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  1. 2026 08.24

    Medical Genetics 2年次の全30ノートを、対応するConsensus 30件と1対1で照合した。採用した文献はnpm run papersで正式書誌・掲載年・抄録の射程を確認し、染色体異常、遺伝形式、ゲノミクス、出生前検査、薬理遺伝学、遺伝子治療などの固定値・過度な一般化・古い検査観を修正した。新規sourceエントリは149件で、DOI優先・accessed 2026-08-24へ統一した。各エージェントへ概ね5件ずつ割り当て、全範囲で担当外ノートのクロスレビューを実施した。全30件で見出し・Wikilink・Mermaid・FIG/DIFFを保持し、Consensusファイルとreviewedは変更していない。未解決のreview-flagsは0件。

    • トピックIntroduction to human geneticsヒト遺伝学入門について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックGenetic aspects of atypical mitosis and meiosis異常な有糸分裂・減数分裂の遺伝学的側面について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックChromosomal aberrations染色体異常について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCytogenetics I細胞遺伝学 Iについて、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCytogenetics II細胞遺伝学 IIについて、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックGenetic variations遺伝的変異について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックEpigeneticsエピジェネティクスについて、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックMonogenic inheritance単一遺伝子遺伝について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックRole of sex in inheritance遺伝における性の役割について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックIntroduction to pedigree analysis家系分析入門について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックAutosomal dominant inheritance (AD I)常染色体優性遺伝(AD I)について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックAutosomal dominant inheritance (AD II)常染色体優性遺伝(AD II)について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックAutosomal recessive inheritance (AR I)常染色体劣性遺伝(AR I)について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックAutosomal recessive inheritance (AR II)常染色体劣性遺伝(AR II)について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックSex-linked inheritance伴性遺伝について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックComplex inheritance複合(多因子)遺伝について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックComplex inheritance I複合遺伝 Iについて、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックComplex inheritance II複合遺伝 IIについて、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックPopulation genetics集団遺伝学について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックIntroduction to genomicsゲノミクス入門について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックMethods in genomicsゲノミクスの手法について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックSystems biologyシステム生物学について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックGenome and environmentゲノムと環境について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックEvolution genetics進化遺伝学について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックGenetics of biological processes生物学的過程の遺伝学について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックGametogenesis配偶子形成について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックPrenatal genetics出生前遺伝学について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックPharmacogenomics and nutrigenomicsファーマコゲノミクスとニュートリゲノミクスについて、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックGene therapy遺伝子治療について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックFrom genes to bedside遺伝子から臨床へについて、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な固定化を修正して検証済み出典を追加。
  2. 2026 08.24

    組織学(topics/histology-y1)の全77ノートを、Consensusの指摘文書なしで自己点検した。MCBに続く2回目の自己点検モードだが、検出の類型は科目に合わせて差し替えた——MCBで当たりが多かったのは「カウント系の数値」と「手法の位置づけ」だったのに対し、組織学で最も改訂が多いのは細胞の起源である。そこで「〜に由来する」と書いてある箇所を全部疑うことを指示書の筆頭に置き、各担当に実際に定説が覆っている論点(ミクログリア=卵黄嚢由来、Merkel細胞=表皮由来、C細胞=内胚葉由来、造血の二分岐樹モデル、硬膜リンパ管の再発見など)を名指しで渡した。77ノートすべてが着手前は sources 0件で、1件を除き2〜9件(計251件)を新設した。検出できた誤りは4種類ある。第一に細胞の起源——常在マクロファージ(クッパー細胞・ランゲルハンス細胞・ミクログリア・破骨細胞・肥満細胞)が骨髄由来ではなく胚性由来であること、甲状腺C細胞が神経堤ではなく内胚葉由来であること、Cajal介在細胞が神経堤由来ではないこと。第二に種差の見落とし——脾臓の辺縁帯が齧歯類の構造でヒトにはないこと、膵島の「β=中心・α=辺縁」という同心円構造がマウスのモデルであること。第三に機能の取り違え——クラウゼ小体が冷覚受容器ではなく速順応機械受容器であること、胸水が中皮から分泌されるのではなく壁側胸膜間質からの受動的濾過であること、精巣上体で起こるのは受精能獲得ではなく精巣上体成熟であること。第四にノート内部およびノート間の矛盾で、これが最も多く外部知識なしで検出できた——胃底腺の内分泌細胞をG細胞としながら同ノートの別表では幽門腺に置いている、副腎髄質を表では節前ニューロン・本文では節後ニューロンとしている、「老化の9つの特徴」の下に8項目しかない(これはMCB回の発見)、軟骨の栄養経路が同じ節の記述と食い違う、など。MCB回と同じ歯止め(既定は変更しない/文体改善のための書き換えはしない/修正ゼロでもよい/無理に出典数を稼がない)を置き、06-1は出典0件のまま残した——修正内容が同じvault内のノートとの矛盾是正で外部資料を要さなかったためである。**確認できなかった数値は憶測で書き換えず記載を残し**、review-flagsに9項目を再確認候補として記録した(赤血球寿命120日、弾性線維の伸展率、血液空気関門の厚さ、胆汁の濃縮率など)。77ノートを11のサブエージェントに割り当てて並列処理し、親側で見出し数・wikilink増減・lint・出典id重複を全件再検証している。並列作業の副作用として『同一論文に別々のid』が2組と、新規wikilinkの追加が1件発生したため是正した。

    • トピックTechniques & microscopy — Tissue preparationホルマリン固定時間の推奨(6〜72時間)と冷虚血時間が2010年ASCO/CAP改訂で管理項目化されたことを追記。「4段階」と書きながら本文・まとめ・mermaidが5項目を並べていた内部矛盾を解消した(染色を段階の外へ)。冷虚血時間の具体的な上限値はガイドライン本体の抄録で確認できなかったため書いていない。
    • トピックTechniques & microscopy — Staining「ヘマトキシリン=塩基性色素」という一段省略した記述を補正——ヘマトキシリン自体は無色で、酸化されたヘマテインがアルミニウム媒染金属とレーキを作って初めて陽イオン性色素になる。その錯体が結合するのはヒストンではなくDNAのリン酸であることも明示した。銀染色・オルセイン・PAS・異染性の記載は現行コンセンサスとのずれが見つからず無変更。
    • トピックTechniques & microscopy — Immunolabeling & molecular多重染色・空間トランスクリプトームが全く無く「1切片あたり数分子」という古い枠のままだった点を補った。イメージング質量サイトメトリーによる1切片32種同時検出、RNAscopeによるFFPE切片上の単一RNA分子検出、位置バーコードアレイによる切片の二次元位置を保ったトランスクリプトーム解析(2020年 Method of the Year)を追加。既存の直接法/間接法の記述は残置。
    • トピックTechniques & microscopy — Microscopy分解能表に超解像顕微鏡が無く「光=0.2 µmが限界」と読める点を補正。STED(90〜110 nm)・STORM(20 nm)を「超解像顕微鏡 20〜100 nm」、単粒子クライオ電顕を「1〜2 Å」として表に追加し、SBF-SEMによる体積EMも追記。既存の「〜0.2 µm/〜0.2 nm」は消さず、回折限界の位置づけを⚠️で添えた。
    • トピックTechniques & microscopy — Other methodsオートラジオグラフィーがS期標識の現役手法のように読める点に、EdU+クリック反応(固定・DNA変性が不要)を対置。培養の限界記述がオルガノイド以前のままだったため、単一Lgr5陽性幹細胞から間葉系ニッチ無しに陰窩-絨毛オルガノイドが自己組織化することを追加。フローサイトメトリーの色数制約にマスサイトメトリー(34パラメータ同時)を併記した。
    • トピックCytology — Plasma membrane「脂質・タンパク質が面内を自由に動き回る」という流動モザイクの素朴な読みを補正——1972年モデルの骨格は有効だが、脂質ラフト等の特殊化ドメインと膜付随細胞骨格の「柵」が側方移動を制限する。脂質の非対称性が名前だけだった点も、PSがフリッパーゼで内葉に限局しアポトーシスでスクランブラーゼが露出させてeat meシグナルになる、という形で具体化した。
    • トピックCytology — Membranous organellesリソソームを分解装置のみ、ペルオキシソームをβ酸化とH₂O₂解毒のみとしていた記述を拡張。リソソームが栄養状態を感知しmTORC1を膜表面に載せる代謝シグナルの拠点であること、ペルオキシソームがα酸化・プラズマローゲン・胆汁酸合成も担うことを追加。ペルオキシソームの「自己複製(小胞体由来)」という由来も、哺乳類の新生分がミトコンドリア由来と小胞体由来の前駆小胞の融合体であると補正した。
    • トピックCytology — Non-membranous organelles & cytoskeleton非膜性小器官がリボソームと中心小体だけで、相分離による生体分子凝縮体という枠組みが無かった点を補った(P顆粒の液体挙動、多価相互作用が駆動する液-液相分離)。あわせて表の「微絨毛の芯(terminal web)」が芯と終末網を同一視していた点を、同じvaultの02-2の記述(芯はアクチン束、細胞頂端の終末網に固定される)を根拠に補正した。
    • トピックCytology — Nucleus核小体が「膜のない領域」の1文だけで亜区画が無かった点を補完——哺乳類核小体はFC・DFC・GCの三部構成(酵母は二部)で、亜区画は互いに混ざらない共存液相であり層順は表面張力差で決まる。核小体の機能もリボソーム産生のみから細胞周期・ストレス応答・非リボソームRNP生成へ拡張。「核辺縁が濃く染まる」の分子的裏づけとしてラミナ結合ドメイン(1,300個超・0.1〜10 Mb・低発現の抑制的環境)を追加した。
    • トピックCytology — Cell cycle & death細胞死がアポトーシス/壊死の二分のみで「壊死=受動的・偶発的」と断定していた点を、NCCD 2018の分子機構ベースの分類(ネクロプトーシス・パイロトーシス・フェロトーシス等)で位置づけ直した。「成熟心筋細胞・ニューロンは基本的に再分裂できない」という断定にも、¹⁴C年代測定による心筋細胞の年約1%の入れ替わりと海馬の年1.75%の新生を数値で添えた。S期の「染色体量が2倍」も「DNA量が2倍、染色体数は46のまま」に補正。
    • トピックEpithelial tissue — Classification「移行上皮」の現行名が尿路上皮であることと、伸展での形態変化の分子的実体(被蓋細胞の頂端膜と紡錘形小胞をウロプラキンIa/Ib/II/IIIの二次元結晶が覆い、伸展時に融合する)を追記。バリアが密着結合単独ではないことも実測で示した——ウロプラキンIII欠損マウスでは経上皮電気抵抗は正常のまま頂端膜の水透過性だけが約2倍になる。「移行上皮」の語はvault全体で使われているため書き換えず位置づけを添えた。
    • トピックEpithelial tissue — Apical specializations「線毛=9+2・運動性」という枠組みに、中心対を欠く9+0の一次線毛(ほぼ全哺乳類細胞にある非運動性の感覚アンテナ、Hedgehog等を制御)を追加。腎尿細管の一次線毛が流体剪断で可逆的に屈曲することも添えた。内耳の定在毛と腸の微絨毛でアクチン芯の構築がほぼ同一である点も明示。微絨毛・定在毛・線毛の寸法値は一次資料で裏が取れなかったためそのまま残した。
    • トピックEpithelial tissue — Cell junctions分子名がほぼ空だった細胞接着装置を分子レベルまで補った——密着結合のクローディン(ストランドの本体でオクルディンは副次的)とトリセルリン、接着斑のデスモグレイン/デスモコリンと天疱瘡の型別対応(尋常性=Dsg3・落葉状=Dsg1)、コネキシンの6:1:2、ヘミデスモソームのα6β4・BP180・BP230。加えて教科書図式そのものを2点訂正した——「カドヘリン–βカテニン–αカテニン–アクチン」の直列4者複合体は実証されておらずαカテニンは両者に同時結合できないこと、「hemi-=デスモソームの半分」は見た目由来で分子的には総取り替えであること。
    • トピックEpithelial tissue — Basement membrane基底膜の分子構成にニドゲンとパールカンが欠けていた点を補い、「ラミニン網とIV型コラーゲン網という2つの独立した重合網を両者が橋渡しする」という骨格で整理した。あわせて透明層(lamina lucida)が急速脱水による人工産物である可能性が高いこと(凍結固定+凍結置換では緻密層が形質膜に直接接する)を、「透明層+緻密層」の枠組みを残したうえで⚠️で添えた。
    • トピックEpithelial tissue — Glands半月体をアーチファクトと断じる記載が正しいことを一次資料で確認し、書き換えずに根拠(急速凍結・凍結置換+連続切片3D再構築で漿液細胞は粘液細胞と横並びに共通腺腔を囲む)と機序を補足した。あわせて開口分泌・離出分泌・全分泌の3様式が排他的分類ではないこと(ヒト耳垢腺では開口分泌と離出分泌が同一細胞に併存)を追加した。
    • トピックConnective tissue — Cells「骨髄由来前駆細胞→単球→マクロファージ」という単一の図式を、系統追跡の結果で位置づけ直した——組織常在マクロファージの多くは胚性由来で、ミクログリアは胎生8日より前の卵黄嚢由来、Mybを必要としないクッパー細胞・ランゲルハンス細胞・ミクログリアは成体でも造血幹細胞と独立に存続し、肺では枯渇後の再充填さえその場での自己増殖で行われる。破骨細胞の二段構え(胎児期はEMP由来、生後は単球の反復融合)と肥満細胞の二重起源も追加し、元の記述は炎症時に動員される分の説明として残した。
    • トピックConnective tissue — Fibersコラーゲン族が28型であることを追記(既存idを再利用)。弾性線維の組み立ても「マイクロフィブリルが型枠になってエラスチンを整列させLOXが架橋する」という単純図式では不十分で、マイクロフィブリルがMAGP・フィブリン・EMILIN-1を含むことを表に追加した。細網線維=III型コラーゲンの対応はずれがなく無変更。「もとの長さの約50%まで伸展可能」は抄録で裏が取れず原文のまま残した。
    • トピックConnective tissue — Ground substance & ECM「プロテオグリカン=コアタンパク質+GAG鎖」と定義した直後に「ヒアルロン酸は硫酸化されない唯一のGAG」と書く構造がHAもPGの一部だと誤読させる点を補った——HAはコアタンパク質をもたず、HASが細胞膜貫通型糖転移酵素であるため細胞膜局在と酵素活性が連動する。そのHA鎖が土台となりアグリカンがリンクタンパク質で安定化されて凝集体を作る流れも明示した。
    • トピックConnective tissue — CT proper & types褐色脂肪の分布「成人では腎臓・気管・食道・大動脈周囲に散在」が古い点を補正——FDG-PET/CT 3,640件の実測で前頸部〜胸郭に代謝活性のある褐色脂肪が女性7.5%・男性3.1%で同定され、量はBMIと逆相関する。白色/褐色の2分法にベージュ脂肪細胞という中間型も加えた。旧記載は削らず併記している。
    • トピックConnective tissue — Cartilage「栄養は血管をもつ軟骨膜から拡散して深部の軟骨細胞へ届けられる」が、同じ節の「関節軟骨には軟骨膜が無い」と食い違っていた内部矛盾を解消した。関節軟骨では滑液からの拡散が主で、周期荷重の「ポンプ作用」は小溶質の輸送をほとんど変えず大溶質のみ30〜100%増やす、という実測を添えている。
    • トピックConnective tissue — Bone破骨細胞の由来「造血幹細胞由来/単球・マクロファージ系列」が半分だけ正しいことを明示——胎生期破骨細胞はEMP由来で、出生後は長寿命合胞体への血中単球の反復融合で維持される(単球輸注でカテプシンK欠損型大理石骨病を救済できる)。骨細胞の機能も「維持・力学的センサー」から拡張し、骨細胞がRANKLの主供給源であること(骨細胞特異的RANKL欠損=重度大理石骨病)とスクレロスチン分泌を追加した。
    • トピックConnective tissue — Blood⭐が「リンパ球が最多を占める点(好中球に次いで多い)は誤解されやすいが、好中球が最も多く…」と、冒頭で誤情報を断定してから否定する自己矛盾を起こしていた点を、情報量を減らさずに解消した。血小板を「巨核球の細胞質断片」とだけ書いていた点も、骨髄生体内観察による前血小板の血管内伸長とずり応力による剪断、および肺が全血小板産生の約50%(毎時約1,000万個)を担うことで具体化。赤血球寿命「約120日」は抄録に数値が無く据え置いた。
    • トピックConnective tissue — Hemopoiesis古典的な二分岐樹モデルを、単一細胞解析による4点の知見で位置づけ直した——①最初の分岐は「骨髄系 対 リンパ系」ではない(LMPPは赤血球系・巨核球系の能力を先に失う)②巨核球系はHSCから直接分岐する(骨髄系バイパス)③ヒト成人骨髄は少能性中間段階をほぼ欠く2層階層で胎児肝とは対照的④分化は離散的な前駆細胞集団を順に通過しない連続的スペクトラム。既存の樹形図・表は一切削らず、mermaidに直接経路のエッジを足す形で反映した。
    • トピックMuscle tissue — Skeletal muscle「筋周膜(epimysium)」という対応の取り違えを訂正(epimysiumは筋外膜。コーパス内の他科目は筋外膜→筋周膜→筋内膜で一致しており局所の誤り)。線維型についてもヒトに真のIIb線維は無く、ATPase染色の「IIb」の実体はIIx転写産物であることを明示。筋衛星細胞(Pax7陽性細胞のDT除去で再生が完全破綻し他細胞では代償不能)も追加した。
    • トピックMuscle tissue — Cardiac muscle心筋再生能を¹⁴C年代測定の実測で定量(25歳で年約1%、75歳で0.45%、生涯50%未満)。介在板の「横成分=接着帯・接着斑/縦成分=ギャップ結合」という古典枠組みも、デスモソーム成分と接着結合成分が同一プラークに混在する心筋固有の混合型結合(area composita)として位置づけ直し、PKP2変異と不整脈原性心筋症へのつながりまで添えた。
    • トピックMuscle tissue — Smooth muscle「筋全体でまとまった持続的収縮」が単一ユニット型のみの説明で多ユニット平滑筋(虹彩・精管・大血管)が漏れる断定だった点を補正。収縮制御がトロポニンではなくミオシン軽鎖リン酸化であることを比較表に「収縮の制御分子」行として追加し、平滑筋が成体でも終末分化しておらず収縮型⇄合成型の表現型可塑性をもつことも明示した。
    • トピックNervous tissue — Neurons「ゴルジ体は細胞体にのみ存在」という断定を訂正——ゴルジアウトポストが樹状突起の分岐点に存在し、排除されるのは軸索からだけである。ニッスル小体を細胞体だけの構造とする含みにも、樹状突起内ポリリボソームの81%が棘基部直下にあるという電顕の実測を添えて局所翻訳の形態的裏づけを補った。
    • トピックNervous tissue — Synapses量子仮説の記述が皆無だった点を補い(微小終板電位と量子成分。原著2件はEurope PMCに抄録が無いため概念と年のみ記載し数値は書いていない)、量子の形態的実体である小胞リサイクルを実測値つきで追加。神経伝達物質の分類と貯蔵小胞の対応表も新設し、ガス状伝達物質が「小胞貯蔵・前→後」の枠組みの例外であることを明示した。
    • トピックNervous tissue — Neurogliaミクログリアの「血液由来の単球がCNSに定着」「造血幹細胞系列」を訂正——胎生8日以前の卵黄嚢EMP由来で、パラビオーシスでも血流からの動員はなく自己複製のみで維持される(「中胚葉由来」という枠組み自体は卵黄嚢も中胚葉なので正しく、そこは残した)。「グリアはニューロンより多い」も否定(全脳のグリア:ニューロン比は1:1未満で10:1通説は誤り)。三者間シナプス、グリンパティック系、NG2グリア/OPCという第4のグリア、1オリゴデンドロサイトが平均19本の軸索にそれぞれ1つずつ髄鞘を作ることも追加した。
    • トピックNervous tissue — Nerve fibers「1細胞が担当する範囲=複数の軸索の複数区間」を実像(軸索1本につき1節間)に補正し、05-3と整合させた。跳躍伝導の実証と、伝導速度の決定要因(直径にほぼ比例、軸索径・線維径比に最適値、節間距離・温度依存)を追加。有髄70〜120 m/s型の具体的数値は、当たった一次資料がいずれも抄録欠落で確認できなかったため書いていない。
    • トピックNervous tissue — Supporting structures「神経周膜が血液神経関門を形成」という単独帰属を訂正——関門は神経内微小血管内皮の密着結合と神経周膜最内層の2成分からなり、血液と直接接する微小血管内皮こそが厳密な血液神経関門である。衛星細胞を受動的な被膜とする含みにも、ATP・ブラジキニン受容体を介したニューロンへの影響と神経障害性疼痛への関与を添え、筋衛星細胞との名称衝突にも注意を促した。
    • トピックCirculatory system — General plan「すべての血管の壁は3つの同心層からなる」という全称断定が、同じvaultの06-3(毛細血管は内皮+基底膜のみで中膜・外膜を欠く)と矛盾していた点を是正した。3層がそろうのは動脈と静脈だけで、毛細血管は内皮+基底膜+周皮細胞、後毛細血管細静脈も中膜をもたない。3層テンプレートという枠組み自体は消していない。根拠が同一vault内の記述だったため出典は追加していない。
    • トピックCirculatory system — Arteries中膜平滑筋の起源に関する記述が無かった点を補った——血管平滑筋の由来は系統追跡により従来考えられていたより多様でモザイク状であり、顔面・前脳の血管では平滑筋・周皮細胞が頭部神経堤由来である。内弾性板の波打ちをアーチファクトとする記述や弾性動脈の例示は反証が得られず無変更。
    • トピックCirculatory system — Capillaries & sinusoids「窓は多くは薄い隔膜で覆われる」と分布に腎糸球体を並べる組み合わせを補正——成体糸球体内皮の窓はごく一部を除き隔膜をもたずPV-1も欠く(胎生期には隔膜があり腎炎の修復期に再出現する)。周皮細胞の記載が皆無だった点も補い、血液脳関門の成立への寄与、毛細血管が細動脈より先に拡張し血流増加の約84%を担うこと、虚血時の拘縮死を追加。糖衣が実際の半透層であり古典的Starlingの「静脈側で再吸収」に修正が要ることも明示した。
    • トピックCirculatory system — Veins「弁の機能不全が静脈瘤の主要な発生機序」に、静脈壁側の変化(内膜肥厚・平滑筋増殖・エラスチン減少・MMP亢進)が弁不全に先行しうるという方向を併記した。「静脈弁は四肢の静脈に」という範囲限定にも、微小静脈弁が1934年のヒト手指の記載以来多数確認されており弁の連鎖が細静脈レベルまで続くこと(著者らが教科書の訂正を求めている)を添えた。
    • トピックCirculatory system — Heart点検した範囲で内容の訂正は不要だった(心内膜/心筋層/心外膜の構成、線維性骨格の電気的絶縁、刺激伝導系の順序、プルキンエ線維の形態はいずれも現行コンセンサスと一致)。欠落を2点補った——プルキンエ線維の代謝の実体(グリコーゲン合成酵素が心筋より平均47%高く、虚血2分で心筋はクレアチンリン酸が75%低下するのにプルキンエ線維は高値を保つ→虚血後に異所性興奮源になりうる)と、心房性ナトリウム利尿ペプチド顆粒の局在。
    • トピックCirculatory system — Lymphatic vessels「中枢神経系にリンパ管は無い」という古い断定は元から書かれておらず訂正の必要は無かったが、教科書側に残る通説なので位置づけを明示した——2015年に硬膜静脈洞に沿う髄膜リンパ管が記載され深頸リンパ節に連なること、脳実質そのものにリンパ管が走るのではなく「実質間質液→血管周囲腔→髄液→硬膜リンパ管→深頸リンパ節」という順路であること。LYVE-1とProx1の位置づけも追加した。
    • トピックLymphoid & immune system — Cells & general自然免疫の担い手の表に自然リンパ球(ILC)の枠組みを導入した——多様化した抗原受容体をもたない組織定住性リンパ球で、2013年に産生サイトカインと転写因子に基づくILC1/2/3の統一命名法が提案され、NK細胞も同ファミリーの細胞傷害性系列として扱われる。「リンパ球=獲得免疫」という古い整理との差を明示。樹状細胞についても由来を第一軸とする2014年の統一命名法と、ヒト末梢血の単一細胞解析による6種の同定を追加した。
    • トピックLymphoid & immune system — Thymus「皮質で正の選択・負の選択の両方」を、正の選択=皮質/負の選択=主に髄質に分離し、AIREによる組織限局抗原の異所性発現を追加。ハッサル小体の機能も「関与すると考えられている」からTSLP→CD11c陽性樹状細胞→制御性T細胞という経路として具体化した。加齢性退縮も記載が無かったため補った——臓器サイズは中央値19.5 cm³で不変、脂肪が置換するのは血管周囲腔で、上皮性区画は生後1年目から連続的に縮小し思春期とは無関係である。
    • トピックLymphoid & immune system — Lymph node傍皮質を「皮質依存性領域」としていた取り違えを「胸腺依存領域」に訂正し、ヌードマウスで傍皮質だけが空洞化するという根拠を添えた(この表記はコーパス全体で1箇所のみでvault用語ではないことを確認済み)。洞のマクロファージを貪食除去のみとする記述にも、CD169陽性辺縁洞マクロファージが捕捉と同時にB細胞へ抗原提示するという二重機能を補った。
    • トピックLymphoid & immune system — Spleen種差の見落としを3点補正した——①辺縁帯は齧歯類の構造でヒト脾臓には無く、ヒトの二次濾胞は胚中心・マントル帯・表在帯の3層である②ヒトではPALSが立体的に連続した鞘ではない(150枚連続切片の3D再構築)③ヒト赤脾髄は完全な開放循環である(142本の動脈末端で洞への直結ゼロ)。齧歯類のモデルをヒトの記載として書いていた点が問題の核だった。
    • トピックLymphoid & immune system — MALT & tonsilsパイエル板の被覆上皮を「単層円柱上皮+杯細胞」とだけ書いていた点に、濾胞被覆上皮(ドーム上皮)とM細胞を追加し、M細胞のトランスサイトーシスと機能的証拠(M細胞除去でプリオンのパイエル板蓄積と神経侵入が阻止される)を添えた。「回腸の腸間膜対側にのみ」という断定は、空腸にも存在することを示す一次資料の抄録が取得できなかったため据え置いた。
    • トピックIntegumentary system — Epidermisランゲルハンス細胞の「骨髄由来」を訂正——胎生期(主に胎児肝単球)由来で、定常状態では表皮内で自己複製し、紫外線傷害後にのみ2週で骨髄由来前駆細胞に置換される。メルケル細胞が表皮系列由来であることはKrt14-Cre/Wnt1-Creの実験で裏づけた(記載自体は既に正しかった)。ケラトヒアリン顆粒=プロフィラグリンと外殻を作るロリクリンの分業、およびターンオーバーが47〜48日(従来の39日でも俗説の28日でもない)であることも追加した。
