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  1. 2026 08.19

    トラコーマの WHO 簡易グレーディングで、TF(濾胞性トラコーマ)の観察部位が誤っていたため修正。

    • 微生物Chlamydia trachomatis A, B, CTF(濾胞性トラコーマ)の定義を「結膜円蓋部に5個以上の濾胞」から「上眼瞼結膜中央部に直径0.5 mm以上の濾胞が5個以上」へ修正(WHO 簡易グレーディングの原記述は upper tarsal conjunctiva の中央部で、円蓋部ではない)。
  2. 2026 08.15

    病態生理学 i-31〜i-35・ii-1〜ii-4 を監査。HLAのクラス取り違え、抗TNF-α薬とNSAIDs潰瘍とセリアック病の機序の誤りなど、ガイドラインの新旧とは無関係の医学的誤りが9ノートで見つかった。

    • トピックGeneral mechanisms of systemic autoimmune diseasesHLA-B27をclass IIの下に並べていたが、B27はclass Iであり、DR4・DR3(class II)とは別のクラスである。抗TNF-α薬の作用を「病的B細胞活性の抑制」と説明していたのも誤りで、実際は炎症性サイトカインTNF-αを中和して炎症カスケードを遮断する薬である(B細胞を標的にするのは抗BAFF・抗CD20)。環境因子の表も行名と説明文が食い違っていた(「感染による組織壊死」→バイスタンダー活性化)。あわせて自己抗体があること自体は自己免疫疾患を意味せず、抗核抗体は健常者・高齢者でも低力価で陽性になるため臨床所見なしに診断してはならない点、および生物学的製剤・JAK阻害薬の開始前に潜在性結核とB型肝炎のスクリーニングが要る点を追加した。
    • トピックGI system: diseases of the stomach and small intestineNSAIDs潰瘍の機序を「酸↑」と書いていたが誤りで、実際はプロスタグランジン低下による粘膜防御の破綻であり酸分泌そのものは増えない。セリアック病の絨毛破壊も「Th1がFasLで粘膜細胞を殺す」と書かれていたが、CD4⁺T細胞は反応を指揮するだけで、実際に上皮を破壊するのはIL-15に活性化された上皮内CD8⁺リンパ球である(生検で上皮内リンパ球が増えるのはこのため)。「腸管毒性大腸菌」という誤訳も腸管毒素原性大腸菌(ETEC)へ是正。あわせてH. pylori除菌でクラリスロマイシン耐性が高いか不明な集団では三剤療法を無条件の第一選択にしないこと、除菌後も胃癌リスクはゼロにならないこと、消化不良の警告徴候、およびセリアック病の検査はグルテンを食べたまま行う必要がある(除去食を先に始めると偽陰性)ことを追加した。(出典:ACG 2024、日本ヘリコバクター学会2024、ACG/CAG 2017)
    • トピックSLE, systemic sclerosis and Sjögren's syndromeSLEの分類基準が本文に一切なかったため現行の2019年EULAR/ACR基準(抗核抗体1:80以上を参入条件とし、各領域の最高点のみを加算して10点以上)を追加し、旧1997年ACR基準の「11項目中4項目」方式が現行ではないことを明記した。ヒドロキシクロロキンも未登場だったので、禁忌がない限り全SLE患者に投与する土台の薬剤であることと網膜症の定期スクリーニングを追加。全身性強皮症では、強皮症腎クリーゼに短時間作用型ACE阻害薬を直ちに開始すること、逆に高用量ステロイドが誘因になるため避けることという最重要の臨床事項が丸ごと欠落していたため新設した。自己抗体と臓器合併症の対応表、シェーグレン症候群のリンパ腫の警告徴候も追加。i-31と同じHLAクラスの取り違えと抗TNF-α薬の機序の誤りもここに残っていたため是正した。(出典:2019 EULAR/ACR、EULAR SLE 2023)
    • トピックAutoimmune joint diseases: rheumatoid arthritis & ankylosing spondylitis関節リウマチの分類基準と治療が丸ごと欠けており、NSAIDsで様子を見ると誤読されうる状態だった。1987年ACR基準が早期例を拾えないため置き換わった2010年ACR/EULAR分類基準(4領域10点満点、6点以上)と、診断後速やかにメトトレキサートを開始し寛解を目標に評価と調整を繰り返すtreat-to-targetを追加した。強直性脊椎炎も体軸性脊椎関節炎の枠組みで再構成し、X線変化前の段階をMRIの骨髄浮腫で捉えること、ASASの炎症性腰痛5基準(分類基準の参入条件である「3か月以上」「45歳未満」とは別物である点を明示)、従来型DMARDが体軸病変に無効であることを追加。「日常診療の確定診断には修正New York基準を用いる」という記述も、同基準自体が分類基準でありそれを要件にするとX線陰性例を原理的に診断できなくなるため是正した。(出典:Aletaha 2010、ASAS-EULAR 2022、Sieper 2009)
    • トピックImmobilization syndrome — effects on somatic functions筋力低下を「週10–20%↓(1か月で半減)」、廃用性骨萎縮を「3か月で骨密度50%」としていたが、いずれも時間軸が誤っている。ベッドレスト研究の系統的レビューでは筋力低下は対数関数的に減速し30日で約-21%・120日で約-32%(膝伸展筋の最大随意等尺性筋力)、脊髄損傷者のpQCT研究では骨量減少は指数関数的で定常状態に達するまで受傷後3〜8年を要する。後者は完全運動麻痺という最も極端な免荷モデルの数値であり一般の臥床に当てはめない旨も明記した。あわせて褥瘡の発生に圧だけでなくずれ力と湿潤が関わること、予防が治療に優先し体位変換だけでは不十分であること、拘縮は不可逆になりうるため予防が要ること、廃用性筋萎縮とサルコペニアが別概念であることを追加した。(出典:Marusic 2021、Eser 2004)
    • トピックLiver dysfunction (2)肝硬変の合併症の管理が本文に一切なかったため新設した。特発性細菌性腹膜炎は腹水好中球250/μL以上で診断し培養陰性でも治療すること、アルブミン併用が腎障害と死亡を減らすこと(診断日1.5 g/kg・3日目1.0 g/kg)、既往例には二次予防を行うこと。食道静脈瘤は急性出血時に血管作動薬・内視鏡に加えて予防的抗菌薬が生存を改善すること。腹水では大量穿刺時のアルブミン補充と非代償期のNSAIDs回避。肝性脳症は誘因の除去が治療の中心でラクツロースが第一選択、再発予防にリファキシミン。あわせて肝細胞癌の6か月ごとのサーベイランスと、Child-PughとMELDの目的の違いを追加した。(出典:Sort 1999、AASLD HCC)
    • トピックLiver dysfunction (1)脂肪性肝疾患の呼称が旧来のNAFLD/NASHのままだったため、2023年の多学会合意による MASLD/MASH への改称と、飲酒が重なる場合の MetALD という枠を追加した。線維化評価も「肝生検が唯一の方法」で止まっていたので、FIB-4 index・NAFLD fibrosis score・エラストグラフィによる段階的な非侵襲評価を新設。急性肝不全にはアセトアミノフェン中毒へのN-アセチルシステインとKing's College criteria(感度は完全ではなく基準未達でも死亡しうる)を追加した。あわせて「AST・ALTは肝機能検査ではなく肝細胞障害の指標であり、合成能はアルブミン・PT/INR、排泄能はビリルビンで見る」という典型的な誤解を明示的に是正した。(出典:Rinella 2023、AASLD 2023)
    • トピックGI system: inflammatory bowel diseases治療の枠組みが軽症から順に薬を足すstep-upのままだったため、予後不良因子を持つ例では従来治療の失敗を待たずに高度治療を導入する方向と、症状の消失だけでなく内視鏡的治癒を含む目標達成型治療へ改めた。5-アミノサリチル酸製剤がクローン病では有効性に乏しく潰瘍性大腸炎と同列に扱えないこと、生物学的製剤・JAK阻害薬の開始前に潜在性結核とB型肝炎のスクリーニングが要ること、中毒性巨大結腸症の誘因に止痢薬・抗コリン薬・オピオイドが含まれること、長期経過例の大腸癌サーベイランスの具体的な時期、便中カルプロテクチンの位置づけ、喫煙がクローン病と潰瘍性大腸炎で逆方向に働くことを追加した。
    • トピックImmobilization syndrome — effects on autonomic functions不動の最も致死的な合併症である静脈血栓塞栓症の節が無かったため、うっ滞が不動で直接生じる機序と、出血リスクに応じた薬物的・機械的予防の使い分けを追加した。尿路結石と膀胱炎が機序を無視して一列に繋がれていたのも、高カルシウム尿+尿停滞による結石と、尿停滞+カテーテルによる尿路感染という2経路に分離した。「無気肺が誤嚥や二次感染を伴わなくても肺炎につながる」という自己矛盾した記述も、貯留した分泌物そのものが培地になって感染が成立する、と正した。早期離床については、鎮静中断と組み合わせた介入が機能的自立とせん妄期間を改善する一方、早期の積極的な運動負荷は生存・在院外日数を改善せず有害事象を増やしたという両方の試験結果を併記した。(出典:ASH 2018、Schweickert 200960658-9)、TEAM試験)
    • 疾患体軸性脊椎関節炎炎症性腰痛の表が6行あるのに「この5項目のうち4項目以上」と書かれており、ASASの5基準(40歳未満発症・緩徐発症・運動で改善・安静では改善しない・夜間痛)に含まれない「3か月以上の持続」と「朝のこわばり」が混ざっていた。5基準を正しく示したうえで、持続期間と45歳未満はASAS分類基準の参入条件であって炎症性腰痛基準ではない旨を明記した。(出典:Sieper 2009)
  3. 2026 08.15

