せず、有益性を示せる患者群を特定できなかった)ことを追加した。中和モノクローナル抗体についても、米国で緊急使用許可が取り消されたのが2024年12月13日の4製剤であることを官報で確認して書いた。(出典:IDSA COVID-19 治療ガイドライン・EMA Lagevrio 承認拒否・Federal Register 2025-14233)
    • トピックTuberculosis4か月レジメンの除外規定から、安全性に直結する項目(QT延長の既往またはQT延長をきたす薬剤の併用、構成薬への既知の耐性、臨床的に問題となる薬物相互作用)が落ちていたので補った。モキシフロキサシンを含むレジメンなのでQT関連の除外は特に重要である。HIV感染者の適格条件もCD4数だけでなく、エファビレンツを基盤とする抗レトロウイルス療法を受けていることまで含む。インターフェロンγ遊離試験の交差反応についても、なぜ起こるか(ESAT-6とCFP-10という抗原が一部の非結核性抗酸菌に存在する)を補った。(出典:CDC 2022 4か月レジメン暫定指針・CDC IGRA指針)
    • トピックOther pulmonary infectionsニューモシスチス肺炎での抗レトロウイルス療法の開始時期を「治療開始後2週間以内」と書いていたが、指針の逐語は診断から2週間以内である。補助ステロイドの用量と期間(1〜5日は40 mgを1日2回、6〜10日は40 mg、11〜21日は20 mg、静注メチルプレドニゾロンはプレドニゾン用量の80%、開始は理想的には治療開始72時間以内)が丸ごと無かったので表で補い、治療経路の分岐に使いながら境界が示されていなかった重症度の定義(室内気PaO2 70 mmHg以上または肺胞気動脈血酸素分圧較差35 mmHg未満が軽症、35以上45未満が中等症、45以上が重症)も追加した。治療期間もレジメンを問わず21日間であることを明示した。(出典:NIH 成人・青年の日和見感染症指針(ニューモシスチス肺炎))
    • トピックLung cancer pathology and molecular biology小細胞肺癌の手術について「厳密に縦隔病期診断したごく早期T1〜2N0の選択例では肺葉切除と系統的リンパ節郭清の後に補助化学療法を検討する」と書き、米国のPDQを脚注にしていたが、同文書に肺葉切除もT1という病期表記も存在せず、冒頭は「小細胞肺癌における手術の役割は証明されていない」である。記述自体は欧州腫瘍内科学会のガイドラインが支えているので、そちらへ帰属し直して推奨の格付けを潰さずに書き、同時にPDQ側の否定材料(エビデンスレベルの低さ、化学放射線療法に肺切除を上乗せした無作為化試験328例で全生存期間の上乗せが示されなかったこと)を併記した。「行える例がある」と「行うべきである」を取り違えないという注意も添えた。(出典:ESMO 2021 小細胞肺癌・NCI 小細胞肺癌治療PDQ)
    • トピックLung cancer: diagnostics and staging病期分類マニュアル第3版の本体と全45セルを照合した。T記述子について「第8版から概ね維持され」と書いていたが原本は変更なしと明記しているので断定に直し、第9版で変わった病期群4点を補った。T4の列挙からは胸腺・鎖骨下血管・大動脈弓の分枝・腕頭静脈が落ちていたので原本の3群構造のまま書き直し、T3の「壁側心膜」も原本どおり心膜に戻した。心膜・横隔神経・奇静脈が縦隔内にありながらT3である理由(縦隔にあるかではなく名指しされた構造で決まる)と、遠隔転移の判定規則(非所属リンパ節1か所もM1b、M1c1とM1c2は病巣数ではなく臓器系の数で分かれ骨格全体を1臓器系と数える)も追加した。スクリーニングの具体値も国名を明記したうえで補った。(出典:IASLC Staging Manual in Thoracic Oncology 第3版・USPSTF 肺癌スクリーニング)
    • トピックPrinciples of lung cancer therapyデュルバルマブ地固め療法を「新たな標準治療である」と書いていたが、この表現は引用しているどの出典にも無い。臨床的な向きは維持したまま、出典で支えられる事実(試験の全生存期間中央値55.9か月対33.4か月、米国での2024年12月4日の承認、限局型小細胞肺癌にとって35年以上ぶりの新しい治療選択肢であるという評価)へ置き換えた。その試験が病期I・IIについては手術不能例のみを組み入れていることも、同じ表で手術と地固め療法を並べている以上必要な但し書きとして⚠️で追加した。小細胞肺癌の手術は29と同じ是正を行った。(出典:NCI 小細胞肺癌治療PDQ・FDA デュルバルマブ承認)
    • トピックChemo-, immune- and targeted therapy of lung cancer限局型の化学療法レジメンでシスプラチンとカルボプラチンを同格に並べていたが、ガイドラインでは推奨レジメンと、シスプラチンが使えない場合の代替として推奨の強さが1段違う。サイクル数と胸部照射の段落も無出典だったので、ガイドラインの逐語(通常4サイクル、標準は3週で45 Gy/30分割の1日2回照射、開始は第1〜2サイクルが望ましいが全身状態や線量制約で許さなければ第3サイクル開始まで延期しうる)で書き直した。これにより講義資料の「3サイクル後から照射」は否定ではなく標準ではない逃げ道として位置づけられる。早期併用についても、近年のメタ解析で30日以内と30日超で全生存期間に差が無く早期開始で毒性が多かったこと、早期・短期照射が有利だったのは化学療法を減量も遅延もせず完遂できた試験に限ることを併記した。(出典:ESMO 2021 小細胞肺癌)
  3. 2026 09.21