    • トピックIntegumentary system — Dermis & hypodermis「真皮乳頭が規則的に配列し表皮を波打たせることで指紋が生じる」という因果の向きを訂正——指紋隆線は上皮性構造で、毛包プログラムを途中で打ち切った形をとり、パターンはEDAR/WNT/BMPのチューリング型反応拡散系が複数の起点から波として決める。乳頭層/網状層が線維芽細胞の系統の境目でもあること(瘢痕が毛包を欠く理由)も追加した。
    • トピックIntegumentary system — Appendagesmermaidの「毛球上部:峡部より深部、立毛筋が付着」が直前の「峡部:立毛筋付着部から…」と矛盾していた内部矛盾を解消。毛包幹細胞の記載も無く⭐が「毛乳頭に近い部分ほど未分化」という旧来の毛球説寄りだった点を、標識保持細胞がバルジにのみ存在すること(バルジ除去で毛包は消失するが表皮は生存)とヒト頭皮での深さの実測で置き換えた。
    • トピックIntegumentary system — Cutaneous receptorsクラウゼ小体を「伸展/一部は冷覚」としていた機能割り当てを訂正——A線維の速順応低閾値機械受容器で40〜80 Hzの振動に最適応答し、光遺伝学的活性化で勃起・腟収縮が起こり遺伝学的除去で性行動が障害される(温度覚は遊離神経終末のTRP群が担当)。ルフィニ小体もヒト無毛皮膚にはほぼ存在しない(示指末節の免疫蛍光で推定1個のみ)ことを明示。mermaidがメルケル盤を有被膜側に置きながら表では被膜なしとしていた内部矛盾も解消し、順応区分(SA I/RA I/RA II/SA II)の列を表に追加した。
    • トピックDigestive tract — General planHirschsprung病を「筋層間神経叢の神経節細胞欠如」としていた記述を、腸筋層神経叢と粘膜下神経叢の両方を欠くと訂正した(同じvaultのdiseases/hirschsprung-disease.mdは正しく書いており、ノート間の矛盾だった)。直腸吸引生検が粘膜下層で確定診断になる理由まで添えている。Cajal介在細胞の記載が皆無だった点も補い、その由来が神経堤ではなく腸管間葉であることを明示した。
    • トピックDigestive tract — Oral cavity & tongue味蕾の細胞を「味細胞・支持細胞・基底細胞」という古典的分類のみで記述していた点に、I型(グリア様)・II型受容細胞(甘味・苦味・うま味のGPCR)・III型シナプス前細胞(酸味)の対応表を追加し、塩味の細胞型が未確定であることも明示した。舌の味覚地図がヒトの部位別測定で否定されていること(苦味・うま味だけ後方が有意に強い)も追記している。
    • トピックDigestive tract — Esophagus見出しの「噴門腺様の粘膜下腺」と本文の「食道噴門腺が固有層に存在」という内部矛盾を、食道腺(固有腺=粘膜下層)と食道噴門腺(固有層)を分けることで解消した。「上1/3=骨格筋」という3分割にも、ヒトで平滑筋→横紋筋の移行が中部胸部食道で止まることを添えた。食道粘膜下腺がTFF3を産生し重層扁平上皮自体はTFFを合成しないことも追加。
    • トピックDigestive tract — Stomach胃底腺の表が「内分泌細胞=ガストリン(G細胞)」としていた点を訂正——これは同ノート内の3領域表(G細胞は幽門腺に豊富)とも隣接ノート13-5とも矛盾していた。ガストリン(前庭部G細胞)→CCK-2→ECL細胞→ヒスタミン→壁細胞H2という3段リレーが丸ごと欠落していたため追加し、EC細胞とECL細胞が別物であること(ECLのLはlikeで、分泌物も分布も違う)も明示した。胃腺の幹細胞ニッチが峡部にあることも追記。
    • トピックDigestive tract — Small intestineパネート細胞の役割を「抗菌でニッチを守る」から、EGF・TGF-α・Wnt3・dll4を発現してニッチそのものを構成する(生体内で除去するとLgr5幹細胞も失われる)へ拡張。幹細胞が無名だった点もLgr5陽性の陰窩基部円柱細胞として特定し、旧説の「+4に4〜6個」も併記した。タフト細胞(IL-25→ILC2→IL-13、TRPM5欠損で連鎖が消える)を細胞表に新設し、M細胞分化のRANKL依存性と上皮のターンオーバー4〜5日も追加した。
    • トピックDigestive tract — Large intestine「パネート細胞=大腸には通常なし」という断定を、ヒトでは盲腸・上行結腸に正常に存在し下行結腸・直腸でまれ、という勾配の記述に補正した。遠位大腸への出現はパネート細胞化生でIBDの目印であること(小児IBDで潰瘍性大腸炎13例中11例・Crohn病15例中14例に存在し対照群は0)も添えている。
    • トピックDigestive glands — Salivary glands筋上皮細胞が丸ごと欠落していた点を補った(介在部導管と腺房の基底側、自律神経刺激で収縮、免疫染色でしか見えず、ラット耳下腺腺房には無いといった例外もある)。漿液半月をアーチファクトとする記述には実験的証拠を添え、「線条部導管が最終調整の主要な場」という断定も、Na⁺/K⁺-ATPaseが小葉内・小葉間導管の基底外側膜にも豊富で修飾は導管系全体である、と補正した。
    • トピックDigestive glands — Pancreas膵島の分布欄が「β=中心、α=辺縁」という齧歯類のモデルをヒトの記載として書いていた点を訂正——ヒト膵島には解剖学的区画分けがなくα・β・δが全体に散在し、β細胞の71%が他の内分泌細胞と接する。表を齧歯類/ヒトの2列に分け、径40〜60 µmの小膵島には中心-外套の勾配が残ることも添えた。07-4の辺縁帯と同じ種差の見落としである。
    • トピックDigestive glands — Liver構造単位が古典的肝小葉だけで門脈小葉・肝腺房が欠落していた点を比較表で補い、使い分けを明示した。クッパー細胞と肝星細胞の起源も未記載だったため追加——クッパー細胞は卵黄嚢由来EMPで1歳マウスでもほとんど置き換わらず、肝星細胞はMesP1中胚葉→横中隔間葉→肝中皮由来で神経堤由来ではない。類洞内皮の表現型が「篩板に並ぶ開いた有窓」と「基底膜を欠くこと」で定義され、両者の喪失=毛細血管化が線維化に先立つことも追記した。
    • トピックDigestive glands — Gallbladderロキタンスキー・アショフ洞の位置づけを補った——増殖線維筋組織を伴えば胆嚢腺筋腫症で、分節型は188例中12例(6.4%)に胆嚢癌を伴い非分節型3.1%より有意に高く、癌はすべて輪状狭窄より遠位に発生する。MRCPの真珠の首飾り徴候が同洞を示し腺筋腫症に特異的であることも追加。「最大で5〜10倍に濃縮」は抄録で裏が取れず据え置いた。
    • トピックRespiratory system — Conducting portionクラブ細胞が細胞表にも本文にも無かった点を補い、Clara→club の改称の経緯(Max Claraが活動的なナチ党員で1937年の原記載が処刑された囚人の組織に基づく)も明示した。細胞の一覧が2018年の単一細胞解析より前の枠組みだった点にも、肺イオン細胞(FOXI1陽性、CFTR転写産物の主要供給源)を追加。粘液線毛クリアランスが線毛だけで語られていた点にも咳を並べた。
    • トピックRespiratory system — Respiratory portion肺胞マクロファージが単球由来と読める書き方を訂正(胎生期単球由来で生後3日に肺胞腔を占拠し、生後1週で固定されて以後自己維持)。肺胞上皮を「I型・II型の2種だけ」で閉じている点にも、ヒト呼吸細気管支のRAS細胞とAT0細胞という単一細胞解析による再整理を、マウスに対応構造が無いという但し書きつきで追加した。肺胞の総数(平均4億8000万個、範囲2億7400万〜7億9000万でCV 37%)と表面積、II型細胞の幹細胞性の根拠も補った。
    • トピックRespiratory system — Pleura「少量の漿液(中皮から分泌)」を訂正——胸水の産生は壁側胸膜の間質からの受動的濾過という単一機序で、除去は壁側胸膜のリンパ管が量的に最も重要である。胸水量が「少量」としか書かれていなかった点も、胸腔洗浄による実測(片側8.4±4.3 mL、細胞はマクロファージ中央値75%・リンパ球23%で中皮細胞は1%程度)で具体化した。
    • トピックUrinary system — Kidneyネフロン数が未記載だった点を補った——平均は片腎約90万〜100万個だが個々は約20万〜250万個超と10倍以上の幅があり、在胎36週前後で新生が終了し、出生体重と正相関・血圧と逆相関する。濾過障壁の3層目が「ろ過スリット」止まりだった点にネフリンを追加し、傍糸球体装置に糸球体外メサンギウム細胞を補って古典的3成分に戻した。「緻密斑=遠位曲尿細管の細胞」という言い切りも、緻密斑がヘンレのループ上行脚太い部分の終端にあることとして補正。集合管の主細胞・間在細胞A型/B型と、アルドステロンの主作用部位が接合尿細管〜集合管の主細胞であることも追加した。
    • トピックUrinary system — Excretory passages「非対称ユニット膜が尿への透過性を最小限に抑え」という単独帰属を訂正——ウロプラキンIII欠損では経上皮電気抵抗(密着結合のバリア)は不変で頂端膜の水透過性だけが約2倍になるため、バリアは密着結合とウロプラキン板の二重構えである。兄弟ノート02-1が同じ出典で既に二重構えを記述しており、本ノートだけ古い単独帰属だった(ノート間の矛盾)。誤字「被螋細胞」も修正した。
    • トピックEndocrine system — Pituitary (hypophysis)染色性による分類と免疫染色・転写因子による分類の対応が書かれていなかった点を補い、表に「系列を規定する転写因子」列を追加した。甲状腺刺激ホルモン細胞は好塩基性なのに系列は好酸性のGH/PRLと同じPIT1系列である、というズレを明示し、2022年WHO分類(PIT1・TPIT・SF-1・GATA2/3・ERα)に接続。「腺性下垂体=口腔外胚葉のみ」という断定にも、遺伝学的系譜追跡で神経板前駆細胞が腺性下垂体細胞の一部にも寄与することを添えた。pituicyteが支持するだけでなく腺性下垂体側の前駆細胞の分化を調節することも追記。
    • トピックEndocrine system — Thyroid & parathyroidC細胞の起源「神経堤由来」を内胚葉由来に訂正した——従来の神経堤説はウズラ-ニワトリキメラの鰓後腺運命地図に基づくもので哺乳類では未検証であり、マウスの系譜追跡ではSox17陽性前方内胚葉のみがC細胞と前駆細胞の供給源である。同じvaultのembryology-y1(06-1・06-3・16-2)は既に内胚葉由来へ訂正済みで、科目間の矛盾でもあった。旧枠組みは消さず位置づけを併記している。
    • トピックEndocrine system — Adrenal (suprarenal)表が髄質を「交感神経節前ニューロンが変形した細胞」、⭐とまとめが「節後ニューロン」としていた内部矛盾を訂正した(正しいのは節後)。クロム親和性細胞の起源も、神経堤系譜であること自体は正しいが「神経堤細胞が直接分化する」という像は改訂済みで、多くは内臓運動神経に沿って移動するSchwann細胞前駆細胞が神経から離脱して形成される。求心性移動(分化済み球状層細胞が束状層細胞へ系譜転換する)も記載が無かったため追加した。
    • トピックEndocrine system — Pineal glandメラトニン調節経路「網膜→視交叉上核→交感神経」が粗い点を、ウイルス経シナプス追跡で確定した4段連鎖(上頸神経節→上部胸髄中間外側核→室傍核→視交叉上核)として具体化した。哺乳類松果体が機能する光受容器も内因性振動体ももたないこと(ノートの「直接光を感知しない」は正しい)も確認。脳砂の有病率(61.65%)と主成分・加齢や性差との関係も数値で追加した。
    • トピックEndocrine system — Diffuse endocrineAPUD概念について、ノートの「単一起源を意味しない機能的分類」という結論は正しかったが何が否定されたのかが曖昧だった点を明示した——Pearseの当初主張は「APUD系列は全て神経堤由来」であり、菱脳神経管を置換しても膵島細胞にウズラ核マーカーが出ないことで否定された。閉鎖型の例に挙がっていた「胃のG細胞の一部」も不適切(前庭部G細胞は典型的な錐体形で開放型)なので、胃底腺のグレリン産生細胞(X/A様細胞)に差し替えた。
    • トピックMale reproductive system — Testis血液精巣関門を「密着結合で形成」とする記述を補完した——関門は密着結合に加え基底側外質特殊化・基底部尿細管球状複合体・デスモソーム様結合が並存して構成され、上皮周期の特定の時期に一度分解・再構築される。「基底区画=精祖細胞」という線引きも、前細糸期精母細胞が基底区画側にいて関門をくぐる点で補正。精子形成の日数は64日(重水標識による直接測定、64±8日)と74日(古典的形態推定)の出所の違いを明示して併記し、ヒトのAdark/Apale(うちAdVacが約10%で89%が静止期)も追加した。
    • トピックMale reproductive system — Excretory ducts「精巣上体管=精子の成熟(受精能獲得)」という用語の誤用を訂正した——受精能獲得(capacitation)は女性生殖管内で起こる現象で、精巣上体で起こるのは精巣上体成熟である(caput→caudaでcAMP依存性チロシンリン酸化能を段階的に獲得し、caudaで初めて鞭毛全長をリン酸化できる)。同じvaultのembryology-y1/03-2は正しく書いており、ノート間の矛盾でもあった。貯蔵部位が主に尾部であることも併記した。
    • トピックMale reproductive system — Accessory glands & penisPSAによる液状化の機序が基質を欠いたままだった点を補った——ゲルの主要構造タンパクは精嚢だけが発現するセメノゲリンIで、前立腺のキモトリプシン様プロテアーゼであるPSAがこれを切断する。セメノゲリンI自体が精子運動抑制因子であり、その分解が運動性精子の遊離を意味することも添え、「精嚢が固め、前立腺が溶かす」という役割分担として整理した。「精嚢が精液量の約70%」は抄録で確認できず据え置いた。
    • トピックFemale reproductive system — Ovary「出生時に約100万個」「妊娠後半に70〜85%が死滅」という定番の数列の出所が弱いことを明示した——これはBaker 1963の20週n=2・出生時n=2に由来し、その後の7研究139例では総数(報告値は数千〜2,000万個)も死滅率も再現されていない。「新生卵胞は形成されない」という断定も、肯定・否定の一次資料が両方あり決着していないため、断定を残したうえで論争として位置づけた。加齢による減少(30歳で12%、40歳で3%)は定量的に裏づけた。
    • トピックFemale reproductive system — Uterine tube & uterus「らせん動脈の攣縮→虚血・壊死→月経出血」という枠組みに、月経内膜が炎症と創傷治癒のモデルとして扱われることと、月経時の一過性低酸素とHIF-1αが修復に必要である(過多月経ではHIF-1αが低く出血が遷延し、安定化薬で回復する)ことを添えた。「基底層=変化せず、機能層再生の起源」にも、内膜前駆細胞が血管周囲かつ機能層にも分布することを補足した。
    • トピックFemale reproductive system — Cervix, vagina & external genitalia「グリコーゲン→乳酸桿菌→乳酸」という一段飛ばしを補正した——腟乳酸桿菌の多くはグリコーゲンでは増殖できず、宿主のα-アミラーゼがマルトース等へ分解する段が挟まる。「pH 3.5〜4.5」「デーデルライン桿菌優占」にも、細菌叢が5群に分かれ第5群は乳酸菌が少なく偏性嫌気性菌優占であること、pH平均に民族差があり健常でも4.5超がありうることを添えた。
    • トピックFemale reproductive system — Mammary gland & placenta「細胞性栄養膜は妊娠後期に減少」を訂正した——ディセクター法の実測では満期胎盤の栄養膜核6.4×10¹⁰個のうち10%が細胞性で、13週から満期にかけて核数はむしろ9倍に増加する。減るのではなく拡大した絨毛表面へ分散するため切片で不連続に見えるのである。「乳管洞に乳汁を一時貯留」も、授乳中21人の超音波で典型的な洞は認められず乳管は貯留ではなく輸送であると補正した。
    • トピックNervous system (organs) — CNS脳のリンパ排出が全く反映されていなかった点を補った(硬膜静脈洞に沿う硬膜リンパ管→深頸リンパ節、およびAQP4欠損で間質溶質クリアランスが約70%低下するグリンパティック系)。「髄膜は3層」にも、くも膜下腔を区画化する第4の膜SLYM(中皮様で髄膜静脈洞内皮と密着し髄液と静脈血の小分子交換を担う)を、3分法を残したうえで追記。血液脳関門の構成も記載が無かったため、内皮の密着結合と小胞輸送抑制が主障壁で周皮細胞が2経路で寄与する形で補った。誤字「顆粰細胞」も修正。
    • トピックNervous system (organs) — PNS「頭仙部=副交感」という分類が論争中であることを明示した——15の表現型・発生学的指標のすべてで仙髄流出路が胸腰部の交感性流出路と区別できないという報告があり、その反論も存在する。従来説は消さず「試験は従来説で可」と位置づけて併記した。腸管神経叢を副交感神経節の一部とする記述にも、消化制御が腸管神経系・中枢神経系・交感神経節の統合として扱われることを添えた。
    • トピックSense organs — Eye角膜の「5層構造」というカウント主張に、pre-Descemet層(Dua層、厚さ10.15±3.6 µm)を独立層と数えるかで議論が続いていることを、5層の枠組みを残したうえで添えた。視細胞の実数(錐体460万・杆体9,200万、中心窩錐体密度ピーク199,000/mm²)と網膜10層の数え方、色素上皮の機能(外節先端の貪食・レチノイド再生・外側血液網膜関門)、房水の産生速度(日中2.75±0.63 µL/分、睡眠中は約半分)も追加した。脈絡膜の栄養範囲も網膜外層に限ると精密化。
    • トピックSense organs — Ear「蓋膜=有毛細胞の定在毛が接する膜」を精密化した——埋まり込むのは外有毛細胞の最長定在毛だけで内有毛細胞の定在毛は付着せず、蓋膜は外有毛細胞が力を及ぼす慣性質量として働く(剥離すると基底板感度が35 dB低下)。トノトピー、tip linkの分子実体(CDH23とPCDH15、いずれもヒト遺伝性難聴の原因遺伝子)、外有毛細胞のプレスチンによる増幅(40 dB以上、KOで40〜60 dB低下)も記載が無かったため追加した。
  3. 2026 08.24

    組織病理学(topics/histopathology-y3)の全330ノートを一次資料で点検した。Consensusの指摘文書は無い。この科目は一度目の点検で「修正なし」が大半になり、原因を調べたところ1ノートあたりの道具使用が組織学の5.4〜10.3回に対し0.45〜1.67回と6〜20倍浅く、1人で60ノートを27回の道具使用で処理した担当まであった。設計の失敗なので全ノートを最初からやり直し、担当を1人8件に絞ったうえで「訂正がゼロでも、議論になりやすい点・そのノートの中核主張・数値主張・既存の『〜と断定しない』型のヘッジには出典を付ける」ことを必須にした。読者が後で疑ったときに戻れる足場を作るのが目的である。結果、着手前に出典0件だったノートを含め328ノート全件が出典付きになり、総出典数は1101件になった。検出の類型は科目に合わせて組み替えた。組織病理学で最も改訂が速いのは疾患の分類・命名なので、それを筆頭に置いた——WHO CNS5(2021)で膠芽腫がIDH野生型に限定されIDH変異型がastrocytoma grade 4へ移ったこと、髄膜腫でTERTプロモーター変異・CDKN2A/B欠失が組織像によらずgrade 3を規定すること、WHO-HAEM5とICC(2022)が並立して食い違うこと、下垂体腺腫→PitNET、NF2→NF2関連schwannomatosis、SSA/P→SSL、BAC→AIS/MIA、2016年のNIFTP改称で非浸潤性濾胞型乳頭癌が癌のカテゴリーから外れたこと、褐色細胞腫・パラガングリオーマでWHOが良性/悪性の二分をやめたこと、AJCC第8版で黒色腫の有糸分裂率がT分類から外れたこと、FIGO 2018(子宮頸部)・2023(子宮体部)、ISN/RPS 2018、Banff 2022、LAST、ISUP grade group、WHO 2014/2020で単純型・複合型の子宮内膜過形成が廃止されたこと、カポジ肉腫がWHO軟部第5版で中間群(稀に転移する)に置かれたこと、など。次に多かったのは数値・カットオフの是正で、肺高血圧の閾値25→20 mmHg超、悪性高血圧を拡張期血圧150 mmHgで定義しない、乳頭Paget病の背景癌併存は「必ず」ではなく90%超、CA19-9はLewis陰性でも27.4%が37 U/mL超なので「上昇しない」ではなく偽陰性となりうる、結節性筋膜炎のUSP6再構成は「ほぼ全例」ではなく48例中44例、乳癌は女性の癌死因の第2位ではなくGLOBOCAN 2022では罹患・死亡とも最多、急性硬膜外血腫の高齢者は3249例中32例=1%未満、など。第三に、外部知識を要さないノート内部およびノート間の矛盾で、これは全件で確認した——横紋筋肉腫で胎児型の行が紡錘細胞型を含むとしながら別行に独立して立っていた点、シュワン細胞腫の「悪性転化しない」が姉妹ノートのヘッジと食い違っていた点、somatotroph(成長ホルモン産生細胞)を「体細胞性」と訳していた誤り(2ノート)、「表皮表皮境界部」「先天性メラサイト母斑」「肝合成功能」といった誤記、TIGAR-O分類から「特発性」の行が抜けていた点など。第四に diseases/ コレクションとの食い違いで、これが前回の点検で最も生産的だった入口である(髄様癌、NF2の命名、葉状腫瘍の年齢層、横紋筋肉腫の原発部位、CA19-9はいずれもここから出た)。自分の担当ノート側だけを直し、diseases/ 側は触らずreview-flagsに回している。訂正が無いノートでも中核主張への裏づけを付けた。価値が高かったのは、判定のぶれを実測で示した箇所である——母斑の中等度異型は同一観察者の再現性が35.2%・正確度25%、乳腺生検の異型の一致率は48%、髄膜腫のgrade 1/2を分ける判定者間一致率、甲状腺の濾胞型乳頭癌は専門家10人の全員一致率が39%。「専門家に回しても答えが安定しない」ことが、ヘッジの本当の理由だと分かる形にした。また定説が割れている論点は片方に寄せず並置した——Simpson分類の予後的意義(WHO grade 1で5年無再発生存に有意差なしとする報告と、切除度の記載自体は有効という立場)、滑膜肉腫の融合パートナーSSX1/SSX2の予後差(差ありとする報告、病勢で層別すると消えるとする報告、差なしとする報告の3本)、前庭神経鞘腫の予防的定位放射線(聴力温存率3年66%→10年44%を根拠に支持する側と、Gardner-Robertson基準は転帰を過大評価するとして支持しない側)、Charcot-Bouchard微小動脈瘤の実在性(高血圧35例・非高血圧20例で認められず注入法の誤認と結論した報告)。いずれも旧説を削らず、実習・試験では旧記述で問われうると添えたうえで位置づけを書いている。確認できなかった数値は憶測で書き換えずに記載を残し、review-flagsへ12項目の再確認候補として記録した(WHO CNS5の髄膜腫の乳頭型・横紋筋様型の規則廃止、glioblastoma multiformeの名称廃止、PitNETのatypical adenoma区分の廃止、パーキンソン病で流布する黒質60%/80%脱落説など、いずれもWHO本体にあたらないと確認できないもの)。成熟嚢胞性奇形腫が3胚葉すべてを含むかどうかは topics 側と diseases 側で記述が割れているが、抄録レベルで決着できなかったため両方とも変更していない。中身が「確定不能」だけの判定保留プレースホルダ2件(h2-076b・h2-078a)は、同主題の本編ノートが各2件あり被リンクもゼロだったため削除した。作業は42のサブエージェントに8件ずつ割り当てて並列処理し、親側で見出し数・wikilinkの増減・lint・出典idの重複・DOIの実在を全件再検証している。並列作業の副作用として同一論文への別id割り当てが5組発生したため統一し、フォルダ内の同一url→別idは0件にした。撤回論文チェックでは撤回ゼロ、懸念表明1件(ECCO潰瘍性大腸炎コンセンサス2017、理由は民事訴訟であり科学的不正ではない)を記録した。

    • トピックAnemic infarction of the kidney腎梗塞の原因を「心臓由来の血栓塞栓が重要」とだけ述べていた箇所に、連続94例の内訳(心原性23例・腎動脈自体の傷害29例・凝固亢進状態15例・原因不明27例)を付与し、心原性は約4分の1にとどまることを補った。あわせて心房細動を背景とする44例の平均年齢69.5±12.6歳と、凝固壊死を反映して93%が血清乳酸脱水素酵素400 U/dL超を示す点を追記した。本文の記述自体の訂正はなく、出典2件をfrontmatterに追加した。
    • トピックHemorrhagic infarction of the lung「心不全や肺うっ血で気管支循環の代償が不十分だと梗塞する」という古典的説明が近年の臨床データと食い違う点を明示した。肺梗塞の頻度は急性肺血栓塞栓症の約30%(別の前向き335例では31%)で、367例の検討では梗塞例のほうが若く(48±20.3歳 対 59.6±17.2歳)、気腫(5% 対 22%)や大動脈粥状硬化(23% 対 43%)はむしろ少なく、多変量解析でも気腫は保護的(OR 0.21)だった。また「出血だけでは肺梗塞と診断できない」というヘッジに、気管支動脈動員→肺胞出血→吸収されなければ壊死という順序と、瘢痕化まで数か月かかるため急性期には確定できないという根拠を加えた。病態生理の枠組み自体は保持する方針を本文に明記している。
    • トピックAcute myocardial infarction心内膜下から心外膜側へ壊死が広がるという記述に、イヌ回旋枝閉塞モデルの貫壁性壊死割合(40分38±4%、3時間57±7%、6時間71±7%、24時間85±2%)を付与した。ヒトの時間軸をそのまま与える数値ではないと断ったうえで、早期再灌流の根拠として位置づけている。また「時間推定には個人差と再灌流の影響がある」というヘッジに、剖検でも同定と時期推定が不確実であり臨床病型と突き合わせて解釈すべきとする欧州心血管病理学会の見直しを根拠として加えた。
    • トピックMyocardial reperfusion injury「再灌流は壊死を進めるだけではない」という二面性の説明に、心筋傷害を虚血とそれに続く再灌流の和として整理する総説の根拠を付与した。さらに、前臨床で梗塞サイズを縮小した多くの介入が患者の転帰改善へ翻訳されない乖離が続いており、再灌流傷害がヒトでどこまで治療可能な標的かは未決着であるという警告を新設した。無再灌流を扱う表の行にも冠微小循環に関する出典を付けた。
    • トピックCerebral infarction「脳梗塞が必ず貧血性から出血性へ進むわけではない」というヘッジに、連続1125例の前向き研究で発症5±2日の出血性変化が8.7%(出血性梗塞5.5%、脳実質内血腫3.2%)にとどまる数値と、脳実質内血腫の独立予測因子(大きな病変OR 12.20、心原性塞栓OR 5.25、高血糖、血栓溶解療法OR 3.54)を付与した。あわせて、出血性変化の機序が発症18〜24時間以内(白血球由来MMP-9と脳由来MMP-2による血液脳関門破綻)とそれ以降(脳内プロテアーゼ、神経炎症、血管リモデリング因子)で異なることを追記し、既存の時間経過表と対応づけた。
    • トピックSpecimen: anemic infarction of the kidney原因を「主に心原性塞栓」と読める書き方だった箇所に、連続94例では心原性23例(約4分の1)で、腎動脈自体の傷害29例・凝固亢進状態15例・原因不明27例と分散していた事実を補い、四つを並べて考えるよう改めた。楔状病変が生体画像でも同じ形で写ること(造影CTで楔状低吸収域92%、腎全体の虚血8%)を追加した。高血圧との関係については、未管理の高血圧46例・腎機能障害40.4%という数値が原因側と結果側の双方を含む横断的な数字であり因果の証明ではないと明記し、透析7例・30日死亡0例も添えた。
    • トピックRecurrent myocardial infarction左心耳血栓の記述に、僧帽弁疾患を背景とする場合は血栓が左心耳の外にも及ぶことを追加した。心房細動例の左房血栓の局在をまとめた検討では、左心耳に限局または左心耳を起点とする割合が非リウマチ性で91%(201/222)に対しリウマチ性では57%(254/446)にとどまるため、この標本では左房腔の壁在血栓・球状血栓も探すよう促している。「色だけで梗塞時相を断定しない」というヘッジには、剖検でも同定と時期推定が不確実で臨床経過と突き合わせるべきとする欧州心血管病理学会の見直しを根拠として付けた。
    • トピックCardiac rupture with hemopericardium「発症後数日から1週間以内が典型」という好発時期の記述が再灌流以前の自然経過に基づくものであることを明示した。米国の登録350,755例では心破裂は1.0%未満ながら院内死亡の7.3%(血栓溶解群では12.1%)を占め、破裂による死亡が薬剤投与後24時間以内に集中して時期が前倒しされた一方、ST上昇型心筋梗塞6678例の30年間の推移では再灌流療法の使用率0%→75.1%と並行して破裂頻度が6.2%→3.2%、破裂例の死亡率が94%→75%へ低下したことを付与した。
    • トピックHealed myocardial infarction with ventricular aneurysm「陳旧性だから絶対に破裂しない、とは言い切らない」というヘッジに、破裂しにくいのは瘢痕が完成した慢性期の真性瘤であって形成途上の破裂は報告されている、という限定を根拠つきで加えた。仮性心室瘤290例のレビューから、10%超が無症候、心電図異常はほぼ全例だが多くは非特異的ST変化(ST上昇は20%)、胸部X線の腫瘤像が半数超という「見つけにくいのに破裂しやすい」像を追記した。壁在血栓については、従来報告の20〜60%に対しprimary PCIで再灌流した71例では4%(前壁梗塞に限れば10%)にとどまることを示し、肉眼標本の像が再灌流普及前の自然経過を表していると位置づけた。
    • トピックWhite and red encephalomalacia「白→黄→嚢胞→赤の一本道にしない」というヘッジに、抗血栓薬・血栓溶解薬を受けていない脳梗塞での出血性変化が8.5%(95%CI 7〜10%)、重症例は1.5%にとどまり、これらの薬剤使用が増えるほど頻度が上がるという系統的レビューの数値を付与し、出血性変化は必ず通る段階ではなく少数派だと明記した。塞栓性動脈閉塞の項には脳実質内血腫の独立予測因子と、出血性変化の時期別機序(早期はMMP-9・MMP-2、遅発性は脳内プロテアーゼ・神経炎症・血管リモデリング因子)を追加した。脳静脈・静脈洞血栓症の項には、624例の国際前向き研究で入院時CTの出血が死亡・要介助の独立予測因子(ハザード比1.9)であることを添えた。
    • トピックGangraena humida antebrachii乾性と湿性を固定した2型として読まないよう、下肢の乾性壊疽に血行再建を行った194例で術後30日以内に7.7%が湿性へ転じ(平均13.5日)、標本での判定はその時点の状態を述べているにすぎないことを追記した。臨床像の項には、この段階を指す用語が「重症下肢虚血」から「慢性下肢切迫虚血(CLTI)」へ移り、末梢動脈疾患に安静時痛・壊疽・2週間を超える下肢潰瘍のいずれかを伴う症候群と定義され、WIfI分類で重症度を段階づけることを2019年Global Vascular Guidelinesから付与した。旧称も実習・試験では使われるため対応づけて覚えるよう補足している。