    病態生理学 ii-5〜ii-13(アルコール・腎・呼吸)を監査。過換気症候群への紙袋再呼吸法が現行の推奨として残っていたほか、抗GBM病の分類・pCO₂基準値・呼吸不全の型番号の誤りを是正した。

    • トピックRespiratory acid-base disorders: respiratory acidosis & alkalosis過換気症候群の治療として「閉じた袋への再呼吸でCO₂を上げる」と書かれていた。低酸素血症・心筋虚血・肺血栓塞栓症など器質的な原因で過換気していた患者に行うと致命的で死亡例が報告されており、健常者でも袋内の酸素濃度が有意に低下する。同じボルト内の小児科ノートでは既に「行わない」と正しく書かれておりこのファイルだけ取り残されていた。あわせて「過換気症候群」と決める前に器質的原因を除外する必要性と、急性・慢性で異なる代償の予測式を追加した。(出典:Callaham 198980515-3))
    • トピックCauses and systemic consequences of acute renal failure抗GBM病を「免疫複合体型」の血管炎に分類していたが、急速進行性糸球体腎炎の独立した第3の型(線状沈着)であり免疫複合体型(顆粒状沈着)とは別物である。あわせて呼称をAKI(急性腎障害)へ統一しKDIGOの定義・病期を追加、タイトルにある「全身的影響」の節が本文に一つも無かったため新設した。治療では、利尿薬がAKIの回復を早めず予後も改善しないこと、低用量ドパミンの腎保護が否定されていること、腎代替療法の早期開始が有利という説が大規模試験で否定されたことを明記した。(出典:KDIGO AKI 2012、STARRT-AKI、ACR/NKF 2020)
    • トピックOrgan changes in chronic renal failure腎性貧血でヘモグロビンを正常値まで上げてはならないこと(正常化を目指した試験で脳卒中・心血管イベントが増えた)と、赤血球造血刺激因子製剤の前に鉄欠乏を是正することが明示されていなかった。「腎性骨異栄養症」(骨の組織像を指す語)と「CKD-MBD」(検査値異常・骨病変・血管石灰化を束ねた全身性症候群)の混同も是正。高カリウム血症でRAS阻害薬を中止せずに済ませる新しいカリウム吸着薬、代謝性アシドーシスの補正、およびCKD患者の最大の死因が末期腎不全ではなく心血管疾患であるという疫学の要点を追加した。(出典:KDIGO CKD-MBD 2017、OPAL-HK、Keith 2004、de Brito-Ashurst 2009)
    • トピックThe metabolism of alcohol東アジア人の約3〜4割が持つALDH2低活性型と、その体質で飲酒を続けた場合に食道扁平上皮癌のリスクが大きく上がる(大量飲酒者でオッズ比10倍超)という、日本人にとって最も臨床的意義の大きい項目が欠落していた。あわせてアルコールの消失動態がゼロ次であり「半減期」で考えられないこと、慢性飲酒によるCYP2E1誘導がアセトアミノフェン毒性と薬物相互作用を増やすうえアルコール性肝障害の中心的機序でもあること、NADH/NAD⁺比の上昇が低血糖・乳酸アシドーシス・高尿酸血症・脂肪肝を一括で説明することを追加した。(出典:Brooks 2009、Cederbaum 2008)
    • トピックAcute alcohol intoxication酩酊者の意識障害でアルコール以外を鑑別するという最重要の視点が欠落していた(低血糖・頭部外傷による硬膜下血腫・低体温・他の中毒・肝性脳症・髄膜炎)。ブドウ糖を投与する前にチアミンを与える順序も並列表記で埋没していたため明示化した。あわせてアルコール性ケトアシドーシス(血糖は正常〜低値で高アニオンギャップ、糖尿病性ケトアシドーシスと混同しやすい)を新設し、「酔いを覚ます薬は無く輸液でも代謝は速まらない」ことを明記した。(出典:McGuire 2006)
    • トピックChronic alcoholism最も命に関わるアルコール離脱の記述が「離脱症状(振戦せん妄)」という一語しかなかった。時間経過と、ベンゾジアゼピンを症状に応じて投与するという治療の骨格を追加。Wernicke脳症も三徴が揃うのは少数であり揃わないことを理由に否定してはならない点、チアミンを非経口・高用量でブドウ糖より先に投与する点を明記した。再発予防薬(ナルトレキソン・アカンプロサートが第一選択、ジスルフィラムは監視下でないと有効性が乏しい)とスクリーニングも欠落していたため新設し、DSM-5で「依存症」「乱用」の区分が廃止されアルコール使用障害に統合されたことも追記した。(出典:ASAM 2020、Jonas 2014)
    • トピックPulmonary ventilation disorders & respiratory failure動脈血液ガスの基準値でpCO₂を35–48 mmHgとしていたのを35–45に是正した(同じボルト内の検査値ノートと食い違っていた)。閉塞性障害の判定が気管支拡張薬吸入後のFEV1/FVCで行われること、固定比0.70と正常下限のどちらを使うかで結論が変わることも追加。2型呼吸不全への酸素投与でCO₂ナルコーシスが起こる機序を「呼吸中枢が止まるから」だけで説明していたのを、低酸素性肺血管収縮の解除による換気血流比の悪化とHaldane効果が主であると改め、目標SpO₂ 88〜92%を明記した。拡散能と、拘束性障害の確定に全肺気量の実測が要る点も新設した。(出典:GOLD 2026、BTS 酸素療法2017)
    • トピックAcute respiratory failure; effects of hyperventilationタイトルが「過換気の影響」でありながら、低二酸化炭素血症そのものの影響が本文になかった。脳血管収縮による脳血流低下と、アルカローシスによる遊離カルシウム低下からテタニーに至る2経路を追加。⚠️ 頭部外傷・脳浮腫に対する予防的過換気が現在は推奨されないこと(脳ヘルニア徴候がある場合の一時的手段に限る)も明記した。あわせてARDSの肺保護換気と腹臥位療法に触れ、「3型(混合型)」が独立した型ではないことを明示した。(出典:Brain Trauma Foundation 第4版、ARDSNet 2000、PROSEVA)
    • トピックCauses and definition of chronic renal failureeGFR推算式の説明が欠落していたため、2021年に人種係数を含まないCKD-EPI式へ改訂されたこと(人種は生物学的ではなく社会的な構成概念であるという考えに基づく)、日本では日本人係数の式が使われること、筋肉量・急性期には不正確でシスタチンCの併用が要ることを追加した。進行抑制もRAS阻害薬に加えてSGLT2阻害薬・非ステロイド性MRA・GLP-1受容体作動薬を積み上げるのが現行の柱であり、RAS阻害薬と血圧管理だけでは不十分である点を明記。腎臓専門医への紹介と腎代替療法の早期準備も新設した。(出典:KDIGO CKD 2024、Inker 2021)
    • トピックEffects of prolonged smoking on airways and lung elastic fibers呼吸不全を「3型」と記載していたのを2型へ是正した。あわせて喫煙がα1アンチトリプシンを酸化的に不活化するためプロテアーゼ・抗プロテアーゼの不均衡が遺伝的欠損なしでも成立する機序、α1アンチトリプシン欠乏症の臨床像(若年発症・下葉優位・肝疾患合併)と条件付きで推奨される検査、禁煙が呼吸機能低下速度を変えうる数少ない介入であること、加熱式・電子たばこを「安全」と混同しないことを追加した。(出典:CTS 2025、Fletcher & Peto 1977)
    • 疾患食道癌東アジアで扁平上皮癌の罹患率が高いことに触れながら、その最大の遺伝的説明であるALDH2多型が書かれていなかった。「飲むと赤くなる」という問診が遺伝的リスクの手がかりになること、この体質で飲酒を続けるとリスクが著しく上がることを追加した。あわせてバレット食道が腺癌側で唯一先回りできる前癌病変であること、逆流手術に発癌予防効果は示されていないことを補った。(出典:Brooks 2009、ACG バレット食道2022)
  4. 2026 08.15