    呼吸器内科トピック45本の手動監査(4/4)。睡眠時呼吸障害・呼吸不全・間質性肺疾患・肺血管・胸膜の13本で、出典に無い閾値と、区間の隙間・重なりを直した。

    • トピックDiagnostics of sleep related breathing disorders睡眠検査の振り分けに使う「中等症から重症の閉塞性睡眠時無呼吸の可能性が高い」「合併症がない」という表現が、指針上の定義を示さないまま判断の入口として使われていたので、定義(前者は日中の過度の眠気に加えて習慣性のいびき・目撃された無呼吸や喘ぎ・診断済み高血圧の3項目中2つ、後者は3条件の不在)を表で明示した。質問票や予測アルゴリズム単独で診断しないという強い推奨も補った。無呼吸低呼吸指数の重症度区分はこのノートに複製せず、境界の資料差ごと正しく持っている疾患ノートへのリンクで参照させた。(出典:AASM 2017 成人OSA診断検査)
    • トピックPrinciples of OSAS, central apnea and obesity hypoventilation syndrome therapyチルゼパチドと閉塞性睡眠時無呼吸の規制上の扱いを「欧州では」と括っていたが、審査された製品名が米欧で違う(米国で当該適応を持つのは別商品名の製剤で、欧州医薬品庁が審査したのはもう一方)。欧州の委員会は「別の適応欄は不要」と判断したのであって使用を否定したのではない点、欧州の体重管理の適応そのものが体重関連の健康問題の例として閉塞性睡眠時無呼吸を挙げている点を、当局名・製品名つきの表に書き直した(日本の扱いは確認していない旨も明記)。肥満低換気症候群の定義からは原文の限定「海面レベルでの」が落ちていたので戻し、重症の閉塞性睡眠時無呼吸を伴う安定例への第一選択という記述にも原文の数値定義(無呼吸低呼吸指数30以上)と推奨の強さを補った。退院時の非侵襲的換気についても、外来の睡眠検査と圧設定の代用にしてはならないという但し書きを復元した。(出典:EMA チルゼパチドとOSAに関する審査結果・ATS 2019 肥満低換気症候群)
    • トピックAcute respiratory failure酸素投与の目標SpO2を92〜98%と書いていたが、引用している指針の推奨は94〜98%で、92〜98という区間は同文書の全文に存在しない。挿管の警告所見として挙げていたpH 7.25未満・酸素化指数200未満という数値も同じ出典には無く、これらは高CO2血症性COPD増悪の枠の数字である。指針が実際に定める2段階の基準(直ちに挿管する2項目と、考慮する11項目)へ書き直し、2つの枠を混ぜないよう非侵襲的換気のノートへ相互リンクした。補正後PaO2による分類でも60 mmHgちょうどがどの区分にも属さない隙間があり、示した式では計算が合わない例示が入っていたので、境界を閉じて例示を差し替えた。II型呼吸不全の定義が資料で分かれる件も、このノートが採る流儀に帰属先があること(全体不全の定義に低酸素血症が入り、その低酸素血症は室内気呼吸下という限定を伴う)を確かめたうえで、酸素投与中の患者に当てはめないという注意とともに両論を書き分けた。(出典:Helms 2024 急性低酸素血症性呼吸不全の酸素療法・Larsen 呼吸不全の病態生理)
    • トピックNIV therapy同じファイルの中でpHの「根拠が最も強い層」が2通りに書かれ、本文は指針由来の7.25〜7.35、表とまとめは講義資料由来の7.20〜7.30で、まとめだけが後者を自分の結論として断定していた。どちらも消さずに帰属つきで書き分け、重なるのは7.25〜7.30だけであることを明示した。pH層別の表も7.30が2つの区分に属していたので、全域を隙間なく重なりなく被覆する形へ直した。「pH 7.25未満も一律禁忌ではない」も原文の強さ(試みが不適切となる下限そのものが引かれていない)に戻し、高CO2血症性呼吸不全に関する2026年の推奨(非侵襲的換気は強い推奨、高流量鼻カニュラはpH 7.25超など軽症に限った条件付き)が丸ごと欠けていたので補った。(出典:ERS/ATS 2017 NIV・ATS 2026 非侵襲的呼吸補助)
    • トピックPathology and diagnostics of interstitial lung diseasesリンパ脈管筋腫症の3つの推奨から強さが落ちていたので補い(血管内皮増殖因子Dの測定とシロリムスは強い推奨、乳び性貯留への使用は条件付き)、判断に使う閾値(800 pg/mL)と「肺機能が異常」の定義(FEV1が予測値の70%未満)も本文に無かったので追加した。同じ文書が特異度を100%と99%の2通りで述べている点も、片方だけを書くと他ノートと割れるため両方を記した。進行性肺線維症のニンテダニブも推奨の強さとエビデンスの質を明示し、ピルフェニドンについては推奨ではなく追加研究の要請であることを明確にした。高分解能CTの4区分を定義しないまま区分名を使っていた点も補った。(出典:ATS/JRS 2016 リンパ脈管筋腫症・ATS/ERS/JRS/ALAT 2022 特発性肺線維症と進行性肺線維症)
    • トピックIdiopathic pulmonary fibrosis蜂巣肺の定義に原文に無い条件(他の線維化徴候があれば1層でも成立する)を足していたので、無条件である原文どおりに直し、径の数値と傍隔壁性肺気腫との鑑別を⚠️で書き分けた。高分解能CTの4区分と、各区分が組織学的な通常型間質性肺炎をどれだけの確信度で示すかの表も無かったので追加し、「臨床的に特発性肺線維症が疑われる」の定義も年齢の但し書きごと補った。制酸薬と抗逆流手術についても「ルーチンには行わず」ではなく「行わないことを条件付きで提案(エビデンスの質は非常に低い)」であり、射程が呼吸器アウトカムの改善を目的とする場合に限られることを明示した。(出典:ATS/ERS/JRS/ALAT 2022 特発性肺線維症)
    • トピックInterstitial lung diseases with known etiology過敏性肺炎の検査に関する推奨が病型(非線維性・線維性)ごとに違うという指針の構造が平坦化していたので、5つの検査それぞれについて病型別の推奨を表にした(気管支肺胞洗浄のリンパ球分画は非線維性で推奨・線維性で提案、経気管支鉗子肺生検は非線維性のみ、凍結肺生検は線維性のみ)。全身性強皮症に伴う間質性肺疾患のグルココルチコイドについても、第一選択としない・進行後に用いないという強い推奨が落ちていた一方で、反対向きの限定も3つ落ちていた——強皮症以外の全身性自己免疫疾患では条件付きで推奨されること、強い推奨の根拠が腎クリーゼの危険と有効性の確実性の非対称にあること、禁止ではなく最少有効量や短期のつなぎには役割が残ることを併記した。(出典:ATS/JRS/ALAT 2020 過敏性肺炎・ACR/CHEST 2023 全身性自己免疫疾患に伴うILD)
    • トピックSarcoidosisステロイドを第一選択とする臓器の列挙に欧州呼吸器学会の治療ガイドラインの脚注が付いていたが、同ガイドラインは眼病変について推奨を出していないと自ら明記しており、高カルシウム血症も評価項目の表に1度出るだけで治療推奨を持たない。臨床事実は残したまま脚注の射程を外し、高カルシウム血症は実際に支えている診断ガイドラインへ付け替えた。同ガイドラインの12推奨のうち強い推奨が3つ(肺・心・神経)であることと、肺病変に対するインフリキシマブの条件付き推奨が落ちていた点も補った。基礎スクリーニングについても強い推奨は血清カルシウムだけで他は条件付きであること、心エコーとホルター心電図には症例ごとに判断するという但し書きが付くこと、肺高血圧症の評価に関する3推奨が本文に1行も無かったことを直した。(出典:ERS 2021 サルコイドーシス治療・ATS 2020 サルコイドーシス診断)
    • トピックPulmonary embolism年齢調整Dダイマーの記述から、出典に存在しない単位系の限定を外し、原著が持つ条件(50歳以上、非高確率または可能性が低い評価、従来の固定カットオフを用いる高感度測定系)と追跡での失敗率を補った。中間リスク肺塞栓症の再灌流も3段階の推奨(ルーチンの一次全身血栓溶解は推奨されない、血行動態が悪化した患者への救済的血栓溶解は推奨される、代替として外科的塞栓摘除術やカテーテル治療)を全部「検討する」に弱めていたので推奨クラスごと戻した。抗凝固期間についても、3か月以降を一律に「反復評価して判断」としていたが、大きな一過性・可逆性の危険因子による初回例は3か月で中止、誘因によらない再発例と抗リン脂質抗体症候群は無期限という独立した推奨がある。(出典:ESC 2019 急性肺塞栓症・ADJUST-PE)
    • トピックPulmonary hypertension血行動態の定義そのものは現行のままで正しかった(2024年の第7回世界シンポジウムも2022年の閾値を維持している)が、定義の一部である運動時肺高血圧症(安静時から運動時の平均肺動脈圧と心拍出量の傾きが3 mmHg/L/min超)が落ちていたので補った。定義が広がったことで生じた平均肺動脈圧21〜24 mmHgの帯についても、現行のPAH治療薬が旧定義の集団で検証されていてこの帯に承認された治療が無いこと、それでも治療するなら併用より単剤という記述が無かったので追加した。臨床分類の第5群では下位区分名が原文と異なり(肺腫瘍血栓性微小血管症が単に血栓性微小血管症となって別の疾患概念と同じ語になっていた)、線維性縦隔炎も落ちていた。第2群も「PAH標的薬を定型的に用いない」の一行に潰れていたが、ガイドラインは3つの区画に分けている。ソタテルセプトについても「低リスクには推奨されない」ではなく「推奨を出していない」が正しい。(出典:ESC/ERS 2022 肺高血圧症・第7回WSPH 2024 定義・分類・診断)
    • トピックPleural effusion胸膜感染のドレナージ判断でpHの区間が閉じておらず、7.4以上がどの段にも属していなかったので、ガイドラインの3段(7.2以下・7.2超7.4未満・7.4以上)に直した。乳酸脱水素酵素900 IU/L超の位置づけも、原文が「とくに〜があれば」と支持所見を挙げる構造なのに連言に読める形だったので戻し、pHが測れない場面の代替(胸水ブドウ糖3.3 mmol/L未満)も無かったので追加した。ライト基準自体は不等号・境界とも正しかったので数値は動かさず、これまで無出典だったところに出典を付けた。超音波ガイドの強さも原文(必ず用いる)に対して「原則」と弱めていたので直し、穿刺の安全に関する3点(安全三角の中で肋骨の直上、後方アプローチを避ける、60 mLを超える治療的排液では針ではなくカテーテル)と排液量の上限の扱いも補った。(出典:BTS 2023 胸膜疾患)
    • トピックPneumothorax気胸の「大きさ」を論じながらどの学会の基準かを言わずに書いていた。現行の英国胸部学会ガイドラインでは大きさはもはや侵襲的管理の適応ではなく(ただし安全に処置できるかは左右する)、臨床経路に出る2 cmは処置の安全性の線である。同じ2 cmでも外傷診療のガイドラインでは安定例を保存的に管理する上限という別の基準なので、混ぜないよう書き分けた。高リスクの特徴も6項目のうち2項目(50歳以上で喫煙歴が多い、血気胸)が落ちていたので補った。肺尖と胸郭頂の距離3 cmという別の定義については、原典を取得できなかったため学会名を断定せず、測る場所も閾値も違う定義を採る資料があるという書き方に留めた。(出典:BTS 2023 胸膜疾患・WSES/AAST 2025 胸部外傷)
    • トピックGenetic pulmonary disordersCFTR調節薬の記述が米国の承認だけで書かれており、欧州と対象変異の線引きが違うことが見えなかったので、欧州の承認状況(対象は非クラスI変異を1つ以上持つ6歳以上、剤形で年齢が分かれる)を列にして比較できるようにした。年齢の下限は両地域でほぼ揃うので、そこを取り違えないようにも書いた。α1アンチトリプシン欠乏症の検査手順も「血清濃度と遺伝子シーケンスを同時に行う」と書いていたが、ガイドラインはシーケンスを最初の検査として提案しており、同じコーパスの別ノートは既に正しく書けていた。検査対象と補充療法がいずれも条件付き推奨であることも明示した。マルファン症候群の薬物治療も推奨クラスを潰していたので、単剤の最大耐用量が最も強い推奨で併用が一段下であること、手術閾値のクラスも含めて書き直し、併用の相加効果が推定に基づくものであることを⚠️で添えた。(出典:ACC/AHA 2022 大動脈疾患・EMA Kaftrio EPAR)
  4. 2026 09.21

    呼吸器内科トピック監査の波及是正。同じ誤りが残っていた疾患ノート6本を直し、あわせて症状ノート(咳嗽・湿性咳嗽)と検査値ノート(メサコリン負荷試験・動脈血液ガス)でも推奨の強さと禁忌の列挙を原文に戻した(この4本は公開ログの対象コレクション外のため個別行を持たない)。