    • トピックLiponecrosis pancreatis - pancreas「胆汁が膵臓へ流れ込んで酵素を直接活性化することだけが機序ではない」というヘッジに、オポッサムで膵管のみの結紮も共通胆膵管の結紮と同程度の出血性壊死性膵炎を起こし、胆汁逆流は発症に必須でなかったという実験を根拠として付与した。石鹸化・異栄養性石灰化の記述には、腺房細胞に壊死を起こすのは不飽和脂肪酸で飽和脂肪酸にはこの作用がないこと、肥満マウスで脂肪分解を阻害すると膵壊死・低カルシウム血症・腎肺障害・死亡が減ることを加え、脂肪壊死が重症化そのものに関与すると位置づけた。あわせて改訂Atlanta分類(2012年)の局所合併症の定義を示し、標本で実質壊死と脂肪壊死を分ける作業が臨床記載につながることを明記した。
    • トピックTuberculous lymphadenitis「形態だけで確定しない」というヘッジに、7か国10施設の肺肉芽腫500例で原因を特定できたのは58%(サルコイドーシス27%、抗酸菌または真菌感染25%)にとどまり、真菌の多くは組織像・抗酸菌の多くは培養で同定されたという数値を付与し、組織と培養の両方へ検体を出す必要を導いた。さらに核酸増幅検査も万能ではないとして、リンパ節穿刺検体に対するXpert MTB/RIFの統合感度81.6%(95%信用区間61.9〜93.3)・特異度96.4%を示し、陰性でも結核性リンパ節炎は否定できないことを明記した。
    • トピックApoptosis「制御された細胞死=アポトーシス、壊死=制御されない事故死」という二分法が現在は成り立たないことを新設の注記で明示し、細胞死命名委員会(NCCD)2018年分類がネクロプトーシス・パイロトーシス・フェロトーシス・MPT依存性ネクローシス・パルタナトスなど壊死形態をとる制御された細胞死を独立の様式として定義していることを付与した。HE形態だけでは事故的壊死とこれらを区別できず、既存の対比表は古典的な形態対比として読むよう位置づけた。二次性壊死についても、カスパーゼ3がDFNA5(GSDME)をAsp270で切断しN末端断片が膜に孔を開ける制御された過程であることを追記した。
    • トピックSpecimen: liponecrosis pancreatis「胆汁逆流だけで胆石性膵炎を説明しない」というヘッジに、膵管のみの結紮でも共通胆膵管の結紮と同程度の出血性壊死性膵炎が生じ、胆汁逆流が発症にも重症化にも必須でなかったオポッサムの実験を根拠として付与した。あわせてチョーク状斑点の多さが重症度と無関係でないことを新設し、不飽和脂肪酸のみが腺房細胞壊死を起こす点、膵内脂肪細胞の体積が大きいほど膵壊死が広い点、肥満マウスでの脂肪分解阻害が転帰を改善した点を示した。
    • トピックCaseatio tuberculosa pulmonis「肉眼像や乾酪壊死だけで結核を確定しない」というヘッジに、肺肉芽腫500例で原因特定は58%どまり(サルコイドーシス27%、抗酸菌または真菌感染25%)、米国内は真菌19%対抗酸菌8%で米国外はこの比が逆転するという地域差、真菌は組織像・抗酸菌は培養で同定されるという内訳を付与した。空洞化の項には、空洞形成が不良な治療成績・治療後再発・高い伝播率・薬剤耐性獲得と結びつく転帰であり、単なる古い病変の痕跡ではないことを追記した。
    • トピックNecrosis tumoris「肝硬変は肝細胞癌を支持する背景だが肉眼像だけで断定しない」という記述に、オランダの1221例で肝細胞癌の19%が非硬変肝に発生し、非硬変例は腫瘍径が大きい(中央値8 cm対4 cm)という数値を付与して、肝硬変がないことは否定の根拠にならないと明記した。多発/単発についても、単発の割合が非硬変67%対硬変48%と確率を動かすだけで原発か転移かの決め手ではないことを補った。中心壊死の項には単発小型肝細胞癌335例で壊死が46.9%にみられ腫瘍径・脈管侵襲と相関し生存率が不良という予後情報を、免疫組織化学の項にはArginase-1・HepPar-1・glypican-3の3者パネル(非肝性腫瘍でのHepPar-1陽性2.7%、glypican-3陽性3.1%、Arginase-1陽性0%)を追加した。
    • トピックAlcohol-associated steatosis and steatohepatitis病名について、2023年多学会Delphiコンセンサスが脂肪性肝疾患(SLD)を上位概念とし、NAFLD/NASHをMASLD/MASHへ改称し、心代謝リスク因子をもちながら週140〜350 g(女性)・週210〜420 g(男性)飲む例をMetALDという中間の枠に置いたことを追記した(旧称も併記して対応づけ)。Mallory-Denk小体の非特異性には、本体がケラチン8/18を主体にp62とユビキチンを含む凝集体で慢性胆汁うっ滞や肝細胞性腫瘍でも見られるという根拠を付与した。あわせて、1日40 gを超える飲酒者の大半は脂肪肝になるが進行するのは一部で、この個人差は遺伝的・エピジェネティック因子などで説明されるため飲酒量だけからこの標本の進行像は予測できない、という注記を新設した。
    • トピックAtheromatosis arteriaeプラークの不安定性について、薄い線維性被膜をもつ粥腫(TCFA)の定義(被膜65 µm以下+マクロファージ・Tリンパ球浸潤)と、被膜が薄くなる機序(マクロファージ由来MMPによる膠原線維分解と平滑筋細胞アポトーシス)を新設した。さらに狭窄の強さと破裂しやすさが別の軸であることを、PROSPECT研究(3年の主要心血管事故20.4%のうち11.6%が非責任病変由来、その多くはベースラインで平均径狭窄32.3%、独立関連因子はプラーク量70%以上HR 5.03・最小内腔面積4.0 mm2以下HR 3.21・TCFA分類HR 3.35)で裏づけた。転帰の表では、破裂・びらん・石灰化結節の頻度順とびらんの好発(50歳未満の女性など)、プラーク内出血が壊死性コア拡大の主要因である点を補い、まとめの一文も「破裂しやすさは被膜の厚さ・コアの大きさ・炎症で決まり石灰化の量では決まらない」と具体化した。
    • トピックFatty infiltration of the myocardium (HE)「脂肪が見えるだけで不整脈の原因と断定しない」というヘッジに、非心臓死148例の正常心の85%に右室心筋内脂肪が認められ(高齢者と女性で多い)、いずれにも有意な線維化・炎症がなかったという数値を付与し、右室の脂肪自体が正常範囲でありうると明記した。鑑別表のARVCの行では「線維」脂肪性置換であることを強調し、診断は組織像単独ではなく2010年修正Task Force基準の各領域の大小基準を組み合わせると改めた。あわせて、線維脂肪性置換が左室優位型・両室型にも共通するため現在は不整脈原性心筋症(ACM)という上位概念で扱われ、2020年Padua基準がこれらを診断対象に含めたことを追記した(ARVCという旧称との対応も併記)。
    • トピックRenal amyloidosis with Congo red stain「赤緑二色性という表現は正確ではない」とだけ述べていた注記を、二色性と複屈折が別の光学現象であることを軸に全面的に書き直した。偏光子と検光子を正確に直交させたときに見えるのは複屈折による色で、吸収ピーク近傍で短波長側が負・長波長側が正となる混合が緑と知覚されること、光学系の付加的複屈折により実際には黄緑・黄・青緑・青が見えること、偏光子をずらすと二色性の効果が現れて緑から赤(逆向きでは緑から無色)へ非対称に変化しこれが確認に有用であること、したがってapple-green birefringenceより異常色(anomalous colours)と呼ぶほうが正確であることを根拠つきで示した。型判定については、免疫組織化学の特異度・感度が低く、レーザーマイクロダイセクション+タンデム質量分析が訓練セット100%・心アミロイドーシス検証セット98%の精度を示すことを追加し、まとめにも反映した。
    • トピックInfant respiratory distress syndrome (PAS) - infant lung「主軸はサーファクタント不足」という機序の記述に、出生前副腎皮質ステロイドが呼吸窮迫症候群をリスク比0.71(95%信頼区間0.65〜0.78、確実性は高い)、周産期死亡0.85、新生児死亡0.78へ減らすCochraneレビューを付与し、介入が発症率を動かすことで病態の起点を裏づけた。標本像が治療歴で変わるため在胎週数と治療内容を併読すべきことを、欧州ガイドライン第7版(2025年)の柱(非侵襲的呼吸補助、細径カテーテルによる早期サーファクタント投与、肺保護戦略)とともに追記した。鑑別表の気管支肺異形成の行には、旧来のBPDと出生前ステロイド・サーファクタント普及後の新しいBPDの組織像の違いと、肺胞形成は停止ではなく障害と捉えるべき点を加えた。
    • トピックSpecimen - diffuse hepatic steatosis病名整理の節に、2023年多学会Delphiコンセンサス(56か国236名)によるSLD上位概念、MASLD/MASHへの改称、心代謝リスク因子5つのうち1つ以上という診断要件、cryptogenic SLD、MetALDの飲酒量域(週140〜350 g/週210〜420 g)を具体的に付与した。「一定の順番に進むわけではない」というヘッジには、スウェーデンの対再生検718例で組織学的進行が30.4%、単純性脂肪化から脂肪性肝炎への進展12.5%、肝硬変到達5.6%という数値を加えた。可逆性についても、脂肪性肝炎293例への52週間の生活習慣介入で脂肪性肝炎消失25%・NAFLD activity score低下47%・線維化退縮19%(10%以上減量群で最高)を示し、可逆性は起こりうるであって起こるではないと明記した。
    • トピックAtheromatosis of the aorta脂肪線条について、外因死15〜34歳2,876例の剖検研究(PDAY)で最年少15〜19歳群でもすべての大動脈に内膜病変があり右冠動脈でも半数超に認められること、脂肪線条には人種差があるが隆起性病変にはないことを付与し、平坦な脂肪線条と厚みのある線維性粥腫を分ける観察手順の意味づけとした。動脈瘤に関する既存の注意には、腹部大動脈瘤でも平滑筋細胞脱落と細胞外基質分解による中膜・外膜菲薄化が芯であり壁応力が強度を上回ったときに破裂する点、破裂例の死亡率65〜85%、どの径でも破裂しうる点を補った。さらに大動脈プラークが塞栓源として効くことを、厚さ4 mm以上の粥腫が虚血性脳卒中のオッズ比9.1(95%信頼区間3.3〜25.2)を示した症例対照研究で裏づけた。
    • トピックAmyloidosis of the spleen and kidneys「アミロイドは原則として細胞外に沈着する」という断定に、国際アミロイドーシス学会命名法委員会が細胞内タンパク質凝集体の扱いについて議論が続くと明記している点を添え、絶対的な線引きではないと限定した。命名原則(A+前駆タンパク質の略号)と2022年時点で42種という登録数も付与した。型の頻度と沈着様式が臓器ごとに偏ることを、腎アミロイドーシス474例(免疫グロブリン由来85.9%、AA型7.0%、LECT2由来2.7%、型ごとに沈着の場が異なる)と脾アミロイドーシス69例(AL型はびまん性、LECT2型は赤脾髄型など、ただし形態的重なりが残る)で示し、サゴ脾/ラード脾を肉眼で断定しないという既存のヘッジを型判定には質量分析が要るという結論へつないだ。
    • トピックMyocardial hypertrophy and chronic ischemic heart disease「心筋細胞は分裂による細胞数増加が乏しい」という記述に、炭素14年代測定によるヒト心筋細胞の入れ替わり率(25歳で年1%、75歳で年0.45%、生涯で50%未満)を付与し、増殖能はゼロではないが瘢痕を置き換えるには足りないと限定した。リポフスチンについては、培養心筋細胞で量が細胞ごとに大きくばらつきミトコンドリア内膜電位低下・活性酸素産生量と正に相関するという知見を加え、特定の事件の痕跡ではなく不完全なオートファジーの積算量を映す色素だと補強した。鑑別表には剖検定量による線維化面積率(肥大型心筋症10.5%・中隔優位13.1%で心重量と相関しない、高血圧性心疾患2.6%で中隔と自由壁に差がなく心重量と相関、正常1.1%)を追加した。
    • トピックMicrocalcification in ductal carcinoma in situ (HE) - breast「微小石灰化だけでDCISと診断してはならない」という既存の注意に逆方向の限界を追加した。針生検でDCISと診断された7,350例のメタ解析では切除標本で浸潤癌が見つかる過小評価が25.9%(95%CI 22.5〜29.5%)にのぼり、高異型度・20mm超・マンモグラフィで腫瘤を呈するもので頻度が高いことから、上皮内にとどまるという判定は暫定的で採取範囲についてしか言えないと明記した。石灰化の化学組成が良性→上皮内癌→浸潤癌と炭酸イオン取り込み量が低下し異型度サブグレードとも相関するというFTIR分光の知見も新設した。鑑別表の項目名を「小葉内癌」から「小葉上皮内腫瘍(LCIS、旧称:小葉内癌)」へ改め、E-cadherin消失の根拠(浸潤成分を伴わないLCIS 6例で消失、同条件のDCIS 150例で保持)を付与した。
    • トピックHyperplasia of the adrenal gland結節性病変の呼称について、WHO分類第5版(2022)がびまん性過形成・結節性病変・腺腫・癌に整理し、結節性病変を散発性・両側性小結節性・両側性大結節性(旧AIMAH、従来の原発性両側大結節性副腎皮質過形成)へ細分して「過形成」の語を外したことを追記した。既存の「ACTH非依存性の原発性両側結節性副腎過形成では副腎側の自律性が中心」という記述には、過形成組織内でプロオピオメラノコルチン・ACTHが局所産生されコルチゾール分泌を駆動している(副腎静脈血のACTHが末梢血より高い、ACTH受容体拮抗薬がin vitroで分泌を抑制)という知見を付与し、非依存性は血中ACTHについての呼び方であって副腎が完全に自律しているとまでは考えないと限定した。アルドステロン産生部位はCYP11B2免疫染色(HISTALDO分類)で同定する必要があり、37例中5例(14%)でHE形態からの当初診断が覆ったことも加えた。副腎皮質癌の鑑別行には診断アルゴリズム(Weiss・修正Weiss・細網線維・Lin-Weiss-Bisceglia・Helsinki、小児はWieneke)と、脈管侵襲の重視、核分裂像10 mm²あたり20個での低/高グレード区分、Ki-67が段階分けに採用されていない点を補った。
    • トピックBronchus squamous cell metaplasia (HE)化生と再生が同じ基底細胞集団の分化方向で決まることを、p63・ケラチン5/14陽性基底細胞が定常状態でも修復時でも分化細胞を供給する幹細胞であるという系譜追跡・自己複製の知見で裏づけた。「化生が広いほど必ず癌になるわけではない」という記述には、蛍光気管支鏡で追跡した前腫瘍性病変134個の退縮54%・上皮内癌/扁平上皮癌への進展13.4%という数値を付与した。あわせて段階的に進むとは限らないという注意を新設し、高度異形成の進展率が病変単位では低グレード病変より有意に高い(P<0.003)一方、個人単位では有無で差がない(39%対26%、P=0.36)ため初回のWHOグレードだけでその人の危険度を決められないことを示した。
    • トピックSPECIMEN - Cholelithiasis「割合は集団・地域で異なる」という既存のヘッジに具体的な数値を付与した。先進国ではコレステロール石が優位で黒色色素石は15%程度、東アジアでは胆道感染や寄生虫に関連する褐色色素石が胆管内・肝内胆管に生じること、胆石保有率もアメリカ先住民60〜70%・先進国の白人成人10〜15%と差が大きいことを示した。あわせて結石の型は形成部位で見分けるほうが確実であること(胆嚢内はコレステロール石か黒色色素石、胆管内は大半が褐色色素石、胆嚢結石患者の10〜15%が胆管結石を合併)を新設した。胆嚢癌との関連については、発癌の駆動因子が慢性炎症そのもので結石の有無を問わないこと、大半が有症状胆石への胆嚢摘出後に偶発的に見つかることを補った。
    • トピックHypertrophia ventriculi sinistri cordis求心性/遠心性肥大の区別を壁応力の観点から説明する段落を新設した。圧負荷では左室収縮期圧が220 mmHg台でも壁厚が0.8 cmから1.5 cmへ増すことで収縮期壁応力が対照と有意差のない値に保たれる一方、容量負荷では拡張末期壁応力が正常化しないという非対称から両者の違いが出てくることを示した。また「心筋肥大は冠血流を自動的に増やさず相対的虚血を起こしやすい」という記述に、大動脈弁狭窄35例で弁置換後に左室重量係数が154から134 g/m²へ下がるのと並行して冠血流予備能が1.76から2.61へ改善した(増えたのは充血時血流)という数値を付与し、相対的虚血が固定した所見ではないことを明記した。
    • トピックHypertrophia ventriculi dextri cordis肺高血圧の血行動態定義を2022年ESC/ERSガイドラインに更新し、安静時平均肺動脈圧>20 mmHg(前毛細血管性はさらに肺動脈楔入圧≤15 mmHgかつ肺血管抵抗>2ウッド単位)で、旧来の≥25 mmHgという閾値は使わないこと、肺疾患・低酸素に伴うものが第3群であることを追記した。肺性心の定義が「呼吸器疾患による肺高血圧に続発した右室の肥大と拡張」であり右室変化と呼吸器疾患の間に肺高血圧を挟むことが要件である点も補った。鑑別の要点には、COPDの肺高血圧は通常軽度〜中等度で平均肺動脈圧35〜40 mmHg超の高度上昇は5%未満(その多くは気流制限が軽い不釣り合いな肺高血圧)であること、ドップラー心エコーは誤差が大きく単独では確定にも否定にも足りないことを加えた。炭粉沈着の記述にはCOPDでの圧上昇の主因が肺血管リモデリングである旨を添えた。
    • トピックOedema pulmonis (HE)心原性と非心原性を分ける根拠が染色性ではなく蛋白濃度であることを新設し、水腫液/血漿の蛋白濃度比が透過性亢進性(楔入圧20 mmHg未満)で0.6超、心原性では平均0.46という数値を付与して、HE標本の淡紅色の濃さから漏出液か滲出液かを決めないよう明記した。あわせて、びまん性肺胞傷害(DAD)がARDSの必須所見ではなく臨床基準を満たす患者でDADを認めるのは約半数にとどまること、滲出期所見は経過1週未満で90%だが3週超では17%まで減り増殖性変化・線維化が前面に出ることを示し、硝子膜の有無でARDSを肯定も否定もしないと注意を加えた。
    • トピックInduratio brunea pulmonis (Berlini-kék, Prussian blue)「ヘモジデリン貪食細胞は心不全に特異的ではない」というヘッジに具体例を付与した。特発性肺線維症では気管支肺胞洗浄液のヘモジデリン貪食マクロファージ比率が平均38.2%に達し肺血管抵抗と相関すること、小児の気管支肺異形成症でも34.6%が10%以上(対照2.8%)であることを示した。遺伝性ヘモクロマトーシスの項には、HFE p.Cys282Tyrホモ接合体は血清鉄指標のみで診断できるがそれ以外の遺伝子型ではMRIか肝生検で肝鉄過剰の証明が要るというEASLガイドラインの条件を補った。また「炭鉱夫塵肺=石炭粉塵だけの病気」とも読まないという注記を新設し、進行性塊状線維症をきたした米国炭鉱夫でシリカ型が1930年以降生まれの世代では57%(歴史的世代18%)を占めることを示した。
    • トピックHepar moschatum adiposum (HE)zone 3が傷む理由を低血圧だけで説明しないよう、収縮期血圧75 mmHg未満が15分以上続いた非肝外傷31例では虚血性肝炎が1例も起こらずASTピークが平均78 IUにとどまった一方、虚血性肝炎31例(ASTピーク平均2,088 IU)は全例が器質的心疾患をもち94%に右心不全があった、という対比を付与した。うっ血した肝がはじめて低灌流に耐えられなくなる、という読み方を明示している。観察手順と晩期像の項にも、慢性心不全42例の肝生検で類洞拡張と中心静脈周囲の肝細胞萎縮が受動性うっ血の指標とされること、うっ血性肝線維化の程度が右房圧と相関し門脈域まで及んだ段階で右房圧が有意に高いことを追記した。
    • トピックLate stageうっ血肝の線維化が中心静脈周囲から始まるという記述に、線維化のステージ分類が別立てになっている理由を接続した。慢性肝炎用のMETAVIRが門脈域基準、うっ血肝用のうっ血性肝線維化スコアが中心静脈周囲基準であり、Fontan術後38例の比較では全体の一致は高い(重み付きκ0.92)が軽度線維化の段階だけ一致が落ちる(κ0.70)ことを示した。「線維化があっても炎症が強いとは限らない」というヘッジには、門脈域まで線維化が及んだ段階でようやく右房圧が有意に高くなるという定量的知見を付与した。さらに、Fontan術後42例の検証で高ステージ線維化は術後経過が長い例に多い一方、血行動態指標には低ステージ群との有意差がなく評価は肝生検に依存するという一文を追加した。
    • トピックThrombosis arteriae femoralis (HE)「Virchowの三徴」という枠組み自体について、静脈血栓症・肺塞栓症という用語はVirchowの造語だが現在引用される形の三徴を彼が述べた事実は歴史的文献をたどっても確認できず、三徴の提唱者として定型的に引用されるようになったのは約100年後だという史実を新設した。臨床的有用性は変わらないので枠組みとして使ってよいが、Virchowが3つにまとめたという説明は史実としては正確でないと明記している。過凝固の表の行には、遺伝性血栓性素因と動脈虚血イベントの関連が軽度にとどまる(Factor V Leidenのオッズ比1.21、95%CI 0.99-1.49)という根拠を付与した。
    • トピックSPECIMEN - Thrombosis venae「鞍状塞栓があれば必ず突然死するわけではない」というヘッジに、CT血管造影で肺血栓塞栓症と診断された680例中の鞍状塞栓37例(5.4%)で、心エコーの右室拡大・機能低下78%にもかかわらず持続性ショック8%・一過性低血圧14%・院内死亡2例(5.4%)という数値を付与した。出血性肺梗塞についても、気管支動脈動員→肺胞出血→吸収されなければ壊死という現在の理解と頻度約30%、367例で梗塞例のほうが若く気腫や大動脈粥状硬化がむしろ少なかった点を示し、上表の古典的説明が疫学とそのまま一致しないことを新設した。Homan徴候を使わないという既存の注意には、身体所見の尤度比(悪性腫瘍2.71、血栓症既往2.25、最近の不動1.98、下腿周径差1.80、最近の手術1.76、除外は下腿腫脹なし0.67と周径差0.57)とWellsスコア層別化の優位(高確率5.2対低確率0.25)、検査前確率に応じたDダイマー先行・超音波という現行の枠組みを付与した。
    • トピックThrombosis arteriae本文の訂正はなく、判定のぶれが大きい2点に一次資料を付与した。Zahn線については、細く曲線状のフィブリン束は死後凝血塊にも高頻度に見られて誤読されうること、生前血栓にほぼ限られるのはフィブリンに包まれた血小板塊の厚い帯であること、好中球核崩壊は死後凝血塊の80%(50例中40例)、骨髄成分は76%(38例)にも見られることを剖検比較研究から補った。遺伝性血栓性素因と動脈血栓の関係には、Factor V Leidenのオッズ比1.21(95%CI 0.99-1.49)で有意水準に届かないというメタ解析値と、ホモ接合体に限れば脳血管疾患で2.76、末梢動脈疾患のPAI-1 4G/4Gで5.44と関連が強まる新しいメタ解析を併記した。
    • トピックThrombus muralis laminata in aneurysma aortae層状壁在血栓を「大動脈を補強する良い血栓と断定しない」というヘッジに、両方向の実測値を付与した。患者固有モデルの有限要素解析では血栓を含めると最大壁応力が6〜38%低下する一方、術中の壁内酸素分圧測定では厚さ4 mm以上の血栓下で壁内PO2が内腔値の18%(血栓が乏しい部位は60%)まで落ち、引張強度も138 N/cm2対216 N/cm2と低いことを示した。粥状硬化の項にも、壁在血栓の厚い領域で組織MMP-9活性が血栓厚と相関(R2=0.46)しエラスチン・コラーゲンが減るという開腹修復24例の解析を追加した。
    • トピックThromboembolia trunci brachiocephalici血栓と塞栓の区別が臨床でも容易でないことを数値で補い、その場で生じた動脈血栓症の20%が急性塞栓症と誤診されていたという急性下肢虚血の比較研究を付した。心房細動の項には、非リウマチ性心房細動に伴う左房血栓の91%が左心耳に限局または左心耳を起点(リウマチ性は57%)という集計を加えた。「心臓由来塞栓を一律に白色血栓とは呼ばない」というヘッジには、血栓回収塞栓を解析した134研究の系統的レビューで組成と病因分類の関連が研究間で一致しないことを根拠として付与した。
    • トピックDIC (fibrin festés, fibrin staining) - KIDNEYDICの定義が2025年にISTH小委員会で改訂され、2001年の定義とスコアが、無症候でありうる早期相から出血・臓器障害を伴う進行相へ進む病態として再定義され顕性DICの基準も修正されたことを新たに記載した。診断を組織像だけで行わないという記述には、連続1729剖検で組織学的にDICと診断された51例のうち38例(74.5%)が臨床的に疑われていなかったという実測を付し、微小血栓の頻度が腎で最も高いことも補った。腎の微小血栓が血栓性微小血管症のものと組織学的に類似し特殊染色で判別されるという点にも出典を付与した。
    • トピックEmbolia lipomatosa (Oil-red) - KIDNEY形態所見と症候群の頻度が桁違いであることを追記し、骨折患者ではほぼ全例に脂肪塞栓が生じて通常は無症候である一方、臨床的に明らかな脂肪塞栓症候群は長管骨骨折患者の0.9%にとどまることを示した。三徴がそろう前提も外し、27例の内訳が低酸素血症96%・頻脈93%・39度超の発熱70%・意識状態の変化59%に対し点状出血は33%であること、確立した単一の診断基準がなく除外診断であることを補った。機械的閉塞説と生化学説はどちらにも決着しておらず双方の寄与が想定されている、という現状も加えた。
    • トピックSPECIMEN - Erosiones mucosae ventriculi - hemorrhagia per diapedesim「血小板病イコール血小板数低下とは限らない」というヘッジに、尿毒症性出血の基盤が血小板数ではなく血小板機能異常と内皮由来因子の不均衡にあるという総説を付与した。あわせて、重症患者では胃粘膜病変が見えることと出血することが別であるとして、集中治療室2252例で臨床的に重要な消化管出血は1.5%にとどまり、呼吸不全(オッズ比15.6)と凝固異常(オッズ比4.3)のどちらかを持つ群で3.7%、持たない群で0.1%という前向きコホートの数値を追加した。
    • トピックHaemorrhagia subarachnoidealis - hemorrhagia per rhexim原因の内訳を数値化し、動脈瘤破裂が非外傷性くも膜下出血の85%、予後良好な非動脈瘤性の中脳周囲出血が10%、まれな病態が5%であることを表と本文に加えた。動脈瘤の好発部位については、所在は中大脳動脈36%・内頸動脈34%が多い一方、破裂リスクは中大脳動脈を基準に後交通動脈1.90・前交通動脈2.02とできやすい場所と破れやすい場所が一致しないというUCAS Japanの結果を補い、年間破裂率0.95%も付した。さらに遅発性脳虚血を血管攣縮と同一視しないよう、薬物治療が攣縮をリスク比0.80で減らしても転帰不良は0.93で有意に減らなかったメタ解析を追加した。
    • トピックApoplexia glandulae suprarenalis副腎出血の所見だけで髄膜炎菌感染症と結論しないという注意を新設し、剖検3例の起因菌が肺炎球菌2例とA群β溶血性連鎖球菌1例であったこと、法医解剖から拾い上げられた副腎出血5例で髄膜炎菌陽性が1例もなく緑膿菌・肺炎球菌・黄色ブドウ球菌であったこと、小児の黄色ブドウ球菌敗血症3例にも同じ両側副腎出血が報告されていることを示した。頻度についても、25年間141例で両側性78例・片側性63例と両者が同程度であることを補った。生前診断されることは少なく通常の検査所見は診断の助けにならない点にも出典を付与した。
    • トピックPericarditis fibrinosa - PERICARDIUM梗塞後心膜炎の頻度を現在の水準に更新し、早期梗塞後心膜炎がST上昇型心筋梗塞の1.2%で、発生率が2000年の1万人あたり170から2013年の110へ35%減ったこと、Dressler症候群も再灌流療法により減少していることを表と本文に加えた。原因の重心についても、連続入院した原発性急性心膜炎100例で特異的原因が判明したのは22%(腫瘍7・結核4・その他の感染3・膠原病3・甲状腺疾患4・大動脈解離1)にすぎずリウマチ熱がこの内訳に現れないことを示し、古典的原因として押さえたうえで実際は特発性が多いと整理した。
    • トピックBronchopneumonia組織像から菌種を確定できないという記述の先に、生前でも原因の大半が特定できないことを追記した。入院を要した成人市中肺炎2259例で病原体が検出されたのは38%にとどまり、ウイルス23%が細菌11%を上回り、最多はヒトライノウイルス9%、インフルエンザウイルス6%、肺炎球菌は5%だった。さらに大葉性肺炎と気管支肺炎の二分法は標本上の記述であって臨床の分類軸ではないとし、胸部X線で両者を分ける判定がκ=0.09(浸潤影の有無はκ=0.37)と一致度が低いという読影研究を付した。
    • トピックPneumonia lobaris四病期が典型例の古典的モデルであるという記述に、実験的大葉性肺炎では肝変が肺門側から末梢へ絶えず進行する連続過程で消散期に器質化が加わりうるという1920年の病理研究を付与し、四病期が連続過程の便宜的な区切りであることを明示した。肺炎球菌が古典的原因菌であるという点にも、系統的な微生物検査を行った成人入院市中肺炎で検出は5%にとどまりライノウイルス9%・インフルエンザウイルス6%より少ないこと、小児では充実像が定型細菌性肺炎を示す陽性的中率は12%だが陰性的中率は96%であることを補った。
    • トピックAppendicitis acuta ulcerophlegmonosa内腔閉塞の位置づけを弱め、病理側の総説が通説に反して大多数の症例では内腔閉塞が一次的原因である可能性は低いと評価していること、成人虫垂炎1552例の無作為化試験でも糞石が確認されたのは27%であることを付して、閉塞を起こりうる引き金の一つとして整理した。あわせて、単純性虫垂炎では抗菌薬単独治療が30日時点の健康状態で虫垂切除に非劣性だが抗菌薬群の29%が90日以内に切除を受け、糞石ありでは41%・合併症率20.2対3.6/100人と跳ね上がること、WSES 2020年版が抗菌薬治療を単純性の選択例に限ることを追加した。固有筋層への好中球浸潤という決め手にも病理分類の総説を付与した。
    • トピックSPECIMEN - Pericarditis fibrinopurulenta心電図の記述を「典型変化は一部の症例に限られる」から、古典的な広範なST上昇・PR低下を示すのは60%未満で経時的に変化する、と数値付きに改めた。感染源についても20年間33例の集計から肺炎が最多(6例)で膿胸の合併が10例、起因菌はレンサ球菌・肺炎球菌・ブドウ球菌が多いことを補い、抗菌薬時代には稀な病態になっていることを加えた。重篤性の記述には、診断が死後になる例が半数を超えること、生前診断できた19例中15例が心タンポナーデ、6例が収縮性心膜炎に進んだことを付与した。
    • トピックPneumonia lobaris (2)黄色肝変という肉眼記述の扱いに、肝変が肺門側から末梢へ絶えず進む連続過程で進行の先端では割面内でも程度に差が生じうるという実験病理を補い、四病期が便宜的な区切りであって割面の色調が一つの病期に対応するとは限らないと明示した。肺炎球菌が大葉性の分布に特異的でないという点にも、成人入院市中肺炎での肺炎球菌検出が5%、小児で充実像の陽性的中率が12%という数値を付した。