    病態生理学トピックの監査を完了(ii-14〜ii-31)。心原性ショックに冠血行再建、敗血症性ショックに治療原則、酸塩基異常に診断アルゴリズムが無いなど、主題そのものの骨子が欠けた15ノートを一次資料で是正した。

    • トピックSeptic shock: mechanism and treatment principles「治療原則」を主題に掲げながら、抗菌薬のタイミング・初期輸液・昇圧薬の選択・ステロイドの適応がどれも書かれていなかった。ショックがあれば1時間以内・確度が低ければ3時間以内という現行の時間軸、ノルアドレナリンを第一選択とし中心静脈路を待たず末梢から開始してよいこと、ヒドロコルチゾンは輸液と昇圧薬に反応しない例に限ることを追加。早期目標指向型治療(EGDT)が3試験の統合解析で通常治療に優越しないと示され推奨されなくなった経緯も明記した。Sepsis-3の発表年が2015年と誤記されていたのも2016年へ是正し、qSOFAが診断基準ではなくスクリーニングである点を追加した。(出典:Sepsis-3、PRISM、CLOVERS)
    • トピックPossible causes of cardiogenic shock心原性ショックのノートでありながら、治療の中心が原因の解除=速やかな冠血行再建であることが書かれておらず、機械的合併症(心室中隔穿孔・乳頭筋断裂・自由壁破裂)も原因リストから欠落していた。多枝病変でも責任病変以外への同時血行再建を行わないこと(CULPRIT-SHOCK)、大動脈内バルーンパンピングのルーチン使用が死亡を改善しないこと(IABP-SHOCK II)、右室梗塞では前負荷依存のため輸液が必要で硝酸薬・利尿薬が禁忌に近いことを追加した。(出典:CULPRIT-SHOCK、IABP-SHOCK II)
    • トピックMetabolic acid-base disorders: metabolic acidosis & alkalosis診断の骨格がほぼ全部欠けていた。低アルブミン血症でアニオンギャップが見かけ上小さくなるための補正、代償の予測式(Winterの式)、開大したアニオンギャップの裏に別の障害が隠れていないかを見るdelta-delta、非開大性で腎性と腎外性を分ける尿アニオンギャップ、代謝性アルカローシスを生理食塩水反応性と非反応性に分ける尿中クロール——いずれも治療方針を決める骨格である。重炭酸ナトリウムがルーチン投与ではないことも追加した。(出典:Cleveland Clinic Journal of Medicine 2017)
    • トピックOrgan manifestations of circulatory shock (MODS)ARDSに対する肺保護換気と腹臥位療法、ショック肝がウイルス性・薬剤性と経過の形で鑑別できること、消化管バリアの破綻が二次性敗血症を招くこと、SOFAスコアによる臓器障害の定量が欠けていた。「不可逆期=多臓器不全」と読める書き方も、臓器ごとに回復のしかたが異なる(腎の尿細管壊死は可逆的だが重症ARDS後の肺には線維化が残りうる)と改めた。(出典:ARDSNet 2000、PROSEVA)
    • トピックCOPD and pulmonary fibrosis: respiratory mechanics & blood gasesタイトルが「COPDと肺線維症」でありながら肺線維症の記述が本文に丸ごと無かった。コンプライアンス・肺容量・気道抵抗が対極になる呼吸力学と、COPDが進行すると高二酸化炭素血症を伴う一方で肺線維症は終末期まで正常〜低値のままという血液ガスの対比を追加。特発性肺線維症の治療も、かつてのステロイド+アザチオプリン+N-アセチルシステインの3剤併用がPANTHER-IPF試験で死亡・入院を増やして中止された経緯と、現行の抗線維化薬へ改めた。(出典:PANTHER-IPF)
    • トピックSodium (Na+) and water balance disorders低ナトリウム血症の補正速度が数値なしだったため、症候性では高張食塩水で速やかに4〜6 mmol/L上げる一方、24時間の上昇は制限するという方向の違う2つの原則を明記した。診断も血漿浸透圧→細胞外液量→尿浸透圧と尿ナトリウムという順序で示し、SIADHが副腎不全・甲状腺機能低下症を除外して初めて診断できる点、高ナトリウム血症でも補正を急ぐと脳浮腫を起こす点を追加。「3%生理食塩水」という用語矛盾(生理食塩水は等張)も是正した。(出典:ESICM/ESE/ERA-EDTA 2014、Tandukar 2021)
    • トピックPotassium (K+) balance disorders高カリウム血症の緊急治療を、①カルシウムで心筋膜を安定化(カリウムは下がらない)②インスリン・β2刺激薬で細胞内へ移動③体外へ除去、の3段構えとして整理し、③を省くと数時間で再上昇する点を明記した。偽性高カリウム血症の除外、マグネシウム欠乏があるとカリウムを補充しても上がらない機序、静脈内投与の速度上限も追加。従来の陽イオン交換樹脂が第一選択でなくなった経緯も反映した。(出典:Geldermann 2026、Huang & Kuo 2007)
    • トピックForms of hypovolemic shock出血性ショックの蘇生戦略が「欠乏部位に応じて晶質液かコロイド液を選ぶ」という一般論のみだった。晶質液の大量投与が希釈性凝固障害・アシドーシス・低体温を悪化させること、早期から輸血製剤を主体とするダメージコントロール蘇生、トラネキサム酸が受傷後3時間以内では有益だが3時間を超えると有害の可能性があること、止血までの許容的低血圧を追加した。ATLSの出血重症度分類も、実データでは分類どおりに当てはまる症例が9.3%にとどまるという限界を添えた。(出典:PROPPR、CRASH-260278-X)、Mutschler 2013)
    • トピックSecondary disorders caused by tumors (1): organ disorders in cancer腫瘍緊急症がほとんど扱われていなかった。腫瘍崩壊症候群(高カリウム・高リン・高尿酸と低カルシウム血症、予防が治療に優先、ラスブリカーゼはG6PD欠損で禁忌)、脊髄圧迫(背部痛が神経症状に先行するため癌患者の新規背部痛は緊急でMRI、麻痺が完成すると戻らない)、上大静脈症候群(気道・脳浮腫がなければ組織診断を優先する現行の考え方)を追加した。悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症も、生理食塩水による補液を先行させること、ループ利尿薬をルーチンに使わないこと、サイアザイド系利尿薬は中止することを明記した。(出典:Endocrine Society 2023、ASCO VTE 2023)
    • トピックSeptic shock: inflammation, coagulation & endothelial dysfunction補体と凝固の連関の機序に誤りがあった。内皮に作用して凝固を促すのはC5b単独ではなく終末補体複合体C5b-9であり、組織因子を誘導するのはC5aである。またC5aはPAI-1を「活性化」するのではなく発現を誘導し、PAI-1が阻害するのはプラスミノゲンではなくプラスミノゲンアクチベータの側である。DICの診断基準はi-17に委譲して役割分担を明確にした。(出典:Wei 2024)
    • トピックPhases of hypovolemic shock代償期に血圧以外で何を見るか(頻脈・脈圧の狭小化・毛細血管再充満の遅延・皮膚所見・尿量減少・不穏)が書かれておらず、血圧が正常なために見逃されるという最重要の点が伝わらなかった。「不可逆期まで進むと手遅れ」という書き方も、不可逆は経過を振り返って付ける呼び名でありその場で治療を差し控える根拠にはならない、と改めた。自己輸注が破綻する機序に内皮グリコカリックスの障害を補った。(出典:Anand 2023、ANDROMEDA-SHOCK-2)
    • トピックProgression of circulatory shock微小循環障害の節を新設し、血圧や心拍出量を戻しても微小循環が戻らないことがあるという現代的な理解を追加した。臓器障害の連鎖も機序を伴わない列挙だったため、急性腎障害・急性肝不全・消化管バリア破綻から二次性敗血症・ARDS・DICへ至る経路として整理。輸液反応性の評価と、輸液過剰そのものが害になるという点も追加した。
    • トピックRespiratory acid-base disorders: respiratory acidosis & alkalosis過換気症候群の治療として紙袋への再呼吸が現行の推奨として載っていたのを削除した(器質的原因で過換気していた患者では致命的で死亡例の報告がある)。あわせて急性と慢性で異なる代償の予測式、II型呼吸不全の閾値(同一ノート内で50と40に割れていたのを45へ統一)、急性呼吸性アシドーシスに重炭酸ナトリウムを投与しないこと、原因を中枢・神経筋・胸郭・気道肺実質の4群に整理した。(出典:Narins & Emmett 1980)
    • トピックDefinition and classification of circulatory shock4分類それぞれの血行動態パラメータの向きを表にし、血液分布異常性だけが心拍出量が増えて体血管抵抗が下がるという見分け方を明示した。末梢灌流の評価(毛細血管再充満時間・皮膚所見・尿量・意識・乳酸)も新設し、乳酸上昇が嫌気性代謝だけでなくβ刺激や肝クリアランス低下でも起こる点を添えた。複数の型が同時に存在しうることも明記した。(出典:ANDROMEDA-SHOCK、Cecconi 2014)
    • 疾患浸透圧性脱髄症候群補正速度の上限が、同じノート内の出典欄(24時間6〜8 mEq/L)と本文(10 mEq/L)で食い違っていた。これは誤りではなく欧州系の「許容できる上限」と米国系の「目指す目標」という水準の違いなので、両者を並べたうえで、ガイドラインが許容する範囲内で補正しても発症しうること、高リスク群ではさらに厳しく制限することを明示した。(出典:Tandukar 2021)
  5. 2026 08.15