    • 疾患肺癌小細胞肺癌の手術について「厳密に縦隔病期診断したごく早期T1〜2N0の選択例では肺葉切除+系統的リンパ節郭清の後に補助化学療法を検討する」と書き、米国のPDQを脚注にしていたが、同文書を取得して数えると lobectomy も病期表記の T1 も0件で、冒頭は「小細胞肺癌における手術の役割は証明されていない」である。記述を支えているのは欧州腫瘍内科学会のガイドラインなのでそちらへ帰属し直し、推奨の格付け(臨床病期I・IIでの考慮、病理学的縦隔病期診断の必須、R0切除の目標、肺葉未満切除の非推奨、系統的リンパ節郭清、術後補助化学療法、N2陽性やR1-R2での化学放射線療法の併用)を潰さずに書いた。あわせてPDQ側の否定材料(根拠が症例集積と人口ベース研究にとどまること、化学放射線療法に肺切除を上乗せした無作為化試験328例で全生存期間の上乗せが示されなかったこと)も併記し、病期表記と術式がPDQには書かれていないことを本文に明記した。⚠️ なお「肺葉切除」という術式はどちらの出典の推奨文にも無く、ガイドラインが書くのは肺葉未満の切除を推奨しないところまでである。(出典:ESMO 2021 小細胞肺癌・NCI 小細胞肺癌治療PDQ)
    • トピックMalignancies of the Lungs小細胞肺癌の手術に関する記述が脚注を1つも持たず、このノートは根拠となる2文書をいずれも登録していなかった。同型の無出典記述が他に2箇所(組織型の表、まとめ)あったので同時に直し、欧州腫瘍内科学会の推奨を格付けつきで、米国PDQの否定材料を⚠️として、それぞれ出典を新設したうえで書いた。(出典:ESMO 2021 小細胞肺癌・NCI 小細胞肺癌治療PDQ)
    • トピックCarcinoma microcellulare pulmonis治療方針の表で「ごく早期・リンパ節転移陰性では厳密な縦隔病期診断後に手術を検討し術後全身療法を行う」を米国PDQの脚注で受けていたが、同文書はこの内容を書いていない。欧州腫瘍内科学会のガイドラインへ帰属し直して推奨の格付けを入れ、表の直後にPDQ側の否定材料(役割が証明されていないこと、無作為化試験で上乗せが示されなかったこと、PDQが挙げる対象が原発肺または原発肺と同側肺門リンパ節に限局した小腫瘍の少数例までであること)を⚠️で併記した。(出典:ESMO 2021 小細胞肺癌・NCI 小細胞肺癌治療PDQ)
    • 疾患α1アンチトリプシン欠乏症検査手順を「疑いが強ければ血清AAT濃度とSERPINA1シーケンスを同時に行う」と書いていたが、ガイドラインはシーケンスを最初の検査として提案しており、血清濃度から始めるのは疑いが中等度の場合である。2経路に分けて書き直し、検査対象が条件付き推奨であることも明示した。家族検査についても「ヘテロ接合体かホモ接合体かを問わず」第一度近親者に遺伝カウンセリングと検査を提案するという射程が落ちていたので補い、補充療法の条件から原文に無い「画像上」という限定を外した。(出典:CTS 2025 α1アンチトリプシン欠乏症)
    • 疾患結核4か月レジメン(リファペンチン・モキシフロキサシンを含む)の表が「病変部位、感受性、妊娠、薬物相互作用などの適格性を確認する」で止まり、安全性に直結する除外規定が書かれていなかった。暫定指針の原文を取得して、適格条件・投与形(強化期8週と維持期9週で計119回、週7回のうち5回以上を直接服薬確認下)・推奨しない6群を補った。とくにQTに関する条件は「QT延長症候群の既往、またはモキシフロキサシン以外にQT延長をきたす薬剤を1剤以上併用している場合」であり、括弧の限定が落ちるとモキシフロキサシンを含むレジメンだから常に該当すると読めてしまう。HIV感染者の条件も「エファビレンツを使用中または開始予定」であり、受けている場合に狭めるとこれから開始する例が落ちる。除外とは別に臨床相談を要する群(耐性リスク、肝・腎の閾値、低カリウム血症、胸膜・リンパ節結核など)が指針に独立して置かれているので、これも節として分けた。(出典:CDC 2022 4か月レジメン暫定指針)
    • 疾患胸水胸腔穿刺の排液量を「1回1.5 L程度を目安」と書いていたが、ガイドラインの逐語は原則として1.5 Lを上限とするもので、上限を中心値に読み替えると一般病棟でそれ以上を常用してよいと読める。原文どおりに直し、より多量は専門チームの監視下という条件節も戻した。あわせて指摘外の誤りが2つ見つかった——中止の目安が「胸痛・持続する咳・呼吸困難・低血圧」となっていたが原文の4項目は胸部圧迫感・胸痛・持続する咳・呼吸困難の増悪であり、胸部圧迫感が落ちて原文に無い低血圧が紛れ込んでいた(症候性低血圧は同文書の合併症一覧に別途0.6%として載るので、所在を分けて併記した)。胸水LDH 900 IU/L超と他の支持所見も横並びにしていたが、原文はLDHの測定が主節で他は「とくに〜があれば」の補強である。胸膜感染のpHも3段(7.2以下・7.2超7.4未満・7.4以上、いずれも強い推奨)に組み直し、7.4以上が欠けて区間が閉じていなかった点を直した。(出典:BTS 2023 胸膜疾患・BTS 2023 胸腔手技)
    • トピックTuberculosis4か月レジメンの除外規定のうち2か所が原文より狭かった。HIV感染者の条件を「エファビレンツを基盤とする抗レトロウイルス療法を受けている場合に限る」と書いていたが原文は「使用中または開始予定」で、これから開始する例が落ちる。QTの条件も「QT延長の既往」ではなく「QT延長症候群の既往、またはモキシフロキサシン以外にQT延長をきたす薬剤を1剤以上併用している場合」である。原文を取り直して両方を直し、CD4の単位もコーパス多数派と原文に合わせた。(出典:CDC 2022 4か月レジメン暫定指針)
    • トピックBronchitis and bronchiectasis高増悪リスクの定義を欧州呼吸器学会の指針本体に帰属していたが、同指針の本体は取得できておらず、確認できたのは構造化抄録だけで、そこに高増悪リスクの定義は含まれていない。定義を実際に持っている臨床サマリー側へ帰属し直し、出典の claim も「抄録で確認した範囲」と「本体を取得できていないこと」を明記する形へ書き換えた。(出典:ERS 2025 成人気管支拡張症ガイドラインの臨床サマリー)
  5. 2026 09.21

    外科学トピック37本の手動監査(1/5)。総論8本で、出典より弱い推奨へ潰されていた規定、向きが逆だった分類、そして過去の実行が「根拠が見当たらない」を理由に削除していた授業内容を、一次資料に当たって直した。

    • トピックWounds and their classification. Wound healing熱傷の深度表が3度までで止まり、最深の4度が無かったため、筋・腱・骨に達する4度を補い、深度の鑑別が実際には手術の要否と圧迫による退色で決まること、痛みが強いことは重症の指標ではないことを明記した。閉鎖創の表にあった「脳挫傷」は授業原文の誤訳で、原文は小血管・筋・皮下組織の打撲傷を指しているので直した。ケロイドの治療では一次治療かどうかの区別が潰れていたので戻し、凍結療法は原著がさらに大規模な比較試験を要するとした群にしか現れないため一次治療から外した。(出典:Jeschke 2020・Walsh 2023)
    • トピックWound infections. Symptoms and treatment全体像の段落に付いていた脚注が段落全体を覆い、その出典が触れていない治療方針まで裏づけているように見えていた。根拠の観察研究は整形外科外傷400例で創洗浄・デブリードマン・全身抗菌薬に一言も触れていないため、脚注を実際に支える一文へ移した。手術部位感染の監視期間は2008年当時の「インプラント例はより長期」という記述のままだったので、現行のCDC/NHSNの30日または90日へ改め、90日が適用される13区分を表にした。旧来の1年という枠は消さず年代で書き分けている。(出典:CDC/NHSN 手術部位感染イベント定義・Onyekwelu 2017)
    • トピックSurgical infections. The role of antibiotics in surgery予防抗菌薬の中止規定を「遅くとも24時間以内に終了する」と書いていたが、根拠の指針の逐語は「原則として手術手技の終了後に中止する」「手術手技の後の予防投与を支持する根拠は無い」で、出典より弱い推奨へ潰していた。WHO・米国CDC・SHEAも同じ向き(CDCはドレーンが入っていても、と明記)なので原文の強さに戻し、延長が急性腎障害とClostridioides difficile感染を増やすこと、24時間を超える予防投与の実施率が西欧29.5%・アフリカ92.5%と大きく開くことを補った。適応からは落としてはいけない例外(人工物を留置する清潔手術、免疫不全患者)が消えていたので復元し、表の代表例そのものが例外に当たること(鼠径ヘルニアは高リスク環境でのみ、合併症のない待機的腹腔鏡下胆嚢摘出術は現行エビデンスがルーチン投与を推奨しない)を注記した。授業の図にしかない病原体の生存戦略は4分岐のうち細胞内生存が丸ごと落ちていたので、4戦略と代表菌を表にした。(出典:Sartelli 2024)
    • トピックIndications and types of operations緊急度の4区分がどの分類かを断っていなかったのでNCEPODと明示し、許容時間を原文どおり(即時=分単位、緊急=時間単位、準緊急=日単位、待機=患者と施設の都合)に書き直した。「どんな手術も6つの段階を踏む」という記述は開放手術に限った話で、腹腔鏡・内視鏡・経皮的手技は同じ順序を踏まないため限定を付けた。このトピックだけ前提トピックが空欄だったので埋めた。
    • トピックThe preoperative management of surgical patientsASA分類の向きが逆だった。ASA IIIを「重度の全身疾患だが機能は保たれている」としていたが、現行定義でIIIの例の筆頭は実質的な機能制限であり、機能制限が無いのはASA IIの側である。ローマ数字に統一し、E修飾子、合併症のない妊娠がASA II に当たること、最終的な割り当ては麻酔担当日に麻酔科医が行うことを補った。術前検査も「適応が確定したら全例にルーチンで」と書いていたが、NICE NG45は胸部X線も安静時心エコーも尿試験紙も非糖尿病者のHbA1cもルーチンには行わないとしているので、手術侵襲3段階とASA区分の対応表に組み直した(全区分でYesになるのは中等度以上の手術の全血球計算だけで、止血能検査はどの枠でもYesにならない)。術前の衛生的準備を「剃毛」と書いていた点は、剃刀が除毛しない場合と比べて手術部位感染をおそらく増やすという系統的レビューの結果に従い、必要なときのみクリッパーで、へ改めた。絶飲食の透明飲料は2時間前へ直し、落ちていた乳児用調製乳6時間の行を戻した。(出典:ASA 全身状態分類 2025・NICE NG45・Tanner & Melen 2021)
    • トピックThe postoperative treatment and complicationsClavien-Dindo分類のIIIaとIIIbが原著と逆向きだった。原著の表は「IIIa=全身麻酔下ではない介入」「IIIb=全身麻酔下の介入」で、区域麻酔は原著ではIIIa側に入る。旧記述のままだと区域麻酔で行った再手術を一段重く報告することになる。ただし授業の表と学習カードはいずれも硬膜外麻酔をIIIbに含める転載版なので、削除せず原著版を本表に置き、転載版との差を注記した。術後発熱の注意書きに付いていた脚注も、その論文が術後24時間以内の発熱も発熱時の精査も扱っていないため、実際にそれを調べた前向き研究へ差し替えた(待機手術後72時間以内に38.0℃を超えたのは1032手術中245例で、精査を受けた100例のうち感染源が同定できたのは18例、うち9例は身体診察と臨床像だけで診断がついている)。授業の表にしかない周術期抗血栓薬の数値と、腎代替療法の適応の数値も復元した。(出典:Dindo 2004・Lesperance 2011)
    • トピックSurgical oncology I. Basic principles of the diagnosis授業の腫瘍とホルモンの対応表は7行あるのに4行へ縮み、授業に無い行へ差し替えられていた。病期分類のStage I〜IVの定義も「癌種ごとに異なる」の一行に潰れていた。いずれも過去の実行が「今回の文献群では支持する根拠が見当たらない」という指摘をそのまま適用した結果で、根拠の不在を根拠にした削除にあたる。授業の7行を復元したうえで、右側に現在の読み方の列を付けて古い腫瘍名と誤りを是正する形にした。悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症は副甲状腺ホルモン関連蛋白を介するものが主で、真の異所性副甲状腺ホルモン産生は原文が極めてまれと書いている点も直した。病期を重症度の一本道と読ませないための注意、臨床・病理・術前治療後の病期の区別の表、リンパ節転移が無くても原発巣の因子だけでIII期に入る癌種があること(唾液腺癌)も補った。(出典:Motlaghzadeh 2025・UICC TNM 第9版の解説 2026)
    • トピックSurgical oncology II. Basic principles of the treatment外科的根治の中心概念である「断端陰性」の定義が無く、どの資料の定義かも断っていなかった。R0・R1・R2の表を新設し、膵癌では英国王立病理医協会・国際膵臓外科研究グループ・AJCC第8版が採る1 mmルールと、北米・日本が採る0 mmルールが併存したまま決着しておらず、これが陰性断端率の報告が20%未満から80%超まで割れる一因であることを補った。センチネルリンパ節生検の推奨からは対象集団(閉経後かつ50歳以上、術前腋窩超音波陰性、グレード1〜2、2 cm以下、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性、乳房温存療法)が丸ごと落ちていたので戻した。no-touch手技の脚注は原著の結論が「優越性は確認されなかった」であるのに「改善せず」と原文より強く書かれていたので原文の表現に直した。(出典:Yun 2025)
  6. 2026 09.21

