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2026
08.02動脈血液ガスの検体取扱いに「室温30分以内・プラスチックは氷冷しない」を明記し、呼吸不全の数値定義とA–aDO₂の説明を補った。
- トピックArterial blood gas test and interpretation of the results検体取扱いを具体化——プラスチックシリンジは室温30分以内に測定し、30分を超えるならガラス容器で0〜4℃へ。プラスチックのまま氷冷するとO₂透過と低温での溶解度・Hb親和性上昇でPaO₂が偽高値になるため禁物であること、気泡混入・抗凝固不十分・室温30分超は測定してはならない検体であることを追記した。同じ具体化を lab-values/arterial-blood-gas にも反映した。(出典:AARC Clinical Practice Guideline: Blood Gas Analysis and Hemoximetry: 2013)
- トピックArterial blood gas test and interpretation of the results呼吸不全を「低酸素血症が主体」といった定性的記述から数値定義へ改め、I型はPaO₂ <60 mmHg、II型はこれに加えPaCO₂ >45 mmHgとした。急性II型ではPaCO₂ >45 mmHgかつpH ≤7.35が非侵襲的換気を検討する目安であること、急性と慢性を分けるのはpHであることを追記。あわせて図中でしか触れていなかったA–aDO₂の定義・肺胞気式・読み分け表と、アニオンギャップが低アルブミン血症で過小評価される点を補った。(出典:Official ERS/ATS clinical practice guidelines: noninvasive ventilation for acute respiratory failure)
- トピックPractical clinical aspects of lung anatomy and respiratory physiology解剖学的死腔・肺胞死腔・生理学的死腔の区別と肺胞換気量の式を追加し、速く浅い呼吸では分時換気量が同じでも肺胞換気量が落ちることを数値で示した。誤嚥物が落ちる区域は誤嚥時の体位で決まること(仰臥位ではS2・S6、坐位・立位ではS8〜S10)、肺を胸壁に追従させているのは胸膜腔の陰圧と胸水による液体結合であること、低酸素性肺血管収縮が全肺に及んで慢性化すると肺高血圧・肺性心に至ることを補った。
2026
08.02品質監査バッチ5。慢性蕁麻疹・水疱性類天疱瘡・大動脈弁膜症・CKDの貧血で、ガイドライン改訂に追いついていなかった治療推奨を一次資料で確認して更新した。
- 疾患蕁麻疹慢性蕁麻疹の治療アルゴリズムに、2025年に米国FDAが承認したデュピルマブ(4月)とレミブルチニブ(9月)を、改訂版の国際ガイドラインに沿ってオマリズマブと並ぶ追加治療の選択肢として組み込んだ。(出典:The International Guideline for the Definition, Classification, Diagnosis and Management of Urticaria)
- 疾患自己免疫性水疱症(天疱瘡・水疱性類天疱瘡)水疱性類天疱瘡の治療に、2025年6月に米国FDA承認されたデュピルマブ(全身性ステロイド漸減との併用)を追加し、超強力ステロイド外用が第一選択であることとドキシサイクリンの非劣性試験(BLISTER)の位置づけを明確化した。DPP-4阻害薬誘発性水疱性類天疱瘡の機序と臨床像も書き足した。(出典:Dupixent approved for bullous pemphigoid、EADV S2K guideline for bullous pemphigoid)
- トピックManagement of Chronic Urticariaデュピルマブが慢性自発性蕁麻疹に未承認であるとする記述を、2025年4月のFDA承認を反映して是正した。(出典:The International Guideline for the Definition, Classification, Diagnosis and Management of Urticaria)
- トピックBullous Diseases of Autoimmune Origin水疱性類天疱瘡の治療表に、2025年6月に米国FDA承認されたデュピルマブの併用を追記した。(出典:Dupixent approved for bullous pemphigoid)