    病態生理学の実習・症例ノート(p-i/p-ii)59件の監査を完了。経皮酸素分圧に対する炎症の影響が逆向きだった箇所、DAPA-CKD・FLOW を試験の組入れ基準を超えて一般化していた箇所、Sepsis-3 の基準が逆向きだった箇所、位相角に別手法の性質を帰属していた箇所など、出典が言っていないことを出典付きで書いていた誤りを一次資料で是正した。

    • トピックKidney disease, Case 5SGLT2阻害薬の腎保護を「糖尿病の有無や**高度アルブミン尿の有無によらず**」と DAPA-CKD に帰属していたが、同試験の組入れ基準は eGFR 25〜75 かつ 尿中アルブミン/クレアチニン比 200〜5000 mg/g で、全例がアルブミン尿を有する。「アルブミン尿を問わない」はこの試験からは導けない別試験の主張である。試験集団を明示する書き方に改め、`claim` にも外挿できない旨を明記した。旧Mogensen式の「顕性期」という病期表記も KDIGO 2024 の A3(高度アルブミン尿)へ更新した。(出典:DAPA-CKD、KDIGO CKD 2024)
    • トピックCirculatory shock, Case 4Sepsis-3 の敗血症性ショックの基準が逆向きに書かれていた——「平均動脈圧 65 mmHg **未満**を保つのに昇圧薬を要し」とあったが、原文は「65 mmHg **以上**に保つために昇圧薬を要し、かつ血清乳酸値 2 mmol/L 超」である。起因菌も「多くの場合A群溶血性レンサ球菌」と断定していたが、本例は芝刈り機による母指穿通外傷に膿排出を伴い、vault 自身の `diseases/lymphangitis` が「創傷・穿通外傷を伴う例では黄色ブドウ球菌の関与も考慮」と明記している条件に当たるため、菌種の断定を外した。出典0件だったため Sepsis-3 と SSC を追加。(出典:Sepsis-3)
    • トピックAcid-base disorder, Case 1課題文の動脈血ガス3値(pH 7.31・PCO₂ 32・HCO₃⁻ 12)が Henderson-Hasselbalch 式で互いに整合しない。計算上の pH は 7.20 になり、逆に pH と HCO₃⁻ から求めた PCO₂ は 24.7 mmHg で Winter の式の期待域 24〜28 の内側に入る。つまり「代償が不十分だから混合性障害」という読みは、3値のどれを正とするかで正反対になる。課題文の値は書き換えず、不整合の注記と、それでも学ぶべき枠組みは成立するという解説を添えたうえで、断定を「鑑別としては挙げるが確定はできない」へ後退させた。同種の不整合が p-ii-21 にもある(計算上の pH は 6.73)。
    • トピックBody composition monitor (bioimpedance spectroscopy)位相角に別手法の性質を帰属していた。「位相角は体液貯留状態でも解釈できる」と出典付きで書かれていたが、引用元が体液異常時に使えるとしているのは**位相角ではなく BIVA(生体電気インピーダンスベクトル解析)**であり、位相角は推定式を介さない予後指標として区別されている。両者を分けて書き直し、「位相角なら体液の影響を受けない」わけではない旨を明記した。ESPEN の帰属に原文にない「人種」が混入していたのも「集団・年齢・病態」へ是正し、妥当に決定できるのは除脂肪量と総体水分量までであること、体液分布が変化した状態での多周波数法・分光法はなお研究段階であることを追加した。(出典:Norman 2012、ESPEN BIA part 1)
    • トピックEndocrine disorder, Case 3「稀発月経は甲状腺機能亢進症患者の半数以上でみられる」という出典のない頻度が、一次資料と逆だった。閉経前甲状腺中毒症の女性214人の検討では月経不整は46人(21.5%)で、対照群8.4%より高いものの過半には遠く及ばず、無月経は1例もない。引用論文の抄録自身が「教科書の約50%という記述と異なる」と明言している。実測値へ書き換えて出典を付けた。(出典:Krassas 1994)
    • トピックObesity–Diabetes, Case 1メタボリックシンドロームの診断基準を取り違えていた。「腹囲が測定されていないので NCEP ATP III などが要求する腹囲測定の代わりにならず診断できない」と書かれていたが、**ATP III および2009年の統一基準は腹囲を必須項目としない**——統一基準は「必須項目を置かず、5項目中3項目で該当」と明記している。本症例は血圧・中性脂肪・HDL・空腹時血糖の4項目を満たすため診断は成立する。腹囲必須は IDF 2005 定義と日本の基準の話なので、そちらへ帰属させ直した。(出典:Alberti 2009 統一基準)
    • トピックObesity–Diabetes, Case 2補正ナトリウムの係数を適用範囲外で使っていた。「血糖100 mg/dLごとに1.6 mmol/L を加える」で本症例(血糖513 mg/dL)を補正していたが、元の実験は**400 mg/dL までは1.6でよく合い、400を超えると4.0のほうが実測に近い**(全体平均2.4)としている。513 mg/dL はまさに1.6が合わない範囲である。さらにこの実験は健常者6人への急速ブドウ糖負荷であり、浸透圧利尿で水とナトリウムを失う糖尿病性ケトアシドーシス患者を調べたものではない。適用範囲と母集団の限定を注記した。(出典:Hillier 199900055-8))
    • トピックHypertension, Case 2JSH2019 の降圧目標について事実誤認があった。「糖尿病・腎疾患などで目標を個別に下げていたが廃止された」と書かれていたが、JSH2019 で 130/80 mmHg未満とされていたのは75歳未満の一般成人・糖尿病・蛋白尿陽性CKD・冠動脈疾患という**同じ群**であり、糖尿病だから低かったのではない。別枠だったのは75歳以上・脳血管障害・蛋白尿陰性CKD への 140/90 mmHg未満という緩和目標で、JSH2025 が廃止したのはそちらである。ESC2024・ACC/AHA2025・JSH2025 が糖尿病の有無で目標を分けていないという中心の主張は正しく、そのまま残した。
    • トピックEndocrine disorder, Case 1低カリウム血症の機序を別の病態から流用していた。「11β-HSD2 が飽和しコルチゾールが直接ミネラルコルチコイド受容体を活性化する」は**内因性**コルチゾール過剰の機序だが、本症例は外因性ステロイドによる医原性クッシング症候群で内因性コルチゾールはむしろ抑制されている。外因性では薬剤自体のミネラルコルチコイド受容体親和性(ヒドロコルチゾン>プレドニゾロン>デキサメタゾンはほぼ無し)で決まる。加えて本例はアルドステロン拮抗薬を併用中で、この機序だけでは説明しきれない。内因性と外因性を分けて書き直した。
    • トピックMethods to define nutritional statusGLIM 基準が項目名だけで閾値がゼロだった。体重減少(6か月以内5%超/6か月超10%超)、低BMI(70歳未満20未満・70歳以上22未満、**アジア人は18.5未満/20未満**)、摂取低下(必要量の50%以下が1週間超)などの実数値と、Stage 1/2 の重症度を追加。重症度は表現型基準のみで判定し病因基準は介入・予後の見通しに使う、という原典の区別も明記した。BMI 区分の境界も「35–40 と 40超」で40ちょうどが抜ける壊れ方をしていたため「35–39.9 と 40以上」に是正した。(出典:GLIM 2019)
    • トピックCognitive tests & neurodegenerative disorders (MCI)出典 id が著者を誤っていた(Ciesielska としていたが DOI の著者は Pinto ら。Ciesielska は別誌の同主題の別論文)。数値自体は正しかったため id のみ改名した。MMSE・MoCA のカットオフが一切書かれていなかったので MoCA 26点、軽度認知障害の検出感度 MoCA 90%/MMSE 18%、特異度 87%/100% を追加。⚠️ この18%は **MMSE を MoCA のカットオフ26点で運用した条件下**の数値なので「MMSEの感度は18%」と一般化しないよう注記した。(出典:Nasreddine 2005、Pinto 2019)
    • トピックNeurovascular coupling & fNIRS in brain imagingBeer–Lambert 則としていたのを、合意文書が明記する**修正**Beer–Lambert 則(mBLL)へ是正し、散乱のため通常の法則が使えない機序を補った。短距離チャネルの距離も「数mm」ではなく「15 mm未満(成人で最適 約8 mm、乳児 約4〜5 mm)」へ是正し、「標準的な前処理」という断定を合意文書が挙げる3方策のうちの第一という位置づけに緩めた。出典0件だったため2件を追加した。(出典:fNIRS best practices 2021、Iadecola 2017)
    • トピックRespiratory disease, Case 2「Betaloc(非選択的β遮断薬)」が誤りだった。Betaloc はメトプロロールの商品名で**心臓選択性(β1選択性)**である。「COPDだから注意」という解釈も、気管支攣縮を来しやすいのは非選択性薬(プロプラノロール等)であり、本例は既往の心筋梗塞・冠動脈バイパスという明確な適応があって中止根拠がない。COPD合併の心筋梗塞後患者では心臓選択性薬のほうが予後良好という報告を添えたが、これは台湾の保険請求データベースを用いた**観察研究**であり因果を示すものではない旨も明記した。(出典:Mayo Clin Proc 2022)