    • トピックMyocarditis rheumatica (HE)Anitschkow細胞を巨細胞と定義しないという注意に、弁手術検体15例の免疫染色でAnitschkow細胞とAschoff細胞がいずれもマクロファージマーカー陽性で、多核巨細胞が細胞融合ではなく少なくとも部分的に核分裂で形成されるという知見を付与した。さらに、いもむし状核だけでAnitschkow細胞と決めない、として胎児・新生児心や喉頭軟骨周囲にも同じクロマチン像があり細胞の未熟性を示すという報告を追加した。Aschoff体の有無が予後と結びつくこと(発見群は年齢中央値13歳対27歳、遠隔期死亡率22.9%対5.4%)と、組換えM蛋白のみで免疫したラットの50%に弁膜炎・巣状心筋炎が生じるという交差反応の実験的裏づけも加えた。
    • トピックTuberculosis pulmonis (HE) - LUNG組織像だけで結核を確定できないという記述に、7か国500例の肺肉芽腫を専門医が見直した研究で病因が特定できたのは58%、抗酸菌または真菌感染25%・サルコイドーシス27%で、42%は組織学的検索を尽くしても病因を決められなかったという実測を付与した。検査側についても、Xpert MTB/RIFの統合感度は培養基準で85%・特異度98%だが塗抹陰性・培養陽性例では67%まで落ちること、それでもWHOが初期検査を塗抹顕微鏡ではなく推奨迅速分子検査としていることを加えた。
    • トピックTuberculosis pulmonis (ZN)抗酸菌染色が陰性でも結核を除外できないという記述の理由を標本作製の側から補い、ホルマリンもキシレンも染色感度を大きく下げること、パラフィン包埋肉芽腫30検体ではPCRで推定した菌数が鏡検の計数よりかなり多かったこと、皮膚肉芽腫31例で染色の感度72.7%・特異度95.0%かつ陰性3例が培養陽性だったことを示し、陰性は菌がいないではなくこの切片では見えなかったと読むと明示した。表の核酸増幅検査欄には塗抹陰性・培養陽性例での感度67%を書き加え、WHOが初期検査を推奨迅速分子検査としていることも追加した。
    • トピックGranuloma corporis alienis (HE)巨細胞の核配列に関する読み方を補正し、眼内レンズという純粋な異物を埋植した実験で核配列がはじめ異物型を示し核数が約5個に達するとLanghans型へ移行することから、核の並びは病因ではなくその巨細胞の成熟段階を映すと明示した。まとめの「巨細胞の種類だけで原因を確定しない」にも同じ出典を付与した。あわせて、肺肉芽腫の非感染性原因に誤嚥性肺炎やタルク肉芽腫症が挙がることを示し、異物肉芽腫が珍しい病態ではないことを補った。
    • トピックGranulation tissue (HE)訂正はなく、既存の記述3か所に一次資料を付した。再上皮化と好中球優位からマクロファージ優位への移行にそれぞれ創傷治癒総説とマクロファージ総説を、治癒時期を第2週や1か月という絶対的境界としないという記述に、酸素供給・感染・年齢・糖尿病・薬剤・栄養などが各相を妨げて時間経過が一律にならないという総説を付与した。
    • トピックSarcoidosis (HE) - LUNG除外診断であるという冒頭の記述にATS 2020ガイドラインを付し、診断が矛盾しない臨床像・非壊死性肉芽腫・他疾患の除外という3基準に基づき決して完全には確実にならないことを根拠づけた。さらに、少量の巣状壊死は否定材料にならず、それを超える壊死があれば感染など非サルコイド病因を疑うという強弱の問題であることを追記した。まず感染を外すという鑑別の順序と、精査を尽くしても分類不能のまま残る肉芽腫が相当数あることも加え、星状体・Schaumann小体の非特異性にも出典を付与した。
    • トピックSPECIMEN - Tuberculosis pulmonis二次性結核を内因性再活性化と決めつけないという注意を新設し、治癒後に再発した16例のRFLP解析で12例が初回と異なる菌株型を示し、高蔓延地域では外因性再感染が主要な成因になりうること、組織像では再活性化と再感染を区別できないことを示した。診断の項には、核酸増幅検査の陰性が結核を否定しないとして、Xpert MTB/RIFの統合感度85%・特異度98%、塗抹陰性・培養陽性例では67%という数値を付し、培養と薬剤感受性検査を省けないことを補強した。
    • トピックPolypus nasi (HE)片側性病変で腫瘍を除外するという記述に、EPOS2020が慢性鼻副鼻腔炎をまず一次性・二次性に分けたうえで限局性(多くは片側性)とびまん性(多くは両側性)に区分する枠組みを採り、片側性かどうかが分類の入口にあたることを補った。さらに鼻茸イコール好酸球性という前提が人種・地域で崩れるとして、ベルギー人の鼻茸26例が好酸球性(好酸球カチオン性蛋白/ミエロペルオキシダーゼ比2超)である一方、華南の29例は好中球性に偏る(同比0.25)という対比を追加した。アスピリン増悪呼吸器疾患の有病率も喘息患者7.15%、重症喘息14.89%、鼻茸例9.69%と数値化した。
    • トピックAsthma bronchiale (PAS) - LUNG表の「基底膜下線維化」に、基底膜そのものの肥厚ではないと明記し、喘息の気管支生検で基底膜直下に間質型膠原線維が沈着していることを示した1989年の研究を付与した。また、リモデリングは発作の蓄積の結果とは限らないとして、難治性喘息の小児の網状基底膜厚が中央値8.2μmと軽症成人喘息8.1μmや致死的発作後の成人7.2μmと同程度で対照(成人4.4μm・小児4.9μm)より厚く、年齢・症状持続期間・肺機能と関連しないことを追加した。固定性成分については15年追跡でFEV1年間低下が喘息群38 mL対非喘息群22 mLという実測を補った。
    • トピックAcute rejection (HE) - KIDNEYBanff分類の現行の姿へ更新し、2013年改訂でC4d陰性の抗体関連型拒絶の基準が定められC4d陽性が必須要件でなくなったこと、2022年改訂ではDSA陽性で基準に達しないprobable AMRと、DSAで説明できない微小血管炎症・DSA陰性かつC4d陰性という2表現型が区分され、遺伝子転写解析はAMRの診断に限ってBanff分類に組み込まれていることを追記した。形質細胞優位型についても、独立した病型ではなくT細胞関連型拒絶の亜型で、263例の検討で慢性病変スコアは高いが活動性スコアとは関連せず生着率・腎機能は他の遅発性拒絶と同等、RNAシークエンスでも独立クラスターを作らないことを示した。
    • トピックLupus nephritis (PAS) - KIDNEYISN/RPS分類が2018年に改訂されていることを追記した。class IVのIV-S(分節性)/IV-G(全節性)の細分が廃止され、class III/IVに付けていた活動性(A)・慢性(C)の表記が全クラスに適用する活動性指数・慢性度指数へ置き換えられたこと、endocapillary proliferationという語が管内細胞増多(endocapillary hypercellularity)に改められたことを示し、旧来の表記が2004年版に基づくものだと明示した。尿細管間質病変・血管病変を診断に記載するよう求めているのは2004年版からであることにも出典を付与した。
    • トピックScleroderma (HE) - SKIN訂正はなく、臨床評価との接続を2点補った。皮膚硬化の量的評価であるmodified Rodnan skin score(17部位・満点51点)が前腕パンチ生検の湿重量(r=0.553)・乾燥重量(r=0.517)と相関し組織の変化を映すこと、ただし経時変化を捉えやすいのは胸部・前腕・手で下肢・顔・腹部・手指では効果量が小さいことを示した。もう1点は、2013年ACR/EULAR分類基準に皮膚生検が項目として含まれないこと(中手指節関節より近位の手指皮膚硬化があれば単独で分類可、感度0.91・特異度0.92)である。
    • トピックSquamous cell metaplasia – CERVIX組織診断名が2012年のLAST勧告により下部肛門生殖器の全部位でLSIL/HSILの二段階へ統一され、必要に応じて括弧内にCIN表記を併記する形になったことを追記した。未熟化生とCIN3の区別には免疫染色が助けになるとして、未熟化生はCK17陽性・p16陰性、CIN3はp16一様陽性・CK17陰性という相反する染色態度をとり、異型未熟化生とされた20例中17例がこの2抗体で振り分けられた報告を加えた。移行帯が好発部位である理由についても、扁平円柱上皮接合部に固有の細胞集団が存在しそのマーカーが高異型度CINと子宮頸癌に高率に発現すること、切除後の新しい接合部では再生されないことを補った。
    • トピックHPV infection (condyloma) LSIL自然史とリスクを数値で補った。CIN1は消退約60%・持続30%・CIN3への進展10%・浸潤癌1%という古典的総説の見積もりを加え、一方で細胞診が正常でもHPV16陽性なら12年以内にCIN3以上となる確率が26.7%、2年あけた2回連続陽性なら47.4%で、HPV検査陰性例の3.0%と大きく開くというコホートを併記した。HPV 6・11が悪性病変からの検出はまれな低リスク型であること、LAST勧告の二段階用語がBethesda細胞診用語と対応しCIN2相当の病変にはp16での分類しなおしが推奨されることも追加した。
    • トピックHSIL – CIN3CIN2が独立した生物学的段階ではないことを追記し、LAST勧告でp16による分類しなおしが推奨されること、保存的に経過観察したCIN2の24か月時点の消退50%(95%CI 43〜57%)・持続32%・進展18%、30歳未満では消退60%・進展11%というメタ解析値を示した。CIN3を治療対象とする根拠にも、治療が差し控えられた歴史的コホートで生検のみの143人の30年浸潤癌累積発生率が31.3%(24か月時点で病変が持続していた92人は50.3%)に対し、十分な初回治療を受けた593人は0.7%という対比を付与した。用語の対応表にはLAST勧告の二段階用語の出典を加えた。
    • トピックInvasive carcinoma – CERVIXFIGO 2018改訂を反映させ、IA期の定義から水平方向の広がりの計測が外れて間質浸潤の深さのみ(5 mm未満)で定義されること、IB期が最大径でIB1(5 mm以上・2 cm未満)・IB2(2〜4 cm)・IB3(4 cm以上)に細分されること、後腹膜リンパ節転移があればIIIC期(骨盤のみIIIC1、傍大動脈を含めばIIIC2)となり病期決定法をr(画像)・p(病理)で記録することを追記した。旧基準ではIA期に水平方向の上限が含まれていたため記載の違いに注意すべきこと、水平径自体は病理報告事項として意味を失わないことも明示した。LAST勧告が表在浸潤扁平上皮癌の用語も統一している点も加えた。
    • トピックPapilloma laryngis (HE) – RESPIRATORY MUCOSA反復性呼吸器乳頭腫症の疫学と経過を具体化し、小児の喉頭で最も頻度の高い良性腫瘍かつ小児嗄声の第2の原因であること、米国での推定発生率が小児4.3/10万人・成人1.8/10万人であること、小児例が経腟分娩時の垂直感染と関連し診断時年齢が低いほど侵襲的な経過をとること、12か月に4回を超える手術や喉頭外進展では補助的薬物療法を検討することを追記した。悪性転化については、インターフェロン抵抗性でHPV 11型が検出される長期経過例で発症から平均27.2年、肺への進展から平均14.6年を経て癌が生じた報告を付した。原因型が悪性病変からの検出のまれな低リスクHPV 6・11であることにも出典を与えた。
    • トピックCarcinoma basocellulare (HE) - SKIN発生機序の項に遺伝子解析293例の実測を追加し、85%がHedgehog経路遺伝子変異(PTCH1 73%・SMO 20%・SUFU 8%)をもち61%がTP53変異を伴い、変異率が65変異/Mbと癌腫の中で最も高いことを示した。転移が極めてまれという記述には、デンマークの全国レジストリで既往者126,627人を14年追跡し病理学的に確認できた転移が5例(うち3例は基底扁平上皮癌)、14年累積発生割合0.0039%という数値を付与した。再発リスク層別化も具体化し、AAD 2018が解剖部位をH・M・Lに分けH領域は大きさを問わず高リスク、M領域は径10 mm以上、L領域は径20 mm以上を高リスクとすることを加えた。
    • トピックCarcinoma planocellulare cutis (HE) – SKIN予後因子を数値で裏づけ、615例の前向き追跡で厚さ2.0 mm以下は1例も転移せず2.1〜6.0 mmで4%・6.0 mm超で16%が転移したこと、転移の独立危険因子が厚さ(ハザード比4.79)・免疫抑制(4.32)・耳介(3.61)・水平方向の大きさ(2.22)、局所再発では厚さ(6.03)と線維形成性増殖(16.11)であることを追記した。あわせて、高リスクの線引きが分類体系ごとに違うとして、BWH分類がAJCC/UICCより特異度・陽性的中率が高い一方、NCCNは腫瘍径4 cm超・低分化・線維形成性・深達度6 mm超・脈管浸潤などを超高リスクとする独自の層別化を用い項目も閾値も一致しないことを示した。
    • トピックPolypus adenomatous coli (HE)実務上の分かれ目である進行腺腫の括りを追記し、径10 mm以上・高異型度異形成・管状絨毛状または絨毛状組織型のいずれかという定義と、15,935人を中央値12.9年追跡した大腸癌発生率1万人年あたり進行腺腫20.0・非進行腺腫9.1・腺腫なし7.5(進行腺腫の率比2.7、非進行腺腫は有意差なし)を示した。さらに絨毛成分と高異型度の判定は病理医間の一致度が低く合意基準を作っても改善しないことを注意として加えた。家族性大腸腺腫症の項では、既存の「未治療の典型例では約39歳」という記載を残したうえで総説の平均35〜40歳を併記し、サーベイランス開始が10〜12歳であること、attenuated FAPやMYH関連ポリポーシスの存在を補った。
    • トピックAdenocarcinoma coli (HE) – COLON深達度の表でT4を細分し、従来の「臓側腹膜表面に達する、または隣接臓器へ直接浸潤する」という1行をT4a(臓側腹膜表面を破って達する)とT4b(隣接臓器・構造へ直接浸潤または癒着)の2行に改め、SEER・NCDBの大規模データでN因子をそろえてもT4aのほうが予後良好という根拠を付した。また、Tisを上皮内癌と読み替えないとして、大腸のTisは粘膜固有層内にとどまりリンパ節転移リスクが0〜2%で内視鏡切除により治療が完結すること、WHO消化器腫瘍分類第5版がcarcinoma in situという語を強く非推奨として高異型度異形成に含めたこと、厳密な基準を満たす真の粘膜内癌は検診集団で推定0.01%と稀であることを追記した。
    • トピックSPECIMEN - Papilloma laryngis小児は多発・成人は単発という二分法を退ける記述に、下気道進展例122例で若年発症型45%・成人発症型55%と両型から生じ診断時平均年齢が4歳と54歳であるという多施設コホートを付与した。悪性転化がまれという記述も限定し、喉頭にとどまる病変での話であって下気道へ進展した122例では42例(34%)が気管・肺の扁平上皮癌へ転化し、唯一の関連因子が肺病変の存在であること、同じ低リスク型でもHPV 11感染例が悪性転化と結びつくことを示した。さらにHPVワクチンにより若年発症型の疫学が動いており、米国19年コホートで受診ベース発生率が10万人あたり3.1(2006年)から1.1(2024年)へ65.2%低下したことを加えた。
    • トピックPolypus intestini crassi鋸歯状病変の呼称をWHO分類第5版(2019)に合わせて整理し、平坦な形をとりうることから優先名が鋸歯状病変であること、sessile serrated polyp/adenoma(SSA/P)が無茎性鋸歯状病変(SSL)へ改称されたこと、BRAF変異型とKRAS変異型が別々の腫瘍化経路を規定することを追記した。鋸歯状ポリープが過形成性ポリープ・従来型鋸歯状腺腫・無茎性鋸歯状病変の3群に分けられ前駆病変は後2者であること、平均的リスク集団での有病率20〜40%、SSLは検出率の高い術者で最大15%という数値も加えた。家族性大腸腺腫症については、358例で大腸癌が16.5%と最多だが大腸癌関連死のほぼ全例が未診断者に生じ減弱型ではゼロ、予防的切除後は胃癌・十二指腸/小腸癌が主な死因に置き換わることを示した。
    • トピックHaemangioma hepatis長期に安定という理解を平均的傾向にとどめ、成人211例を3年以上追跡した研究で腫瘍径が縮小38.9%・不変31.3%・増大29.8%とほぼ3等分され、増大は40歳未満に多く縮小は60歳超および60 mm超で目立つことを追記した。あわせて悪性転化のリスクはなく破裂は鈍的外傷後などに限られる極めてまれな事象(起きた場合の致死率は高い)であること、5 cm以上では圧排症状やまれにKasabach-Merritt症候群を起こしうることを示した。生検と手術適応はガイドライン間で割れており、ACG(2014)が10 cm以上を切除検討に含め生検を非推奨とするのに対し、EASL(2016)は症状のある病変に限って介入し画像で診断がつかない場合の経皮生検は禁忌としない、という食い違いを明記した。
    • トピックLeiomyoma - UTERUS訂正はなく、平滑筋腫を悪性と読み違える場面に一次資料を付与した。妊娠中・分娩時に摘出された97例で虚血性壊死57.7%・奇怪核細胞48.5%・限局性粘液様変化42.3%が出る一方、有糸分裂は平均0.5個/10 HPF・核異型は87.6%が軽度という数値と、凍結切片112例で永久標本との一致率88%・最大の食い違いが硝子化を腫瘍細胞壊死と誤読した例・判定保留8.9%という数値を追加した。あわせて、有糸分裂活性の高い平滑筋腫やapoplectic leiomyomaではp16がしばしば陽性になりMED12変異も鑑別に役立たないことを明記した。
    • トピックLeiomyosarcoma - UTERUS訂正はなく、診断基準と予後の数値を一次資料から補った。古典型(紡錘形)では著明な細胞異型・10個/10 HPFの有糸分裂・腫瘍細胞壊死の3基準のうち2つという要件と、この閾値を類上皮型・粘液型へ持ち込まないことを明記した。粘液型10例では10例中9例が浸潤性境界を示す一方7例は有糸分裂中央値2個/10 HPFでFIGO I期にとどまりなお2例が38か月後・61か月後に再発したこと、STUMP 27例では追跡中央値58か月で22.2%が再発し再発までの中央値36か月・1例死亡であることを追加した。
    • トピックOsteosarcoma - BONE訂正はなく、鑑別に分子・免疫の根拠を付与した。動脈瘤様骨嚢腫は現在は局所破壊性の良性腫瘍として扱われ原発性の約3分の2にUSP6再構成がある一方、骨肉腫などに二次的に生じる動脈瘤様骨嚢腫様変化には再構成がないこと(したがってUSP6陰性は良性の証明にならないこと)を追加した。骨芽細胞腫と低悪性度骨肉腫の境目には、低悪性度骨肉腫でMDM2とCDK4が94%で共発現するという免疫染色の補助を添えた。
    • トピックWilms tumor - KIDNEY訂正はなく、退形成の扱いに一次資料を付与した。局所性退形成(FAWT)とびまん性退形成(DAWT)は程度の差ではなく別個の臨床病理学的単位として区別すべきこと、臨床的対応がSIOPとCOGで異なることを明記した。数値として、中間リスクの全生存率約90%に対しびまん性退形成の高病期例は約50%であること、古典的退形成領域はすべてTP53異常を有することを追加した。
    • トピックNeuroblastoma (HE) - ADRENAL GLANDNEAR SPINE訂正はなく、自然退縮とリスク分類の記述に根拠を付与した。前向き試験NB95-S/NB97の経過観察93例で自然退縮44例・局所進行28例・4S期進行7例・4期進行4例、退縮開始は診断後1〜18か月と幅があり44例中15例は1歳以降、3年全生存率0.99±0.01という数値を追加し、退縮の有無が予測できないことを裏づけた。INRG分類の7因子(病期・年齢・組織型・分化度・MYCN・11q status・DNA ploidy)と年齢カットオフ18か月(統計上の最適は15〜19か月)、およびMYCN非増幅例では分節性ゲノムプロファイルが個別マーカー単独より予後情報を上乗せすることも追記した。
    • トピックTeratoma adultum (HE) - DIFFERNET TYPES OF TISSUES訂正はなく、WHO 2016分類の枠組みを補った。精巣胚細胞腫瘍は患者年齢ではなくGCNIS由来の思春期後型/非由来の思春期前型という腫瘍の型で分けられ、思春期後の精巣にもまれに良性の思春期前型奇形腫が存在すると明記されたこと、精巣奇形腫では未熟性の記載が必須とされず代わりに体細胞型悪性腫瘍の過増殖を報告すべきことを追加した。あわせて表の記述に、卵巣成熟嚢胞性奇形腫の悪性転化が1.5〜2%で扁平上皮癌が最多という数値を補い、充実部の十分なサンプリングを促した。
    • トピックMetastasis carcinomatosa lymphnodi (HE) - LYMPH NODE訂正はなく、既存の慎重な記述に数値の裏づけを与えた。核所見を単独で使わないという方針に対し、24名の病理医が検証した核スコアの感度98.6%・特異度90.1%・正確度94.3%を付与した。さらに、非浸潤性の被包型濾胞型乳頭癌は109例が中央値13年で全例無病生存だったことを根拠に2016年にNIFTPへ改称された一方、同じ被包型でも浸潤性101例では12%に有害事象(遠隔転移5例・原病死2例)が出たことを追加し、リンパ節転移巣を見ている本標本の原発は定義上NIFTPではないと明記した。転移巣が被膜下洞から現れる機序についても、リンパ洞内皮は受動的な通り道ではなくCCL1/CCR8を介した関門であるという実験的根拠を添えた。
    • トピックMetastasis carcinomatosa hepatis - LIVER訂正はなく、増殖様式と免疫染色に数値を付与した。肝転移の境界の作られ方をdesmoplastic型・pushing型・replacement型の3主要型として国際コンセンサスの枠組みで整理し、通常のHE標本で判定でき、大腸癌肝転移374例でdesmoplastic型が他の2型より全生存期間が有意に良好(P=0.006)であることを追加した。免疫染色の欄には、SATB2単独で大腸癌の85%が陽性・SATB2かCK20のどちらかで97%という数値を入れ、裏返せば両方陰性の大腸癌が3%残るためマーカー陰性を大腸原発の否定に使わないことを明記した。
    • トピックSPECIMEN - Dermoid cysta訂正はなく、悪性転化の「まれ」という記述に数値を与えた。全体の1.5〜2%であること、組織型は扁平上皮癌が最多で次いで腺癌・肉腫であること、成熟嚢胞性奇形腫自体の生涯罹患率が10〜20%と高いため実数は無視できないことを追加した。さらに155研究654例の系統的レビューから、扁平上皮癌合併例は閉経後・腫瘍径10cm超で見つかることが多く、FIGO病期の上昇が独立した予後不良因子である一方、化学療法・放射線療法は生存改善と関連しなかったことを追記した。
    • トピックLymphangiosis carcinomatosa pulmonis訂正はなく、分布・機能・経過に一次資料を付与した。CT所見(気管支血管束の不均一な肥厚・孤立した間質線の肥厚・多角形の線)の病理学的基盤が少なくとも早期には浮腫や線維化ではなくリンパ管内腫瘍塞栓そのものであること、確診20例中15例は中心性間質優位で末梢性間質の肥厚が軽微であり、肺活量とA-aDO2の著明な障害はびまん性かつ末梢性の肥厚例に生じたことを追加した。原発巣を部位や性別で決めないという既存の記述には、6か月以上持続した10例の内訳が乳癌6・卵巣2・膵1・皮膚1で表に載らない原発も含まれること、および画像が慢性に安定していても癌性リンパ管症を否定できない(治療後も生検・剖検でリンパ管内腫瘍が残存)ことを補った。
    • トピックMelanoma malignum cutisAJCC第8版(2017年)への更新が主な訂正である。T1の細分を第7版の有糸分裂率基準から、T1a=0.8 mm未満かつ潰瘍なし/T1b=0.8〜1.0 mmまたは0.8 mm未満で潰瘍ありへ書き換え、有糸分裂率がT分類の基準ではなくなったことを明記した。Breslow厚の記録単位を0.01 mmから0.1 mmへ、N分類のmicroscopic/macroscopicをclinically occult/clinically apparentへ、III期の予後群を3群から4群(IIIA〜IIID)へ、LDH高値単独でM1cへ上げないこと、中枢神経系転移のM1d新設も併記した。Clarkレベルについては17,600例の解析で独立した意義をもったのが薄い黒色腫の亜群に限られたという根拠を付与した。
    • トピックMetastasis carcinomatosa cerebri, melanoma訂正はなく、脳転移の分布と頻度に数値を付与した。288例のCT解析で大脳半球の転移がwatershed領域に偏り脳表面積の29%に転移の37%が集まること、転移巣数は単発49%・2個21%・3個13%・4個6%・5個以上11%であることを追加した。好発部位が原発によって異なる点として、骨盤内・消化管原発の単発例では後頭蓋窩が50%(他原発は10%)、3,313個をMRIで地図化した研究では皮膚癌由来が前頭部・乳癌および消化管癌由来が小脳に有意に集積することを補った。原発別脳転移率(肺癌19.9%・悪性黒色腫6.9%・腎癌6.5%・乳癌5.1%・大腸癌1.8%、全体9.6%)を追加し、分母が原発癌患者数であって脳転移症例の原発内訳ではないことを明示した。
    • トピックMetastasis carcinomatosa vertebrarum訂正はなく、溶骨性・造骨性の機序と既存の甲状腺癌に関する注記に出典を付与した。溶骨性の欄に腫瘍由来のPTHrPやTGF-βが骨芽細胞のRANKL産生を高める悪循環を、造骨性の欄に骨芽細胞活性の相対的過剰による異常な骨形成であることを追記した。さらに、剖検12例の骨形態計測から造骨性にみえる病変の主体が石灰化に乏しい線維骨(woven bone)であり生検の半数で骨量はむしろ減っていたことを加え、臨床的に造骨性の症例で骨折が多い理由を説明した。
    • トピックMetastasis lymphoglandularum melanomatis訂正はなく、センチネルリンパ節をめぐる治療方針とマーカー選択に一次資料を付与した。MSLT-Iから中間厚(Breslow 1.20〜3.50 mm)での10年無病生存率71.3%対64.7%と節転移の有無による10年黒色腫特異的生存率62.1%対85.1%を、MSLT-IIから陽性例への即時完全郭清が黒色腫特異的生存を改善せず(3年86%対86%)得られるのは局所制御92%対77%にとどまることを追加し、陽性即郭清ではないことを明記した。免疫染色ではリンパ節転移401例でS100とSOX10の両陽性93.2%・両陰性3.9%と感度は同等ながらSOX10は節内免疫細胞を染めず判定が再現しやすい点を補い、原発不明黒色腫が全黒色腫の3.2%であることも追記した。
    • トピックOsteosarcoma manus訂正はなく、部位のまれさと素因の記述に数値を付与した。手の骨肉腫が全骨肉腫の約0.18%であること、12例13腫瘍で発症年齢16〜81歳(平均45歳)と長管骨の典型例より高齢に寄り部位は指骨7・中手骨6であること、前腕・手の高悪性度中心性骨肉腫33例の5年全生存率86.2%で切断か局所切除かではなく切除縁が結果を分けたことを追加した。既存の「若年発症をすべてRB1変異で説明しない」というヘッジには、家族歴非選別の1004例で病的生殖細胞系列バリアント保有が28.0%(対照12.1%)にとどまり内訳もTP53のほかCDKN2A・MEN1・VHL・POT1・APC・MSH2・ATRXと多岐にわたるという根拠を付与した。
    • トピックArteriolosclerosis – KIDNEY悪性高血圧の定義に関する記述を訂正した。旧記述の「拡張期血圧150 mmHg超という単一値で定義しない」を、従来の診断はKeith-Wagener III〜IV度の網膜症を伴うことに基づき急性期の拡張期血圧値そのものは確定的な基準とされない、という形へ改め、網膜症を欠く場合に3臓器以上の障害で捉える枠組み(hypertension-MOD)を追記した。あわせて、硝子様細動脈硬化を高血圧の証拠と読み替えないよう、健常ドナー1203例で腎硬化が18〜29歳の2.7%から70〜77歳の73%まで年齢とともに増えることと、糖尿病では細動脈硝子化指数2.0以上の群でのみGFRが有意低下することを付与した。過形成性型とフィブリノイド壊死については、悪性腎硬化症50例が非典型溶血性尿毒症症候群と同一の所見を示し補体第二経路活性化が予後と相関することを加え、同じ像を作る他の血栓性微小血管症の存在を明記した。
    • トピックAtherosclerotic plaque – calcified訂正はなく、石灰化の読み方に数値を付与した。冠動脈石灰化が0.5〜15.0 µmの微小石灰化から3 mm超の板状沈着へ成長すること、被膜内の直径10 µm程度の微小石灰化が界面応力をほぼ2倍にし被膜厚65 µm未満かつ周方向応力300 kPa超の部位では600 kPa近くまで押し上げること、血管内超音波178例で90度未満の沈着が散在する斑状石灰化が急性心筋梗塞の責任病変を特徴づけたことを追加した。逆に広汎な板状石灰化は安定プラーク側と関連づけられ、石灰化の総量は破裂危険性の指標にならないこと、スタチン治療下での石灰化増加を治療失敗と読み替えないことも明記した。
    • トピックAtherosclerotic plaque – atheromatous訂正はなく、脆弱プラークの定義と根拠を数値で補った。線維性被膜の欄にthin-cap fibroatheromaの閾値65 µm以下を明記し、PROSPECT研究(697例、追跡中央値3.4年)から3年間の主要心血管事故20.4%のうち11.6%が非責任病変由来で、それらはベースラインで平均径狭窄32.3±20.6%と軽度だったこと、事故と独立に関連したのはプラーク量70%以上(HR 5.03)・最小内腔面積4.0 mm2以下(同3.21)・thin-cap fibroatheroma分類(同3.35)であることを追加した。さらに破裂とびらんの対比(破裂は陽性リモデリング・大きな壊死核・炎症性の薄い被膜、びらんは陰性リモデリング・平滑筋細胞とプロテオグリカン優位で炎症に乏しい、50歳未満女性ではびらんが多い)を加え、炎症に乏しく被膜も薄くない病変でも責任病変を否定しないと注記した。
    • トピックAcute infarction訂正はなく、発症時刻推定のヘッジと診断基準に出典を付与した。収縮帯壊死については、冠動脈内血栓溶解後の剖検16例で梗塞巣に占める割合が再疎通成功群20±9%・不成功群3±3%(梗塞サイズ自体は差なし)という定量値を加え、同じ発症後時間でも再灌流の有無で組織像が変わることを示した。トロポニンとST上昇を単独で診断根拠にしないという記述には2018年の第4版心筋梗塞普遍的定義を明示し、1型と2型の区別を追記した。機械的合併症には発生率(ST上昇型0.27%・非ST上昇型0.06%)と院内死亡率(42.4%・18.0%)を補った。
    • トピックChronic infarction訂正はなく、リモデリングと壁在血栓に一次資料を付与した。心室拡大の程度が梗塞サイズ・治癒過程・心室壁応力の3因子で決まり内腔拡大が生存率低下と関連することを追記した。壁在血栓については、心臓MRIによる左室内血栓の発生率が全体6.3%・前壁梗塞12.2%・前壁かつEF50%未満19.2%で、経胸壁心エコーの感度は29%(特異度98%)にとどまること、血栓の大半が発症後2週以内に生じることを加え、陳旧期の所見ではないことを明示した。抗凝固については、3剤併用群で塞栓症は同等(1.5%)ながら出血合併症が8.8%対0.5%と多く、予防的抗凝固の定型的使用を支持する根拠も乏しいと注記した。