    外科学トピック37本の手動監査(2/5)。急性腹症4本と内分泌外科4本で、脚注が支えていない適応、左右が逆だった診察の目印、名前だけで数値の無かった手術基準を直した。

    • トピックIleus. Diagnosis and treatmentまとめが本文と正面から矛盾していた。まとめは「手術歴のない腹部は手術適応」とする一方、本文は「手術歴だけで手術適応を決めない」と書いており、このノート自身が持つ出典は前者と逆を述べている(開腹手術歴のない小腸閉塞でも全例に手術的検索を行う必要は免れうる、と逐語で書いている)。手術適応から外したうえで、約半数は癒着が原因であること、悪性腫瘍が4〜13%を占めるため画像による腫瘍検索は欠かせないことを書き分けた。保存的治療の禁忌が無かったので補い、「72時間」の推奨は指針自身が最適な期間の根拠は無いと明言しているため強さを戻した。単純X線の位置づけは指針が推奨しない側で感度約70%と評価しているのに逆に書かれていたので直した(造影24時間後のX線は別で、こちらは推奨されている)。(出典:Bologna 指針 2018・WSES 開腹手術歴のない小腸閉塞 2021)
    • トピックPeritonitis. Diagnosis and treatment3本のうち最も内容が失われていた。授業の重症度表(画像にのみ存在し文字抽出に出ない)が丸ごと消えていたので復元し、古典的分類であって現在の治療成績を表す数値ではないことを枠づけたうえで、4,533例の国際研究の全体死亡率9.2%を並置した。外科的管理の3本柱のうち3番目の中身(腹腔洗浄・ドレーン・計画的再手術・開放創管理)も消えていたので戻した。損傷制御手術が1文字も無く、開放腹の危険(一次閉鎖できる腹をあえて開けたままにすると体液・電解質喪失と腸管皮膚瘻を招き、開けたままの日が1日増えるごとに危険が増す。7日以内の確定的閉腹が目標)も書かれていなかったので節を新設した。三次性腹膜炎も欠落していたので、かつては独立した病態とされたが現在は二次性腹膜炎の進展・合併症として扱われるという現行の位置づけで補った。一次性腹膜炎の発生集団は「肝硬変と腹水にほぼ限定」と狭すぎ、原文が挙げる乳幼児期が落ちていた。計画的再手術と必要時再手術の比較は、原著が「必要時のほうが有害事象が有意に少ないわけではない」と述べており差が出たのは集中治療室滞在・在院日数・費用という資源側であることを明示した。(出典:WSES 腹腔内感染症 2021・van Ruler 2007)
    • トピックAppendicitis acuta. Diagnosis and treatment抗菌薬の開始時期が脚注の射程を超えていた。「急性虫垂炎が疑われる患者では外科コンサルトと並行して抗菌薬を開始する」と書かれていたが、根拠の推奨は虫垂切除術を受ける患者への切開前0〜60分の単回投与を述べたもので、疑った全例にただちに投与する話ではない。推奨どおりに書き直した。Lanz点の位置も左右が逆で、棘間線を右2/3・左1/3に分ける点としていたが、原著を引く総説の逐語は棘間線の最初の3分の1の右端、すなわち右から3分の1の点である。授業資料の原文自体が「右と左の3分の2の接合部」という自己矛盾した表現になっているため原著まで遡って確認し、同じ授業資料の図もその位置に打たれていることを確かめた。好発年齢も原文の early teens を「10代後半」と訳していたので10代前半へ直した。AIRスコアとAASスコアは名前だけで配点が一つも無かったので表を新設し、低リスクのカットオフが提唱当初の4点以下から3点以下へ置き換わっていることを注記した。虫垂腫瘤の記述からは40歳未満という限定が落ちて全年齢の話になっていたので戻した。(出典:WSES 急性虫垂炎 2020・Selvaggi 2025)
    • トピックRole of laparoscopy in abdominal surgery気腹圧の記述が脚注の射程を超えていた。「循環への影響を避けるため腹腔内圧は12 mmHgを超えないようにし、心肺予備能の低い患者では10〜12 mmHgとする」という二段構えの規則は、どちらの脚注にも存在しない。根拠の総説にあるのは「適切な輸液を伴う低圧気腹(10〜12 mmHg)は前負荷・後負荷への影響を防ぎうる」という一文だけで、上限とも低予備能例に限るとも書いていない。むしろ同じ総説は肥満例では気腹圧が15〜20 mmHgまで上がりうると書いており、一律上限とは正面から衝突する。比較試験の「標準圧」は従来約15 mmHgで、メタ解析が引く「術野が十分に展開できる最も低い腹腔内圧を用いる」は国際的な指針からの引用であってそのメタ解析自身の推奨ではない。4つの数値をそれぞれの指示対象つきで併記する形に改めた。授業の器材スライドにある送気の運用域10〜14 mmHgと、妊婦での呼気終末二酸化炭素の目標25〜33 mmHgも落ちていたので補った。(出典:Srivastava & Niranjan 2010・Ortenzi 2022)
    • トピックSurgical diseases of the adrenal gland褐色細胞腫の術前管理で最も重要な禁忌が書かれていなかった。α1遮断薬より先にβ遮断薬を投与することは禁忌であり(推奨度1A)、β2遮断によって血管拡張が失われαを介した収縮だけが残るという機序、αβ遮断薬が推奨されないことを補った。授業資料の「褐色細胞腫は多発性内分泌腫瘍症2型の一部として発生することが多い」も、現行の指針は遺伝性が20〜40%で主要なドライバーとしてSDHx・VHL・RETを挙げており、MEN2はその一部にすぎないので書き直した。周術期の糖質コルチコイド補充も脚注の出典に支えられておらず、欧州の指針は1 mgデキサメタゾン抑制試験後の早朝血清コルチゾールが50 nmol/Lを超える手術患者の全例にストレス用量を求めていて、自律性コルチゾール分泌を除外していない。補充を差し控える方向は副腎クリーゼの向きなので安全側へ直した。(出典:日本内分泌学会 褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン 2025・ESE/ENSAT 副腎偶発腫 2023)
    • トピックGoiter. Symptoms, diagnosis, treatment良性結節へのTSH抑制療法に脚注が一つも無かったので該当推奨へ帰属させ、縮小は平均5〜15%で治療必要数が6〜8であることを補った。害の記載も原文に無い語へ置き換わっていた(原文は不整脈と骨粗鬆症で、心房細動・骨密度低下とは書いていない)ので原文の表現に戻した。隣の推奨(十分なヨウ素摂取、不足が疑われれば1日150 µg)も抜けていたので補った。橋本病の臨床像はまとめだけが「一過性の機能亢進から長期の機能低下へ」という必然の順序を書き、本文はそう言っていなかったので、3通りの経過として書き直した。同じ出典が持つ外科的に重要な数値(橋本病では乳頭癌のリスクが約1.6倍、甲状腺リンパ腫のリスクが約60倍)も使っていなかったので補った。(出典:ATA 甲状腺結節・分化癌 2015)
    • トピックTumors of the thyroid gland (symptoms, diagnosis, treatment)ドレーンの推奨が現行と逆向きだった。「多くの症例で使用(出血対策)」としていたが、推奨は大半の状況で推奨されない側で、在院日数を延ばし感染を増やしうる一方で血腫の発生を減らさないとされている(条件つき推奨、確実性は高い)。ベセスダ分類は版が明示されておらず、区分名が第2版までの併記形(III=意義不明な異型/意義不明な濾胞性病変、IV=濾胞性腫瘍/その疑い)のままだったので、2023年の第3版が単一名称へ整理したことを反映し、版を見出しに明記したうえでカテゴリー別の悪性リスクと通常の対応を表にした。リンパ節管理は予防的郭清と治療的郭清を分けず平坦化していたので、cT1-T2 cN0の大半には予防的中央区域郭清を行うべきでないという強い推奨を含む4行の表に組み直した。無出典だった高volume術者の目安も推奨の数値(年間25〜50件超)へ帰属させ、一言も無かった積極的経過観察の推奨を補った。(出典:ATA 甲状腺結節・分化癌 2015・ATA 分化型甲状腺癌 2025)
    • トピックSurgical aspects of the parathyroid gland無症候性原発性副甲状腺機能亢進症の手術基準が名前だけで数値が一つも無かった。第5回国際ワークショップの4区分を数値ごと表にし(血清カルシウムが基準上限より1 mg/dL超高い/椎体骨折またはTスコア−2.5以下/eGFR 60未満または高カルシウム尿症が女性250・男性300 mg超毎日/50歳未満)、いずれか1つを満たせば適応という判定規則も明記した。落ちやすい但し書き2つ(閉経前女性と50歳未満男性ではTスコアではなくZスコアを使う、片腎ではeGFRが60を超えていても考慮しうる)と、単独では手術理由にならないもの(神経認知機能の低下、QOLの低下、心血管症状)も補った。骨病変は授業資料が骨軟化症と書いているが、総説の古典的骨症状の表は骨痛・線維性骨炎・褐色腫・骨粗鬆症・骨折・偽痛風で、骨軟化症は同総説の全文に現れないため是正した。
  7. 2026 09.21

    外科学トピック37本の手動監査(3/5)。上部消化管・肝胆道8本で、脚注が支えていない記述を出典ごとに突き合わせて解消し、授業の画像表にしか無い内容の取りこぼしと、推奨の強さの平坦化を直した。