    • トピックRespiratory disease, Case 3プロカルシトニン 1.5 µg/l に「(正常)」と注記されていたが上昇値である。ただし訂正の理由付けも問題で、「正常上限は0.5前後」という書き方は vault 自身の `lab-values/procalcitonin` の「0.25・0.5 などの閾値は対象・アルゴリズム・測定法によって意味が変わる**判断の分岐点**であり、異なる集団の固定値を横流ししない」と正面から矛盾する。分岐点であることを明示する書き方に改め、プロカルシトニンが細菌かウイルスか、定型か非定型かを区別する検査ではない点も追加した。同じ誤推論が p-ii-14 にもあったため揃えた。
    • トピックLiver disease, Case 5AST 85 > ALT 76 を「アルコール性肝障害で典型的な比率」としていたが、比は約1.1でDe Ritis比の教科書的カットオフ(2以上)を大きく下回る。あわせて引用の帰属も是正した——具体値「アルコール性2.30 対 対照1.10」は引用した総説自身のデータではなく、その総説が引用している別論文からの孫引きである。総説自身の記述(2:1以上がアルコール性を示唆)と孫引きを `claim` で書き分けた。(出典:De Ritis比の総説)
    • トピックLiver disease, Case 4急性C型肝炎の方針が「慢性化すれば経過を追ってウイルス学的評価を継続する」となっており現行方針と食い違っていた。AASLD/IDSA の指針は「**自然排除を待たずに治療を開始すべき**」(推奨度I、レベルB)とし、直接作用型抗ウイルス薬は慢性と同一レジメンでよいとしている。抗HCV抗体の陽転化(平均50〜60日、範囲20〜150日)とHCV RNA の検出可能時期(1〜2週間)も一次資料で確認して明記した。
    • トピックKidney disease, Case 1白血球 12×10⁹/L(高値)を「高炎症状態」とだけ解釈していたが、活動性の全身性エリテマトーデス自体はむしろ**白血球減少**を来す(2019 EULAR/ACR 分類基準の血液ドメインは白血球減少4.0×10⁹/L未満・血小板減少・自己免疫性溶血の3項目のみで、白血球増多はどのドメインにもない)。したがって白血球増多はむしろ感染合併を疑う所見であり、その鑑別が抜けていた。電子顕微鏡・蛍光抗体所見だけで「ループス腎炎を確証」としていた点も、治療強度を決める ISN/RPS 病理分類には光学顕微鏡所見が必須である旨に改めた。
    • トピックGastrointestinal disease, Case 3再栄養症候群の ASPEN 定義からチアミンが完全に落ちていた。同定義は電解質(リン・カリウム・マグネシウム)の低下に加えて「**および/またはチアミン欠乏による臓器障害**」を重症の基準に挙げている。チアミンを先行投与する理由(ウェルニッケ脳症・脚気心)とともに追加した。
    • トピックCirculatory shock, Case 3「禁忌がなければ全身血栓溶解が標準的な再灌流治療」という単一指針の枠組みを無条件の標準として書いていた。vault 自身の `diseases/pulmonary-embolism` は 2026 AHA/ACC に基づき「全身血栓溶解だけを機械的な第一選択にしない」としており不整合だった。どの指針の枠組みかを明示したうえで近年の方向性を併記した。
    • 疾患糖尿病性腎症セマグルチドの腎保護を「eGFR・アルブミン尿の重症度によらず」と書いていたが、FLOW試験の組入れ基準は eGFR 50〜75 なら尿中アルブミン/クレアチニン比300超、eGFR 25以上50未満なら同100超で、**全例がアルブミン尿を有し全例が2型糖尿病**である。アルブミン尿のない糖尿病性腎臓病や糖尿病のないCKDへの外挿はこの試験では裏づけられない。出典0件のノートだったため FLOW を追加した。(出典:FLOW)
    • 疾患ウイルス性肝炎HCVの慢性化率が vault 内で 55〜85% と 60〜80% に割れていた。WHO のファクトシートは「約30%(15〜45%)が6か月以内に無治療で自然排除し、残る70%(55〜85%)が慢性化する」としており、55〜85% がWHO準拠の値である。約70%(55〜85%)へ統一し、抗体陽性だけでは現感染と言えずHCV RNAの確認が要る点も追加した。出典0件だったためWHOを追加。B型の慢性化率についても、vault の「成人5-10%・新生児~90%」に対しWHOは「成人5%未満・乳幼児期約95%」としている旨を併記した。
    • 微生物Hepatitis C virus慢性化率を WHO の表現(約70%、範囲55〜85%)へ揃え、約30%(15〜45%)が6か月以内に無治療で自然排除する点を追加した。出典0件だったためWHOのファクトシートを追加した。
    • トピックDiabetic vascular function: laser Doppler/TcPO2 — heating response経皮酸素分圧(TcPO₂)がずれる向きが逆に書かれていた。「浮腫・炎症・皮膚の肥厚があると実際より低い値(偽低値)が出やすい」とあったが、出典の一覧表は影響を過小評価列と過大評価列に明確に分けており、**炎症は過大評価(高く出る)側**である。過小評価側は皮膚の**硬化**(肥厚ではない)・浮腫・室温22℃未満・送風・骨突出部や表在腱/表在静脈上での測定・会話・疼痛・不安・2時間以内の喫煙やカフェイン。炎症で高く出るのは充血で皮膚血流が増えるためで、蜂窩織炎を伴う潰瘍では灌流を実際より良く見積もることになる。**切断レベルの判定でこの向きを逆に覚えると、治癒が見込めない高さを「大丈夫」と読む方向に誤る。** 両方向を列挙する形に書き直した。**同じ向き違いが `lab-values/toe-pressure-and-transcutaneous-oximetry` にも残っていたため、本文と `claim` の双方をあわせて是正した。**(出典:JCM 2021)
    • トピックMethods to measure blood pressure聴診間隙の段落全体に AHA 2019 声明の脚注が付いていたが、**同声明の全文に該当する語が一度も出てこない**。声明が支持しているのは「触診で橈骨動脈が消える圧を見積もり、そこから20〜30 mmHg高く加圧する」という手順の側なので、脚注をそちらへ移し、聴診間隙は古典的な教科書事項として出典なしに分離した。心房細動での「自動血圧計は聴診法や観血的測定と比べてずれが大きい」も誤りで、引用研究が比較したのは容積補償法による拍動ごとの連続血圧であり、しかも心房細動での平均偏差は洞調律より小さい。「平均の偏りは小さいがばらつきが大きい」という原著の結論に合わせた。なお左右上肢の血圧差は 10 mmHg 以上(15 ではない)が原文の値であることも確認した。
    • トピックDiabetic neuropathy: autonomic testing & Ewing testEwing テストの判定表の境界値が区間を張れておらず、正常「10未満」に対し境界域「11〜29」、正常「16超」に対し境界域「11〜15」で、**10 と 16 がどの区分にも属さない**状態だった。系統的レビューで Ewing の提唱値を確認し「10以下」「16以上」へ訂正。配点だけで解釈の閾値が書かれていなかった点も、2項目以上の異常で確定的な心臓自律神経障害・1項目のみは早期、と補った。心血管死のハザード比 2.14 にも母集団(ACCORD 試験、2型糖尿病8,000例超)を添えた。(出典:Clin Auton Res 2026)
    • トピックExamination for somatic nerve neuropathy10gモノフィラメント検査で2つの別プロトコルを混同していた。「足底の複数部位(母趾先端、第1・3・5中足骨頭)に年1回」としていたが、引用元は「**年1回の遠位対称性多発神経障害スクリーニング=両側母趾背側**」と「**ハイリスク足の判定=各足4か所の足底**」は別物であると明記している。表で分離した。あわせて足の自己検診に関する推奨番号の誤りも訂正し、リスク層別の再検間隔を追加した。
    • トピックAnkle-brachial index: definition & measurement重症虚血の足関節上腕血圧比の閾値が「0.40以下」となっていたが、原文は「0.40**未満**」。また ABI の4区分・足趾上腕血圧比の追加・運動負荷 ABI がいずれも推奨クラス1であることが明示されておらず、境界域の行が「検討する」と推奨を弱めていた。ABI の4区分(末梢動脈疾患の有無を報告する枠組み)と 0.40未満の重症虚血定義(緊急コンサルトの閾値)が別の枠組みである点も明示した。
    • トピックDiabetic neuropathy: manifestations & pathomechanism尿毒症を StatPearls に帰属していたが、**同項目の病因一覧に腎疾患は入っていない**(糖尿病・甲状腺機能低下症などは入っている)。実際の記載どおりに脚注を付け替えた。メトホルミンによるビタミンB12欠乏も引用元に記載が無いため脚注の射程外へ分離。薬物療法から推奨グレードと三環系抗うつ薬の安全性警告が落ちていたため表にして明示し、血糖コントロール自体が疼痛治療になる証拠は無い点も追加した。**同じ帰属誤りが `symptoms/peripheral-neuropathy` の原因表にもあったため、脚注が実際に支持する糖尿病・甲状腺機能低下症の側へ付け替えた**(尿毒症性ニューロパチー自体は確立した概念なので項目は残した)。
  6. 2026 08.14