    • トピックInfective endocarditis – MITRAL VALVE訂正はなく、疫学・診断基準・手術適応に一次資料を付与した。ICE-PCS(2,781例)から罹患弁が僧帽弁41.1%・大動脈弁37.6%と拮抗し弁種同定の根拠にならないこと、最多起因菌が黄色ブドウ球菌31.2%で77.0%が発症30日以内に受診し古典的徴候を欠くこと、院内死亡17.7%・心内膿瘍14.4%を追加した。診断基準は現行が2023年Duke-ISCVID版であることを明記し、手術中の直視所見の大基準追加、18F-FDG PET/CTと心臓CTの組み込み、血液培養の採血タイミング・別穿刺部位要件の削除などの変更点を列挙した。早期手術については無作為化試験EASE(76例)の複合エンドポイント3%対23%(HR 0.10)を挙げつつ、差は塞栓の減少によるもので6か月全死亡に有意差はなく死亡減少までは示していないと注記した。
    • トピックViral myocarditis (HE)訂正はなく、既存のヘッジに定量的根拠を付与した。Dallas基準の陰性が心筋炎を否定しない理由として、剖検心38例から各心室10検体ずつ採った検討で右室生検陽性が38例中63%・380検体中17%、10検体評価してもなお偽陰性が左室45%・右室37%、中隔の68%に病変があるのに右室心内膜下へ及ぶのは24%という数値を追加した。ウイルス核酸検出が原因の証明にならない点には、心不全100例で検出されたパルボウイルスB19 12%が全例持続感染パターンで1例もDallas基準を満たさなかったこと、SARS-CoV-2剖検16例で心臓陽性は2例のみで心筋炎の病理診断自体が4.5%と稀であることを補った。エンテロウイルス以外のウイルスの直接傷害か免疫介在かが未解決である点、急性傷害から慢性心室機能障害への移行機序が未解決である点も専門家合意から明示した。
    • トピックArteritis temporalis (HE)訂正はなく、生検の限界と治療の根拠を数値で補った。TABUL(381例)から生検の感度39%(95%CI 33-46)・特異度100%に対し超音波は感度54%・特異度81%であることを追加し、陰性で否定できないことを明示した。跳躍病変については、Mayoの60例中17例(28%)・長さ330 µmの病巣という古典的所見と、102件中活動性35件のうち明らかな跳躍病変は3件(8.5%)にとどまる報告を並べ、頻度が文献間で一致しておらず生検陰性率のすべてを説明できないと注記した。トシリズマブについてはGiACTA(251例)の52週持続寛解率56%/53%対14%/18%とプレドニゾン累積1,862mgを付与し、IL-6抑制下ではCRPと赤沈を活動性指標に使えなくなる点を添えた。
    • トピックKaposi sarcoma (HE) – DERMIS分類上の位置づけを訂正した。まとめの「HHV-8関連の悪性血管性腫瘍」を、2020年WHO軟部腫瘍分類で中間(稀に転移)群に置かれる血管性腫瘍へ改め、悪性群は類上皮血管内皮腫と血管肉腫の2つだけであることを本文にも明記した。HHV-8感染者の多くが発症しないという記述には、抗LANA陽性37.6%の集団でHIV重複感染男性でも10年発症確率49.6%という数値を付与した。感染経路については、血清陽性男性50人で中咽頭検体30%陽性に対し肛門・性器検体1%、口腔のウイルス量が約2.5対数高く口腔上皮にDNAとmRNAが証明されたことを加え、免疫染色の鑑別にもカポジ肉腫と血管肉腫のプロファイルの違いを補った。
    • トピックSPECIMEN - Fallot tetralogy訂正はなく、四徴の成り立ちと術後経過に一次資料を付与した。四つの病変が独立した奇形ではなく漏斗部中隔の前上方偏位と異常な中隔壁側肉柱から導かれること、Van Praaghらの「本質的にただ一つの異常(肺動脈弁下漏斗部の拡張性成長不全)」という見方を追加した。形態の可変性として、標本164例で大動脈騎乗が31.0〜100%(中央値59.5%)、心室中隔欠損は膜様部周囲型84.8%・筋性部型8.5%・房室型4.3%・両大血管下型1.2%、冠動脈は13.0%で開口部3つ以上・4.3%で右室流出路を横切ることを補った。術後についても40年累積生存率72%に対し無イベント生存率25%、経弁輪パッチが晩期不整脈の予測因子(HR 4.0)であることを追記した。
    • トピックDefectus septi atrii型の表に頻度列を追加し(二次孔型約75%、一次孔型15〜20%、静脈洞型5〜10%)、まれな冠静脈洞型を新たに加えた。まとめの箇条書きも同じ頻度と冠静脈洞型を含む形へ書き換えた。閉鎖適応については、第一の適応が右房・右室拡大で示される右心系容量負荷であり症状の有無を問わないこと、Qp/Qsの閾値はガイドラインが数値を示しておらず2超・1.7・1.5と割れていて強い根拠がないことを明記し、「Qp/Qs 1.5以上で手術」と暗記して断定しないよう注記した。成人例には40歳超473例の無作為化試験(多変量HR 1.85)と、55歳超で修復した群の34%に肺高血圧が残るという数値を添えた。あわせて卵円孔開存が持続的交通ではなく弁状の間欠的交通である点を区別した。
    • トピックDefectus septi ventriculi訂正はなく、分類と自然閉鎖に一次資料を付与した。既存の4区分がICD-11に採用された国際小児・先天性心疾患命名協会の体系(第一階層は中心膜様部周囲型・流入部型・肉柱筋性部型・流出路型、第二階層で膜様部周囲・筋性・傍大血管という辺縁の記述子を組み合わせる)とほぼ同じ枠組みであることを明記した。新生児6,750例の全例心エコー研究から、7年追跡での自然閉鎖率が筋性部型97.2%対膜様部周囲型51.4%と大きく開き、閉鎖しない危険因子が膜様部周囲という部位と4mm以上という径であることを追加した。同じ研究で筋性部型72例が膜様部周囲型35例より多かったことから、「膜様部周囲型が最多」は臨床例・手術例の母集団に基づく順位であると注記した。
    • トピックCardiomyopathia dilatative訂正はなく、遺伝的背景と周産期心筋症の定義に一次資料を付与した。TTN切断型変異が拡張型心筋症の27%に見つかる一方で対照にも3%あり、発症に結びつく変異はA帯領域に偏りZ帯・M帯には見られないこと、心臓で発現するアイソフォームへのエクソン取り込み割合と変異の位置を組み合わせれば病的と良性を識別できることを追加し、位置を考慮せず病的と判定してはならないと明記した。周産期心筋症については、定義が「他に既知の原因がない女性の妊娠最終月または分娩後数か月の駆出率低下型心不全」であり高血圧性心疾患は必須条件ではなく鑑別診断のひとつであること、最大20%に遺伝的寄与がありTTN切断型変異が関与すること、プロラクチンの心毒性断片とブロモクリプチンの臨床試験、そして部分的から完全な回復も高率に得られることを補った。
    • トピックCardiomyopathia hypertrophica訂正はなく、錯綜配列の特異性と閉塞の頻度に一次資料を付与した。錯綜配列はHCM以外の心や正常心にも見られ、切り出し面を変えるだけで「正常」が「錯綜配列」に転じうるため、有無ではなく心室中隔を貫く切片での量的な広がりで評価すると明記した。安静時に30 mmHg以上の左室流出路圧較差を認めたのは連続1101例中273例(25%)にとどまる一方、安静時閉塞は心不全進行とHCM関連死の独立した予測因子であることを追加した。サルコメア遺伝子の病的バリアント保有者は複合転帰のリスクが約2倍高く、一方で原因バリアントが同定されない例も少なくないことも補った。
    • トピックVitium aortae訂正はなく、石灰化の機序と治療適応に一次資料を付与した。弁の石灰化が加齢による受動的沈着ではなく、脂質沈着・微細石灰化・マクロファージとT細胞の浸潤を伴う動脈硬化類似の能動的病変であり、進行例ではオステオポンチン・骨シアロ蛋白・オステオカルシン・Cbfa1のmRNA増加を伴う骨形成類似の過程であることを追加した。無症候性重症例については、EARLY TAVR(901例)で複合エンドポイントが早期TAVI群26.8%対経過観察群45.3%(HR 0.50)であったことを補った。TAVIとSAVRの選び分けは体系によって異なり、欧州の2025年ESC/EACTSが70歳を境とするのに対し米国の2020年ACC/AHAは65歳未満・65〜80歳・80歳超の3区分であると明記した。
    • トピックDissectio coronariae訂正はなく、SCADの位置づけと保存的治療の根拠に数値を付与した。冒頭の全体像に、若年女性や動脈硬化性危険因子をほとんど持たない人の急性冠症候群・心筋梗塞・突然死の重要な原因として認識されている旨を追記した。治療方針には、保存的方針で管理した連続45例のうち造影追跡できた13例中7例(54%)で解離像が自然消失したこと、初回SCAD 189例でPCIの手技失敗率が53%(冠血流が保たれた例でも50%)に達したのに対し保存的治療群は94例中85例(90%)が院内経過に問題なく血行再建を要したのは10%であったことを追加した。
    • トピックThrombosis globuli in atrio sinistri cordis訂正はなく、背景病態と抗凝固の選択に一次資料を付与した。球状血栓が長期経過したリウマチ性僧帽弁狭窄症の合併症として生じるのが通常で、断片化による末梢塞栓と僧帽弁口の断続的・完全閉塞による失神・肺うっ血・突然死が単独でも併存でも起こりうることを追加した。ワルファリンを直接作用型経口抗凝固薬へ機械的に置き換えないという既存の記述には、INVICTUS試験(4531例)で複合エンドポイントがビタミンK拮抗薬側に優り死亡もリバーロキサバン群で多く大出血に差がなかったという結果を付与した。あわせて、無治療の転帰が不良で抗凝固・血栓溶解の効果が予測しにくいため、遊離した球状血栓は弁の修復・置換と併せた速やかな外科的摘出が選ばれることが多い点を補った。
    • トピックHEMATOLOGY 1 HISTOLOGY SLIDES訂正はなく、ビタミンB12の検査解釈に一次資料を付与した。コバラミン欠乏を定義できる単一の基準検査はなく、判断が曖昧なときの第二選択が血漿メチルマロン酸であること(ホモシステインはメチルマロン酸より特異度が低い)、測定法の違いから確定的なカットオフ値は設定できず施設の基準範囲を用いることを追加した。既存の「治療前にB12欠乏を評価する」という記述には、B12欠乏による神経精神症状141例のうち40例(28%)が貧血も大球症も伴わなかったという数値を添え、検査値と強い臨床所見が食い違う場合も治療開始を遅らせないと明記した。
    • トピックMegaloblastic erythroid hyperplasia訂正はなく、既存の「骨髄像だけでB12欠乏か葉酸欠乏かを決めない」という注意に数値の裏づけを付与した。B12欠乏による神経精神症状141例のうち40例(28%)が貧血も大球症も伴わず、ヘマトクリット正常34例・平均赤血球容積正常25例で、この40例では血清コバラミンが100 pg/mL未満だったのは22例のみだったことを追加した。あわせて、B12欠乏を定義できる単一の基準検査は存在せず、第二選択としてメチルマロン酸を加えること、施設ごとの基準範囲を用いること、検査値と臨床所見が食い違うときは治療を遅らせないことを明記した。
    • トピックALM (May-Grunwald-Giemsa = MGG)訂正はなく、AML分類の現行体系を追加した。WHO第5版(2022年)でAMLが遺伝子異常で定義されるAMLと分化で定義されるAMLの二本立てに再編されAML, NOSが廃止されたこと、前者では芽球20%以上という下限が撤廃され例外はBCR::ABL1融合とCEBPA変異を伴うAMLだけであること、骨髄異形成腫瘍とAMLを分ける20%は維持されたことを明記した。さらにWHO第5版とICCが並立していることを示し、ICCが芽球10%以上を必須とする点、TP53変異を独立病型とするのはICCのみ(芽球20%超かつVAF 10%超)である点、ICCが芽球10〜19%をMDS/AMLとし2016年WHOでMDSとされた716例の24.7%がそこへ移り予後も異なる点を追加して、どちらの体系に基づく診断かを先に確かめるよう促した。
    • トピックAML (Myeloperoxidase = MPO)訂正はなく、MPOの3%という閾値の位置づけを明確にした。WHO第5版の分化で定義されるAMLでは、MPOとSudan Black Bがともに3%未満なら最小分化型、3%以上で成熟顆粒球系が骨髄有核細胞の10%未満なら未分化型、10%以上なら分化型となることを追加した。この3%は細胞化学で歴史的に使われてきた値で、フローサイトメトリーでは感度は高いが特異度が低く、報告されている陽性閾値も芽球の3〜28%と幅があり合意されたカットオフは確立していないと注記した。ATRAの早期開始については、専門家パネルもPML::RARAの分子学的確認を待たず臨床・形態所見だけで開始すべきとしていることを明記した。
    • トピックCML, accelerated phase (MGG)訂正はなく、病期分類が体系ごとに割れている状況を整理して出典を付与した。移行期を外して二相性としたのはWHO第5版とELN 2025である一方、ICCは移行期を保持したまま定義を簡素化し、NCCNも三相性で記述していることを明示した。急性転化期の欄は、旧記述の「血液・骨髄の芽球20%以上、または髄外芽球増殖」を、骨髄芽球20%以上・髄外の芽球増殖・末梢血または骨髄でのリンパ芽球増加のいずれか、という3項目へ改めた。あわせて、急性転化期の芽球カットオフには20%とする分類と30%とする分類があり定義が20年間動き続けてきたこと、TKI時代に移行期・急性転化期を呈するのは全体の約4〜7%で急性転化期の約30%がリンパ系であること、WHO第5版のリンパ芽球基準は至適カットオフと低比率Bリンパ芽球の意義が未解決と本文中に明記されていることを追加した。
    • トピックMyelofibrosis (HE)訂正はなく、既存の記述に一次資料を付与した。線維化期に増える線維芽細胞がポリクローナルであって腫瘍のクローンは巨核球側にあることをWHO第5版から明示した。前線維化期と線維化期の区別については、661例の再判定で線維化期が貧血・血小板減少・高度脾腫・不良核型やASXL1・SRSF2・IDH1/2・EZH2の高リスク変異に富み生存期間中央値が7.2年対17.6年であること、一方でドライバー変異の種類の分布は両群で変わらないことを追加し、形態を読むこと自体が予後情報になると位置づけた。CALR変異がエクソン9の+1塩基フレームシフトでJAK2非変異例の70〜84%に見つかること、線維化量と脾サイズはJAK1/2阻害薬治療下では標準化基準で経時的に追う必要があることも補った。
    • トピックMyelofibrosis (reticulin)訂正はなく、MF-0〜MF-3という等級の出所と再現性に一次資料を付与した。この4段階が2005年の欧州病理医合議(EUMNET)が細網線維と膠原線維を区別して簡素化したもので疾患名でも病期名でもないこと、線維の密度を絶対量ではなく造血組織との比で評価すべきこと(治療後に脂肪化・浮腫が進んだ骨髄では線維量が変わらなくても減ったように見える)を追加した。等級ごとの再現性として、Ph陰性骨髄増殖性腫瘍86例の検討で全体のCohenのκが0.831である一方、MF0(0.918)とMF3(0.886)に対し中間のMF1・MF2では一致度が落ちることを示し、MF-1とMF-2の境界を単独の根拠に使わないと注記した。あわせてCALRが小胞体のシャペロンであること、JAK1/2阻害薬治療下では経時評価が要ることも補った。
    • トピックFollicularis hyperplasia (HE)訂正はなく、BCL-2染色の読み方に一次資料を付与した。反応性リンパ組織ではマントル帯・T細胞領域・胚中心内に散在する細胞がいずれもBcl-2陽性で、明確に陰性なのは胚中心B細胞の大多数だけであり、この陰性パターンはflorid過形成でも保たれることを明記し、周囲の陽性を胚中心B細胞の陽性と読み違えないよう注意を加えた。さらに、反応性の背景に一部の胚中心だけBcl-2強陽性の症例があり、マイクロダイセクションで5例中4例が単クローン性、追跡できた13例中3例が後に濾胞性リンパ腫を発症したことを追加し、この現象がWHO第5版のin situ follicular B-cell neoplasm(ISFN、第4版改訂のin situ follicular neoplasiaから改称)にあたると位置づけた。形態が紛らわしい症例ではB細胞クローン性やt(14;18)の分子学的証明を当てることも補った。
    • トピックHEMATOLOGY 2 HISTOLOGY SLIDES記述の訂正はなく、反応性濾胞過形成と濾胞性リンパ腫の鑑別に関する3つの主張へ出典を付けた。「分裂像が多くても生理的な高増殖を反映しうる」というヘッジに、MIB-1(Ki-67)で各症例の最も増殖の低い濾胞を測ると反応性30.5〜86.8%(平均64.9%)に対しリンパ腫0.5〜59%(平均15.6%)で80%超が25%未満という実測を付与し、高増殖は反応性を支持するが低増殖でなければリンパ腫を除外できるわけではないという非対称性を追記した。あわせて、PCRによる遺伝子再構成の検出率がbcl-2座位32%・IgH座位44%・いずれか61%にとどまり陰性で除外できない点と、BCL2陽性の内部対照(マントル帯・胚中心内T細胞)を胚中心B細胞の陽性と誤認しない根拠を追加した。
    • トピックFollicularis lymphoma grade 1 (HE)Grade分類の位置づけを現行分類に合わせて改めた。WHO分類第5版(2022年)では中心芽細胞計数の再現性の低さとGrade 1・2・3A間で臨床経過に大差がないことからGradeの記載がclassic FL(濾胞性リンパ腫の約85%)に限った任意項目へ格下げされ、旧Grade 3Bはfollicular large B-cell lymphomaへ改称、非典型形態はFL with uncommon featuresとして分けられたことを追記した。同時に、Grade記載が必須のまま残っているのはICCだけであり報告書を読むときはどちらの体系かを先に確かめる、という並立関係の注意も加えた。治療面では、Gradeと形質転換の評価に切除生検が望ましいこと、血球減少が無ければ早期治療に全生存の上乗せが示されていないこと、キナーゼ阻害薬・幹細胞移植・CAR-T細胞療法はいずれも再発例で検討する位置づけであることを補った。骨髄浸潤率を一律80%と固定しないという既存の記述は変更していない。
    • トピックFollicularis lymphoma (BCL-2) – CD20 stain「BCL2陰性でも濾胞性リンパ腫を除外しない」というヘッジに、免疫組織化学でBcl-2陰性となるのは10〜15%という数値と、陰性例でもBcl-XL高発現やAkt/Bad経路によりアポトーシス抑制が保たれているという機序を付与した。あわせて陽性率が文献で食い違うこと(濾胞中心細胞の97%、総説の「ほぼ全例」に対し陰性10〜15%)、内部対照であるマントル層・T細胞領域はもともと陽性なので見るのは胚中心内部であること、他の小細胞型B細胞リンパ腫もほぼ一様に陽性で大細胞型でも74%が陽性のためBcl-2は亜型分類に使えないことを追記した。抗CD20抗体のHBV再活性化の注意には、HBs抗原陰性・HBc抗体陽性の既往感染326例で8.2%が再活性化し発症時期の中央値が初回投与から125日、予防投与なし10.8%対あり2.1%、ベースラインHBV DNA検出の調整ハザード比18.22という数値を加えた。
    • トピックCLL (MGG) – BLOOD SMEAR末梢血5×10⁹/Lという境界について、WHO分類第5版自身がこの線を恣意的と明記し、5〜10×10⁹/Lの群に比べ治療を要する可能性が非常に低い集団を切り出すために採用していると書いていることを追記し、生物学的な断層ではなく実務上の目盛りとして読むよう補正した。前リンパ球の項には、B前リンパ球性白血病がWHO第5版で独立病型でなくなり、IGH::CCND1を持つマントル細胞リンパ腫、末梢血・骨髄の前リンパ球15%超のCLL/SLLの前リンパ球性進行、splenic B-cell lymphoma/leukaemia with prominent nucleoliへ振り分けられたことを加えた。ほかに、必須マーカーがCD5・CD19・CD20・CD23とκ/λ軽鎖で追加標的がCD10・CD43・CD79b・CD81・CD200・ROR1であること、予後評価にTP53変異・IGHV変異・B細胞受容体ステレオタイプ解析が必須とされること、del(17p)/TP53変異は化学免疫療法だけでなく多くの分子標的薬でも増悪までの期間が短いことを補った。
    • トピックDiffuse large B-cell lymphoma (HE)「現行分類」という表現がWHO-HAEM5とICCのどちらを指すのか曖昧だった点を補い、両者が並立していること、高悪性度B細胞リンパ腫(非ホジキンリンパ腫全体の約2%)でMYCとBCL6の二重再構成の扱いが両体系で異なること(WHO-HAEM5はこのカテゴリーから外し形態に応じ振り分け、ICCは暫定病型として残す)、double-hit lymphomaは正式な病型名でないことを追記した。細胞起源分類については、Hans法が152例でGCB 42%・非GCB 58%に分け5年全生存率76%対34%だったという原著と、免疫化学療法時代の157例の検証でHans法がGCBとした症例の48%が遺伝子発現プロファイルと食い違いどの免疫染色アルゴリズムも予後差を再現できなかったという結果を並べ、免疫染色による代用は目安であって単独で治療選択の根拠にしないと明記した。
    • トピックDiffuse large B-cell lymphoma (CD20)CD20陰性でもB細胞腫瘍を除外できないという記述に、リツキシマブ併用化学療法後の実測を付与した。再発・進行を確認した36例から再生検した19例中5例(26.3%、DLBCL 3例と濾胞性リンパ腫から転化したDLBCL 2例)がCD20蛋白陰性へ形質転換し5例とも1年以内に死亡したこと、CD20 mRNAの低下が脱メチル化薬で3日以内に回復したことからエピジェネティックな抑制と考えられることを加え、再発時は初発時の免疫染色を流用せず染め直すという運用に落とした。あわせて古典的ホジキンリンパ腫でも598例中132例(22%)がCD20陽性で5年無失敗生存率に差がなく(86%対84%)、鑑別はCD20単独ではなくPAX5陽性かつOCT2またはBOB1のいずれかが陰性という転写因子の組み合わせで行うことを追記した。
    • トピックMyeloma multiplex (MGG)SLiM基準の由来を補い、2014年のIMWG改訂以前はCRABの有無だけで治療対象を決めておりCRABが無ければくすぶり型とされていたこと、ほぼ確実にCRABへ進展すると検証されたバイオマーカー3項目が新たに取り込まれたという経緯を追記した。遺伝学の節には、増殖能が低いにもかかわらずサイクリンD1・D2・D3のいずれかの発現亢進がほぼ全例にみられ、t(4;14)のようにD型サイクリン遺伝子を直接巻き込まない転座でもCCND2高発現へ収束するという裏づけを加えた。「骨髄腫腎を単に急性尿細管壊死とまとめない」というヘッジには、腎生検190例でパラプロテイン関連病変が73%(軽鎖円柱腎症33%、単クローン性免疫グロブリン沈着症22%、アミロイドーシス21%)を占め急性尿細管壊死は9%にとどまるという内訳を付与した。
    • トピックHodgkin-lymphoma NS (HE)「EBV関連を70%と固定しない」というヘッジに、中国北部の古典的ホジキンリンパ腫157例でEBER陽性が39%であり陽性が混合細胞型・男性・若年に偏る一方で若年成人にEBV陰性結節硬化型の別のピークがあること、同じ検査法のオランダ515例コホートとは年齢分布・組織型・EBV状態が大きく異なることを付与し、単一の数字として暗記しない根拠を示した。免疫染色については、結節硬化型・混合細胞型のリード・シュテルンベルグ細胞がほぼ全例CD15とCD30両陽性で結節性リンパ球優位型はCD15・CD30陰性かつEMA陽性という対比、およびPAX5陽性でOCT2またはBOB1が欠けるという組み合わせを追記した。あわせて、ICC 2022で古典的ホジキンリンパ腫自体は実質変更がない一方、NLPHLが結節性リンパ球優位型B細胞リンパ腫へ、旧BCLUが縦隔グレーゾーンリンパ腫へ改称され基準が絞られたことを加えた。
    • トピックNon-Hodgkin lymphoma (extranodal) - STOMACH除菌治療の位置づけを数値で限定した。早期胃MALTリンパ腫1408例(32研究)の除菌単独寛解率は77.5%だが、病期I 78.4%に対し病期II1は55.6%、粘膜下層までの病変82.2%に対し深部浸潤例54.5%、遠位胃91.8%に対し近位胃75.7%と分かれるため、深達度と病期の評価は省けないこと、寛解後も追跡3253患者年で7.2%(年率2.2%)が再発するため長期追跡が要ることを追記した。あわせてt(11;18)は除菌無効側の目印で、除菌無効12例中9例(75%)にAPI2::MLT融合転写産物が検出され有効10例では0例だったこと、この転座を持つ例の寛解率は22.2%にとどまることを加えた。「眼・皮膚MALTリンパ腫を特定病原体だけで説明しない」というヘッジには、眼付属器MALTリンパ腫142例のChlamydia psittaci検出率が全体22%でドイツ47%・米国東海岸35%に対しイタリア13%・英国12%・中国南部11%と地域差が大きく、イタリアからの当初報告87%と一致しなかったという実測を付与した。
    • トピックSPECIMEN - Hodgkin lymphoma – cervical lymph nodes細針吸引・コア針生検の限界に数値を付与した。42研究の系統的レビューで、フローサイトメトリーや遺伝子検査を併用しても病型まで特定できた割合は中央値74%、濾胞性リンパ腫のGradeはこれらの手技で判定できないという指針を厳密に適用すると66%まで下がり、結局25〜35%はリンパ節切除生検を要することを追記した。病期分類については、Lugano分類(2014年)がAnn Arbor記述法の修正版を残したうえでFDG-PET/CTを組み込んだものであること、A/Bの接尾辞はホジキンリンパ腫にのみ付けること、骨髄生検がホジキンリンパ腫と大半のDLBCLでルーチンの病期診断に不要になったこと、治療上は限局期(病期I・IIの非bulky)と進行期(病期III・IV)に二分することを加えた。
    • トピックMyeloma multiplex – ribs溶骨性病変に硬化縁が乏しい理由を機序として補い、未治療多発性骨髄腫の精製形質細胞の遺伝子発現プロファイルでMRI局所病変の有無を約1万遺伝子中57遺伝子で区別でき、骨芽細胞分化の阻害因子であるWntシグナル拮抗因子DKK1の産生が溶骨性病変と関連したことを追記した。腫瘍生物学の節には、増殖能が低いにもかかわらずサイクリンD1・D2・D3のいずれかの発現亢進がほぼ全例でみられt(4;14)でもCCND2高発現へ収束することを加えた。腎障害の記述には腎生検190例の内訳(パラプロテイン関連73%、うち軽鎖円柱腎症33%、単クローン性免疫グロブリン沈着症22%、アミロイドーシス21%、急性尿細管壊死は9%)、SLiM-CRABには2014年のIMWG改訂でくすぶり型のうち進展が検証されたバイオマーカーを持つ群が治療対象へ取り込まれた経緯を付した。
    • トピックNodularis lymphoid infiltratio – spleen鑑別表に脾辺縁帯リンパ腫など小型B細胞リンパ腫の行を追加し、既存濾胞を中心とする白脾髄の微小結節状浸潤に辺縁帯B細胞の辺縁層が付き赤脾髄浸潤を必ず伴うという基本像を記載した。あわせて、この微小結節状パターンと辺縁帯様分化は濾胞性リンパ腫・マントル細胞リンパ腫でも高頻度に、リンパ形質細胞性リンパ腫・慢性リンパ性白血病でも起こるためパターン単独では決まらず、結節を構成する細胞の細胞学的組成と免疫染色で分けることを追記した。分類面では、WHO-HAEM5が脾のB細胞リンパ腫・白血病を有毛細胞白血病・脾辺縁帯リンパ腫・著明な核小体を伴う脾リンパ腫・脾原発赤脾髄びまん性リンパ腫の4病型に再編したことを加えた。古典的ホジキンリンパ腫のCD30・CD15・PAX5の記載には出典を付した。
    • トピックAspergillosis (HE) – LUNG「形態だけで確定しない」というヘッジに実測を付与した。培養陽性かつ外科病理標本のある47例のうち形態から正しく同定できたのは37例(79%)で10例(21%)が誤同定(隔壁菌糸と無隔壁菌糸の取り違え、酵母形の誤認など)であり、精度は先行抗真菌薬の有無とも特殊染色の使用とも相関しなかったことを追記した。ガラクトマンナンについても、血清での感度・特異度がカットオフ0.5 ODIで82%・81%、1.5 ODIで61%・93%と閾値を上げるほど感度が落ちることを加え、補助にとどまる根拠を示した。ボリコナゾール中心の初期治療にはIDSA 2016年ガイドラインとドイツの2025年重症患者向けガイドラインの出典を付した。
    • トピックAspergillosis (Grocott)Grocott染色がAspergillus属に特異的でないという記述に、特殊染色を使ったかどうかで形態同定の正診率が変わらなかった(P=.34)という実測を付与し、染色の追加は菌種同定の代わりにならないと明記した。あわせて、ホルマリン固定パラフィン包埋組織102検体をITS2標的リアルタイム定量PCRで再検討した多施設研究で、組織学的にアスペルギルス症とされた5検体からFusarium oxysporumまたはF. solaniのDNAが増幅され、逆にムーコル症とされた検体からAspergillus flavus・Scedosporium apiospermum・Syncephalastrumが検出されたという形態診断が入れ替わった実例を追加した。取り違えが治療を変える点として、ムーコル症では画像評価と外科的介入が強く推奨され初期治療が高用量リポソーマルアムホテリシンBであり、ボリコナゾール中心のアスペルギルス症とは別物になることを補った。
    • トピックPneumocystis pneumonia (HE) – LUNGPneumocystis cariniiをヒト感染の同義語として用いないという記述に改名の経緯を付与した。DNA解析で宿主種ごとに塩基配列が大きく異なることが示されP. jiroveci(Frenkel 1999)が分離されたこと、略語PCPが生き残ったのはPneumocystis pneumoniaと読み替えられるためであること、2005年ウィーン規約の適用で綴りがP. jirovecii(末尾i二つ)として再確立されP. cariniiがラット寄生種としてネオタイプ指定されたことを追記した。「非HIV例では菌量が少なくても炎症が強い」というヘッジには、気管支肺胞洗浄の定量75例でAIDS例のほうが菌量は多いのに好中球は少なく酸素分圧は高く、酸素化と生存の悪化に相関したのは菌量ではなく好中球数だったという実測を付した。PCRが保菌も検出する理由として、P. jiroveciiが生涯潜伏するのではなく一過性に定着すると考えられている点も加えた。
    • トピックPneumocystis pneumonia (Grocott)Grocott染色が菌量の少ない例で陰性になりうるという記述に、免疫不全238例の前向き検討でPCPの可能性が高い16例の21検体は定量PCRで21件すべて陽性だったのに鏡検陽性は16件にとどまったという実測を付与した。あわせて可能性が低い群でも35検体が定量PCR陽性(0.1〜1840 TFEq/mL)で定着とみなされ、発症と定着を分ける目安として120 TFEq/mLと1900 TFEq/mLの2つのカットオフが提案されその間はグレーゾーンとされていることを加えた。表のβ-D-グルカンの欄には感度94.8%・特異度86.3%という具体値を入れ、補助的という記述を数値に置き換えた。