- 疾患大動脈弁閉鎖不全症無症候性重症ARの手術適応閾値を2025年ESC/EACTS弁膜症ガイドラインに合わせて是正した。明確な適応(Class I)はLVEF≤50%であり、従来ノートが「明確な適応」としていたLVEF≤55%は、左室収縮末期径・容積の基準を満たす低リスク例で早期手術を支持する根拠(Class IIb)へ位置づけ直した。ARに対するTAVI(手術不能な選択例に限るClass IIb)の記載も新設した。(出典:2025 ESC/EACTS Guidelines for the management of valvular heart disease)
- 疾患大動脈弁狭窄症TAVI・SAVRの選択における年齢閾値を「75歳前後を目安」から2025年ESC/EACTS弁膜症ガイドラインの70歳(TAVIは70歳以上、SAVRは70歳未満かつ低リスクでそれぞれClass I)へ更新した。あわせて、この70歳が欧州の基準であり、米国ACC/AHA(2020年現行版)は65歳未満SAVR・65〜80歳は共同意思決定・80歳超TAVIという別の3区分を用いることを明記し、単一のカットオフが世界共通であるかのような誤解を防いだ。(出典:2025 ESC/EACTS Guidelines for the management of valvular heart disease、2020 ACC/AHA Guideline for the Management of Patients With Valvular Heart Disease)
- 疾患慢性疾患に伴う貧血CKDに伴う貧血について、鉄補充を開始する具体的なフェリチン・トランスフェリン飽和度の閾値と、HIF-PH阻害薬(ロキサデュスタット・ダプロデュスタットなど)の位置づけ(ESAが第一選択であること、心血管・血栓塞栓リスクのある患者では避けること)をKDIGO 2026年版に基づいて新設した。(出典:KDIGO 2026 Clinical Practice Guideline for the Management of Anemia in CKD)
- 疾患細気管支炎(RSウイルス)RSV予防の記述を現行の勧告へ精緻化した。クレソロビマブは体重によらず固定105mgで初回シーズン限定、2回目シーズンの追加免疫はニルセビマブのみが対象、母体RSVワクチンの接種は妊娠32週0日〜36週6日、パリビズマブは2025年12月31日で販売終了。(出典:ACIP recommendations for clesrovimab, 2025、ACOG: Maternal RSV vaccination)
- 疾患エキノコックス症嚢胞性エキノコックス症の病期別治療表をWHO 2025年版ガイドラインに合わせて是正した。CE2・CE3bは径5cm以下ならアルベンダゾール単独から開始し5cm超で手術を併用すること、CE4・CE5(不活性期)は経過観察(watch and wait)であることを追記し、メベンダゾールはアルベンダゾールが忍容できない場合の代替薬であることを本文に明記した。(出典:WHO guidelines for the treatment of patients with cystic echinococcosis, 2025)
- 疾患ポリオ野生株ポリオウイルスの根絶状況を明記した。2型は1999年以降未検出で2015年に、3型は2012年11月のナイジェリアでの検出を最後に2019年に、それぞれ根絶が認定されている。1型はアフガニスタン・パキスタンにのみ常在する。(出典:WHO: Two out of three wild poliovirus strains eradicated、WHO Polio IHR Emergency Committee statement, March 2026)
- 疾患包茎・傍包茎包茎に対する外用ステロイドの効果を、特定の薬剤(トリアムシノロン)が優位であるかのような書き方から、コクランレビュー(2024年)が示す複数薬剤の比較データへ置き換えた。翻転可能となる割合は4〜8週の時点で対照1,000人あたり252人に対し+436人(RR 2.73)、長期では171人に対し+529人(RR 4.09)で、薬剤間に優劣を示す証拠は無い。(出典:Cochrane Review: Topical corticosteroids for treating phimosis in boys)
- 疾患薬疹(SJS・TENを含む)カルバマゼピン/オクスカルバゼピン開始前のHLA-B*15:02スクリーニングと、アロプリノール開始前のHLA-B*58:01スクリーニングの推奨を追記した(日本人のHLA-B*58:01保有率は他のアジア集団より低い点にも触れた)。ざ瘡様発疹の原因薬に副腎皮質ステロイドを加えた。(出典:Carbamazepine Therapy and HLA Genotype、Allopurinol Therapy and HLA-B*58:01 Genotype)