    病態生理学トピックの手動監査。ビタミンDの基準値が2011年版のまま、高血圧の診断閾値が出典不明で降圧目標の記載が欠落、LTOTの適応が未記載——計10ノートを一次資料で是正した。

    • トピックNon-osteoporotic bone diseases; extraskeletal effects of vitamin D deficiency25(OH)Dの「目標30 ng/mL・成人1500–2000 IU/日」という2011年内分泌学会指針の枠組みが撤回済みだったため全面的に書き換えた。2024年改訂では疾患予防のための至適目標値を定める根拠が無いとされ、一般集団・肥満者・皮膚色の濃い人へのルーチンの25(OH)D測定を推奨せず、経験的補充は1〜18歳・75歳以上・妊婦・高リスク前糖尿病の4群に限られる。あわせて、この指針が治療適応の確立した骨疾患には適用されない旨を明記した。SARS-CoV-2の「低ビタミンD→重症化」という因果的な書き方も、規模の大きい試験では効果が消える(出版バイアス)ことを踏まえて改めた。(出典:Endocrine Society 2024、Autier 2025)
    • トピックDiagnostic criteria of hypertension by measurement method測定法別の診断閾値表がどの指針の値か不明だったためISH2020に帰属させ、JSH2025への言及が無かった点を補った。JSH2025でも診断基準(診察室140/90・家庭135/85 mmHg以上)は据え置きである一方、降圧目標は75歳以上への緩和目標が廃止され原則全年齢で診察室130/80・家庭125/75 mmHg未満に統一された、という診断基準と目標値の区別を追記した。(出典:ISH 2020、JSH2025改訂ポイント)
    • トピックHypertension II. Treatment. Hypertensive Heart Disease2018年ESC/ESHの歴史的アルゴリズムだけがあり現行の治療開始値・目標値がどこにも書かれていなかったため、ESC2024・ACC/AHA2025・JSH2025の降圧目標を比較表として追加した。(出典:JSH2025改訂ポイント、2025 AHA/ACC HBPガイドライン)
    • トピックOrgan damage from chronic global respiratory failure (COPD)長期酸素療法が「1日15時間以上」とだけ書かれ適応が欠落していたため、GOLD 2026の適応(PaO₂ ≤55 mmHgまたはSaO₂ ≤88%、およびPaO₂ 55–60 mmHg+肺高血圧・肺性心・多血症)と、中等度の低酸素では生存も初回入院も改善しないことを追記した。「24時間へ延長しても上乗せ無し」の根拠として低酸素血症COPD 2,249例の前向き研究を明示した。(出典:GOLD 2026、Ekström 2016)
    • トピックCalcium & phosphate metabolism — effects on the skeletal systemビタミンK2について「閉経後骨粗鬆症で椎体BMD↑」とだけ書かれ骨折抑制の可否に触れていなかったため、16 RCT・6,425例のメタ解析でBMDは改善するが骨折発生率は有意差なし(RR 0.96)である点を追記した。股関節骨折後の死亡が1年目で終わらず8年以降も上昇したままであること(8コホート122,808人)も補った。壊れていた骨粗鬆症/骨軟化症の語呂合わせを語源(poros=孔/malakos=やわらかい)に戻した。(出典:Ma 2022、CHANCESプロジェクト)
    • トピックHormonal regulation of calcium & phosphate metabolism冒頭で挙げているカルシトニンの説明が本文に無かったため補い、過剰(髄様癌)でも欠如(甲状腺全摘後)でもCa²⁺恒常性は保たれること、術後の低カルシウム血症は副甲状腺の損傷によることを明記した。原発性副甲状腺機能亢進症の症状が「異所性石灰化」の下に押し込まれていたのを骨・腎・消化管・精神神経に整理した。
  7. 2026 08.14

    病態生理学トピックを先頭から順に監査(第2陣)。心不全の薬物療法が旧来の段階的add-on、1型糖尿病のStage分類が本文と図で矛盾、肥満の定義が2025年改訂前——8ノートを一次資料で是正した。

    • トピックSecondary effects of heart failure; therapeutic optionsHFrEFの薬物療法が「1剤を目標用量まで増量してから次を足す」旧来の段階的add-onで、SGLT2阻害薬が末尾の「新規」扱いだった。ARNI/ACE阻害薬・β遮断薬・MRA・SGLT2阻害薬を低用量で早期に並行導入する現行の四本柱へ改めた。HFpEFの記述が丸ごと欠落していたため、SGLT2阻害薬がHFmrEF・HFpEFでClass I(A)に格上げされたことを追記。ジゴキシンの「使用しない」も、四本柱を尽くしてなお症状が残る例への追加治療(Class 2b、心不全入院は減らすが死亡率は改善しない)へ正確化した。(出典:2022 AHA/ACC/HFSA、2023 ESC重点更新)
    • トピックPathogenesis of Type 1 diabetes mellitus本文が1型糖尿病のStage 1を「膵島炎(組織学的所見)」と定義していたが、現行分類は膵島自己抗体の数と血糖の状態で定義する。同じノートの図は既に正しく描かれており、本文だけが図と矛盾していた。あわせて、Stage 2でStage 3への進行リスクが2年約60%・5年約75%であること、Stage 2にテプリズマブ(抗CD3抗体)が発症遅延の適応を持つこと(2026年に1歳以上へ拡大)を追加し、コクサッキーウイルスBワクチンの「臨床試験は未」を第I相公表済みへ是正した。(出典:ADA Standards of Care 2026 ch.2、TZIELD添付文書、PRV-101第I相試験)
    • トピックHeart failure: causes and symptomsLVEFによる分類が「拡張機能障害=EF 35–50%/収縮機能障害=EF 35%未満」という現行にない2区分だったため、HFrEF(40%以下)・HFmrEF(41–49%、旧「中間型」から「軽度低下型」へ改称)・HFpEF(50%以上)+HFimpEFへ置き換えた。NYHA分類が皆無だったので表を追加し、急性心筋梗塞にはKillip分類を用いることを明記。BNP・NT-proBNPが名称だけだったため非急性・急性で異なる除外閾値を補い、2026年の第2次普遍的定義が固定EF閾値から離れつつある点も添えた。(出典:2021 ESC心不全指針、普遍的定義2021、第2次普遍的定義2026)
    • トピックPrevalence, causes and definition of obesity肥満をBMIのカットオフだけで定義していたが、2025年のLancet Diabetes & Endocrinology委員会報告がBMI単独診断をやめ「臨床的肥満/前臨床的肥満」の枠組みと体脂肪量・身体計測による確認を求める立場へ転換していた。既存のBMI表はスクリーニング入口として残したうえで新しい枠組みを追加し、WHOアジア太平洋基準(過体重23以上・肥満25以上)と日本肥満学会基準も併記した。ウエスト周囲径の男102/女88 cmを「NCEP ATP III/IDF」と帰属していたのはIDF欧州系(94/80)と混同した誤りだったため、基準系ごとに分けた。(出典:Rubino 202500316-4)、日本肥満学会基準)
    • トピックMicrovascular complications of diabetes mellitus糖尿病性腎症の評価が「微量アルブミン尿→アルブミン尿」という旧来の段階表記だったため、KDIGOのGFR区分(G1–G5)×アルブミン尿区分(A1–A3)へ置き換え、「微量アルブミン尿」がA2「中等度増加」に置き換わったことを明記した。治療の柱もRAS阻害薬と血糖・血圧管理だけだったので、SGLT2阻害薬・非ステロイド型MRA(フィネレノン)・GLP-1受容体作動薬を積み上げる現行の標準治療へ更新し、高K血症の監視を付した。欠落していた網膜症のスクリーニング間隔(2型は診断時から、1型は診断後5年から)も追加。(出典:KDIGO 2024 CKD、ADA Standards of Care 2026 ch.12)
    • トピックEssential hypertension; principles of treatment降圧目標が本文に一切なく、薬物療法の表がβ遮断薬を先頭に置いてARBの行を欠いていた(第一選択の誤読を招く構成)。ESC2024・ACC/AHA2025・JSH2025の目標値の比較表を新設し、第一選択がACE阻害薬/ARB・ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬・サイアザイド系利尿薬の3系統でβ遮断薬を含まないことを明記、初期2剤併用の位置づけも追加した。生活習慣の数値も現行指針に無い旧い米国値(Na 2.4 g/日未満、BMI 20–25目標)だったため、ACC/AHA2025の2,300 mg/日未満・初期5%以上の減量へ改めた。(出典:2024 ESC、2025 AHA/ACC、JSH2025改訂ポイント)
    • トピックDefinition & forms of hypertension; secondary hypertension; complications二次性高血圧の「低K⁺がヒント」という覚え方だけでは原発性アルドステロン症を取りこぼすため、2025年ACC/AHAガイドラインのスクリーニング拡大を追記した——治療抵抗性高血圧では血清カリウム値によらずアルドステロン/レニン比を測ることをClass 1で推奨し、病期2高血圧の全例へのスクリーニングもClass 2bとして新たに加えている。(出典:2025 AHA/ACC)
    • トピックPathogenesis of Type 2 diabetes mellitus病態生理が「筋・肝・脂肪+β細胞」の4系統に留まっていたため、膵島α細胞のグルカゴン過剰・インクレチン効果減弱・腎の糖再吸収閾値上昇・視床下部のインスリン抵抗性を加え、SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬が効く機序まで繋がるようにした。「積極的治療で寛解を達成しうる」という曖昧な記述も、血糖降下薬中止下でHbA1c 6.5%未満が3か月以上持続という合意声明の定義に置き換えた。(出典:ADA/EASD寛解の定義2021、ADA Standards of Care 2026 ch.2)
  8. 2026 08.14