    • トピックHiatal hernia – GERD食道裂孔ヘルニアIV型の定義が誤っていた。「逆位胃、胃のほぼ全体が胸腔内に脱出」としていたが、分類の逐語はヘルニア嚢に胃以外の構造(大網・結腸・小腸など)が存在することでIV型を定義しており、脱出した胃の量ではない。表を書き直し、胃の大半が反転した状態は臨床では巨大傍食道ヘルニアと呼ばれる別概念であることを区別した。分類がどの資料のものかも書いていなかったので帰属させ、I型が全体の95%超を占めること、傍食道ヘルニアの90%超がIII型であることを分母を明記して補った。無症候ないし軽症の傍食道ヘルニアについては、指針が「保存的管理より手術を提案する(条件つき推奨)」と「虚弱な患者では手術より保存的管理を推奨する(強い推奨、この文書で唯一の強い推奨)」の両方を述べているのに「個別に判断する」の一言へ潰れていたので、向きと強さを戻した。抗逆流手術・内視鏡治療の前に高解像度食道内圧検査でアカラシアと食道体部の収縮消失を除外するという要求も落ちていたので補った。機序と Helicobacter pylori についての2つの段落に付いていた脚注は、その出典の全文に該当語が一つも無いため外した。(出典:SAGES 食道裂孔ヘルニア 2013・EAES 2023・ACG 胃食道逆流症 2022)
    • トピックDiverticuli of the esophagus, achalasiaアカラシアの治療選択の一般原則とボツリヌス毒素の適応が、内視鏡学会の指針の推奨として書かれていたが、これは同指針が表題つきで転載した別学会の推奨であって指針自身の推奨ではない。転載元の全文に当たって推奨と強さを付け替えた。そのうえで、この指針自身の推奨(段階的空気圧拡張を30 mmから2〜4週の計画的間隔で35 mm、効果不十分なら40 mmへ/ボツリヌス毒素は保存剤を含まない生理食塩水で希釈した100単位を4象限へ)が本文に入っていなかったので補い、III型ではPOEMが好まれうるがそれを裏づける無作為化試験は無いこと、III型へのボツリヌス毒素は全治療中で最も成績が悪いことを明示した。3つの治療が同等とされるのは全体としての有効性であって亜型ごとではない点も書き分けた。シカゴ分類は「I〜III型に分類する」だけで中身が無かったので、共通条件と各型の区別、判定保留という区分と追加検査を補った。Zenker憩室の総説に付いていた脚注は、その総説が内視鏡治療だけを扱い食道内圧検査にも横隔膜上憩室にも触れていないため射程を絞り、実際に支える内容(Killian三角の解剖と嚥下障害の頻度)へ付け直した。(出典:UEG/ESNM アカラシア 2020・ESGE 2020)
    • トピックInjuries of the esophagusMallory-Weiss症候群を別病態として区別する記述4箇所が、ある指針の脚注で受けられていたが、その指針の全文にMalloryもWeissも一度も現れない。同じ脚注が「抗真菌薬をルーチンには含めない」も支えていたが、全文に抗真菌薬の語は無く、原文はむしろ最適な抗菌薬レジメンについて合意が無いと述べており、不在から否定命題を作っていた。いずれも解消した。治療選択の適応が1行も無かったので、非手術的管理の基準と内視鏡治療の推奨を強さごとに追加し、基準を満たさない患者は全例が手術の対象という推奨も補った。Mackler三徴は完全に揃って現れることはまれで訴えが曖昧なまま診断が遅れやすいという但し書きが無く、コーパスの他の4ファイルは既に持っていてこのトピックだけが浮いていたので補った。医原性穿孔の割合は出典ごとに書き分け、合成値を作らないようにした。授業の解剖図にしかない切歯列からの距離も表にした。(出典:WSES 食道緊急症 2019・Sdralis 2017)
    • トピックEsophageal tumors (symptoms, diagnosis, treatment)授業の画像表にある一文の指示対象が反転していた。本文は「切除縁に残存腫瘍細胞を伴う例が20〜45%にとどまる」と読めたが、画像内の逐語は「根治切除が可能なのは20〜45%にすぎず、切除縁に残存腫瘍細胞を認めることが多い」で、20〜45%は根治切除が可能な症例の割合である。文字抽出には現れず、ページを画像化して初めて読める箇所だった。病期分類の版が1文字も書かれていなかったのでAJCC第8版と明示し、腺癌と扁平上皮癌で病期群が別であること、臨床・病理・術前治療後で別表であることを整理した。T4aの定義からは奇静脈と腹膜の2要素が欠けていたので補った。経裂孔的食道切除術と経胸的食道切除術のリンパ節郭清の差は、過去の実行が「提示文献に直接の支持が無い」という指摘に従って削除していたが、無作為化試験に実在する学習点なので復元した(全体の5年生存に有意差は無いが、転移リンパ節が1〜8個の層では経胸的のほうが5年局所領域無病生存が良い)。5年生存率の数値も前回の是正で落ちていたので戻した。(出典:Rice 2017・Hulscher & van Lanschot 2007)
    • トピックSurgical aspects of peptic ulcer diseaseForrest分類と内視鏡的止血の適応が丸ごと無かったので、推奨の強さつきの表を追加した。あわせて、活動性出血のほうが再出血しやすいと覚えると逆になる点(Forrest 1bはForrest 2a・2bより再出血リスクが低い)を明示した。穿孔性潰瘍の治療では「巨大穿孔や胃潰瘍では切除・再建を検討する」と書かれていたが、原文は2 cmを超える穿孔性潰瘍についての記述で、2 cmという閾値が落ちて胃潰瘍全般に切除を広げる読み方になっていた。大網被覆も「単純閉鎖または大網被覆を基本とし」と並列に書かれ区別が消えていたが、原文はルーチンの適用を提案できないと述べているので書き分けた。大きな胃潰瘍の穿孔では悪性を疑うこと(胃穿孔全体の10〜16%は胃癌が原因)、腹膜炎の所見を認めるのは穿孔例の3分の2だけであることも補った。(出典:WSES 消化性潰瘍穿孔・出血 2020)
    • トピックTumors of the stomach (symptoms, diagnosis, treatment)胃全摘の適応を「噴門部の低分化型腫瘍」と書いていたが、授業の該当表は画像で、高解像度で描き直した逐語は胃角部である。胃角部が全摘側に入る理由(口側断端が取れない)と、部位そのものよりも断端で決まることを補った。内視鏡的切除の適応は、授業の具体基準を消して「リンパ節転移リスクが低い早期胃癌では内視鏡的粘膜下層剥離術を考慮」とだけ書かれていたので、日本の規約の絶対適応を逐語で復元したうえで、米国の基準が「西欧の集団でこの厳格な基準を満たす腫瘍はわずかである」と述べていることを並置した。周術期治療は地域を書かずに断定していたが、日本の規約自身が「他国では標準とされるが日本の日常診療への導入について合意は無い」と書いているので書き分けた。N区分がN3a・N3bへ細分されていること、D1郭清を選ぶ条件(T1N0または重大な併存疾患)が落ちて閉じた列挙になっていたこと、超音波内視鏡は結果が方針を変えうる場合にのみ行うという条件節も戻した。審査腹腔鏡は術前化学療法の開始前に行うべき点(化学療法は陽性の細胞診を陰性に変えうる)も補った。(出典:日本胃癌学会 胃癌治療ガイドライン 2025)
    • トピックGallstone disease (symptoms, diagnosis, treatment, complications)超音波所見の「sonographic Murphy徴候」と「胆泥」が急性胆嚢炎診断の指針の脚注で受けられていたが、その指針の誌上版全文16頁に両語とも現れない。出典が実際に述べる内容(超音波が形態診断の第一選択であること、メタ解析の感度81%・特異度83%、胆嚢腫大・壁肥厚・周囲液体貯留・デブリ・結石嵌頓)へ書き換えた。指針の診断基準と重症度分類が名前すら無かったので、胆嚢炎と胆管炎について閾値つきの基準と重症度を表で追加し、2018年版が2013年版の基準を無修正で採用していることも明記した。手術のタイミングは原文が「発症からどれだけ時間が経ったかによらず早期手術を提案する」と述べており、よく言われる発症72時間以内は手術の期限ではなく重症度Grade IIの判定項目であることを明示した。Charcot三徴とMurphy徴候の感度も補った(三徴は特異度が高い一方で感度が低く、診断基準としては適用できないと評価されている)。手術手順では critical view of safety の位置が誤っていたので直した。(出典:Tokyo Guidelines 2018・ESGE 総胆管結石 2019)
    • トピックTumors of the biliary tract (bile duct and gallbladder)偶発胆嚢癌という概念そのものが無かったので節を新設し、pT1aでは追加切除が不要で5年生存がほぼ100%である一方、pT1b以上には追加切除を提示すべきであること、ポート部のルーチン切除は不要(最大8%に瘢痕ヘルニアを生じる)であること、偶発胆嚢癌の80%超がpT2/pT3であることを補った。T1bの扱いも「根治的胆嚢摘出術を検討する」と弱く書かれていたが、原著は必要とする側、指針も提示すべきとする側なので強さを合わせた。「免疫化学療法が標準」も1本の試験だけで受けており、その原著自身の結論は「新たな治療選択肢となりうる」である。学会の推奨とグレードへ付け替え、皆無だった術後補助療法(カペシタビン)も補った。病期分類の版が未明示だったのでAJCC第8版と明記し、第8版の変更点であるT2a(腹膜側)とT2b(肝臓側)の区別を追加した。経腹壁超音波と Bismuth-Corlette 分類に付いていた脚注は、その総説に超音波の語が無く、分類の各型の定義も本文ではなく図の画像内にしかなく、さらに総説が肝門部型のみを扱うため、射程を絞った。CA19-9が高ビリルビン血症で偽高値になること、MRCPはドレナージ・ステント留置の前に行うこと、Bismuth-Corlette分類もAJCCも切除可能性を予測しないことも補った。(出典:IHPBA-APHPBA 胆嚢癌 2024・ESMO 胆道癌 2023)
  8. 2026 09.21

    外科学トピック37本の手動監査(4/5)。肝胆膵・下部消化管9本で、出典の結論と正反対に書かれていた予後の記述、6項目から2項目へ縮んでいた介入適応、全消えしていた推奨度を、一次資料に当たって戻した。