- 薬剤triamcinolone長期使用時の副作用にステロイド痤瘡(ざ瘡様発疹、外用・病変内注射のいずれでも生じうる)を追記し、包茎への適応の説明を「用手的整復前の局所治療」から、4〜8週間の外用と愛護的な翻転を組み合わせて環状切除術を回避する治療である旨へ是正した。(出典:StatPearls: Triamcinolone)
- 疾患皮膚筋炎・多発筋炎名前だけ挙げていた2017年EULAR/ACR分類基準の中身(6領域16項目の重みづけ点数から発症確率を算出し、possible/probable/definiteの確率帯で判定する設計)を追記し、悪性腫瘍スクリーニングをIMACS 2023年国際ガイドラインの基本/強化パネルに紐づけた。IVIG(Octagam 10%)が2021年に成人皮膚筋炎へFDA承認された経緯も加えた。(出典:IMACS cancer screening guideline, 2023、FDA approves Octagam 10% for adult dermatomyositis)
2026
08.02呼吸器学03〜07の品質監査。6分間歩行試験、肺機能検査、気管支誘発試験、胸痛、呼吸困難の判定基準と安全管理を現行の学会基準に合わせ、波及2ノートも修正した。
- トピックExercise testing 6MWT6分間歩行試験について、SpO₂の連続測定、酸素滴定を別試験として扱う原則、SpO₂ 80%未満での中止と再開条件、反復測定、最小重要差約30 mをERS/ATS技術基準に沿って明確化した。(出典:ERS/ATS field walking tests technical standard 2014)
- トピックLung function measurements static and dynamic lung volumes固定した予測値80%ではなく正常下限とzスコアで判定する原則を明記し、KCOをVAによる単純補正値とみなす解釈、肺気量だけで原因を断定する表現、DLCO診断フローをERS/ATS 2022技術基準に沿って修正した。(出典:ERS/ATS PFT interpretation technical standard 2022)
- トピックLung volumes. Dead space in the breathing apparatus. Alveolar ventilation. Mechanical properties of the airways, chest wall and lung. Pressure-volume relationship in the respiratory system, surface tension in the alveolus and compliance of the chest wall.呼吸器学04から波及していた全年齢一律の1秒率80%基準を、年齢・身長・性別などに対応する正常下限による判定へ修正した。(出典:ERS/ATS PFT interpretation technical standard 2022)
- トピックBronchial provocation testing and pharmacospirometryメサコリン試験をPC20中心からPD20優先へ更新し、禁忌と陰性結果の限界を補足した。気管支拡張薬反応はERS/ATSの一般肺機能基準とGINA 2026の喘息診断基準を目的別に区別した。(出典:ERS methacholine technical standard 2017、ERS/ATS PFT interpretation 2022、GINA 2026 Strategy Report)
- 薬剤methacholine呼吸器学05から波及していたPC20中心の説明と無条件の喘息除外表現を、PD20優先かつ検査時期・休薬状況を踏まえる条件付き解釈へ修正し、禁忌と最高用量時の報告法を補った。(出典:ERS methacholine technical standard 2017)
- トピックChest pain急性胸痛での10分以内のECGと高感度トロポニン迅速経路、低〜中確率の肺塞栓症での年齢調整Dダイマー、大動脈解離の初期画像選択を現行ガイドラインに沿って明確化した。(出典:AHA/ACC Chest Pain Guideline 2021、AHA/ACC Acute PE Guideline 2026、ACC/AHA Aortic Disease Guideline 2022)
- トピックDyspnea急性呼吸困難ではABCDE評価と治療を並行すること、酸素を低酸素血症へ滴定すること、高CO₂血症リスク群の目標SpO₂・血液ガス再評価、NIV失敗時の挿管移行を明確化した。(出典:BTS oxygen guideline 2017、Resuscitation Council UK ABCDE approach、BTS/ICS acute hypercapnic respiratory failure guideline 2016)
2026