    病態生理学トピック i-11〜i-18 を監査。抗リン脂質抗体症候群・TTP・HIT・von Willebrand病で禁忌情報が丸ごと欠落し、粘液水腫性昏睡の病態が誤っていた——8ノートを一次資料で是正した。

    • トピックConditions with excessive activation of the coagulation system抗リン脂質抗体症候群の抗凝固に関する記述に、DOACを避けるべきという情報が一切なかった。TRAPS試験でリバーロキサバンがワルファリンより動脈血栓イベントを増やして中止された経緯を踏まえ、EULAR 2019の推奨(リバーロキサバンはトリプル陽性APSに使うべきでない/初発非誘発性静脈血栓は目標INR 2〜3のVKA長期)を原文の限定どおりに追記した。あわせて血栓性素因スクリーニングが「全例」ではなく結果が管理を変える場合に限られること、静脈血栓塞栓症の標準治療がDOAC第一選択であることを補った。(出典:TRAPS試験、EULAR 2019、ASH 2020 VTE)
    • トピックSimultaneous under- & overacting coagulation disorders (TTP, HIT, DIC)危険情報が3つ欠落していた——TTPで血小板輸血が微小血栓を悪化させるため原則禁忌であること、HITの急性期にワルファリンを単独開始すると皮膚壊死・静脈性壊疽を起こすこと、HITではヘパリン中止だけでは不十分で非ヘパリン系抗凝固薬へ切り替える必要があること。あわせてADAMTS13活性10%未満とPLASMICスコア、4Tsスコアの配点、2025年改訂ISTH顕性DICスコアの配点、DICの治療(原疾患の治療が骨格)を追加し、3疾患を見分ける軸を明示した。(出典:Lo 4Tsスコア原著、PLASMICスコア、HERCULES試験、ISTH 2025)
    • トピックPathogenesis of hypothyroidism and its symptoms粘液水腫性昏睡を「潜在性甲状腺機能低下症が急性ストレスで誘発されたもの」と説明していたが、これは病態として誤り(潜在性は定義上FT4正常であり、粘液水腫性昏睡は重度の顕性甲状腺機能低下症の破綻である)。あわせて潜在性甲状腺機能低下症の概念と治療閾値が皆無だったため、TSH 10 mU/L超は65〜70歳未満なら無症状でも補充、4〜10 mU/Lは症状があれば試験的補充、最高齢層では経過観察という枠組みを追加。欠落していたレボチロキシンの服用法(空腹時、鉄・カルシウム・PPI・胆汁酸吸着薬と4時間以上あける)と、虚血性心疾患・高齢者では低用量から漸増する注意も補った。(出典:ETA 2013、ATA 2014)
    • トピックConditions associated with coagulation system dysfunction血友病の治療が第VIII/IX因子製剤の補充だけで、エミシズマブ(第IXa因子と第X因子を橋渡しする皮下注抗体、インヒビター保有例でも使える)と遺伝子治療に触れていなかった。von Willebrand病も病型分類が無く、2B型・3型でデスモプレシンが禁忌に近い扱いであるという危険情報が欠けていたため追加。PT・APTTのどちらが延びるか、混合試験で補正されるかで因子欠乏とインヒビターを分ける、という診断の骨格も新設した。(出典:WFH第3版、ASH/ISTH/NHF/WFH vWD管理指針2021)
    • トピックSecondary hyperlipoproteinemia syndromes重症高トリグリセリド血症が急性膵炎のリスクになるという危険情報(500 mg/dL以上から、1,000 mg/dL以上で特に高い)と、薬剤性脂質異常(サイアザイド・β遮断薬・レチノイド・カルシニューリン阻害薬・プロテアーゼ阻害薬・第二世代抗精神病薬・糖質コルチコイド・フロセミド・経口エストロゲン・シロリムス)が丸ごと欠落していた。ネフローゼ症候群(LDL↑主体)と非ネフローゼの慢性腎臓病(TAG↑・HDL↓、LPLと肝性リパーゼの活性低下が機序)が1節に混在していたのも分けた。妊娠第3三半期のTAG上昇も原典どおり「妊娠前より200%以上」へ訂正。(出典:ACC 2021高TG診療パスウェイ、Endocrine Society 2012)
    • トピックAtherosclerosis動脈硬化を脂質の病気としてのみ扱い、炎症が治療標的になったことに触れていなかった。CANTOS(脂質を変えずIL-1βを中和するだけでイベント減少)とLoDoCo2/COLCOT、および低用量コルヒチンが2023年6月にFDA承認された経緯を追加した。「狭窄が強いほど危険」と読める書き方も、破綻しやすいのは薄い線維性被膜と大きな脂質核を持つプラークであって高度狭窄とは限らない、と是正し、プラーク破裂とびらんの違いも整理した。(出典:CANTOS、LoDoCo2、LODOCO添付文書)
    • トピックDyslipidemias; primary hyperlipoproteinemia syndromes家族性高コレステロール血症の診断基準が名前すら無く、LDLコレステロールの管理目標も書かれていなかった。ESC/EAS 2025 focused updateに基づき目標値(超高リスク55 mg/dL未満かつベースラインから50%以上低下、高リスク70 mg/dL未満)とオランダ脂質クリニックネットワーク基準の代表項目を追加。ヘテロ接合体の頻度も古い1:500から現行推定(メタ解析1:313、直接スクリーニング約1:200)へ改め、Lp(a)を生涯に一度測る推奨と、Fredrickson分類が現在は診断・治療の第一線ではないことを補った。(出典:ESC/EAS 2025、Beheshti 2020、EAS FH合意2013)
    • トピックMacrovascular complications of diabetes mellitusアスピリンの一次予防を二次予防と同列に書いていたため、現行ADA Standards of Careに沿って「高リスク例に限り出血リスクと相談のうえ考慮、70歳以上では正味の害が上回りうる」へ改め、ASCEND試験の実測(主要血管イベント12%減/大出血29%増)を添えた。欠落していたスタチンの強度とLDL目標、およびSGLT2阻害薬・GLP-1受容体作動薬の心血管保護(HbA1cとは独立した適応)も追加した。(出典:ADA Standards of Care 2026 ch.10、ASCEND試験)
  9. 2026 08.14