    • トピックCystic fibrosis – LUNG記述の訂正はなく、診断(汗中クロライドとCFTR遺伝学的検査)とCFTR調節薬の遺伝子型依存性に出典を付けた。加えて、この標本像自体が治療で変わりつつある点として、米国の移植レジストリでエレクサカフトル・テザカフトル・イバカフトル導入後に嚢胞性線維症患者の肺移植新規待機登録が78%、肺移植件数が72%減り、状態改善による待機リストからの除外が18倍になった一方、同期間の非CF疾患の移植は増えていたという解析を追記した。末期像を示す摘出肺を見る機会は減るが遺伝子型が適応外の患者では従来どおりの経過をたどる、という但し書きを添えている。
    • トピックAdenocarcinoma pulmonis優勢パターンの記載だけで止まっていた組織評価に、WHO第5版が採り入れたIASLCの3段階gradingを追記した。grade 1は置換性優勢、grade 2は腺房性または乳頭状優勢で高悪性度パターンが20%未満、grade 3は高悪性度パターン(充実性・微小乳頭状・複雑腺管)が20%以上で、stage I 284例の訓練コホートで無再発生存のAUC 0.749・全生存0.787・観察者間一致κ=0.617という数値を付した。あわせて旧「細気管支肺胞上皮癌(BAC)」と混合型腺癌が2011年のIASLC/ATS/ERS分類で廃止され、上皮内腺癌(AIS)、浸潤5 mm以下の微小浸潤性腺癌(MIA)、浸潤性粘液性腺癌、置換性優勢の浸潤性腺癌へ振り分けられたこと、AIS・MIAは完全切除で疾患特異的生存がほぼ100%であること、T因子を浸潤成分のみで測ることを追記した。免疫染色では、TTF-1がクローンによって染まり方が違うことと、免疫染色に検体を使いすぎず分子検査の分を残すという配慮を加えた。
    • トピックCarcinoma microcellulare pulmonis神経内分泌マーカーを複数並べる従来の運用に対し、INSM1が小細胞肺癌の94.9%・大細胞神経内分泌癌の91.3%で陽性となりシナプトフィジン・クロモグラニン・CD56の併用パネル(74.4%・78.3%)を上回る一方、腺癌3.3%・扁平上皮癌4.2%しか染まらず、胸腔内神経内分泌腫瘍全体の感度も96.4%対87.4%(P=0.02)で高いことを追記し、INSM1を先に置く根拠と小さな生検で分子検査用検体を温存できる利点を示した。予防的全脳照射については、化学療法に反応しMRIで脳転移がない進展型224例の第3相試験で全生存期間中央値が照射群11.6か月・観察群13.7か月(ハザード比1.27、95%信頼区間0.96〜1.68、p=0.094)と優越性を示せず無益性のため早期中止されたことを加え、MRI監視を行うなら必須ではないという位置づけへ限定した。
    • トピックMesothelioma病名を現行分類に合わせて補正した。WHO胸膜・心膜腫瘍分類2021年版で限局性・びまん性いずれの中皮腫からも接頭語malignantが外されびまん性胸膜中皮腫と呼ぶこと、上皮内中皮腫が新病型として加わり高分化乳頭状中皮腫がwell-differentiated papillary mesothelial tumorへ改称されたことを追記し、本文の「悪性胸膜中皮腫」は旧称であると明記した。組織型の表には二相型を小生検でも一方の成分が10%未満なら診断してよいという基準を加え、類上皮型に導入された核異型度分類について17施設776例の検証(核異型度と壊死の組み合わせで全生存期間中央値29か月・16か月・10か月・8か月に層別)を付与した。あわせて中皮系マーカーは中皮由来かどうかしか答えず良悪性はBAP1・EZH2・MTAPの免疫染色とCDKN2AのFISHで見ること、高頻度変化遺伝子がBAP1・CDKN2A・NF2・TP53・SETD2・SETDB1であること、CheckMate 743の数値(全生存期間中央値18.1か月対14.1か月、ハザード比0.74、2年全生存率41%対27%)を追記した。
    • トピックSPECIMEN - Emphysemaα1-アンチトリプシン欠乏症の下葉優位という定型に幅を持たせた。PiZ型119例の定量CTで肺気腫のあった102例のうち下肺優位は65例にとどまり37例(36%)は上肺優位で、下肺優位群はFEV1低下が強く(平均差9.9%predicted)上肺優位群はガス交換障害が強いという解離を示すことを追記し、上肺優位でも欠乏症を否定できないとした。あわせてFleischner学会のCT分類(2015年)が小葉中心性5段階・汎小葉性・傍隔壁性2段階の3型立てで瘢痕周囲の不規則型を独立させておらず病理の4型と粒度が違う点を加えた。肺高血圧が肺気腫の量では説明できないという既存の記述には、進行期COPD 60例で気道壁肥厚の指標WT-Pi10が平均肺動脈圧と相関(ρ=0.62)した一方で低吸収域%は相関しなかったという実測を付与した。α1-アンチトリプシン補充療法がガイドライン上も条件付き(弱い)推奨である点も補った。
    • トピックH1N1 influenza virus with pneumonia重症化リスクの一覧に肥満を追加し、2009年H1N1の死亡34例の剖検で基礎疾患保有が91%、成人・思春期例の72%がBMI 30超だったこと、2009年のパンデミックで新しく認識された因子で古い教科書には載っていないことを追記した。びまん性肺胞傷害については確定死亡例21例で20例に認められ6例が壊死性細気管支炎、5例が広範な肺出血を伴ったという剖検所見を付与し、重症例の一部ではなく致死例のほぼ必発の中心病変と位置づけた。二次感染は同じ34例で細菌性肺炎の合併が55%に検出されており稀ではないことを加えた。オセルタミビルについては、入院例20,634人の個票データメタ解析で発症2日以内の投与は肺炎発症自体を有意には減らさない(調整OR 0.83、95%CI 0.64-1.06)一方、すでに肺炎を起こした5,978例では早期投与が死亡(調整OR 0.70)と人工呼吸(調整OR 0.68)を下げたことを追記し、効果の出どころを分けて示した。
    • トピックPeripheral carcinoma of the lung「単一マーカーだけで肺原発を確定しない」というヘッジに実測を付与した。転移性癌103例と原発性肺腺癌120例の比較で転移例の13.6%(甲状腺4、子宮内膜2、大腸3、前立腺1、唾液腺腺様嚢胞癌1、腎細胞癌2、卵巣1)が腫瘍細胞の5-60%にTTF-1核陽性を示したこと、ナプシンAは転移103例すべてで陰性だったが原発側にTTF-1とナプシンAを共発現しないものがあること、PAX8が原発性肺腺癌では全例陰性で転移例の44.7%が陽性のため第3のマーカーとして組み合わせることを追記した。あわせてWHO 2021肺腫瘍分類が組織パターンの割合を正式なグレーディングに用いること、部分的にlepidicな腫瘍ではT因子を浸潤径のみで測ること、気腔進展(STAS)を予後に関わる所見として認めることを加え、見えている径とT因子の径が食い違う理由を示した。
    • トピックGASTROENTEROLOGY 1 HISTOLOGY SLIDES「胃が最多、小腸が次いで多い」という定性記述を、胃約60%・空腸/回腸約30%・十二指腸4-5%・直腸4%・結腸/虫垂1-2%・食道1%未満という実測比率へ置き換えた。DOG1とCD117の2本立てにする理由として、GIST 447例でDOG1.1が425例中370例(87%)陽性なのに対しCD117は428例中317例(74%)、CD34は430例中254例(59%)で、とくにPDGFRA変異例ではDOG1.1が29例中23例(79%)陽性なのにCD117は32例中3例(9%)しか染まらないという感度差を追記した。リスク層別については、胃GISTは50 HPFあたり核分裂5個超かつ5 cm超で高リスクになるのに対し小腸GISTは核分裂数によらず5 cm超で中等度以上、核分裂5個超だけで高リスクになるという部位差を具体化し、径と核分裂数の前に部位を確定させると明記した。アバプリチニブについてはNAVIGATOR試験の奏効率56例中49例(88%)と推奨用量300 mg/日を付した。
    • トピックGIST (HE)「良性GISTと断定しない」というヘッジに、長期追跡した胃GIST 1,765例の実測を付与した。10 cm未満かつ50 HPFあたり核分裂5個未満という最も条件のよい群でも2-3%が転移し(10 cm超かつ核分裂5個超では86%)、10 cm超でも核分裂5個未満なら11%、5 cm未満でも核分裂5個超なら15%と径と核分裂数が互いに置き換えられないこと、胃底部・食道胃接合部の局在・凝固壊死・潰瘍化・粘膜浸潤が予後不良因子で幽門前庭部が予後良好因子であること(いずれもP<0.001)を追記し、小さいから良性ではなく低リスクと書くよう補正した。あわせてこの1,765例がもともと胃の平滑筋腫瘍と診断されていた1,869例の94%だったという経緯、GIST側も平滑筋アクチン18%・desmin 5%が陽性になること、DOG1.1が平滑筋肉腫326例中1例(0.3%)しか染まらない特異度を追加した。
    • トピックGIST (CD117)診断パネルの表に実測の陽性率列を新設し、CD117が447例中428例中317例(74%)・胃GIST 1,765例では91%、DOG1が425例中370例(87%)でPDGFRA変異例では79%(CD117は9%)、CD34が59%と82%、desminが胃GISTの5%で陽性という数値を入れた。「CD117陰性GISTは約5%」という覚え方は4-15%と幅があると補正している。免疫染色と遺伝子型の乖離の実例として、SDHB染色消失で定義したSDH欠損型が胃GIST 756例中66例(非選択例の推定7.5%)を占め20歳未満の胃GISTはほぼすべてがこの型で、体細胞KIT・PDGFRA・BRAF変異を持たないのに一貫してKIT陽性・DOG1陽性であること、逆にPDGFRA D842VはCD117が染まりにくくイマチニブ抵抗性だがアバプリチニブで88%が奏効することを追記し、若年発症・多発性・類上皮型・叢状浸潤でSDHB染色を追加しCarney三徴を念頭に追跡する運用を加えた。
    • トピックGastritis (HE)「慢性胃炎が必ず萎縮・異形成へ進むわけではない」というヘッジに、H. pylori感染者1,246例と非感染者280例を平均7.8年追跡した前向き研究の実測(胃癌は感染者36例=2.9%のみ、非感染者0例)を付与し、感染の有無で0か1かが決まり萎縮・化生・分布がその中の勾配を決めるという読み方を示した。自己免疫性胃炎については、H. pylori陰性を確認した211例の平均7.5年追跡で化生は偽幽門腺化生(200/211例)のほうが腸上皮化生(160/211例)より多く1型神経内分泌腫瘍へ至る一方、累積10,541人年で胃癌の過剰リスクは検出されず、報告されてきたリスク上昇が未認識のH. pylori既往・併存で説明できる可能性が指摘されていることを追記し、腺癌リスクは議論の続く論点として扱うよう補った。
    • トピックGastritis (Giemsa)「Giemsa陰性で除外しない」という趣旨に数値を付与した。胃生検2,896例の比較でGiemsaの全体感度は83.3%にとどまり免疫染色98.8%・FISH 98.0%より有意に低く、好中球性の活動性を欠く症例に限ると33.6%まで落ちることを追記し、活動性を欠く慢性胃炎の行を鑑別表に追加した。あわせて偽陰性の主因が菌量とそれに対応する活動性であり、腸上皮化生や萎縮などの構造変化が各染色法の感度に与える影響は無いか弱いという結果を加え、表の「腸上皮化生・高度萎縮」は菌量そのものが減る現象として染色法の限界と分けて捉えるよう補正した。除菌については、ACG 2024がビスマス四剤14日を推奨したうえでペニシリンアレルギーがなければリファブチン三剤またはP-CAB二剤14日を経験的代替とし、持続感染例ではリファブチン三剤14日、クラリスロマイシン・レボフロキサシンを含むサルベージは感受性確認例に限ることを追記した。
    • トピックUlcus pepticum ventriculiアルコールを喫煙と同格の慢性潰瘍リスクとして並べない根拠を付与した。Gene ATLASの452,264人を用いた二標本メンデルランダム化解析では、喫煙開始とBMIが胃潰瘍・十二指腸潰瘍と因果的に関連した(胃潰瘍 beta 0.0035、95%CI 0.0021-0.0049)のに対し、アルコール摂取量・2型糖尿病・1日喫煙本数・禁煙・喫煙開始年齢では因果関係が示されなかったことを追記した。あわせて原因の内訳として、上部内視鏡11,148件から拾った消化性潰瘍300例(有病率2.7%)でH. pylori関連62.3%、NSAIDs・アスピリン関連22%、両者併存11.6%、特発性4%という実測を加え、特発性と決める前にクローン病・サイトメガロウイルス感染・Zollinger-Ellison症候群・悪性腫瘍を除外する順序を明記した。
    • トピックAdenocarcinoma ventriculi (diffuse type)Laurénびまん型とWHO低結合性癌(PCC)の対応関係を整理し、印環細胞癌はPCCと並ぶ別カテゴリーではなくその下位型であること、IGCA欧州支部の2019年Delphi合意が低結合性細胞の90%超が印環細胞形態を示すものだけを印環細胞癌と呼び、それ未満は印環細胞成分を伴う低結合性癌と低結合性癌NOSに細分することを追記した。「びまん型をH. pyloriと無関係と断定しない」というヘッジには、日本人1,526例の追跡で胃癌36例が全員感染者であり内訳が腸型23例・びまん型13例だったという実測を付与し、違うのは前駆段階を経ないことが多い点であって感染と無関係という意味ではないと補った。ほかに遺伝性びまん性胃癌(CDH1/CTNNA1、乳腺小葉癌の家族集積、IGCLC 2020年改訂での検査基準拡大と予防的胃全摘の位置づけ、専門施設での内視鏡サーベイランス)と、CLDN18.2陽性の定義(腫瘍細胞の75%以上が中等度以上の膜性染色)およびゾルベツキシマブの成績(無増悪生存中央値10.61か月対8.67か月、HR 0.75)を追記した。
    • トピックSPECIMEN - Stomach cancerKrukenberg腫瘍の実像を120例の病理解析から補い、平均45歳で43%が40歳未満、63%が両側性、平均径10.4 cm、腹水43%、印環細胞は定義上10%以上だが分布は不均一で原発性卵巣腫瘍との鑑別が難しいこと、原発巣の2/3が胃で2/3の症例では原発巣が卵巣腫瘍と同時かその後に見つかっていることを追記した。「胃癌の既往がある女性の卵巣腫瘤」という設定を前提にできない、という読み方に落としている。「転移例でも治療不能と判断しない」というヘッジには、根治的胃切除後1,235例中54例(4.4%)の遠隔転移を伴わないKrukenberg腫瘍で転移巣切除群33例の生存期間中央値17か月対非切除21例3か月という数値を付与しつつ、後ろ向き比較で切除群は全例術後化学療法を受け非切除群には支持療法のみの5例が含まれるなど選択バイアスが残り、原著自身が最適治療戦略は未確立と書いていることを併記した。
    • トピックGIST好発部位を胃約60%・空腸/回腸約30%・十二指腸4-5%・直腸4%・結腸/虫垂1-2%・食道1%未満という実測比率へ具体化し、免疫の欄にKIT陰性GISTが4-15%ありDOG1がそこを拾うことを加えた。部位によるリスク差については、小腸GISTでは核分裂数によらず5 cm超で中等度以上、50 HPFあたり核分裂5個超はすべて高リスクとなり、低リスクと言えるのは5 cm以下かつ核分裂5個以下に限られることを追記し、径と核分裂数だけを見て部位を無視すると小腸・直腸のGISTを過小評価すると明記した。PDGFRA D842Vについては、耐性変異という記述で止めず、NAVIGATOR試験でアバプリチニブが56例中49例(88%、完全奏効9%・部分奏効79%)に奏効したことを加え、遺伝子型を調べる目的が代替薬の選択にもある点を示した。
    • トピックUlcer – gastric and duodenal「消化性潰瘍そのものが癌へ変化すると一般化しない」というヘッジに実測を付与した。日本人1,526例の平均7.8年追跡で胃癌の発生は非潰瘍性ディスペプシア445例中21例(4.7%)、胃潰瘍297例中10例(3.4%)、胃過形成性ポリープ229例中5例(2.2%)だったのに対し十二指腸潰瘍275例からは0例で、潰瘍という病変自体が癌化するなら十二指腸潰瘍からも出るはずだという論理を示し、胃潰瘍で癌が問題になるのは萎縮性胃炎・腸上皮化生という背景を共有するためだと補った。出血対応については、ESGE 2021に基づき内視鏡的止血失敗例でover-the-scope clipによる2回目の内視鏡的止血、次に経カテーテル動脈塞栓術、手術はそれが施行不能または失敗した場合という順序、24時間以内の内視鏡推奨と12時間以内の緊急内視鏡を推奨しないこと、Forrest Ia/Ibでエピネフリン局注単独が不可であること、止血後の高用量PPI(80 mgボーラス後8 mg/時を72時間)を追記した。
    • トピックEsophageal varices破裂の予測因子を、多変量で独立に残った3つ(改変Child分類による肝機能、静脈瘤の大きさ、赤色線条)に絞って明示した。出血歴のない肝硬変・食道静脈瘤321例を中央値23か月追跡したNIEC研究で85例(26.5%)が出血し、この3変数による予後指標が1年出血率6%から76%まで層別できることを追記している。HVPG 12 mmHgについては、アルコール性肝硬変93例で出血歴のある49例に12 mmHg未満が1例もおらず静脈瘤のある72例も全例12 mmHg超だった一方、大きい静脈瘤40例と小さい静脈瘤28例で平均HVPGに差がない(19.8±4.8対18.3±5.0 mmHg)ことを示し、閾値であって連続量ではないと補正した。輸血については、重症急性上部消化管出血921例の無作為化比較試験でヘモグロビン7 g/dL未満の制限戦略が9 g/dL未満の自由戦略より転帰を有意に改善し制限群の51%が輸血不要だった(自由群14%)という数値を付した。
    • トピックGASTROENTEROLOGY 2 HISTOLOGY SLIDES「混合腫瘍は複数の胚葉由来という意味ではない」という主張に実測の裏づけを付けた。耳下腺多形腺腫5例の上皮成分と間葉様(粘液腫様・軟骨様)成分をマイクロダイセクションで分離し、X染色体アンドロゲン受容体遺伝子の反復多型とランダム不活化でクローン解析したところ両成分とも単クローン性で、5例すべてで不活化アレルが同一だったこと、したがって軟骨に見える部分は腫瘍性筋上皮細胞が作った基質であることを追記した。あわせてPLAG1・HMGA2のFISHが多形腺腫由来癌22例中19例(86%)で陽性、形態的模倣病変11例はすべて陰性である一方、多形腺腫自体では低細胞密度・粘液腫様型9例中6例(67%)に対し細胞密度の高い型7例中2例(29%)と差があり、陰性でも否定できない補助検査であることを加えた。
    • トピックParotis pleomorph adenoma「放置年数が長いほど癌化する」という従来の教え方を、現代のデータに基づいて限定した。腫瘍歴1年超の未治療耳下腺多形腺腫260例(持続期間中央値3.2年、範囲1-30年)で多形腺腫由来癌の検出率は3.2%(高悪性度1.3%)にとどまり、悪性化と関連したのは初診時腫瘍径(OR 1.66)と年齢(1歳あたりOR 1.04)で腫瘍持続期間は関連しなかった(OR 1.00)こと、デンマーク全国5,497例でも再発2.86%・再発例からの悪性転化3.3%と従来報告を下回ることを追記し、警戒すべきは年数ではなく径と高齢だとした。悪性化した場合の重さとして多形腺腫由来癌73例の成績(局所再発23%、領域転移56%、遠隔転移44%、原病死55%、5年全生存30%、浸潤5 mm未満の微小浸潤例は外科治療で良好)を加えた。術式については核出術と被膜外切除を別物として区別し、3,194例・14研究のメタ解析で被膜外切除と浅葉切除の再発率に有意差がなく(RR 0.71)顔面神経麻痺とFrey症候群は被膜外切除群で有意に少ないこと、ただし適応が限られ多施設無作為化試験はまだないことを補った。
    • トピックCeliac disease – SMALL INTESTINE上皮内リンパ球25/100上皮細胞という閾値に、正常十二指腸粘膜を数え直した研究(絨毛表面上皮を500細胞以上連続計数した20例で1.8〜26/100、平均11・標準偏差6.8、平均+2標準偏差にあたる25を正常上限とする)を出典として付与した。あわせてMarsh-Oberhuber分類による段階づけ(type 1が上皮内リンパ球増加のみ、type 2が陰窩過形成の追加、type 3が絨毛萎縮で3a・3b・3cに細分)を追記し、絨毛萎縮の鑑別を併記することが標準様式自体の要求である点も補った。診断手順では、ESPGHAN 2020が小児に限り抗組織トランスグルタミナーゼIgAが基準値上限の10倍以上かつ別検体で抗endomysium抗体IgA陽性なら生検を省略してよいとしたこと(症状の有無もHLA判定も必須ではない)と、成人は依然として大半で生検による確定が必要であることを対比させた。除去食下で症状が続くとき最も多い原因が意図しないグルテン混入である点も加えた。
    • トピックUlcerative colitis RESECTION組織診断について、切除標本で使える所見と内視鏡生検で使える所見が別立てで整理されていること、単独の所見ではなく複数所見の組み合わせで確からしさを問うのがコンセンサスの立て方であることを追記した。発癌リスクには累積炎症負荷(cumulative inflammatory burden)という概念を導入し、field cancerizationにより異形成前駆病変が大腸の複数箇所に同時に生じうるため一点の生検陰性が安心材料にならないこと、非通常型異形成は自然史が定まらず監視アルゴリズムに未導入であることを加えた。治療目標については、STRIDE-IIが長期目標を臨床的寛解と内視鏡的治癒とし症状改善や血清・便マーカー正常化は短期目標にとどめる一方、UCの組織学的治癒(およびクローン病の全層性治癒)は正式な標的ではなく寛解の深さの指標にとどめていることを明記し、生検の活動性炎症をそのまま治療失敗と読み替えないよう補った。救済療法の判断をday 3、入院後72時間以内(可能なら24時間以内)のS状結腸内視鏡という時間軸も追記した。
    • トピックUlcerative colitis BIOPSY生検だけでUCとクローン病を確定できない場合があることを、疾患側の性質として名前とともに追記した。大腸切除標本まで見ても決められない症例が炎症性腸疾患の10〜15%を占めindeterminate colitisと呼ばれること、この語が現在は内視鏡・生検の段階でも使われ報告頻度の施設間ばらつきの一因になっていること、血清学的マーカーは感度が低く鑑別の助けにならないことを加えた。用語の使い分けとして、ECCOが臨床診断名のIBD-unclassified(IBDU)と病理医が切除標本に用いるindeterminate colitisを別語として区別していること、IBDU 37例を中央値79か月追跡すると24.3%がUCへ・21.6%がクローン病へ再分類されたことを追記した。あわせて、生検の読みが成立する前提は臨床・内視鏡・検査情報が病理医に伝わっていることと適切な部位から十分な数を採ってあることだという点に出典を付けた。
    • トピックCrohn colitis「肉芽腫が無くても除外できない」というヘッジに実測を付与した。上部消化管内視鏡と大腸内視鏡を同時に行った小児クローン病282例で肉芽腫の同定は全体の48%にとどまり、未治療群61%に対し既治療群は24.5%(P<0.0005)まで落ちること、検出率は年齢によらず盲腸までの大腸内視鏡だけでは届かない患者が相当数いたことを追記し、肉芽腫が無いことは採取部位不足や治療が効いていることを意味しうると補った。臨床像では、現行総説の典型像が腹痛・慢性下痢・体重減少・易疲労感であって黒色便は含まれない点を追記し、既存の「約半数にメレナは不適切」という記述を裏づけた。治療では高リスク例で従来治療の失敗を待たず生物学的製剤を早期導入する方針への転換と経口メサラジンを用いないことを加え、術後経過については回腸切除89例で内視鏡的再発が1年73%・3年85%に対し症候性再発が20%・34%にとどまり、再発が切り残しではなく新たに起こることを追記した。
    • トピックSPECIMEN - Ulcerative colitis偽ポリープの位置づけを補正した。監視内視鏡を受けた炎症性腸疾患1582例のコホートで偽ポリープは29.2%にみられ強い炎症(調整オッズ比1.32)と広い罹患範囲(同1.92)に結びつく一方、中央値4.8年の追跡で進行大腸腫瘍の発生には差がなく(調整ハザード比1.17、95%信頼区間0.59〜2.31)独立した危険因子ではないこと、欧州ガイドラインの監視間隔短縮の提案に対し原著が偽ポリープの存在だけを理由に間隔を詰めるべきではないと結論していることを追記し、警戒すべきは背後の累積炎症負荷だとした。「平坦部を含む系統的な組織評価」については、VIRTUOSO試験でバーチャルクロモエンドスコピーと高解像度白色光の腫瘍検出率に差がなく(14.9%対24.2%、p=0.14)、両群あわせて6751個の非標的4分割生検から検出された上皮内腫瘍が1個だけだったことを加え、ランダム生検の費用対効果が再検討の対象になっている一方で丁寧な観察と標的生検が前提である点は変わらないと補った。
    • トピックDiverticulosis et polyposis sigmae + perforatum sigmae低食物繊維単一原因説への留保を実測で裏づけた。大腸内視鏡2104例の横断研究で食物繊維摂取が多いほど憩室症が少ないという関係は認められず、むしろ摂取量最高四分位のほうが有病率が高く(有病率比1.30、95%信頼区間1.13〜1.50)、総・穀物由来・水溶性・不溶性のいずれで計算しても同じ向きで、便秘も危険因子ではなく排便回数が週15回超の群のほうが70%危険が高かったことを追記した。ただし再発予防の生活指導としては食事の質・体格指数・身体活動・禁煙・NSAIDs回避が今も推奨される点を併記している。抗菌薬を選択的に用いる根拠としてDIABOLO試験(回復までの中央値14日対12日、複雑性憩室炎3.8%対2.6%、再発3.4%対3.0%、S状結腸切除3.8%対2.3%、死亡1.1%対0.4%でいずれも差なし)を挙げつつ、Cochraneレビューが無作為化比較試験3件のみで効果は不確実・エビデンスの質は低いと評価していることを併記し、断定できる段階ではないと補った。あわせて、複雑性憩室炎の危険は初回発症時が最も高く回数基準で待機手術を決めないこと、まれに大腸悪性腫瘍が憩室炎と誤診されることも追記した。
    • トピックChronic pancreatitis病因分類の表に欠けていた「特発性」の行を足し、自己免疫性の行に1型・2型の別があることを注記した。表の並びがTIGAR-O(毒性代謝性・特発性・遺伝性・自己免疫性・反復性重症急性膵炎・閉塞性)であること、2019年の第2版が単一病因を選ぶ分類ではなく階層的チェックリストとして設計されていることを出典付きで説明した。自己免疫性膵炎の国際コンセンサス診断基準(ICDC 2011)の5基本項目・level 1/level 2・型不明例をAIP-NOSとする扱いも追加した。疼痛性慢性膵炎の早期手術についてESCAPE試験の実数(18か月積算Izbicki疼痛スコア37対49、群間差マイナス12点、介入回数中央値1回対3回、疼痛消失58%対39%でP=0.10)を、膵癌リスクについては標準化罹患比26.3に対し累積発生率は10年1.8%・20年4.0%であることを補った。
    • トピックHEPATOLOGY Chronic pancreatitis「PanINだけでは浸潤癌ではない」という既存の注意書きに、正常膵16%・膵炎60%・膵管腺癌82%というPanIN頻度と、Grade 3が膵炎でも4%に見られるという数値を出典から付与した。PanINの段階づけが4段階から低異型度/高異型度の2段階へ変わり、旧PanIN-2が低異型度に含まれること、浸潤癌の膵管内逆行性進展(colonization)が高異型度PanINを模倣するため独立の用語になっていることを追加した。自己免疫性膵炎の欄には、ICDCが膵組織所見を単独の決め手とせず5項目を信頼性レベル別に統合する設計である旨を補った。
    • トピックPancreatic carcinoma (image)訂正はなく、出典付与のみ。免疫染色が補助にとどまるという主張に、SMAD4(DPC4)が膵管腺癌の約55%で不活化され免疫染色の遺伝子状態との一致は野生型94%・不活化型91%であること、残る約半数では発現が保たれるため陽性は浸潤癌の否定にならないことを付けた。切除可能性が組織診断ではなく膵プロトコル造影CTでの血管接触範囲と遠隔転移で4区分される点にも根拠を付与した。
    • トピックPancreatic carcinomaCA19-9について「Lewis抗原陰性者では上昇しない」という断定を「偽陰性となりうる」に改め、膵癌1,482例のFUT3遺伝子型解析でLewis陰性8.4%のうちCA19-9が2 U/mL以下だったのは41.9%にとどまり27.4%はむしろ37 U/mLを超えていたこと、Lewis陰性例の診断能(ROC曲線下面積0.842)が全体(0.898)に近いことを補正根拠として示した。PanINの2段階整理(旧PanIN-1A・1B・2=低異型度、旧PanIN-3=高異型度)、PanIN-1の99%超がKRAS・p16/CDKN2A・GNAS・BRAFのいずれかを持つ一方SMAD4発現消失はPanIN-3の31%で初めて現れるという順序も追加した。術前治療についてはPREOPANC(ハザード比0.73、5年生存20.5%対6.5%)とNORPACT-1(切除可能例で一律の利益なし)を並べ、区分ごとに扱いが違うことを明記した。
    • トピックChronic cholecystitis「胆石を症状の唯一の直接原因とみなさない」という既存のヘッジに、一般住民739人の超音波スクリーニングで16.3%に胆石等が見つかり、無症候性胆石120人を中央値87か月追跡して治療を要したのは5年累積7.6%、しかも初回の消化器症状の有無は治療の要否を分けなかったという数値を付与した。ロキタンスキー・アショフ洞と浸潤癌の区別を丁寧に行う理由として、胆嚢癌の大半が有症状胆石に対する胆嚢摘出後の偶発発見であることを追加した。Murphy徴候の記述にはTokyo Guidelines 2018が局所炎症徴候・全身炎症徴候・画像の3群を組み合わせる形をとることを補った。
    • トピックPancreatic carcinoma神経周囲浸潤を「たまに見る所見」と扱わないよう、切除膵管腺癌778例で87%に認められ20 mm以下でも78.7%、R0かつN0でも70.6%であること、全生存の独立予測因子(27か月対50か月)であることを追加した。Trousseau症候群を膵酵素漏出で説明しないという既存の注意には、組織因子を除いた癌ムチン単独で血小板性微小血栓が生じセレクチン欠損マウスで軽減する一方ヒルジンでは止まらないという実験的根拠を付けた。CA19-9のLewis陰性偽陰性についても、41.9%・27.4%という内訳とROC曲線下面積0.842の数値を付与した。
    • トピックChronic cholecystitis (image)「臨床画像では読めない」のは上皮異型であって構造ではないことを示すため、MR胆管膵管撮影の真珠の首飾り徴候がロキタンスキー・アショフ洞を表し腺筋腫症29例対胆嚢癌18例の比較で腺筋腫症に特異的だったことを追加した。腺筋腫症を良性の陥入として片づけないよう、連続無選択の胆嚢摘出3,197例で分節型188例中12例(6.4%)に胆嚢癌が生じ、それ以外の3.1%より有意に高く、12例すべてで癌が輪状狭窄より底部側にあったという数値を補った。
    • トピックChronic hepatitis (HCV) – LIVER急性感染でも6か月待たず治療するという方針にAASLD/IDSAの推奨を出典として付けた。線維化と活動性の評価体系が複数併存すること(単純な体系は個々の管理向き、HAI型は大規模コホート向き)と、METAVIRの活動性判定が10人の病理医で84%・kappa 0.75の一致だったことを追加し、F2やA2という表記はどの体系かを確認するよう促した。ソホスブビル/ベルパタスビル12週のSVR12率99%を実数で補い、SVR後もHCCリスクが残ること(治療前肝硬変かつSVR前FIB-4 3.25以上で年2%超が持続、非肝硬変でもSVR後FIB-4 3.25以上なら年2.39%)を追加して、監視対象が肝硬変例に限らないことを明記した。