08.02呼吸器学08〜12の品質監査。咳嗽、呼吸器身体診察、呼吸器救急、気管支鏡、胸腔穿刺の評価・安全管理を現行基準に合わせ、関連3ノートにも修正を反映した。
- トピックCough成人慢性咳嗽の初期評価に胸部X線・スパイロメトリー・血算・可能ならFeNOを位置づけ、ACE阻害薬中止後の再評価、急性咳嗽での抗菌薬・鎮咳薬・粘液溶解薬の限界を明確化した。症状ノートの診断フローにも同じ初期評価を反映した。(出典:BTS chronic cough statement 2023、NICE acute cough guideline NG120)
- 薬剤codeine中枢性鎮咳作用と疾患別の臨床効果を区別し、成人の急性咳嗽ではプラセボを上回る有効性が示されず定型使用しないことを追記した。(出典:NICE acute cough guideline NG120)
- トピックPhysical examination声音振盪の伝導機序と気道開存の条件、呼吸音の標準用語を整理し、打診濁音・山羊音などの単独所見では肺炎や胸水を確定・除外できないことを診断精度研究に沿って明確化した。(出典:ERS lung sound nomenclature 2016、CAP signs meta-analysis 2020、JAMA pleural effusion examination review 2009)
- トピックPulmonary emergenciesARDSを高流量鼻カニュラ・S/F比・肺超音波・資源制約環境を含む新グローバル定義へ更新し、高PEEP戦略と長時間高圧リクルートメント回避、重症市中肺炎の大・小基準を補足した。(出典:Global ARDS definition 2024、ATS ARDS management update 2024、ATS CAP guideline 2025)
- トピックBronchoscopy生検時のアスピリン継続・クロピドグレル休薬、鎮静前の絶飲食、検査中から回復期のSpO₂監視と酸素目標、リドカイン投与、経気管支肺生検後の観察と選択的画像確認を現行基準に沿って明確化した。(出典:BTS diagnostic flexible bronchoscopy guideline 2013、BTS oxygen guideline 2017、ASA preoperative fasting guideline 2017、ASA fasting modular update 2023)
- トピックThoracentesis胸腔穿刺を同一体位の胸部超音波で決定し、安全三角・肋骨上縁を優先して固定的な後方アプローチを避ける原則、抗血栓薬管理、カテーテル使用、緩徐な最大1.5 L排液、中止症状、選択的術後画像を明確化した。(出典:BTS pleural procedures statement 2023)
- トピックThorax — Topography胸腔穿刺の固定的な中〜後腋窩線・背側第9肋骨という目安を削除し、同一体位の超音波で横隔膜・腹腔臓器・液体ポケットを確認して安全な経路を選ぶ記述へ波及修正した。(出典:BTS pleural procedures statement 2023)
2026
08.02品質監査バッチ7(疾患10件)。高血圧の降圧目標・骨髄腫の病期分類・血友病の遺伝子治療の市販状況など、現行の一次資料と食い違っていた記述を是正した。
- 疾患高血圧症日本高血圧学会の降圧目標を JSH2025(2025年8月29日発刊)へ更新し、JSH2019の年齢層別目標(75歳未満130/80未満・75歳以上140/90未満)が全年齢一律の診察室130/80 mmHg未満・家庭125/75 mmHg未満へ統一されたことを明示した。診断基準自体(診察室140/90、家庭135/85 mmHg以上)は据え置きである点も併記し、ESC 2024・ACC/AHA 2025・JSH2025のどの指針の数値かを本文で区別できるようにした。(出典:高血圧管理・治療ガイドライン2025 改訂ポイント(日大医学雑誌 84(6):257-261))
- 疾患多発性骨髄腫病期分類R2-ISSの説明が「1q21異常を加えてISS IIを分割する」という不正確な単純化になっていたため、ISS・LDH・高リスク細胞遺伝学・1q21異常の加算式スコアでI〜IV期に分ける現行の形へ是正した。再発・難治例の免疫療法をCAR-T(イデカブタゲン ビクルユーセル、シルタカブタゲン オートルユーセル)と二重特異性抗体(テクリスタマブ、タルケタマブ、エルラナタマブ)の具体名に更新し、サイトカイン放出症候群・ICANSの監視が必要な点を補った。(出典:R2-ISS(D'Agostino et al., JCO 2022)、IMWG Bone Working Group(Blood Cancer J 2018))