    • トピックBenign liver tumors (symptoms, diagnosis, treatment)肝血管腫について「生検は推奨されない(出血リスク)」と断定していたが、指針の逐語は、被膜と病変縁のあいだに正常肝実質が介在していれば穿刺生検は禁忌ではなく、全体の正診率は96%である。典型例では不要という記述は残したうえで、禁忌ではないことと正診率を併記した。肝細胞腺腫の治療方針も指針の記述と違っていたので書き直した(全例で経口避妊薬の中止と減量が強い推奨、男性とβカテニン変異が証明された例は大きさによらず切除、女性は生活習慣の変更後6か月観察して5 cmが持続するか径が20%以上増大すれば分子・組織亜型によらず切除、出血で血行動態が不安定なら第一段階は塞栓術)。5 cmという閾値については、同じ指針の中で推奨欄が「5 cm以上」、本文と管理アルゴリズムの図が「5 cm超」と割れており、公式のスペイン語版とフランス語版の2版で同じ割れが確認できたため、片方へ寄せず割れ自体を書いた。限局性結節性過形成についても、指針は治療を推奨しないとしているので直した。単包性包虫症の治療は、WHOの2010年専門家合意から2025年のガイドラインへ出典を更新した。(出典:EASL 良性肝腫瘍 2016・WHO 単包性包虫症 2025)
    • トピックPrimary and secondary liver tumors (symptoms, diagnosis, treatment)「食道癌・胃癌・肺癌・頭頸部癌からの肝転移は切除しても予後改善につながらない」と書いていたが、41施設1,452例の実測では全体の5年生存が36%、R0切除率83%、60日死亡2.3%で、転帰は主に原発巣の部位と組織型で決まる。授業が非推奨として挙げる群は成績の悪い群であって、効果が無いという話ではないので書き分けた。切除可能性の判断が残肝容量・残肝機能・血流・胆汁ドレナージで決まるという記述に付いていた脚注も、その原著が切除不能を大きさ・部位の不良・多発・肝外病変の4区分で論じており残肝容量にも血流にも触れていないため、支える出典へ付け替えた。どの病期分類を使っているかを言っていなかったのでBCLC 2022年改訂版と明示し、病期は最初に提示される選択肢であって固定的な割り当てではないという原著の但し書きも添えた。切除の適応にあたる肝予備能の評価と、移植の適応基準が丸ごと欠けていたので補い、Milan基準は原著の形で書いた(ある指針はこれに下限1 cmを足した形で書き換えている)。サーベイランスの脚注も、その論文の抄録に記載が無いため、半年ごとの超音波とAFPを推奨する側の指針へ付け替えた。(出典:Adam 2006・AASLD 肝細胞癌 2023)
    • トピックSurgical aspects of acute pancreatitis (symptoms, diagnosis, treatment)壊死性膵炎への介入適応が6項目中4項目落ち、時期の3段構造が消えていた。指針の推奨は「感染性壊死の徴候または強い疑いを伴う臨床的悪化」「発症4週以降の、持続する臓器障害/被包化壊死による胃流出路・胆道・腸管の閉塞/膵管離断症候群/症候性または増大する仮性嚢胞」「発症8週以降の持続する疼痛・不快感」という3段構えで、閉塞・膵管離断・増大する仮性嚢胞・8週以降の疼痛が欠けていた。時期別の表に組み直した。介入を4週以降に遅らせるほうが死亡が少ないという独立の推奨と、その強さも落ちていたので補った。輸液は推奨の強さも具体的な速度も無かったので、いずれも条件つき推奨・エビデンスの質は低いという格付けとともに、循環血液量減少が無ければ初期輸液は毎時1.5 mL/kgを超えないこと、減少があれば10 mL/kgのボーラス、重症化後や24時間以降の積極的輸液はかえって有害でありうることを補った。膵膿瘍の用語が2012年の改訂分類で廃止されたという記述に付いていた「膵蜂窩織炎・膵内仮性嚢胞なども同時に廃止」という括弧書きは、原著の全文に該当語が無く、むしろ仮性嚢胞は部分的あるいは完全に膵内に生じうると書かれているため是正した。授業の図にしかない4つの病変(間質の炎症と浮腫・蛋白分解・脂肪壊死・出血)が図では並列なのに3つへ潰れ、プロテアーゼが間質炎症に誤って帰属していたので戻した。(出典:WSES 重症急性膵炎 2019・ACG 急性膵炎 2024)
    • トピックSurgical aspects of chronic pancreatitis (symptoms, diagnosis, treatment)ケンブリッジ分類の腺腫大の閾値が逆向きだった。判定保留の欄が「腺の腫大が正常の2倍未満」となっていたが、原基準の転記は「腺腫大(正常の2倍まで)」であり、正常の2倍を超える著明な腺腫大は重度の所見で、ノートの重度欄からはその項目が丸ごと欠落していた。両方を直し、転記が資料間で割れること(逆向きに書く表もあること)も明示した。血液検査の節からは、進行例で血清アミラーゼ・リパーゼが正常から低値になり除外に使えないという要点が落ちていたので戻した(急性膵炎の基準上限3倍という基準との最大の違いにあたる)。中鎖脂肪酸について「近年の指針は…のいずれかの立場を取っており」という無出典の一般化があったが、2025年の欧州の指針は経腸栄養剤の文脈でしか挙げておらず経口補充は推奨していないので、確認できる記述へ置き換えた。全膵摘出術を避ける理由も「重度の外分泌・内分泌機能不全」だけで、それだけの代償を払っても疼痛が十分に取れるとは限らないという半分が落ちていたので補った。側方膵管空腸吻合術の適応からは、狭窄と拡張が交互に並ぶ膵管所見(鎖状の湖)が落ちていたので戻した。(出典:HaPanEU 慢性膵炎 2017・欧州 膵外分泌機能不全 2025)
    • トピックTumors of the pancreas – radical and palliative surgery全体像の段落に付いていた脚注を実際に開いて数えたところ、4つの問題が同時に出た。本文の「膵頭部に60%が集中する」に付いた脚注の総説は約70%と書いており、60%は授業の表の値でこの脚注は支えていない。切除可能性の分類は定義が1文字も書かれていなかった(腫瘍と血管の接触が180度以下なら abutment、180度を超えれば encasement)。その総説自身が「切除可能性の分類は複数ある」と断っているのにどの資料の分類かを書いていなかった。術前補助療法の位置づけも、同じ文書の中で抄録と本文で射程が違うのに「境界切除可能のみ」へ平坦化されていた。いずれも直した。診断時の病期別の割合と5年生存率が全部空欄だったので補ったが、境界切除可能の割合だけは4区分を足すと100%を大きく超え同じ論文の抄録と噛み合わないため書いていない。「膵頭部は膵管圧迫のため最も成績が悪い」という記述は同じノートの別の箇所と正面から矛盾しており、出典にその説明は無く、あるのは膵頭十二指腸切除術そのものの合併症率なので、術式の周術期リスクと部位ごとの予後を書き分けた。膵体尾部切除の適応からは膵頸部・体部が落ちて尾部だけになっていたので戻した。術後補助化学療法の効果量と、Grade 3以上の有害事象が75.9%対52.9%であるという原著の但し書きも補った。授業の画像表にある術式一覧はノートに1行も入っていなかったので反映したが、その表が Traverso-Longmire 法(幽門輪温存膵頭十二指腸切除術)を膵体尾部の術式として見出しに掲げているのは誤りなので、そのまま写さず注意を立てた。(出典:Park 2021・Conroy 2018・Perinel & Adham 2019)
    • トピックSurgical aspects of colorectal polyps, polyposis syndromes, diverticulosis急性憩室炎の治療が丸ごと無く、抗菌薬に一言も言及が無かった。指針の逐語は、免疫が正常で非複雑性かつ全身性炎症の徴候が無い患者には抗菌薬を処方しないことを推奨する(1A)というもので、3つの条件と推奨の強さを明記して補った。Hinchey分類も出所が不明だったので帰属させ、同じ指針がどの分類法も転帰予測で優れていると証明されておらず特定の分類を推奨できないと書いていることも添えた。ポリープの茎の有無と悪性化リスクについては、注意書きの2行下で別の箇所が否定したはずの読み方を肯定しており、全体像の記述も古いままだったので3箇所を揃えた。家族性大腸腺腫症の予防的手術の時期と適応が空白だったので、学会間で合意が無いことを明示したうえで4団体の線引きを表にした。Peutz-Jeghers症候群の癌リスクは3臓器に切り詰められていた(膵が落ちており、同じコーパスの3ノートが膵を筆頭に挙げるのと割れていた)ので11臓器と累積リスクを復元した。若年性ポリポーシスの診断基準も消えていたので戻した。腺腫の癌化率については、原文の直後にある「ただし大きさと組織型を危険因子として同定できなかった研究もある」という但し書きまで運び、管状腺腫と絨毛腺腫の割合は分母が違うことも明記した。(出典:WSES 急性結腸憩室炎 2020・Shinya & Wolff 1979)
    • トピックTumors of the large bowel (symptoms, diagnosis, treatment)原発巣の左右による予後差について、全体像・表・補足の3箇所が「病期や解析法によって一定しない」と書き、ある大規模解析の脚注で受けていたが、その解析の結論は正反対で、左側原発は死亡リスクが有意に低くそれは病期によらない、原発巣の側は全病期で予後判定の基準として認識されるべきである、というものだった。同じ出典を共有する他の3ファイルは正しく引いており、このトピックだけが浮いていた。消さずに、この解析の結論をそのまま書いたうえで、逆向きの結果を報告する別の大規模解析(傾向スコアマッチングでは右側のほうが良好で、病期IIIでは差が消える)を出典ごと追加して書き分けた。病期分類の表からはT4が丸ごと抜け、Mの細分も無かったので補った。検診の開始年齢が1つも書かれていなかったので、国と発行元を明示して推奨のグレードごとに追加した。リンパ節郭清と切除断端の距離も無かったので、規約の数値(結腸は腫瘍縁10 cm、直腸は部位により3 cmまたは2 cm以上)と、pT4・pN2・M1・低分化癌には当てはまらないという但し書きを補った。直腸癌の術前治療は国差を明示して整理した。(出典:Petrelli 2017・Warschkow 2016・大腸癌研究会ガイドライン 2024)
    • トピックInflammatory bowel disease - surgical aspects手術適応が潰瘍性大腸炎とCrohn病を混ぜて一般化されており、潰瘍性大腸炎に特有の異形成・大腸癌が丸ごと欠落する一方、Crohn病に特有の膿瘍・閉塞が両疾患共通のように並んでいたので、疾患別の2列の表に組み直した。重症潰瘍性大腸炎で内科治療に反応しないと判断する基準が無かったので節を新設した(3日目に排便が1日8回を超えるか、3〜8回かつCRPが45 mg/Lを超えれば入院中に大腸切除に至る確率が85%。原著が51エピソードの検討であることも明記した)。狭窄形成術は「検討する」の一語だけだったので、狭窄長による術式の使い分けと禁忌を表にした。中毒性巨大結腸症の経過と死亡率も補った。授業の画像にしかない回腸嚢の型と寸法、3期手術の具体的な流れもノートに無かったので反映した。生物学的製剤の記述は国を書かずに断定していたので書き分けた。(出典:Travis 1996・Watanabe 2024)
    • トピックHemorrhoids, anal fistula and fissure, anorectal abscess痔核の治療の推奨度が全部落ちていたので、学会ガイドラインの推奨度表を新設した(結紮切除術がA、ゴム輪結紮術と硬化療法がB、吻合器痔核固定術は長期予後不良・再発率の高さ・腟瘻・直腸穿孔の懸念からC)。度数分類がどの資料のものかも断っていなかったのでゴリガー分類と明示し、度数分類が内痔核の脱出だけを測る物差しで外痔核には適用しないことを注記した。外来処置と手術の線引きも、過去の実行が別の論点の指摘を適用した際に授業より狭い方へ書き換わっていた(授業は症状のある内痔核とIII度が外来処置、IV度が手術)ので、授業の線引きに戻したうえでガイドラインの線引きと2列で対比し、食い違うのはIII度の置き場所だけで両端は動かないことを明記した。痔瘻の分類は1軸しかなかったので、パークス分類と単純・複雑の2軸として両方掲載した。Goodsallの法則の精度に付いていた脚注は、その総説の全文に Goodsall が一度も現れないため外した。裂肛の薬物療法を第一選択と断定していた点も、いずれの薬物療法も外科的括約筋切開術に遠く及ばず初期治癒例の約半数が再発するという数値で書き直し、それでも薬から始めるのは手術にだけ便失禁のリスクがあるからだという理由を明示した。肛門直腸膿瘍の病因も「細菌の過増殖」から陰窩腺由来という枠に直した。膿瘍の頻度表は「報告により幅がある」が4行並んで情報量が無かったので、1,023例の実測と授業の概数を2列で併記し、合計が100%にならないことも明記した。出典のドイツS3ガイドラインは2012年版から2017年の第2次改訂版へ更新した。(出典:山名ら 2017・ドイツS3 肛門膿瘍・痔瘻 2017・Nelson 2012)
  9. 2026 09.21