    病態生理学の内分泌トピック i-19〜i-27 を監査。急性副腎クリーゼの治療が一切書かれておらず、プロラクチノーマが手術扱い、デノスマブ中止時の危険が欠落——9ノートを一次資料で是正した。

    • トピックAdrenocortical insufficiency (acute/chronic); congenital adrenal hyperplasia急性副腎クリーゼの節に原因と症状しかなく、治療が一切書かれていなかった。検査確定を待たずヒドロコルチゾンを投与し大量輸液を並行するという骨格を追加。慢性期の患者教育の核であるシックデイルール(身体的ストレス時にグルココルチコイドを2〜3倍、経口不可なら非経口)とステロイド緊急カード・緊急用注射キットの携行、および甲状腺ホルモンを副腎不全の補充より先に始めると副腎クリーゼを誘発するという危険情報も欠落していたため補った。先天性副腎過形成は21水酸化酵素欠損症を単一行で済ませていたので、古典型(塩喪失型・単純男性化型)と非古典型の区別、17-OHプロゲステロン高値、新生児マススクリーニングを追加した。(出典:Endocrine Society 原発性副腎不全2016、Society for Endocrinology 副腎クリーゼ2020、ESE/Endocrine Society 2024、Endocrine Society CAH 2018)
    • トピックOverproduction of growth hormone and prolactinプロラクチノーマの治療を手術・照射と並列に書いていたが、下垂体腫瘍のなかで薬で縮む例外であり、大腺腫であってもドパミン作動薬(カベルゴリン)が第一選択で手術は薬剤抵抗性・不耐容・緊急時に限る。高プロラクチン血症の原因も腫瘍から書き始めていたが、妊娠に関連する原因を除くと最多は薬剤性(約46%)で下垂体疾患(約26%)より多い。巨大プロラクチノーマで希釈せずに測ると偽性に低値になるフック効果も欠落していた。先端巨大症は診断が皆無だったため、GHが拍動性分泌のため単独測定では診断できずIGF-1をスクリーニングとし75g OGTTのGH抑制不全で確認するという骨格を追加した。(出典:Pituitary Society 2023、先端巨大症コンセンサス2024、PROLEARS研究)
    • トピックPathogenesis of hyperthyroidism and its symptoms抗甲状腺薬の重大な副作用が本文に一切なかったため、無顆粒球症(発熱・咽頭痛で直ちに中止し好中球数を確認)とプロピルチオウラシルの肝毒性、および妊娠第1三半期はプロピルチオウラシル・器官形成後はチアマゾールという使い分けを追加した。バセドウ病の治療選択に放射性ヨウ素が抜けていたので加え、活動性の中等度〜重症甲状腺眼症(特に喫煙者)では避けるという禁忌を明記。抗甲状腺薬が効かない破壊性甲状腺中毒症(亜急性・無痛性・産後甲状腺炎)との鑑別も、分類そのものに無かったため新設した。(出典:ATA 2016)
    • トピックPostmenopause骨粗鬆症が名前だけで数値が無かったため、65歳以上は全例DXA・65歳未満はリスク層別化というスクリーニング、Tスコア-2.5以下という診断、脆弱性骨折があれば骨密度によらず診断するという原則を追加した。あわせて経口ビスホスホネートの服用法(起床時に多量の水で服用し30分以上臥床しない)と顎骨壊死・非定型大腿骨骨折、およびデノスマブを中止すると急速な骨吸収リバウンドで多発椎体骨折を起こしうるため後続薬へ切り替えるという危険情報を補った。「泌尿生殖器萎縮」を現行の泌尿生殖器症候群(GSM)へ改め、局所エストロゲンが全身投与と違い禁忌の縛りが弱い点も明記。心血管疾患の一次予防目的でホルモン補充療法を開始してはならない点も追加した。(出典:USPSTF 骨粗鬆症スクリーニング2025、NAMS GSM 2020、USPSTF ホルモン療法2022)
    • トピックMale hypogonadism and androgen insensitivity syndrome診断の原則(早朝空腹時に測り、低値なら別日に再確認する。1回の低値で診断しない)と、テストステロン補充の禁忌・副作用が欠落していた。とくに挙児希望のある男性では外因性テストステロンがゴナドトロピンを抑制して精子形成を止めるため原則使わない、という点を追加。心血管リスクについては、TRAVERSE試験で主要有害心血管イベントの非劣性が示され、FDAが2025年2月に添付文書の黒枠警告から心血管リスク記載を削除する一方で血圧上昇の警告を新設した経緯を反映した。アンドロゲン不応症の性腺悪性化リスクも、古典的な数値に加えて2021年の系統的レビューの実測値を併記した。(出典:TRAVERSE試験、FDA 2025年添付文書改訂、Barros 2021)
    • トピックPrimary and secondary hyperaldosteronism「高血圧+低カリウム血症」を原発性アルドステロン症の必須所見のように書いていたが、実際は正常カリウム血症のほうが多数派である。アルドステロン・レニン比によるスクリーニング、確認検査、副腎静脈サンプリングという診断の骨格も欠落していたため新設した。2025年改訂のEndocrine Societyガイドラインは測定前の降圧薬について休薬なし・最小限の休薬・完全休薬の3通りを許容し、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の服用下でも初回スクリーニングは可能とする(「必ず4週間休薬」は米国指針の書き方)。確認検査も全例一律ではなく片側性の確率で場合分けする方式に変わっている。副腎腺腫があれば全例に1mg一晩デキサメタゾン抑制試験を行いコルチゾール共分泌を見逃さないという点も追加した。(出典:Endocrine Society 2025、ガイドライン横断レビュー2026)
    • トピックMenopausal transition and menopauseホルモン補充療法に一切触れていなかった。2002年のWHI初報後の揺り戻しを踏まえ、60歳未満または閉経後10年以内に開始する健康な女性では血管運動神経症状に対する利益がリスクを上回るというタイミング仮説、禁忌、子宮のある女性にエストロゲンを単独投与してはならない(黄体ホルモン併用が必須)こと、経口より経皮のほうが静脈血栓塞栓症リスクが低いこと、非ホルモン治療としてのフェゾリネタントを追加した。病期分類もSTRAW+10に基づいて再構成し、ホットフラッシュの機序を視床下部KNDy神経とNK3受容体という現行の理解へ更新した。(出典:STRAW+10、NAMS 2022)
    • トピックDisorders of female hormonal regulation多嚢胞性卵巣症候群がロッテルダム基準を満たすだけで診断できるかのように書かれていたため、除外すべき疾患(妊娠・甲状腺疾患・高プロラクチン血症・非古典型先天性副腎過形成・クッシング症候群・アンドロゲン産生腫瘍など)を具体的に列挙して除外診断であることを明示した。原発性無月経は乳房発育と子宮の有無で場合分けし、続発性はまず妊娠を除外するという診断の骨格も追加。機能性視床下部性無月経と早発卵巣不全をFSHの高低で対比し、前者ではエストロゲン欠乏による骨量減少が問題になる点を補った。卵巣予備能マーカー(AMH・胞状卵胞数)が排卵の有無や自然妊孕性を予測しないことも明記した。あわせて、2026年の改称に伴う一括置換で旧称の略語まで新称に書き換わっていた誤記を是正した。(出典:国際PCOSガイドライン2023、早発卵巣不全ガイドライン2024、Steiner 2017)
    • トピックPathogenesis of Cushing's syndrome; symptoms & diagnosis内因性の下垂体性・異所性の比率から書き始めており、臨床で最も頻度の高い外因性(医原性)グルココルチコイド投与が構成上埋もれていたため分類を再構成した。診断もコルチゾール過剰の確認とACTH測定の二段構えのみだったので、スクリーニングを複数の検査で確認する段階・ACTH依存性か非依存性かを分ける段階・下錐体静脈洞サンプリングを含む局在診断の三段構えに整理。大量飲酒・重症うつ病・コントロール不良の糖尿病などの偽性クッシング状態を除外しないと偽陽性になるという注意も欠落していたため追加した。(出典:Endocrine Society 診断2008、同 治療2015)
  10. 2026 08.13

    pulmonology全45ファイルを通読し、修正点以外の裏付けが薄かった具体的数値・基準に出典を補強した(教科書的近似値は対象外)。

    • トピックArterial blood gas test and interpretation of the results酸塩基代償式(Winter式等)の出典としてNarins & Emmett 1980を追加した。
    • トピックCough小児急性咳嗽への蜂蜜の効果にCochraneレビューの出典を追加し、成人への外挿と切り分けた。
    • トピックPulmonary emergenciesARDSベルリン定義のP/F比分類と低一回換気量換気の根拠にBerlin Definition・ARDSNet試験の出典を追加した。
    • トピックThoracentesisライト基準に原著(Light et al. 1972)の出典を追加した。
    • トピックBronchial asthma急性増悪時の全身性ステロイド用量・期間に、既存のGINA出典への脚注リンクを補った。