- 疾患血友病A・B遺伝子治療を「承認済み=使える」と読める書き方だったため、市販状況まで含めて是正した。血友病B用フィダンアコゲン エラパルボベクは2024年4月に承認されたが需要不足で2025年2月に全世界で販売中止、血友病A用バロクトコゲン ロクサパルボベクも事業判断として2026年に市場撤退しており、現在市販されているのは血友病B用エトラナコゲン デザパルボベクの1剤のみである。第IX因子の半減期が第VIII因子より長く予防投与間隔を空けやすい点も追加した。(出典:WFH Guidelines 3rd edition、BEQVEZ製造中止(AABB, 2025)、ROCTAVIAN市場撤退(BioMarin, 2026))
- 疾患バセドウ病放射性ヨウ素治療と甲状腺眼症の関係が「悪化し得るため検討する」と曖昧だったため、中等度〜重度の活動性眼症では原則回避し、軽度で放射性ヨウ素を行う場合にのみグルココルチコイド予防投与を併用する、という現行の推奨へ明確化した。テプロツムマブの位置づけを2021年EUGOGO(静注グルココルチコイドが第一選択)と2022年ATA/ETA(複視・眼球突出の改善を目標とする場合は第一選択)で書き分け、2025年6月のEU承認も反映した。抗甲状腺薬による無顆粒球症の頻度も明記した。(出典:ATA 2016 甲状腺機能亢進症ガイドライン、EUGOGO/ATA-ETA比較(2025))
- 疾患痛風アロプリノールの開始用量を「低用量から」という曖昧な記述から、100 mg/日以下・CKDステージ3〜4では50 mg/日以下という具体値へ改め、血清尿酸6 mg/dL未満を目標とするtreat-to-target戦略を明記した。HLA-B*58:01スクリーニングの対象を「保有頻度が高い集団」から東南アジア系・アフリカ系という具体的な集団へ改め、日本人の保有率が他のアジア集団より低い点を補った。フェブキソスタットの心血管安全性にFAST試験(2020年)を追記した。(出典:ACR 2020 痛風ガイドライン、FAST試験(Lancet 2020)32234-0/abstract))
- 疾患頭頸部癌HPV陽性中咽頭癌がAJCC第8版で独立したT・N分類を持つ経緯(T4a/T4bとTisを設けないT分類、側性と最大径のみで規定する臨床N分類)を補い、p16免疫染色の陽性判定基準を腫瘍細胞70%以上・中等度以上の核細胞質染色と明記した。セツキシマブがシスプラチンの代替にならない根拠にRTOG 1016の5年生存率(77.9%対84.6%)を、再発・転移例の一次治療にKEYNOTE-048のCPS≥1という閾値を出典付きで加えた。(出典:CAP HPV検査ガイドライン更新(2025)、RTOG 1016(Lancet 2019)、KEYNOTE-048(Lancet 2019)32591-7/fulltext))
- 疾患遺伝性・後天性溶血性貧血(遺伝性球状赤血球症・G6PD欠乏症・自己免疫性溶血性貧血・発作性夜間ヘモグロビン尿症)寒冷凝集素症の治療が「リツキシマブ系レジメンまたは補体標的治療」と曖昧だったため、治療を要する例ではリツキシマブ単独またはベンダムスチン併用が第一選択という国際コンセンサス(2020年)の序列へ整理し、抗C1s抗体スチムリマブ(2022年2月承認)を具体名で加えた。発作性夜間ヘモグロビン尿症の近位補体阻害薬(イプタコパン・ダニコパン)に承認年を明記し、G6PD欠損症で避ける薬剤を「一部の抗菌薬・解熱薬など」からプリマキン・スルファメトキサゾール+トリメトプリム・ラスブリカーゼという具体名へ改めた。(出典:First International Consensus Meeting on AIHA(Blood Reviews 2020)、ENJAYMO添付文書(FDA 2022))
- 疾患胃食道逆流症プロトンポンプ阻害薬の減量・中止方針に、バレット食道とびらん性食道炎では中止を試みないという例外を追加した。pH-インピーダンス検査の判定にLyon Consensus 2.0の閾値(酸曝露時間6%超で確定、4%未満で否定)を加え、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(ボノプラザン)が治療薬として登録されているのに本文で全く説明されていなかった欠落を、高度食道炎とPPI抵抗例での位置づけとして補った。(出典:ACG GERDガイドライン 2022、Lyon Consensus 2.0(Gut 2024)、AGA P-CAB Clinical Practice Update 2024)
- 疾患全身性エリテマトーデスループス腎炎の三剤療法にKDIGO 2024の出典を付け、カルシニューリン阻害薬の選択肢として腎機能温存とポドサイト保護を狙うボクロスポリンを具体名で明記した。ヒドロキシクロロキンの目標量(実体重5 mg/kg/日)とグルココルチコイドの維持目標(5 mg/日以下、可能なら中止)にEULAR 2023の出典を与え、早期から免疫抑制薬・生物学的製剤を導入する理由がステロイド曝露の蓄積を避けるためであることを補った。(出典:EULAR 2023 SLE管理推奨、KDIGO 2024 ループス腎炎ガイドライン)