    • トピックChronic cholecystitis「黄色肉芽腫性胆嚢炎は癌を模倣しうる」という記述に実数を付けた。病理確定142例のうち42例(約30%)が術前画像または術中所見で胆嚢癌と誤診され、術中迅速凍結切片の正診率93%に対し術者の肉眼診断は50%、6例が肉眼診断だけで拡大手術を受けている。別の12,426件の集計では黄色肉芽腫性胆嚢炎は1.46%で、術中に悪性を疑われた30%に対し実際の癌は3%だった。あわせて分節型腺筋腫症の胆嚢癌合併6.4%対3.1%と、癌が全例で輪状狭窄より底部側に生じたことを追加し、追加切り出しの向きを示した。
    • トピックHepatitis – HBVHBV DNAの宿主ゲノム組込みが複製に必須でないという既存の記述に、組込みはウイルスにとって複製の行き止まりであり複製非依存的な抗原発現が発癌との関連で注目されている点を補った。「すりガラスをウイルス粒子で満たされた像と単純化しない」というヘッジには、I型がpre-S1欠失・II型がpre-S2欠失変異を持ち大型表面抗原の小胞体蓄積が小胞体ストレス応答を起こすという機序を付与した。母子感染予防については、HBe抗原陽性かつHBV DNA 200,000 IU/mL超の妊婦200人の無作為化試験で産後28週の感染率が5%対18%(per-protocol解析で0%対7%)だった実数を追加し、6か月ごとの超音波とAFPによるサーベイランスにAASLD 2023を出典として付けた。
    • トピックChronic hepatitis (HCV) – LIVER1本の生検が肝全体を代表しないことを示すため、慢性C型肝炎124例で右葉と左葉を同時生検すると線維化病期が33.1%、活動性が24.2%で1段階以上食い違い、14.5%は一方の葉だけ見ると肝硬変を1段階手前と判定してしまうこと、同一標本の再判定のぶれは6〜10%にとどまり差は標本誤差由来であることを追加した。SVRの定義(治療終了12週以降のHCV RNA陰性)に加え、SVR達成10,817例でHCCが全体年0.33%・肝硬変例年1.39%・64歳超年0.95%で発生したという数値を付け、監視を打ち切らない根拠とした。
    • トピックHepatic cirrhosis (HE)結節径から原因を断定しないという既存の注意はそのままに、Laennec線維化スコアによる肝硬変の細分(軽度・中等度・高度)が臨床病期とも肝静脈圧較差とも相関することを追加し、まとめにも隔壁の太さと結節の細かさは門脈圧を反映すると書き足した。代償期・非代償期・後期非代償期が決まった順序で進まずacute-on-chronic liver failureが代償期からも起こるため競合リスクを含む多状態モデルで扱うこと、MELD 3.0がMELDNaに女性とアルブミンを加えクレアチニン上限を3.0 mg/dLとしたもので90日死亡予測のC統計量0.869対0.862であることを補った。再代償化の行とHCCサーベイランスの記述にもそれぞれ出典を付与した。
    • トピックHepatic cirrhosis (picrosirius)偏光下の緑・赤・黄という色は線維の太さと詰まり方を反映するにすぎず、吸収される偏光量は線維束の向きに強く依存するため、色調をI型・III型の同定に使わないという注意を出典付きで追加した。あわせてコラーゲン面積比(CPA)による定量を紹介し、同じIshak stage 6の肝硬変でもCPAは13〜45%と幅があり、肝静脈圧較差との相関がr=0.62でIshak病期より良好だったという数値を示した。
    • トピックHepatitis – HBV「周産期感染では成人感染より慢性化しやすい」という定性的記述を数値化し、成人期獲得の感染が慢性化するのは5%未満、乳幼児期の感染では約95%であることをWHOの記載から補って、乳幼児期のワクチン優先の根拠と結び付けた。HBV DNA組込みが複製の行き止まりであることも追記した。すりガラス像については、1973年から知られるHBs抗原蓄積の像であり、I型はpre-S1欠失・II型はpre-S2欠失を含み、とくにII型がHBV関連肝細胞癌の前癌病変になりうるという説明を追加した。
    • トピックHepatic cirrhosis (HE)「原因治療により線維化が部分的に改善しうる」という記述の裏づけとして、慢性B型肝炎で最長5年テノホビルを投与し前後に生検の得られた348例で組織学的改善87%・Ishakスコア1段階以上の線維化退縮51%という実数を追加し、同時に全例で線維化が消えるわけではないと明示した。臨床病期が決まった順序では進まず競合リスクを含む多状態モデルで扱う点も補った。微小結節・大結節の区別だけで原因を決めないという注意は残したうえで、Laennec線維化スコアによる細分が臨床病期および肝静脈圧較差と相関することを加え、結節径は原因ではなく門脈圧の目安として読むと整理した。
    • トピックHepatocellular carcinomaアフラトキシンB1の寄与を数値化し、世界で年55万〜60万例の肝細胞癌のうち25,200〜155,000例(4.6〜28.2%)が曝露に帰せられ、サハラ以南アフリカ・東南アジア・中国に集中することを追加した。異型結節と高分化肝細胞癌の境目についてHSP70・glypican-3・グルタミン合成酵素の3マーカーを紹介し、3つ陽性で正診率60.8%・2つ以上で78.4%、いずれも特異度100%で実用上は2つ陽性が推奨されることを示した。「HBV関連HCCは非肝硬変肝にも生じうる」に対しては1221例中19%が非硬変で単発が多く(67%対48%)径が大きい(中央値8 cm対4 cm)という実数を、画像診断についてはLI-RADS v2018 LR-5の感度70%・特異度91%とLR-5の95%・LR-4の64%・LR-3の31%という内訳を付け、特異度が高いから生検を省けるのであって非典型所見を癌の否定とは読めないと補足した。
    • トピックHepatic cirrhosis (picrosirius)偏光色が示すのはコラーゲンの型ではなく線維の太さ・詰まり方・向きであり、型の同定には使わないという注意を出典付きで追加した。あわせて、赤い線維と黒い背景のコントラストが面積計測に向くことと、コラーゲン面積比が同じIshak stage 6でも13〜45%と幅を持ち肝静脈圧較差とr=0.62で相関することを補い、線維量は段階分類より連続量のほうがよく表せると整理した。
    • トピックSPECIMEN - Adenocarcinoma pancreatis capitis et metastasis carcinomatosa hepatisPanINを低異型度・高異型度に大別するという既存の記述に、2015年のBaltimore consensusが旧PanIN-1だけでなく旧PanIN-2も低異型度に含め高異型度を旧PanIN-3のみに限ったことを明示し、まとめにも旧PanIN-2の扱いを書き足した。同勧告が、浸潤癌を伴う切除膵の断端に残るPanINは異型度を問わず予後的意義をもたないとした点も断端評価向けに追加した。「固定的な一年死亡率で予後を説明しない」というヘッジには、診断時の切除可能10〜15%・局所進行30〜35%・遠隔転移50〜55%という内訳と、術後FOLFIRINOXの生存期間中央値54.4か月対ゲムシタビン単剤35か月、BRCA病的バリアント保有例(5〜7%)でのオラパリブという具体的根拠を付与した。
    • トピックHepar polycysticum本文の誤字「肝合成功能」を「肝合成能」に直した。多嚢胞肝が便宜的に肝嚢胞20個超と定義されること、嚢胞増大に女性であること・外因性エストロゲン・多産が寄与することを出典付きで追加した。ARPKDの肝病変が胆管板形成異常と先天性肝線維症中心であること、PKHD1の位置づけ、症候例への穿刺硬化療法・開窓術・肝切除および重症例の肝移植・肝腎同時移植という選択にも、それぞれ根拠を付与した。
    • トピックHepatocellular carcinoma破裂を疑う肉眼所見の行に出典を付けたうえで、破裂例の初期対応として急性期の経動脈的塞栓術の止血成功率53〜100%・30日死亡率0〜37%(開腹手術は28〜75%)と、止血後の段階的肝切除のほうが切除率が高く院内死亡率が低いことを追加した。「AFPは単独で診断や除外を行わない」というヘッジには、超音波単独の早期HCC感度が47%にとどまりAFP併用で45%から63%へ上がる一方で特異度は下がるというメタ解析の数値を付与し、まとめの固定的な予後表現を避けるという記述にも根拠を付けた。
    • トピックAcute pancreatitis被包化壊死の行に出典を付けたうえで、改訂Atlanta分類(2012)の骨格として早期・後期の2相、軽症・中等症・重症(48時間超の持続性臓器不全)の3段階、局所合併症4型と壊死・被包化壊死の無菌性/感染性の区別を追加した。治療の各項目にも根拠を付与し、輸液にはWATERFALL試験、経腸栄養にはPYTHON試験、無菌性壊死への予防的抗菌薬を一律投与しない点には無作為化試験7件467例のメタ解析(感染性膵壊死・死亡とも有意差なし)を割り当てた。
    • トピックSPECIMEN - Adenocarcinoma pancreatis capitis et metastasis carcinomatosa hepatis (image)表に並ぶだけだった細胆管増生と血管増生に説明を足した。細胆管増生は肝傷害に応じた反応性胆管の増殖で線維化・肝障害の程度と相関しその広がりが患者死亡率と平行すること、肝内血管新生と類洞リモデリングが線維化・再生結節形成・肝内血管収縮に加わって肝内血管抵抗を上げ門脈圧亢進の成立に関与することを、それぞれ出典付きで追加した。
    • トピックRPGN免疫病型の表に、蛍光抗体所見による呼称(I型=線状沈着、II型=顆粒状沈着、III型=沈着に乏しい)と、106例での内訳16.0%/40.6%/43.4%、ANCA陽性率5.9%/25.6%/63.0%を追加し、免疫複合体型でもANCAが陽性になりうるためANCA陽性を少数免疫型の同義語として扱わないと注意した。ANCA関連血管炎が急速進行性糸球体腎炎の最多原因で腎生検が診断の基準であること、国際腎病理ワーキンググループのfocal・crescentic・mixed・scleroticの4類型が1年・5年腎予後を予測することも追加した。寛解導入と血漿交換の記述にはEULAR 2022更新版とPEXIVAS試験を出典として付けた。
    • トピックSPECIMEN - Adenocarcinoma pancreatis capitis et metastasis carcinomatosa hepatisPanINを低異型度・高異型度に整理する記述に出典を付けた。「固定的な診断後1年死亡率で予後を説明しない」というヘッジには、診断時の切除可能10〜15%・局所進行30〜35%・遠隔転移50〜55%という内訳と、術後FOLFIRINOXの生存期間中央値54.4か月対ゲムシタビン単剤35か月という具体値を付与した。遺伝性素因の評価には、膵腺癌の全患者にリスク評価を行うべきとするASCOの見解を根拠として付けた。
    • トピックHepar polycysticum孤立性多嚢胞肝の遺伝子欄をPRKCSH・SEC63のみから拡張し、LRP5・ALG8・SEC61Bを加えたうえでGANABはADPKDとADPLDの両表現型をとることを明記した。治療の記述に出典を付け、さらに薬物療法の位置づけとしてソマトスタチンアナログの二重盲検試験(重症多嚢胞肝42例、1年で肝容積がオクトレオチドLAR群マイナス4.95%対偽薬群プラス0.92%、P=0.048)を追加し、GFRの変化は両群同等で効果は容積の縮小にとどまると補足した。
    • トピックNephropathic diabetes糸球体病変の重症度について、腎病理学会2010年分類の4段階(class I=基底膜肥厚のみ、II=メサンギウム拡大のIIa/IIb、III=Kimmelstiel-Wilson型結節性硬化、IV=50%超の全節性硬化)と、間質・血管病変を別に評価する点を追加した。Kimmelstiel-Wilson結節を巣状分節性糸球体硬化と同一視しないという注意に加えて、糖尿病を除外しても組織像が酷似する特発性結節性糸球体硬化症が腎生検5,073件中23件(0.45%)にあり高血圧95.7%・喫煙91.3%を伴っていたことを示し、結節性硬化そのものは糖尿病に特異的でないと明記した。非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬とGLP-1受容体作動薬の記述にもFIDELIO-DKDとKDIGO 2024を出典として付けた。
    • トピックAcute pancreatitis訂正はなく、既存のヘッジと定義への出典付与が中心。間質性浮腫性膵炎と壊死性膵炎の2型分類、48時間超の持続性臓器不全で重症とする規定、3項目中2項目という診断基準に改訂Atlanta分類を割り当てた。胆管炎合併時のERCPと胆石性膵炎の再発予防にACG 2024指針を付け、「出血壊死型は50〜90%死亡と固定しない」という記述には、一過性臓器不全71例で死亡1例・局所合併症29%に対し持続性臓器不全103例で死亡36例・局所合併症77%という比較を根拠として付与した。
    • トピックEnd-stage kidney (HE)間質線維化の行に、尿細管萎縮と合わせた程度が慢性度すなわち予後の指標になることを書き足し、自己腎生検676例の前向きコホートから、間質線維化・尿細管萎縮が重度で腎機能進行のハザード比3.42、全節性糸球体硬化3.31、細動脈硬化2.33、11点の慢性度スコアが1点あたり1.19という数値を追加した。原疾患が分からない標本でも線維化の量は予後情報として読めるという位置づけを与えている。CKD G5のeGFR 15 mL/min/1.73 m²未満という定義にKDIGO 2024を、透析開始を数値だけで決めないという記述にはIDEAL試験(早期導入と遅延導入で死亡率に差なし、遅延群の75.9%は症状のため目標より高いeGFRで導入)を出典として付けた。
    • トピックEnd-stage kidney (picrosirius)「色調だけからコラーゲン型を同定しない」という既存の注意に出典を付け、緑・黄・赤の偏光色が線維の太さ・充填度・線維束の走行方向で決まることと、精製コラーゲンでも色調から型は判別できないという検討結果を追加した。残存実質との比率の行には、間質線維化・尿細管萎縮の程度が腎機能進行の独立予測因子であることを根拠付きで書き足した。
    • トピックRPGN「半月体だけで原因は決まらない」という記述に、3つの鑑別カテゴリーが光学顕微鏡の半月体所見ではなく蛍光抗体法と電子顕微鏡で区別されるという根拠を付けた。あわせて、2010年に国際腎病理ワーキンググループが提唱したfocal・crescentic・mixed・scleroticの4カテゴリー分類が100例の検証で1年・5年の腎予後を予測できたことを追加し、活動性半月体と全節性硬化の割合を別々に数えることが時相の読みを予後につなぐと補足した。
    • トピックNephropathic diabetesKimmelstiel-Wilson結節に依存しないという方針に加えて、2010年のRenal Pathology Society分類の4クラス(I=基底膜肥厚のみ、II=メサンギウム拡大のIIa/IIb、III=結節性病変が1個以上、IV=50%超の全節性硬化)と間質・血管病変を別採点する点、級内相関係数0.84という観察者間一致を追加し、結節の有無だけでなく段階を報告する枠組みだと位置づけた。特発性結節性糸球体硬化の行とまとめの「完全に特異的ではない」という記述には、腎生検5,073例中23例(0.45%)で高血圧95.7%・喫煙91.3%を伴ったという実数を出典として付与した。
    • トピックRenal carcinoma (HE)組織型の行の「現在の分類にはさらに多数の分子学的疾患単位がある」を2022年WHO第5版に具体化し、SMARCB1欠損髄様・TFEB変異型・ALK再構成型・ELOC変異型という分子定義型と、形態定義型の好酸性充実嚢胞性腎細胞癌を挙げた。淡明細胞乳頭状腎細胞癌が転移・再発の報告が実質的にないことから腫瘍へ改称され癌の枠を外れたことも追加した。長期透析との関連には、末期腎不全から切除された315腎で淡明細胞型45.7%に次ぎ後天性嚢胞性疾患関連RCCが31.7%を占めたという実数を付けた。さらに、WHO/ISUP核異型度がグレード1〜3を核小体の目立ちやすさで判定し肉腫様・ラブドイド分化があればグレード4、嫌色素性には付けないこと、壊死は定量する一方で微小血管侵襲は病期分類に含めないこと、Fuhrman核異型度は歴史的分類であることを追加した。
    • トピックCarcinoma transitiocellulare異型度が2段階(低異型度/高異型度)で報告される現行方式と、それ以前の1973年分類のG1〜G3が1対1で読み替えられないことを追加した。20研究の系統的レビューでG1の進展率は低異型度とほぼ同等だった一方G3の進展率は高異型度より高く、観察者間一致は2004/2016年分類のほうがわずかに良好で、欧州泌尿器科学会は両分類の併記を勧めている。上皮内癌が平坦かつ高異型度である扱いには1998年のWHO/ISUP合意分類を、移行上皮癌が歴史的名称であることにはWHO第5版を、周術期のゲムシタビン・シスプラチン+デュルバルマブにはNIAGARA試験(24か月無イベント生存67.8%対59.8%、ハザード比0.68)を出典として付けた。
    • トピックEnd-stage kidney (HE)間質線維化の行に、尿細管萎縮と合わせた程度が腎機能進行の独立予測因子になることを書き足し、自己腎生検676例のコホートを根拠として付けた。CKD G5のeGFR 15 mL/min/1.73 m²未満という定義にKDIGO 2024を、透析開始を尿毒症症状や体液・電解質異常などから総合判断するという記述にはIDEAL試験を出典として付与した。
    • トピックEnd-stage kidney (picrosirius)色調だけからコラーゲンI型・III型を同定しないという既存の注意に出典を付けた。さらに、線維化の量は原因疾患を区別できないが予後は予測できるという対比を追加し、自己腎生検676例のコホートで間質線維化・尿細管萎縮が中等度でハザード比2.14・高度で3.42、全節性糸球体硬化が中等度2.17・高度3.31と、蛋白尿とeGFRで調整してもeGFR 40%低下または腎代替療法への進行と独立に関連したという数値を示して、線維化の広がりを記述する意義を明確にした。
    • トピックSPECIMEN - Simple renal cyst「加齢とともに頻度が上がる」という定性的記述を数値化し、健診超音波で全体10.7%、20歳代2.4%から70歳代以降35.3%へ上昇することを補った。Bosniak分類が2019年に改訂されMRIを正式に取り込み曖昧だった画像用語に定義を与えてより多くの腫瘤を低リスク側へ入れる方針であること、v2019で分類した975腫瘤のメタ解析でclass I 0%・II 9%・IIF 26%・III 80%・IV 88%という悪性割合だったことを追加し、旧2005年版も実習・試験では現役なのでどちらの版かを意識するよう促した。
    • トピックRen soleiformis – trisomia 18蹄鉄腎の頻度を画像データに基づく約1/666(男性に多い)として冒頭に追加した。合併症については報告間の食い違いを明示し、偶発発見23例では腎結石が39%で最多だった一方、融合腎209例の検討では重篤な奇形が23%にみられるものの結石や腎盂の炎症の頻度自体は増えていないと結論されていることを並べて、蹄鉄腎なら必ず結石ができるとは読まないよう注意した。腫瘍については絶対リスクは低いが種類に偏りがあるとして、NWTSG登録8,617例中41例(0.48%)が蹄鉄腎のWilms腫瘍で13例は術前画像で認識されていなかったこと、腎カルチノイド腫瘍は報告例の15.6%が蹄鉄腎発生で相対リスク62と算出されていることを追加した。
    • トピックRenal carcinoma (HE)冒頭にWHO第5版(2022年)が各型に形態・免疫組織化学・分子検査を組み合わせた必須/望ましい診断基準を置き、SMARCB1欠失髄様・TFEB変化・ALK再構成・ELOC変異という分子定義型を導入したことを追加した。淡明細胞乳頭状腎細胞腫瘍の鑑別欄には、CK7とCA9がそろって強陽性でCD10・AMACR・TFE3が陰性、VHL変異も3p25欠失も7/17トリソミーも欠くという具体的プロファイルを補った。WHO/ISUP核異型度が淡明細胞型と乳頭状に適用され嫌色素性には適用しないことを明記し、3p欠失がほぼ全例に認められ最多の構造異常である3p欠失+5q増加が36%でchromothripsis由来かつ小児期〜思春期の開始事象であることを追加した。
    • トピックCarcinoma transitiocellulare異型度の分類が2系統併存していること(現行2段階=WHO 2004/2016、旧G1〜G3=WHO 1973)と、2021年更新のEAU予後因子リスク群が両方のグレード分類を取り込んだうえでvery high riskを新設し4群としたことを追加した。固有筋層の採取欄には、これが切除の質の代理指標でもあり初回TURBT 356例で採取率67.7%、含まれない場合の初回追跡膀胱鏡までの再発率44.4%対含まれる場合21.7%(オッズ比2.9)という実数を書き足した。予後を固定的な生存率で判断しないという記述にはEORTCリスク表の幅(1年再発15〜61%、5年進展1%未満〜45%など)を付け、さらにEORTC表もEAU 2021もBCG治療例を除いた集団由来で、BCG例では very high risk群の5年進展率が予測40.0%に対し実測16.7%と下回るため、リスク群は治療しなかった場合の目安として使うと警告を追加した。
    • トピックChronic pyelonephritis逆流と瘢痕の関係を数値化し、初回尿路感染の小児を集めた33研究のレビューで急性期DMSAの57%に腎盂腎炎の変化があり5か月以降に瘢痕が残ったのは15%、VURがあると腎盂腎炎の相対リスク1.5・瘢痕2.6、grade III以上ではより低いgradeに比べ瘢痕の相対リスク2.1であることを追加した。RIVUR試験でST合剤の予防投与は再発をほぼ半減させた(ハザード比0.50)が瘢痕発生は11.9%対10.2%で差がなく再発時の大腸菌のST合剤耐性率は63%対19%だったこと、登録データの解析でもVUR治療により逆流性腎症由来の末期腎不全が減った証拠は得られていないことを示し、予防投与で瘢痕を防げるという単純化を戒めた。診断の項では、末期逆流性腎症で透析・移植に至った42例のうち尿路感染の記録があったのは男性18例中4例・女性24例中14例にとどまり多くが腎機能低下・高血圧・蛋白尿で初めて見つかっていることを加え、感染既往がなくても逆流性腎症は否定できないと明記した。
    • トピックCarcinoma renis訂正はなく、根拠の乏しかった中核主張へ一次資料を付けた。VHL不活化の記述に、全ゲノム解析で3p欠失がほぼ全例に認められ、最多の構造異常は3p欠失と5q増加の同時発生(患者の36%、多くはchromothripsis由来)で小児期〜思春期の開始事象であることを補った。転移欄には転移性腎細胞癌10,105例での淡明細胞型92%・肺70%/リンパ節45%/骨32%/肝18%/副腎10%を、危険因子には透析患者831,804例で腎癌の標準化罹患比3.60(95%CI 3.45–3.76、全悪性腫瘍は1.18)を加え、最も確立した因子を高血圧・肥満・喫煙と明示した。
    • トピックSPECIMEN - Simple renal cyst「確実なBosniak I・IIは良性」というヘッジに数値の裏づけを与えた。2019年版Bosniak分類での975腫瘤のメタ解析から、悪性の割合をclass I 0%、class II 9%、class IIF 26%、class III 80%、class IV 88%と付記し、class IIFは参照基準が病理なら41%・画像追跡なら2%と変わる検証バイアスを注意として追加した。MRIでの読影者間一致が2019年版で改善し経験年数に左右されない点も出典付きで補った。
    • トピックAcute hemorrhagic urocystitis原因一覧の各項目に一次資料を付け、移植後出血性膀胱炎の背景がウイルスで逆になることを追記した。同種造血幹細胞移植266例でウイルス性出血性膀胱炎15.8%(アデノウイルス9.8%・BKウイルス6.0%)、アデノウイルス型はT細胞除去などの高度免疫不全、BKウイルス型は移植片対宿主病など過剰免疫反応が背景という対比を加えた。ECIL-6からBK関連出血性膀胱炎の頻度(小児8〜25%・成人7〜54%)と3項目の診断基準、大量補液・膀胱洗浄の予防効果が限定的でフルオロキノロン系は無効、シドフォビル定期使用の根拠なしを付記し、メスナの解毒機序も出典付きで補った。
    • トピックRen soleiformis – trisomia 18訂正はなく、蹄鉄腎と18トリソミーを結び付けすぎない理由を頻度で示した。蹄鉄腎は画像15,320件で1/666、併存疾患の最多は腎結石39%、偶発例の大半は手術不要という実測を追加し、形態欄には低位・回転異常・異常血管という3特徴を出典付きで補った。一方18トリソミーは出生児1/6,000〜1/8,000(胎児死亡・妊娠中断を含めても1/2,500〜1/2,600)で、診断は単一奇形ではなく症候群パターンの認識と染色体検査によることを明記した。
    • トピックChronic pyelonephritis「瘢痕をすべて感染後変化と断定しない」というヘッジに根拠を付け、逆流に伴う腎障害が先天性(胎生期の逆流と膀胱内圧動態による発生障害、最重症型は腎異形成)と感染後の後天性瘢痕で機序が別であること、低圧の無菌性逆流は逆流性腎症を起こさないことを補った。RIVUR試験607例から、2年後の腎瘢痕が児の10%・腎単位の5%、グレード4の腎単位は逆流なしに比べ新規瘢痕のオッズ比24.2(95%CI 6.4〜91.2)という数値を追加した。あわせてST合剤の予防内服が新規腎瘢痕を減らさなかった(6%対7%)ことを治療の項に加えた。
    • トピックSeminoma訂正はなく、免疫染色・腫瘍マーカー・病期Iリスクの3点に一次資料を付けた。KIT(CD117)はセミノーマ92%陽性・胎児性癌0%、CD30は胎児性癌93%・セミノーマ0%で鑑別がほぼ決まる一方、D2-40は胎児性癌の29%にも巣状陽性が出るため単独では使えないことを追記した。「純粋セミノーマはAFPを産生しない」に対しては連続254例の1.97%に軽度上昇があり非悪性対照196例の2.04%と同等という反例を挙げ、軽度上昇だけで非セミノーマ扱いしないよう補正した。監視療法1,016例の低/中/高リスク群の5年累積再発率8%/20%/44%も加えた。
    • トピックCarcinoma renis訂正はなく、静脈進展の解釈に一次資料を付けた。VHL欄には淡明細胞型の91%で変異または高メチル化を認めるという数値を補い、腫瘍栓については切除例153例で下大静脈内の高さ(level I/II/III)による10年癌特異的生存率が30%/19%/29%と差がない一方、腎静脈にとどまる66%と下大静脈level Iの29%で大きく違うことを示した。さらに1,023例の国際コンソーシアム解析から顕微鏡的腎静脈壁浸潤70.9%・下大静脈壁浸潤22.5%で、腎静脈壁浸潤例は癌特異的生存が有意に不良である点を追加し、腔内占拠か壁浸潤かの記載を促した。
    • トピックEmbryonal carcinoma訂正はなく、免疫染色の落とし穴と病期Iの再発リスクに出典を付けた。CD30は胎児性癌93〜100%・セミノーマ0〜6%で鑑別に使える一方、サイトケラチンはAE1/AE3がセミノーマでも36%(CK7で41%、CAM 5.2で30%)陽性になり、PLAPもセミノーマ100%・胎児性癌76%で両方に出るため決め手にならないことを追記した。GCNISは思春期後型に共通の前駆病変なので組織型の決め手にならない点も補った。病期I非セミノーマ1,226例の監視で5年再発率30.6%、脈管侵襲・胎児性癌成分・精巣網浸潤が揃うと50%、危険因子なしで12%、15年疾患特異的生存99.1%という数値を加えた。
    • トピックAcute hemorrhagic urocystitis訂正はなく、移植後の背景と放射線性膀胱炎の定義に出典を付けた。同種造血幹細胞移植266例でのウイルス性出血性膀胱炎15.8%(アデノウイルス9.8%・BKウイルス6.0%)と、アデノウイルス型=高度免疫不全/BKウイルス型=過剰免疫反応という対比、BK関連例の3項目診断基準を追記した。「放射線性膀胱炎は治療後長期間を経て発症することもある」というヘッジには、晩期放射線性膀胱炎が照射終了から少なくとも3か月以降と定義され、非手術的治療の無作為化比較試験が1件も存在しないという根拠を付けた。
    • トピックTeratoma adultum (HE)訂正はなく、12p異常・思春期後型・体細胞型悪性腫瘍の3点に根拠を付けた。12p増加は男性胚細胞腫瘍の約73%に存在し感度77.2%・特異度97.3%なので、検出されないことを思春期前型の根拠にしない旨を補った。WHO 2016分類が年齢ではなく発生機序で分け、思春期後の精巣にもまれに良性の思春期前型奇形腫が存在すると明記していることを注意として追加した。体細胞型悪性腫瘍は胚細胞腫瘍の約2.7〜8.6%、121例の内訳は肉腫59例・癌31例・肉腫様卵黄嚢腫瘍17例、遅れて判明した例では診断からの期間中央値33か月、5年癌特異的生存率64%という数値を加え、未熟性の記載が必須でないのと重みが違う点も補った。
    • トピックMALE GENITALIA Seminoma訂正はなく、用語改訂と「一律に放射線療法としない」というヘッジに出典を付けた。2016年WHO分類が前駆病変の推奨用語をGCNISに統一し、精巣胚細胞腫瘍をGCNIS由来群とGCNIS非関連群に二分し、精上皮腫を精母細胞性腫瘍へ改称してGCNIS非関連群へ移したことを追記した。I期経過観察の根拠としてデンマーク全国1954例(追跡中央値15.1年、再発369例、15年疾患特異的生存99.3%)を、リスク因子として腫瘍径4cm超のハザード比1.59〜2.8・精巣網浸潤1.4〜1.7を挙げつつ、4cmというカットオフの根拠が乏しく大多数は摘除のみで治癒するため補助療法の適応を機械的に決めない旨を補った。
    • トピックNodular hyperplasia「加齢でDHTが必ず上昇する」を否定する既存の記述に実測を付けた。前立腺内DHT濃度は結節性過形成で上昇しておらず、血漿テストステロンが加齢で低下しても前立腺内では正常に保たれること、優位なのはtype 2の5α還元酵素でフィナステリドが血清DHTを約70%・前立腺内DHTを85〜90%抑えることを追記した。「大きさと症状は比例しない」には、年齢が症状スコアの変動の3%、前立腺容量と最大尿流量率を足しても追加10%しか説明しない(容量50mL超では中等症以上のオッズ3.5倍)という数値を付けた。癌の好発部位についても、発生帯を同定できた88癌が辺縁帯68%・移行帯24%・中心帯8%で移行帯癌は過形成結節内から出たようにみえることを補った。
    • トピックEmbryonal carcinoma (image)訂正はなく、免疫表現型の一覧に出典を付けたうえで読み方を補った。110例の検討からGCNIS・セミノーマ・胎児性癌はSALL4とOCT4がいずれも90%超の細胞で強陽性、卵黄嚢腫瘍はSALL4陽性・OCT4陰性、奇形腫と絨毛癌もOCT4陰性という組合せを追記した。OCT3/4ではセミノーマと胎児性癌を切り分けられず、SOX2(胎児性癌)とSOX17(セミノーマ)がほぼ排他的に働くことを加えた。
    • トピックProstate adenocarcinoma「多くは辺縁帯に生じる」に発生帯68%/24%/8%の内訳を添え、多数派であって唯一の発生帯ではないと明示した。ISUPグレードグループの由来を2014年ISUP合意会議と2016年WHO分類に帰属させ、篩状腺管はすべてパターン4・糸球体様構造もパターン4・面疱壊死はパターン5、最低スコアが6になる理由を追記した。3+4=7ではパターン4の割合ではなく浸潤性篩状/導管内増殖の有無が全摘後の生化学的再発を独立して予測する(調整ハザード比2.40、%GG4はハザード比1.00)ことを注意として加え、積極的監視の除外基準に反映した。34βE12・p63・AMACRの3剤カクテル染色の特異度100%・感度93.8%も補った。