    外科学トピック37本の手動監査(5/5)。ヘルニア2本と乳腺2本で、前後編のあいだで食い違っていた定義、版が書かれていなかった病期分類の3箇所の食い違い、そして過去の実行が指摘に従って壊していた術式の定義を直した。疾患ノート1本にも同じ誤りが残っていたので併せて是正した。

    • トピックHernia (definition, forms, types and symptoms)閉塞の定義そのものが欠落していた。授業の逐語は「閉塞=腸管ループが機能しなくなるが血流は保たれている」で、この「血流は保たれている」こそが閉塞と絞扼を分ける唯一の弁別点だが、前後編の2本からともに消えていた(疾患ノートと6年次のトピックは正しく持っており、この2本だけが浮いていた)。病態生理の図も、授業の3項目が並列であるのに前の版が矢印でつないで順序を作っており、しかも前後編で順序が逆だったので、並列として揃えた。重症度の段階数も3段と4段に割れていたので4段へ統一した。ヘルニアの分類体系が無かったので、それが弱い推奨であること、術中所見で付ける分類であること、どの分類が最良かについて合意が無いことまで含めて補った。診断も平坦な列挙だったので、明らかな鼠径ヘルニアは身体診察のみでよい、不明瞭なら診察に超音波を加え陰性なら動的MRIかCT、という推奨の強さつきの3段階表に組み直した。女性の鼠径部腫脹の鑑別に大腿ヘルニアを考慮すべきという推奨が落ちていたので補い、鼠径ヘルニアと大腿ヘルニアを確実に区別できる検査は無いことも添えた。(出典:HerniaSurge 2018・HerniaSurge 2023年改訂)
    • トピックHernia (treatment and complications)経過観察という選択肢が1文字も無く、手術一択に読めた。指針は、無症候から軽症の男性では経過観察が安全である一方、その大半は最終的に症状を生じて手術を要すること、症候性の男性に経過観察を支持する根拠は無いことを述べているので補い、経過観察を当てはめない集団(女性、大腿ヘルニア、妊婦)を理由つきで表にした。大腿ヘルニアの治療は組織縫合の2術式だけだったが、指針はメッシュを用いること、専門技量があれば腹腔鏡下で行うこと、すべての大腿ヘルニア患者に適時の待機修復を行うことをいずれも強い推奨としている。ただし同じ文書が一次縫合修復もなお容認される術式だと書いているので、古典的術式は切り捨てず書き分けた。開腹修復と腹腔鏡下修復の推奨の強さは2018年版と2023年改訂で動いているので版ごとに表で示し、同じ推奨文の後半にある「ただし Lichtenstein 法を第一選択とすべき患者背景とヘルニアの特徴がある」も落とさずに残した。「TEPは腹膜腔に入らないため術後疼痛がさらに少ない」という無出典の比較や、Bassini法が現在は推奨されないという無出典の否定命題も、出典のある肯定形へ書き直した。緊急手術の閾値も無かったので補った。(出典:HerniaSurge 2018・Aiolfi 2021)
    • トピックBenign breast lesions (symptoms, diagnosis, treatment)異型過形成が他の良性病変とまとめて「治療:経過観察」に一括りにされていた。長期コホートでは、その後の乳癌の相対リスクが非増殖性病変で1.27、異型を伴わない増殖性病変で1.88に対し、異型過形成では4.24で、この上昇は生検後25年持続する。経過観察という扱いを前2者に限定し、異型過形成には切除の適応(針生検での診断が切除標本で癌へ格上げされる割合)を補った。線維腺腫については、過去の実行が「わずかに癌化リスク上昇という表現は強すぎる」という指摘に従って「悪性化はまれ」へ書き換えていたが、元の記述が言っていたのは病変そのものの悪性化ではなくその後の乳癌発症リスクであり、別の問いへの差し替えになっていた。正しい情報が1つ消えていたので戻した。乳房温存療法の適応からは、既に撤回されている古い除外基準(中央部・乳頭下の腫瘍)が残っており、同じコーパスの他の3ファイルでは撤回済みでこのトピックだけが古かったので外した。(出典:Hartmann 2005・ASBrS/SBI 2025)
    • トピックMalignant breast tumors (symptoms, diagnosis, treatment)TNM分類の版が書かれておらず、3箇所が現行版と食い違っていた。T1を「2 cm未満」、T2を「2〜5 cm」としていたが現行版は20 mm以下と20 mm超50 mm以下で、ちょうど20 mmと50 mmがどこにも属さないか二重に属する書き方になっていた。同側内胸リンパ節転移をN3としていたが、腋窩転移を伴わない内胸リンパ節転移はcN2bで、cN3は鎖骨下・鎖骨上および腋窩転移を伴う内胸であり、一段階の過大評価だった。MXも現行版には存在しない。欠けていたTX・Tis・Tis(Paget)・T1mi・T4d(炎症性乳癌)と、真皮内浸潤だけではT4としないという但し書きも補った。胸筋温存乳房切除術の定義も壊れており、腋窩手術を別に考える書き方になって単純乳房切除とセンチネルリンパ節生検の説明に変わっていた。これは過去の実行が「修正型乳房切除術と腋窩郭清を混同している」という指摘に従った結果だが、混同していたのは指摘の側で、修正型乳房切除術は定義上レベルI・IIの腋窩郭清を含む。同じコーパスの良性乳腺のトピックは正しく書けており、2ファイル間の直接の食い違いになっていた。センチネルリンパ節陽性時に腋窩郭清を省略できるという記述も、根拠の試験の組入れ基準と治療の前提(全例が乳房部分切除と接線照射と全身療法を受けており第3照射野は禁止されている)ごと補った。断端の定義が無かったので、浸潤癌では切除断端に墨が付かないこと、非浸潤性乳管癌では2 mmという基準を追加した(後者はコーパス内のどのファイルにも無かった)。(出典:NCI PDQ 乳癌治療 2025・Giuliano 2017 Z0011・Morrow 2016)
    • 疾患急性虫垂炎Lanz点の位置が左右逆だった。棘間線を右2/3・左1/3に分ける点としていたが、原著を引く総説の逐語は棘間線の最初の3分の1の右端、すなわち右から3分の1の点である。このまま覚えると正中を越えて左寄りになり、別の場所を押すことになる。同じ誤りが外科学のトピック側にもあり、そちらと併せて是正した。このノートは出典を1件も持っていなかったので、併せて出典を付けた。(出典:Selvaggi 2025)
  10. 2026 09.21

    外科学トピックの監査で見つかった誤りが、同じ形で残っていた疾患ノート17本の是正(6/7)。出典を1件も持たないまま断定していたノートが5本あり、出典を当てるところからやり直した。