- 疾患敗血症本文が根拠として挙げていた「2026年SSC」が実在の資料かを照合した。Surviving Sepsis Campaign 2026年版(SCCM/ESICM合同、2026年3月にIntensive Care MedicineとCritical Care Medicineへ同時掲載、成人版129ステートメント)は実在し、抗菌薬の時間枠・初期晶質液30 mL/kg・平均動脈圧65 mmHg目標・ステロイド・血糖180 mg/dL閾値・qSOFAを単独スクリーニングに使わない点はいずれも一致していたため、出典を明示して裏付けた。感染源別の代表的原因菌と、感染源特定に用いる画像所見の具体例も補った。(出典:Surviving Sepsis Campaign 2026(SCCM)、Sepsis-3(JAMA 2016))
2026
08.02品質監査バッチ6で、感染性心内膜炎のDuke基準を2023年改訂版へ、COPDの増悪時抗菌薬の判断基準を正しいAnthonisen 3徴へ是正するなど、10ノートとその波及先を現行の一次資料に合わせた。
- 疾患感染性心内膜炎診断の枠組みを2000年版modified Duke基準から2023年Duke-ISCVID改訂版へ更新した——術中直視所見を外科的大基準として新設し、心臓CTと18F-FDG PET/CT(人工弁は植込み後3か月以降を目安)を画像の大基準に加え、血液培養の採血間隔・穿刺部位の厳密規定を撤廃した(2セット以上の採取は必須のまま)。あわせて予防的抗菌薬の適応を、人工弁・弁修復人工物、心内膜炎既往、未修復チアノーゼ性先天性心疾患、術後6か月以内の人工物使用例、残存欠損のある修復例、弁膜症を伴う心移植後という最高リスク群かつ歯肉・根尖周囲を操作する歯科処置に限定して明記し、起因菌別の標準レジメン(Viridans群レンサ球菌は自己弁4週間・人工弁6週間ほか)と手術タイミングの3区分(緊急24時間以内・準緊急3〜5日・待機的入院中)を新設した。(出典:2023 Duke-ISCVID Criteria、2023 ESC Guidelines for the management of endocarditis、AHA 2021 Scientific Statement: Prevention of Viridans Group Streptococcal Infective Endocarditis)
- 疾患慢性閉塞性肺疾患増悪時に抗菌薬の適応を判断する3主要徴候に「発熱」が誤って含まれていたのを削除した。Anthonisen基準の3徴は呼吸困難の増加・喀痰量の増加・喀痰の膿性化であって、発熱は含まれない。あわせてエンシフェントリンとデュピルマブ(慢性気管支炎表現型・好酸球300/µL以上・三剤併用下の増悪例)というGOLD 2026の新しい選択肢、肺容量減少術・肺移植の適応、長期酸素療法の数値基準を補った。(出典:GOLD Report 2026)
- 疾患骨盤内炎症性疾患セフトリアキソンの体重調整(150 kg以上で1 g)に「淋菌感染が確認されている場合は」という限定が誤って付いていたのを削除した。CDC 2021ガイドラインでは体重だけが条件で、淋菌の証明は要件ではない。あわせてセフトリアキソンが入手困難なときのセフォキシチン代替レジメンを本文に補った(frontmatterには挙がっているのに説明が無かった)。(出典:CDC STI Treatment Guidelines 2021: Pelvic Inflammatory Disease)
- 疾患悪性黒色腫手術マージンの推奨を現行のAAD 2019ガイドラインに合わせて段階表へ精緻化した(in situ 0.5〜1.0 cm/Breslow厚1.0 mm以下は1 cm/1.01〜2.0 mmは1 cmか2 cmかを個別に判断/2.0 mm超は2 cm)。旧記述は1.01〜2.0 mm帯の個別判断が落ちていた。あわせて術前補助療法としてのペムブロリズマブ、抗PD-1補助療法の投与期間(最大1年)、ニボルマブ+抗LAG-3抗体レラトリマブ併用(2022年FDA承認)を全身療法に加えた。同じ手術マージン表を複製していた scores/breslow-thickness も同一内容へ揃えた。(出典:AAD Guidelines of care for the management of primary cutaneous melanoma (2019)32588-X/fulltext)、NCCN melanoma neoadjuvant therapy (2024)、FDA approves Opdualag)