    • 疾患胃食道逆流症食道裂孔ヘルニアの分類が2箇所で誤っていた。IV型を「胃のほぼ全体が胸腔内に脱出」と定義していたが、分類の逐語はヘルニア嚢に胃以外の構造があることで定義しており、脱出した胃の量ではない。I型も「胃底部は横隔膜下に残る」としていたが原文は胃食道接合部より下である。II型・III型の頻度欄は「少数」で情報が無かったので、傍食道ヘルニアの90%超がIII型、最少がII型という実数に置き換えた。Z線の型別対応もIV型は定義から導けないので書き分けた。無症候ないし軽症の傍食道ヘルニアについては、指針が「保存的管理より手術を提案する(条件つき)」と「虚弱な患者では手術より保存的管理を推奨する(強い推奨)」の両方を述べているのに「共有意思決定で判断」に平坦化されていたので、向きと強さを戻した。このノートはSAGESもEAESも出典に持っていなかったので併せて追加した。(出典:SAGES 2013・EAES 2023)
    • 疾患バレット食道抗逆流手術と維持療法の推奨に格付けが無く断定調だった。抗腫瘍的措置としての抗逆流手術は「条件つき推奨・エビデンスの質は低い」、1日1回以上のPPIは「条件つき・非常に低い」なので補った。あわせて、否定されているのは抗腫瘍的手段としての位置づけだけで症状や合併症を制御する手術は否定されていない、という射程を独立させた。低異形成の行も「内視鏡的根絶療法を推奨」と書いていたが、原文は提案であり内視鏡的サーベイランスが許容される代替とされているので直した。高異形成の行からは比較対象(食道切除術より内視鏡治療を推奨)が落ちていたので戻した。(出典:ACG 2022)
    • 疾患食道癌「逆流を止める手術を癌化を防ぐために選んではならない」と書いていたが、原文は条件つきの提案であり、禁止は原文より強い。提案の強さに直し、射程を明記した。あわせて「詳細はGERDノートに譲る」という誘導が2箇所あったが、GERDノートには異形成度別のサーベイランス間隔も推奨の強さも無く、実際の受け皿はバレット食道のノートだったので飛び先を付け替えた。(出典:ACG 2022)
    • 疾患食道穿孔Mackler三徴の但し書きが無かった。総説は三徴が揃って現れることはまれで、訴えが曖昧・非特異的なまま膵炎や肺炎や消化性潰瘍を模倣すると述べているので補った。「診断までの時間が予後を左右する」で止まっていた箇所にも、なぜ遅れるのかを節として追加した(初期の臨床像・生化学所見に特異的なパターンが無く、診断の遅れは半数を超える)。医原性穿孔の割合は出典ごとに分母を明記して併記した。Pittsburghスコアの段落が無出典で「非手術的管理を検討できる患者を絞り込む補助になる」と書いていたので、指針の逐語で受け直し、このノートに1つも無かった非手術的管理の条件と「基準を満たさない患者は全例が手術の対象」も補った。(出典:WSES 2019・Shaheem 2024)
    • 疾患胃癌内視鏡的切除の絶対適応を「3条件」としていたが、規約の原文は内視鏡的粘膜切除術または粘膜下層剥離術を含む4項目で、2 cm以下・潰瘍所見なし・分化型では粘膜切除術も絶対適応である点が落ちていた。未分化型で潰瘍所見が無く2 cm以下という項目も「2025年改訂で新たに追加」と書かれていたが、第6版に逐語同一の項目が既にあり、格上げが起きたのは第6版である(第5版では適応拡大の扱いだった)。3版の全文を突き合わせて帰属を直した。「D2郭清の十分性評価には25個前後」も、その出典の推奨は最低16個だけで25という基準は無い。削除せず、25個以上が有利なのは病期N2〜N3に限るという別研究の射程つきで残し、郭清の範囲と評価する個数は別の指標であることを書き分けた。周術期化学療法を地域を書かずに断定していた3箇所も、同じファイルの別の箇所が正しく書き分けていたので揃えた。(出典:日本胃癌学会 2025・Coburn 2017)
    • 疾患大腸癌TNM第9版について「結腸・直腸のチャプターはまだ確定・発効しておらず改訂案が検討段階」と書いていたが、実際には第9版に結腸・直腸の節があり腫瘍堆積の定義は既に収載されている。一方で病期分類そのものは改訂作業中で2026年中の公表予定であり、ノートの記述にも実体があった。「無い/ある」の反転ではなく、T・N・M区分と腫瘍堆積の定義は既収載、病期分類は作業中、という2層に分けて書き直した。(出典:UICC TNM 第9版の解説 2026)
    • 疾患大腸腺腫出典が1件も無かったので3件を当てた。「絨毛腺腫は直腸に好発」が無限定だったが、原著の実測ではどの腺腫型もS状結腸が最多なので、古典的な言われ方として後退させた。あわせて2つの誤りを見つけて直した。進行腺腫の定義に浸潤癌が混入していたが、原典は進行腺腫(3項目)と進行腫瘍性病変(+癌)と高リスク腺腫を明確に呼び分けている。サーベイランス間隔も「1〜4個は通常の検診間隔へ戻す」と書きながら同じファイルの別の箇所が「1〜2個は7〜10年」としており内部で割れていた。推奨の強さとエビデンスの質つきの表に置き換え、割れているのは3〜4個の扱いだけで両端は一致することを明示した。(出典:USMSTF 2020・ESGE 2020・Shinya & Wolff 1979)
    • 疾患良性肛門疾患(痔核・裂肛・痔瘻・肛門周囲膿瘍)出典が1件も無かったので5件を当てた。ゴリガー分類のI度の定義が原典と違っていた(原典は肛門鏡で確認でき内腔に膨隆するが歯状線より下方へは脱出しないもので、出血の有無は度数の条件ではない)。痔核の治療を段階的に記述しているのに推奨度が1つも無かったので、結紮切除術がA、ゴム輪結紮術と硬化療法がB、吻合器痔核固定術と分離結紮がCという表を新設した。膿瘍の型別頻度が無出典の概数だったので、1,023例の実測と2列で併記し母集団が別であることと合計が100%にならないことを明記した。女性の前方交連という複雑痔瘻の要素が無かったので、一次瘻口が前方にあるのは女性に多いこと、前方膿瘍から痔瘻へ進む頻度が女性88%対男性33%であることとともに補った。病因も「細菌の過増殖」から陰窩腺由来という枠に直した。(出典:山名ら 2017・ドイツS3 2017・Hämäläinen & Sainio 1998)
    • 疾患腹膜炎・消化管穿孔出典が1件も無かったので5件を当てた。三次性腹膜炎を「48時間以上」で定義していたが、現行の腹腔内感染ガイドラインは2017年版・2021年版とも時間の条件を置いていない。ただしこの48時間には出どころがあり、2005年の国際敗血症フォーラムが遷延性腹膜炎に与えた定義である。削除せず、由来を明示したうえで現行版が時間条件を置かないこと、4学会合同の2023年ガイドラインがこの概念自体を「定義が不十分で歴史的な概念になっている可能性がある」と評していることを併記した。重症度の表も古典的分類と断らずに書いていたので枠づけ、4,533例の実測(全体死亡率9.2%、敗血症の段階別に1.2%から67.8%)を対置した。一次性腹膜炎と腹膜透析関連腹膜炎を「全区画の洗浄」としていた行は、指針が「腹膜炎の治癒を改善する目的での強化腹膜洗浄は行わないことを提案する」と述べている方向と逆だったので、取り除くべき感染源が無い病型という独立した節に組み替えた。「急性膵炎は手術禁忌」という断定2箇所も是正した。(出典:WSES 2017・WSES 2021・WSES ほか 感染源制御 2023・ISPD 2022)
    • 疾患急性膵炎壊死性膵炎への介入適応が2項目に縮んでいた。指針は「感染性壊死の徴候または強い疑いを伴う臨床的悪化」「発症4週以降の4項目」「発症8週以降の疼痛」という3段構えで、閉塞・膵管離断症候群・増大する仮性嚢胞・8週以降の疼痛が欠けていたので表にして復元した(是正前は「8週」がこのファイルに1度も現れなかった)。輸液の記述からは推奨の強さが落ちており、条件つき推奨・エビデンスの質は低いという格付けを付けると、液種を特定しない別の指針の記述とも両立する。全体像の段落だけが「目標指向型輸液」という語を使っていたが、同じファイルの別の箇所はその呼び方が明示的に退けられていると書いており、自己矛盾していたので揃えた。(出典:WSES 2019・ACG 2024)
    • 疾患胆道癌(胆管癌・胆嚢癌)出典が1件も無いまま「現在の第一選択である」と断定していたので、出典を当てるところからやり直した。胆嚢癌T1bの扱いを「追加根治切除の利益には議論があるが検討する」と弱く書いていたが、3つの一次資料はいずれも再切除を行う側で、議論が残るのは術式・範囲・時期であって再切除の要否ではない。高齢・高リスク例での適応の絞り込みも、指針が明示的に推奨として採択しなかったことを確認した。一次治療の免疫チェックポイント阻害薬も、ESMOの2025年中間更新がデュルバルマブ併用とペムブロリズマブ併用の両方を[I, A]で推奨し、2剤を選び分ける指標は無いと明記しているので、その現行の形に揃えた。(出典:Hickman 2019・IHPBA-APHPBA 2024・Søreide 2019・ESMO 2025 中間更新)
    • 疾患肝細胞腺腫管理の節が「男性はサイズを問わず手術、女性は5 cm超が適応」の2行しかなく、指針が持つ要素が落ちていた。β-カテニン変異が証明された例は性別・大きさによらず切除、女性の第一段階は経口避妊薬中止と減量(強い推奨)でそのうえで6か月の観察、増大の判定はRECISTに倣った径の20%以上で切除適応は分子・組織亜型によらない、出血して血行動態が不安定なら第一段階は切除ではなく塞栓術、を補った。5 cmという閾値は指針の中で推奨欄が「5 cm以上」、本文と管理アルゴリズムの図が「5 cm超」と割れており、公式のスペイン語版とフランス語版の2版で同じ割れが出るため翻訳由来ではない。片方に寄せず割れとして書いた。あわせて、このノートが引いていた総説は3箇所すべて「5 cm超」で一貫しており、ノートの「5 cm以上」はその出典が支えていない側だったので揃えた。(出典:EASL 2016)
    • 疾患肝細胞癌出典が1件も無かったので2件を当てた。良性腫瘍の鑑別表で肝海綿状血管腫の生検を「出血リスクのため禁忌」と書いていたが、指針間で割れている論点である。EASLは被膜と病変縁のあいだに正常肝実質が介在していれば禁忌ではないとし全体の正診率を96%としており、ACGとブラジル肝臓学会は避ける側である。典型像がそろえば生検は不要という実務上の原則は残したうえで割れを書いた。限局性結節性過形成と肝細胞腺腫の行にも推奨の強さと具体的な判断基準を補った。(出典:EASL 2016・Haring 2021)
    • 疾患鼠径ヘルニア女性と大腿ヘルニアの腹腔鏡下修復を「弱い推奨」としていたが、指針の推奨ボックスは第16章・第17章とも「強い推奨(合意により格上げ)」である。この文書は要約節と推奨ボックスで強さの表示が割れているので、格付けが明示されている推奨ボックス側を採り、割れを注記した。あわせて指摘外の誤りを1つ直した。抗菌薬予防投与が4つの推奨のうち2つ、それも予防投与が適応になる場面(低リスク環境の高リスク患者、高リスク環境のすべての患者)を落としており、さらに腹腔鏡下手術での推奨が2023年改訂で強い推奨から弱い推奨へ下がっているのに旧版の格付けのまま書かれていた。4行の表に組み直し、版による違いを明記した。2023年改訂が「嵌頓ヘルニアという用語は使わないことが推奨される」としたことも補った(語そのものはコーパス全体で使われているため置き換えていない)。(出典:HerniaSurge 2018・HerniaSurge 2023年改訂)
    • 疾患腹壁ヘルニア(腹側・臍・瘢痕ヘルニア)出典が1件も無く本文の脚注も0件のまま、「無症候の小欠損(目安1 cm未満)は経過観察」「ガイドラインでも弱い推奨として支持」と断定していた。原典に当たると、経過観察の推奨には欠損径の条件が無く判断しているのは症状の有無だけで、1 cmという閾値は別の設問(縫合修復とメッシュ修復の使い分け)のものだった。2つの線を本文・全体像・まとめ・フロー図の4箇所すべてで分離した。「弱い推奨」という表示もこの推奨群には無く、付いているのはエビデンスの確実性だけなので直した。無出典だった「経過観察中の一定割合が数年内に手術へ至る」も、削らずに「鼠径ヘルニアと違って臍ヘルニアには経過観察の安全性を示す試験が無い」というより正確な記述に置き換えた。(出典:Henriksen 2020・EHS/AHS 合意調査 2022)
    • 疾患良性乳房疾患良性乳腺病変のリスク階層を「この順でわずかずつ上昇」と書いていたが、長期コホートの相対リスクは非増殖性1.27、異型を伴わない増殖性1.88に対し異型過形成4.24で段違いであり、上昇は25年以上持続する。線維腺腫についても「癌化リスクの上昇はごくわずか」と書いていたが、全体の相対リスクは2.17、複雑型では3.10で、非複雑型かつ家族歴が無い患者(3分の2を占める)では上昇が無いという分岐も落ちていたので補った。良性葉状腫瘍の断端陽性で再切除が不要という記述にも、腫瘤を分断した場合と切除生検後に残存病変が疑われる場合という2つの例外を追加した。(出典:Hartmann 2005・Dupont 1994・ASBrS/SBI 2025)
    • 疾患悪性黒色腫AJCC Version 9 への移行状況を記した出典の記述が実際より短く、第9版へ移行済みの部位を3つしか挙げていなかった。発行元のページを取得して実際の一覧(2026年の唾液腺・HPV関連中咽頭から2021年の子宮頸部まで17プロトコル)を確認し、この出典を共有する5ファイルすべてで同一の記述に揃えた。皮膚黒色腫はこの一覧に含まれず第8版が現行である。(出典:AJCC Version 9)