- トピックCutaneous Melanoma Types, Clinical Signs and Prognostic Factors手術マージン表、術前補助療法、抗PD-1補助療法の投与期間、ニボルマブ+レラトリマブ併用の記載を、疾患ノート malignant-melanoma と同一の現行推奨へ揃えた。(出典:AAD Guidelines of care for the management of primary cutaneous melanoma (2019)32588-X/fulltext))
- 疾患結核薬剤感受性結核の4か月レジメンの略号が `2HPZM/2HPM` と誤っていたのを `2HPMZ/2HPM`(イソニアジドH・リファペンチンP・モキシフロキサシンM・ピラジナミドZ)へ是正した。(出典:WHO consolidated guidelines on tuberculosis, Module 4: Treatment and care (2025))
- トピックTuberculosis同じ4か月レジメンの略号の誤りを疾患ノート tuberculosis と揃えて是正した。(出典:WHO consolidated guidelines on tuberculosis, Module 4: Treatment and care (2025))
- 疾患アテローム性動脈硬化症LDL-C管理に2025年ESC/EAS focused updateの「極めて高いリスク」区分を追加した——反復するASCVDイベントまたは多血管床病変を持つ例ではLDL-C 40 mg/dL未満をClass IIbで考慮する。脂質異常症ノートが既に前提としていた記載との食い違いが解消された。一次予防でのアスピリンを推奨しない根拠にも出典を付けた。(出典:2025 focused update of the 2019 ESC/EAS dyslipidaemia guidelines、USPSTF Aspirin Use to Prevent Cardiovascular Disease (2022))
- 疾患慢性腎臓病eGFRの推算式が2021年に人種係数を撤廃したCKD-EPI式へ移行したことを明記し、腎性貧血の治療にHIF-PH阻害薬(ESAに次ぐ選択肢)を追記した。あわせて本文が「非ステロイド型MRA」「長時間作用型GLP-1受容体作動薬」としか書いていなかった箇所にフィネレノン・セマグルチドという実薬を示した。(出典:KDIGO 2024 CKD Guideline、KDIGO 2026 Anemia in CKD Guideline)
- 疾患てんかんてんかん重積状態の第二選択薬について、レベチラセタム・フェニトイン・バルプロ酸のあいだに有効性と安全性の差が示されなかったこと(ESETT試験)を明記した。バルプロ酸の妊娠可能年齢での使用制限も、妊娠検査・避妊の継続・年1回以上の専門医評価という妊娠防止プログラムの具体的な中身まで書き足した。発作分類の記述は2025年ILAE分類と照合して現行と確認し、出典を付けた。(出典:Beniczky et al. ILAE seizure classification 2025 (Epilepsia)、Kapur et al. ESETT (NEJM 2019)、EMA valproate referral 2018)
- 疾患血管性・レビー小体型・前頭側頭型認知症など非アルツハイマー型認知症レビー小体型認知症の診断が「4つの中核的特徴を確認する」としか書かれていなかったのを、McKeith 2017(DLB Consortium第4回コンセンサス)に基づく中核4特徴の列挙とprobable/possibleの判定条件まで具体化した。行動障害型前頭側頭型認知症もRascovsky 2011の6項目中3項目以上というpossibleの閾値を明記し、進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症を鑑別として追記した。抗精神病薬に対する重篤な過敏性の警告にも一次資料を付けた。(出典:McKeith et al. Diagnosis and management of dementia with Lewy bodies (Neurology 2017)、Rascovsky et al. Sensitivity of revised diagnostic criteria for bvFTD (Brain 2011))
2026
08.01低ナトリウム血症の重症度分類が2件のトピックで現行ガイドラインとずれていたため更新した。
- トピックSodium (Na+) and water balance disorders低Na血症の生化学的重症度を「中等度120–130・重度<120 mmol/L」から現行のESE・ESICM・ERA-EDTA合同ガイドライン(2014年)の区分「中等度125–129・高度<125 mmol/L」へ更新し、あわせて生化学的重症度と症状の重さは一致しない(高度でも無症状のことがあり、中等度でも重い神経症状が出る)ため治療方針は症状で決める、という原則を明記した。
- トピックCorrection of life-threatening electrolyte disorders (Na, K, Ca)低Na血症の症状重症度分類で嘔吐と悪心の位置づけが逆になっていたため訂正。嘔吐は高張食塩水を急ぐ重症症状、嘔吐を伴わない悪心は中等症状であり(Society for Endocrinology 緊急ガイダンス2022年版、ESE・ESICM・ERA-EDTA 2014年ガイドライン)、あわせて昏睡の基準にGCS 8以下を明示した。
2026
08.01心筋梗塞の3トピックで、CK-MBが再梗塞評価の第一選択とされたままだったため、現行のトロポニン基準へ更新。
- トピックAcute myocardial infarction再梗塞のバイオマーカーが「CK-MB」のままだったため、第4版 心筋梗塞の普遍的定義(2018)に沿って更新。再梗塞は症状再燃時にトロポニンを測り直し、2回目の検体で20%を超える上昇があるかで判定する、と明示し、CK-MBはトロポニンが測定できない場合の代替という位置づけへ改めた。
- トピックMyocardial infarction, sudden cardiac death診断バイオマーカーとしてトロポニン・CK-MB・LDHが並列に並んでいたため、トロポニンを優先バイオマーカーとし、CK-MBとLDHは感度・特異度で劣る補助的な位置づけであることを明記した。
- トピックST-segment elevation Acute Coronary Syndrome I: Etiology, pathomechanism, diagnosis「CK-MBは再梗塞評価など選択された状況で補助的に用いる」という記述を、再梗塞もトロポニンの連続測定(高値で安定・低下中なら2回目で20%超の上昇)で判定するという現行基準へ書き換え、CK-MBはトロポニンが測定できない場合の代替であることを明示した。
2026
08.01リハビリテーションと公衆衛生の2トピックで、評価スケールの段階数とAUDITのスコア区分別の対応が原典・WHO原文と食い違っていたため是正。
- トピックFunctional assessment in rehabilitation: mobility, muscle strength, and standardized scalesFAC(機能的歩行分類)を「臨床医が5段階で評価」としていたが、原典(Holden ら, Phys Ther 1984;64:35-40 および Phys Ther 1986;66:1530-1539)のカテゴリは0〜5の6段階であるため「0〜5の6段階」へ訂正。
- トピックAlcohol SBI (Screening and Brief Intervention) - roleplayAUDITのスコア区分別の対応を WHO AUDIT マニュアル(2001年第2版)の原文へ合わせて訂正。0〜7点を「対応不要」から「飲酒に関する教育」へ改め、16〜19点は「介入・専門機関への紹介」ではなく助言+短時間カウンセリング+経過観察が本来の推奨で、紹介は無反応時や依存疑いの場合であることを明記した。
2026
08.01リハビリテーションと公衆衛生の3トピックで、評価スケールの段階・区分・評価軸が原典と食い違っていたため是正。
- トピックFunctional assessment in rehabilitation: mobility, muscle strength, and standardized scalesWAI(Walking Ability Index)を「3 m(10フィート)の歩行距離を1〜10で評価」としていたが、原典(Pohjolainen ら, 下肢切断者の義肢装着後の転帰研究)では距離を測る尺度ではなく、歩行能力を臨床的な観察で1〜6(1=正常歩行、6=歩行不能)に格づけするものであるため訂正。
- トピックSmoking minimal intervention - roleplayFagerströmテストの依存度区分表から0点が抜け落ちていたため、原著(Heatherton ら, Br J Addict 1991)に基づく0〜2/3〜4/5/6〜7/8〜10の5区分へ訂正。あわせて短縮版(HSI)の説明から「4点以上ならバレニクリンを推奨」という薬剤選択の記述を削除した——2008年版USPHSガイドラインは依存度の点数で第一選択薬を選び分ける確立したアルゴリズムは無いとしており、バレニクリンの効果もベースラインの依存度スコアと交互作用を示さない。
- トピックNutrition MIEOSS(エドモントン肥満病期分類)の評価要素に「入院歴」を挙げていたが、原著(Sharma・Kushner, Int J Obes 2009)の評価軸は身体(medical)・精神(mental)・機能(functional)の3つで入院歴は含まれないため訂正。