    • トピックEmbryonal carcinoma訂正はなく、鑑別免疫染色と病期Iの選択に出典を付けた。67例の検討でセミノーマは全例SOX17陽性・SOX2陰性、胎児性癌は1例の巣状陽性を除き全例SOX2陽性・SOX17陰性で、OCT3/4は両者共通のため鑑別に使えないことを追記した。脈管侵襲による層別化については経過観察下の再発率が陽性41.7%・陰性13.2%、BEP 1コース後は3.2%・1.3%という数値を加え、危険因子で選別せず全例を経過観察した223例でも再発26%(88%が2年以内)・疾患特異的生存率100%で約75%が摘除以外の治療を免れたことを補った。
    • トピックExtrauterine gravidity着床部位の表に手術治療された1800例の実測(卵管膨大部70.0%、峡部12.0%、采部11.1%、卵巣3.2%、卵管間質部2.4%、腹腔1.3%、頸管妊娠は0例)を追加した。危険因子には骨盤内感染症既往の調整オッズ比3.4、1日20本超の喫煙で3.9という数値を付け、「危険因子がない症例も多い」というヘッジには同研究で全因子の寄与危険割合が0.76にとどまる点を根拠として添えた。治療では腹腔鏡手術が最も費用対効果に優れ、全身メトトレキサートが見合うのは多回投与法で血清hCG 3000 IU/L未満・単回投与法で1500 IU/L未満に限られ、その後の妊孕性に差がないことを補った。
    • トピックSPECIMEN - Graviditas extrauterine切り出し量が所見の検出率を左右することを実測で補った。卵管妊娠標本で十分に切り出した前向き100例では峡部結節性卵管炎が57例に見つかったのに対し、日常診断の後ろ向き100例では7例(再検討で27例)にとどまり、対照卵管では5例だったという対比を追加した。既存の「浸潤という語だけで悪性と判断しない」という注意には逆向きの実害を添え、卵管異所性胞状奇胎が疑われて紹介された25例の85%が奇胎ではなく(65%が早期胎盤形成、35%が水腫性流産)、絨毛周囲全周性の栄養膜増殖と水腫性変化がそろわない限り妊娠性絨毛性疾患と診断しないと明記した。
    • トピックTeratoma adultum (HE)訂正はなく、「成熟した組織だから良性」と結論しないというヘッジに根拠を付けた。2016年WHO分類がGCNIS由来群とGCNIS非関連群に二分し、同じ成熟像でも思春期前型は良好・思春期後型は悪性胚細胞腫瘍として扱う枠組みであることを追記した。体細胞型悪性腫瘍は胚細胞腫瘍の約2.7〜8.6%で5年疾患特異的生存率64%、卵巣成熟嚢胞性奇形腫の悪性転化は2019例中16例(0.8%)でうち扁平上皮癌75%という数値を表と本文に加えた。
    • トピックMola hydatidosap57と腫瘍化率の欄に数値と出典を付けた。前向き検討から全胞状奇胎564例の99.8%がp57陰性・部分奇胎486例の99%が陽性、奇胎後腫瘍化は全奇胎約20%・部分奇胎1〜4%とした。「空の卵子に必ず2精子が受精するとは限らない」という既存の記述には、父性由来と確定した全奇胎148例の85%が単精子受精由来、部分奇胎は二父性三倍体484例の99%が二精子受精由来というgenotypingの数値を添えた。さらにp57が分けるのは全奇胎かそれ以外かだけで部分奇胎と水腫性流産の区別にはgenotypingが要ること、正常化後の追跡は全奇胎17,424例で腫瘍発症0.2%・56日未満正常化群の相対リスク0.25という根拠から一律でないことを追加した。
    • トピックNodular hyperplasia「加齢で5α還元酵素が必ず増えDHTが一律に増える」という単純化を否定する記述に実測を付けた。前立腺内DHTは結節性過形成で上昇せず、優位なのはtype 2でフィナステリドが血清DHTを約70%・前立腺内DHTを85〜90%抑えることを追記した。前立腺容量と症状の不一致には、年齢が症状スコア変動の3%・容量と最大尿流量率を足しても追加10%という数値を添えた。治療にはMTOPS試験3,047例(平均4.5年)の臨床的進行リスク低下率ドキサゾシン39%・フィナステリド34%・併用66%と、急性尿閉と侵襲的治療を有意に減らしたのは併用とフィナステリドのみである点を加え、癌の帯別分布(辺縁帯68%・移行帯24%・中心帯8%)から過形成が癌へ進展する意味ではないことも明記した。
    • トピックPenis carcinoma分類の枠組みを更新し、WHO第5版(2022年)が浸潤癌の形態パターンをHPV関連型とHPV非依存型の2群にまとめたことを追記した(旧PIN 1〜3表記との対応も残した)。p16免疫染色陽性が全生存HR 0.54、無病生存HR 0.52、疾患特異的生存HR 0.34と関連する一方、HPV DNA陽性は全生存とは関連しない(HR 0.92)というメタ解析3,944例の結果を加え、p16を初期診断評価に組み込む推奨の理由を示した。「リンパ節病期が予後に大きく影響する」というヘッジには5年生存率が限局90%から所属リンパ節転移陽性50%へ落ちる数値と、中間〜高リスクcN0(pT1G2、pT1〜4G3/G4、脈管侵襲陽性)へのダイナミックセンチネルリンパ節生検を補った。
    • トピックReal knot in umbilicus「真結節があるだけで胎児死亡の原因と断定しない」というヘッジに数値を付けた。単胎69,139分娩で真結節は1.2%(841例)、分娩前胎児死亡は真結節群1.9%対非真結節群0.5%と約4倍だが裏返せば98%では起きていないこと、報告により頻度0.04〜3%・死産リスク4〜10倍と幅があり出生前に疑われた場合の管理指針が主要学会から示されていないことを追記した。危険因子欄には真結節54本と正常臍帯108本の比較で長い臍帯・男児・経産が有意という根拠を添えた。さらに摘出臍帯50本の灌流圧実験から、緩い結節は灌流圧を変えず、Wharton膠様質に守られた血管の完全閉塞はまれであることを補った。
    • トピックCarcinoma planocellulare cervicis uteri「全例HPV関連と断定しない」というヘッジに、まれさの程度を数値で与えた。3,869例にp16免疫染色・2種のHPV-DNA PCR・HPV mRNA in situ hybridizationの4法をすべて施行すると全法陰性の真のHPV非依存例は6例(0.16%)にとどまり、27例が結果不一致、HPV非依存例は60歳超・p53異常染色と関連したことを追記した。病期の項には2018年FIGO改訂(画像・病理を病期決定に使用、IA期から水平方向の計測を削除、IB1/IB2/IB3への細分、後腹膜リンパ節転移のIIIC1・IIIC2、r/p記号)を加え、FIGO 2021が低侵襲手術の不利を述べている点を注意として追加した。
    • トピックProstate adenocarcinoma「固定した4 ng/mL閾値で診断・除外しない」というヘッジに実測を付けた。前立腺癌予防試験でPSAが一度も4.0 ng/mLを超えず直腸診も正常だった2,950例の生検で15.2%に癌、うち14.9%がGleasonスコア7以上、頻度はPSA 0.5以下でも6.6%・3.1〜4.0で26.9%と連続的に上がることを追加した。grade groupの由来を2014年ISUP合意会議に帰属させ、最低スコアが6であること、篩状腺管はすべてパターン4・糸球体様構造もパターン4・面疱壊死はパターン5を明記した。3+4=7では篩状/導管内増殖の有無が独立予測因子(調整ハザード比2.40)でパターン4の割合は独立因子でない(ハザード比1.00)ことと、3剤カクテル染色の特異度100%・感度93.8%も補った。
    • トピックProstate: benign glands versus adenocarcinoma (image)訂正はなく、既存の判断基準に出典を付けたうえで篩状構築の扱いを補強した。基底細胞層の消失を優先するという記述に3剤カクテル染色の裏づけを、パターン4を構築の根拠なく当てないという記述に2014年ISUP合意会議の定義を紐づけた。あわせて2019年ISUP合意会議が浸潤性篩状癌の病理報告への明記と導管内癌のグレード判定への組み込みを合意したこと、3+4=7では篩状/導管内増殖が独立予測因子(調整ハザード比2.40)でパターン4の割合はそうでないことを追加した。
    • トピックTeratoma maturum cysticum cysta dermoides ovarii合併症と悪性転化の記述を数値化した。付属器捻転3〜21%、破裂1〜4%、感染1〜4%を明記し、「悪性転化はまれ」を報告により0.17〜2%と幅がある形に改め、うち扁平上皮癌が約半数であることを添えた。成熟嚢胞性奇形腫が単為発生性腫瘍で腫瘍組織の動原体近傍多型が一様にホモ接合となるという発生機序を追加し、654例の系統的レビューから悪性転化例の多くが閉経後・腫瘍径10cm超で見つかり病期が上がるほど全生存が悪化する一方、化学療法・放射線療法の追加は生存改善と関連しなかったことを注意として加えた。
    • トピックExtrauterine gravidity既存の記述に出典を割り当てるのが中心で、大半は卵管妊娠であること・破裂前診断・治療選択・単一β-hCG値で判断しないという各主張に一次資料を紐づけた。単一β-hCG値については判別域3,000 mIU/mLを当てても異所性妊娠の感度35%・特異度58%という救急外来256例の実測が根拠となる。あわせて卵管妊娠が胞状奇胎と過剰診断されやすいことを注意として追加し、疑われた25例の85%が奇胎ではなく65%が早期胎盤形成・35%が水腫性流産であったこと、絨毛周囲全周性の栄養膜増殖がそろわない限り診断しないことを明記した。
    • トピックHigh grade serous carcinoma (cystadenocarcinoma ovarii)「TP53異常はほぼ必須」に489例の統合ゲノム解析でTP53変異96%・約半数で相同組換え機能欠損という数値を付けた。卵管起源説の根拠としてSEE-FIMプロトコルによる骨盤漿液性癌55例の検討(75%が卵管内膜に病変、卵管上皮内癌の93%が采部、上皮内癌と併存卵巣癌が同一のTP53変異を共有)を追加した。同時に「多くは」であって全部ではない点を補い、すべてのSTICが進展するわけでもすべての高異型度漿液性癌がSTIC由来でもなく、STICの臨床的意義が明確なのは生殖細胞系列BRCA1/2変異保有者で、症例の85〜90%を占める一般集団では相対的に不明確であることを明記した。
    • トピックSPECIMEN - Graviditas extrauterine「卵管妊娠が最多だが標本名だけで臓器を決めない」という記述に、1800例の着床部位内訳(膨大部70.0%、峡部12.0%、采部11.1%、卵巣3.2%、卵管間質部2.4%、腹腔1.3%)を添えた。栄養膜の生理的浸潤を誤認しないという注意には、絨毛外栄養膜のシート状増殖が卵管妊娠でとくに目立つこと、絨毛周囲全周性の栄養膜増殖と水腫性変化がそろわない限り妊娠性絨毛性疾患と診断しないことを補った。さらに峡部結節性卵管炎の検出が切り出し量に左右される(十分に切り出した前向き100例で57例、後ろ向き100例の当初報告は7例、対照卵管は5例)ことを追加した。
    • トピックTypical simple hyperplasia旧WHO94の4分類と現行WHO 2014の2分類の対応を根拠付きで整理した。子宮摘出を受けなかった増殖症170例の平均13.4年追跡で癌への進展が異型なし122例中2例(1.6%)に対し異型ありは23%(P=0.001)、単純型1%・複合型3%・単純型異型8%・複合型異型29%という4亜群間の差は有意でなく、判別因子は細胞異型の有無だけだったことを示し、構築による細分が診断名から外れた経緯を明記した。診断の項には、生検で異型増殖症とされた289例の子宮全摘標本の42.6%に癌が併存し、その30.9%が筋層浸潤を伴っていたという数値を追加した。
    • トピックEndometrioid endometrium carcinoma分子分類の表に高リスク例(PORTEC-3、410例)の5年無再発生存と構成比を追加した。POLE変異型98%(12%)、MMRd 72%(33%)、NSMP 74%(32%)、p53abn 48%(23%)で、術後化学放射線の上乗せが有意に効いたのはp53異常型のみである点を明記した。4群の元の名称がTCGA 373例の統合ゲノム解析によるPOLE超変異型・マイクロサテライト不安定性高変異型・コピー数低値型・コピー数高値型であること、日常検査ではミスマッチ修復蛋白免疫染色・POLE変異解析・p53免疫染色の組合せで再現できることを補った。治療の項にはFIGO 2023が分子分類を病期に組み込み、I・II期でPOLE変異型ならIAmPOLEmutへ下がりp53異常型ならIICmp53abnへ上がることを追加した。
    • トピックMola hydatidosa持続性病変の欄を数値化し、奇胎後妊娠性絨毛性腫瘍を全奇胎約20%・部分奇胎1〜4%と明記した。p57は前向き2217例で全奇胎の99.8%が陰性・部分奇胎の99%が陽性である一方、母性11番染色体が残存した全奇胎は陽性・同染色体を失った部分奇胎は陰性という例外の向きと、部分奇胎と非奇胎流産を区別できない限界を追加した。臨床の項には超音波単独の全体正確度44.38%(全奇胎の感度44.33%、部分奇胎37.5%)・形態のみの病理診断65.97%(κ=0.364)という821例の再評価を、追跡には正常化後の腫瘍発症0.2%と56日未満正常化群の相対リスク0.25を加えた。
    • トピックFollicular ovarian cyst「経過観察できることが多い」という記述に判断基準と実測を与えた。O-RADS US v2022から、3cm以下の生理的卵胞・黄体は閉経前に限りO-RADS 1(悪性リスク0%)、単純嚢胞などはO-RADS 2(同1%未満)、単純嚢胞の追跡閾値は閉経前5cm以下で追跡不要・閉経後3cm超で12か月後追跡と閉経状態で変わることを追記した。さらにIOTA5の1,919例で2年以内の自然消失が20.2%(95%CI 18.4–22.1)にとどまり浸潤癌は0.4%だったことを挙げ、「良性=すぐ消える」と説明しないよう注意を加えた。この分母は単純嚢胞に限らず良性像の付属器腫瘤全体で機能性嚢胞そのものの消退率ではない点も明示している。
    • トピックPenis carcinomaWHO第5版(2022年)が浸潤癌の形態パターンをHPV関連型とHPV非依存型の2群に整理し、疣状癌・乳頭状癌・基底細胞様癌などの旧亜型はこの2群の下に配置し直されたことを追記した。p16陽性が全生存HR 0.54・無病生存HR 0.52・疾患特異的生存HR 0.34と関連する一方HPV DNA陽性は全生存と関連しない(HR 0.92)というメタ解析3,944例を加えた。「衛生不良だけで個人を責めない」という記述には、発生率の地理差(西欧・米国10万人あたり0.3〜2.1人、南米・南アジア・サハラ以南アフリカ3〜7人)と環状切除が慣習の集団でほぼ発生しないことを根拠として添え、集団単位の要因として説明するのが正確とした。5年生存率が限局90%から所属リンパ節転移陽性50%へ落ちる点と中間〜高リスクcN0へのセンチネルリンパ節生検も補った。
    • トピックReal knot in umbilicus頻度と転帰を相対リスク・絶対リスクに分けて記述した。単胎85,541妊娠で真結節1.0%(867例)、母体年齢・BMI・妊娠回数・分娩回数が有意に高く多産との関連が裏づけられること、報告値が0.04〜3%と幅を持つのは多くが分娩時に初めて気づかれるためであることを追加した。子宮内胎児死亡は真結節群2.5%対非真結節群1.0%、37週以降で約10倍、総説では死産リスク4〜10倍とされる一方、絶対値では97%以上が胎児死亡に至らないことを明記した。243,639例のコホートで生存児の長期神経学的入院に差がなかったこと、出生前診断の限界と主要学会の指針不在、37週前後の分娩誘発と持続的モニタリングを妥当とする報告があるにとどまる段階であることも補った。
    • トピックSPECIMEN - Endometrial carcinoma「I型・II型の二分法は個々の腫瘍の予後・治療を十分に表さない」という既存のヘッジに具体例を与えた。TCGA 373例の解析で高異型度類内膜癌の約25%が広範なコピー数異常・低ER/PR発現・高頻度TP53変異という漿液性癌側の像を示し、この解析からPOLE変異型が切り出されて四群分類の原型になったことを追記した。PORTEC-3の分子群別5年無再発生存(p53異常型48%、POLE変異型98%、MMR欠損型72%、NSMP 74%)と、術後化学放射線の上乗せが有意に効いたのはp53異常型のみである点を加えた。さらにFIGO 2023では分子分類が病期そのものを動かし(IICmp53abn、IAmPOLEmut)、FIGO 2009とは同じ標本でも答えが変わることを注意として明記した。
    • トピックCarcinoma planocellulare cervicis uteriLSIL/HSILの2段階用語がLAST勧告(2012年)由来で下部肛門生殖器の全部位に共通し、旧CIN分類はこの2段階の下に位置づけ直されたことを追記した。「まれなHPV非依存性扁平上皮癌もある」には程度を与え、3,869例に4法すべてを施行して全法陰性は6例(0.16%)、27例が検査間で不一致、p16免疫染色の感度・特異度・陽性的中率は直接的HPV検査3種と同等、HPV非依存例は60歳超・p53異常染色と関連するという数値を加えた。治療の項には2018年FIGO改訂の内容(IB1/IB2/IB3、IIIC1・IIIC2、IA期からの水平方向計測の削除、r/p記号)を追加し、FIGO 2021が低侵襲手術の不利を述べている点を注意として明記した。
    • トピックCystadenocarcinoma ovarii「上皮性癌を一括して卵巣表面上皮由来としない」という記述に改訂版の二元的発生モデルを紐づけ、I型が子宮内膜症関連腫瘍・低異型度漿液性癌・粘液性癌と悪性Brenner腫瘍の3群に分かれ、II型は大部分が高異型度漿液性癌であること、I型は卵巣に着床した卵巣外の良性病変の悪性転化、II型の多くは卵管上皮内癌から始まり卵巣と卵巣外を同時に巻き込んで播種することを追加した。漿液性癌の異型度は3段階ではなく2段階で付けること、低異型度はKRAS・BRAF変異が多くTP53変異が少ない別物で、化学療法抵抗性でも比較的予後が良くKRAS/BRAF変異自体が予後良好因子であることを注意として加えた。CA125による一律スクリーニングの記述にはUKCTOCSが長期追跡でも死亡率低下を示せなかったことを根拠として付けた。
    • トピックEndometriosis ovarii「明細胞癌・類内膜癌のリスクが上がるが絶対リスクは低い」という表の記述に根拠を付けた。13研究の統合解析で子宮内膜症既往と明細胞癌のオッズ比3.05(95%CI 2.43–3.84、明細胞癌の20.2%対対照6.2%)だが関連は組織型特異的であること、症例対照研究が出すのは相対リスクなので子宮内膜症が生殖年齢女性の約10%に及ぶ頻度と合わせて読むことを追加した。分子的橋渡しとしてARID1A体細胞変異が明細胞癌の46%・類内膜癌の30%にあり高異型度漿液性癌76例では0例、腫瘍に連続する異型内膜症にのみ変異とBAF250a消失が見られたことを補った。逆にドライバー変異の存在は悪性の証明にならず、深部浸潤型子宮内膜症39病変の26%が変異を持ちながら悪性転化リスクはほぼ無いとされる点も明記した。
    • トピックTeratoma maturum cysticum / cysta dermoides ovarii (image)「疾患一般の確認項目であり、この標本で確認された所見を意味しない」という但し書きに事前確率を添えた。成熟嚢胞性奇形腫が全卵巣腫瘍の11%・卵巣胚細胞腫瘍の69%・卵巣奇形腫全体の95%を占める一方、悪性転化は全体の1.5〜2%で組織型は扁平上皮癌が最多、次いで腺癌・肉腫であることを追記した。悪性化は構成するどの組織からも起こりうるため悪性転化を独立した確認項目として置く意味があること、年齢の上昇・腫瘍最大径・腫瘍マーカー値が予測指標で充実部を十分にサンプリングすることが検出に役立つことを加えた。
    • トピックFibrocystic diseaseリスクの序列を数値化した。Mayo Clinicの9,087人コホートで相対リスクが非増殖性1.27・異型なし増殖性1.88・異型過形成4.24でこの差が生検後少なくとも25年続くこと、Nashvilleの3,303人コホートでも1.9倍・5.3倍と同じ序列であることを追加した。線維嚢胞性変化を疾患単位として扱わない理由として、良性乳腺生検を受けた女性の70%はリスク上昇を伴わず、Mayoコホートでも67%が非増殖性病変だけだったことを添えた。異型過形成については30年累積罹患率が約35%、多巣性(石灰化を伴う3巣以上でRR 10.35)や45歳未満(RR 6.76)でさらに高く、異型乳管過形成と異型小葉過形成でリスクに差がなく家族歴は異型例のリスクをさらに上げないことを注意として加え、まとめの箇条書きにも数値を反映した。
    • トピックTeratoma maturum cysticum / cysta dermoides ovarii両側性を「少数例」から12%程度へ、卵巣捻転を3〜21%(5〜15cmの中等大で起こりやすい)へ、悪性転化を「まれ」から1〜2%(30〜70歳、とくに40〜60歳、10cm超)でその50%が扁平上皮癌へと数値化した。好発20〜40歳・成人の全卵巣腫瘍の約20%・小児卵巣腫瘍のおよそ半数という頻度、および超音波でのRokitansky隆起(dermoid plug)の診断的意義を追記した。悪性転化を「まれ」で片づけない理由として、扁平上皮癌転化の5年生存率が病期I期85.8%からIV期0%まで急落することを加えた。
    • トピックHigh grade serous carcinoma (cystadenocarcinoma ovarii)卵管采起源説に一次資料の実数を付けた。卵管を全割するSEE-FIMプロトコルで検索した骨盤内漿液性癌55例の75%に卵管内膜病変があり、卵巣原発とされた30例中20例に卵管上皮内癌が併存し、その93%が卵管采にあり、比較しえた5例では同一のTP53変異を共有していた。TP53異常が「ほぼ必須に近い」という記述にはTCGA 489例の変異96%と相同組換え欠損が約半数という数値を、予後の記述には進行卵巣癌3,126例で肉眼的完全切除が残存1〜10mm群より無増悪生存・全生存とも有意に良好(P<.0001)という結果を付与した。低異型度漿液性癌はTP53変異が少なくKRAS・BRAF変異が多いため2段階の異型度分類が生存予測に優れる点も加えた。
    • トピックInvasive carcinoma – NST特殊型の例示から「髄様癌」を削除した。WHO乳腺腫瘍分類第5版(2019)では髄様癌は独立した組織学的亜型ではなくなり、腫瘍浸潤リンパ球(TILs)に富む非特殊型浸潤癌のスペクトラムの一端として扱われるためで、旧分類の名称と形態も併記したうえで現行の位置づけを追加した。頻度を数値化し、NSTが全乳癌の60〜70%、特殊型で最多の浸潤性小葉癌が5〜15%であることを付与した。組織学的グレードについても、腺管形成の割合・核の多形性・規定視野での核分裂像数という3項目の合計で3段階に分ける方式であることを明記した。
    • トピックInvasive lobular carcinoma浸潤性小葉癌の頻度を全浸潤性乳癌の5〜15%と数値化し、E-カドヘリン喪失の分子的裏づけとしてCDH1の蛋白切断型変異と16q22.1のヘテロ接合性喪失を加えた。非典型部位への転移という記述を乳癌2,605例の比較データで具体化し、消化管4.5%対0.2%、婦人科臓器4.5%対0.8%、腹膜・後腹膜3.1%対0.6%、骨髄21.2%対14.4%と小葉癌で多い一方、肺・胸膜転移はむしろ少ない(2.5%対10.2%)ことを示した。あわせて、小葉癌が非特殊型より予後良好で内分泌療法によく反応し化学療法に反応しにくいという通説を現時点のデータが一致して支持しているわけではない、という注意を新設した。線維形成反応を惹起しにくい組織学的性質そのものがマンモグラフィ偽陰性と非触知性の原因であることも明記した。
    • トピックTypical simple hyperplasia標本名「typical simple hyperplasia」が旧WHO94分類の4群(異型なし単純型・複合型/異型単純型・複合型)の呼称であり、WHO 2014以降は異型なし増殖症と異型増殖症(EIN)の2群へ整理されていることを追記し、旧名と新分類の対応を示した。悪性化率1〜3%対20〜50%という数値の出どころを2つに分解した。1年以上子宮摘出を受けなかった170例の追跡では癌進展が異型なし1.6%対異型増殖症23%(P=0.001)であるのに対し、生検で異型増殖症とされ12週以内に子宮全摘を受けた289例では摘出標本の42.6%に癌が併存しており、前者は将来の進展率、後者は既に癌がある率で意味が違うことを明記した。同じ289例の専門病理医3名による再評価で25.6%が異型増殖症未満・29.1%が既に癌と判定された点も加え、生検診断の再現性の限界を示した。
    • トピックEndometrioid endometrium carcinomaFIGO 2023病期分類が分子分類を病期そのものへ統合していることを具体化し、分子分類の実施が全例で推奨され判明時は病期に「m」と亜型の下付きを付すこと、I・II期でもPOLE変異型ならIAmPOLEmutへ下がりp53異常型ならIICmp53abnへ上がることを追記した。分子背景の記述にはTCGA 373例の解析(類内膜癌の多くはコピー数変化もTP53変異も乏しくPTEN・CTNNB1・PIK3CA・ARID1A・KRAS変異が高頻度、高異型度類内膜癌の約25%は漿液性癌と同様の像)を付与した。さらにPORTEC-3の分子解析で5年無再発生存がPOLE変異型98%・MMR欠損型72%・NSMP 74%・p53異常型48%と分かれ、術後化学放射線の上乗せが有意に効いたのはp53異常型のみ(P=.019)であることを加えた。
    • トピックMicrocalcification, DCIS (HE)乳頭Paget病が背景のDCIS・浸潤癌を伴うのは「必ず」ではなく90%超であると補正し、背景の癌が乳頭乳輪複合体から2cm以上離れることや、マンモグラフィが最大50%の症例で陰性でありうる点を追加した。石灰化についてはリン酸カルシウム(II型、好塩基性・非複屈折性、良悪性いずれにも伴う)とシュウ酸カルシウム(I型、無色・複屈折性、良性嚢胞にのみ)の2型を導入し、I型はvon Kossa・alizarin red染色に染まらずHEで見落とされるため、マンモグラフィと切片の石灰化数が食い違うときは偏光顕微鏡を併用することを加えた。石灰化の化学組成(ハイドロキシアパタイトへの炭酸イオン取り込み量)が良性から上皮内癌、浸潤癌へと有意に低下するという知見も補った。
    • トピックFibroepithelial tumors冒頭の「20〜30歳代の女性にホルモン依存性に生じる」を線維腺腫と葉状腫瘍で好発年齢が同じではないと訂正し、切除確認例の診断時年齢中央値が線維腺腫23.0歳対葉状腫瘍39.0歳、腫瘍径中央値が2.0cm対5.0cmであることを付与した。間質が腫瘍性成分であることの分子的裏づけとして、MED12変異が葉状腫瘍46例中37例・線維腺腫58例中36例に見られ顕微解剖では間質成分に限局することを加えた。悪性葉状腫瘍のWHO基準(浸潤性辺縁・著明な間質細胞密度・著明な間質異型・核分裂像10個以上/10 HPF・間質過形成の5所見がすべて揃う)を明記したうえで、この要件が議論の途上にあること(悪性65例で5所見を満たすのは20%、遠隔転移例30例の30%はWHO基準では境界悪性)も併記した。
    • トピックFollicular ovarian cyst (image)卵巣嚢胞が「非常に多い」という記述に、連続経腟超音波による有病率が閉経前34.9%・閉経後17.0%という実測値を付与した。合併症欄には、5cmを超える嚢胞が捻転例で多い一方、捻転疑いで手術に至った小児・思春期例の43%は実際には捻転ではなかったという数値を加え、画像所見だけで捻転を確定できないことを示した。
    • トピックFollicular ovarian cyst濾胞嚢胞の頻度に連続経腟超音波での有病率(閉経前34.9%・閉経後17.0%)を、「多くは自然消退する」というヘッジには初回超音波で異常とされた病変の63.2%が以後の検査で正常化し初回像が複雑・充実性・両側性でも消退例が少なくなかったという実測値を付与した。さらにSociety of Radiologists in Ultrasoundの2019年コンセンサスから、単純性付属器嚢胞の報告・経過観察の閾値(閉経前は3cmで報告・5〜7cm超で追跡、閉経後は1cm超を記録・3〜5cm超で追跡、10〜15%以上縮小すれば追跡終了、増大例は嚢胞腺腫を考える)を追加した。
    • トピックSPECIMEN - Malignant breast tumor「乳癌は女性の癌死因として肺癌に次いで第2位」という記述を訂正した。GLOBOCAN 2022の推計では女性乳癌は全癌罹患の11.6%・全癌死亡の6.9%を占め、女性に限れば罹患・死亡のいずれでも最多の癌腫であり、第2位という順位は集計範囲によって変わることを明示した。左右差については韓国171,500例で左/右比1.031・生存率に左右差なしという数値を、遺伝性素因には80歳までの累積乳癌リスクがBRCA1で72%・BRCA2で69%という数値を付与した。
    • トピックMultinodular goiterWHO内分泌・神経内分泌腫瘍分類第5版(2022)が、多結節性甲状腺腫の背景にある多発性病変を「甲状腺濾胞性結節性疾患(FND)」という用語で扱うようになったことを追記し、臨床用語としての多結節性甲状腺腫・腺腫様甲状腺腫との読み替えを示した。「結節が多発しているから良性らしい」という経験則を否定する根拠として、10mm超の結節に穿刺を行った1,985例で患者あたりの癌の頻度が単発14.8%・多発14.9%とほぼ同じ(P=0.95)であることを付与した。ただし多発例では癌が46%で多発性、癌の72%が最大結節にあるため、穿刺する結節は大きさではなく超音波所見のパターンで選ぶ点も併記した。
    • トピックSPECIMEN - Endometrial carcinomaBokhman二分法の記述に原著の実数(子宮内膜癌366例で第1型65%・第2型35%、5年生存率85.6%対58.8%)を付与し、群間の平均が違うだけで同一組織型内の幅は説明できないという既存のヘッジを裏づけた。加えてPORTEC-3の分子解析(5年無再発生存がPOLE変異型98%・MMR欠損型72%・NSMP 74%・p53異常型48%、術後化学放射線の上乗せが有意に効いたのはp53異常型のみ)を示し、予後と治療効果を分けるのが組織型ではなく分子群であることを具体化した。FIGO 2023が組織型・脈管侵襲・分子分類を病期そのものへ統合した点も追記した。
    • トピックCystadenocarcinoma ovarii卵巣漿液性癌のグレードが核異型を主要指標・核分裂率を副次的指標とする2段階分類であること(低異型度は10 HPFあたり12個まで、高異型度は12個超、平均年齢41.7歳対55歳)を追加し、旧来のFIGO・Shimizu/Silverbergの3段階分類とは一対一に対応しないことを明記した。卵管采起源の記述にはSEE-FIMで検索した骨盤漿液性癌55例の75%が卵管内膜に病変をもち卵管上皮内癌の93%が采部にあり同一TP53変異を共有していたという実数を付与した。妊孕性温存については、II・III期の漿液性境界悪性腫瘍224例中74例が温存手術を受け妊娠を試みた35例中21例が妊娠、低異型度漿液性癌への進展は1例にとどまったという結果を加えた。
    • トピックHashimoto thyroiditis「B細胞性リンパ腫のリスクがわずかに上昇する」という記述を、相対リスクと絶対リスクを切り分ける形に書き換えた。相対リスクは大きく(甲状腺リンパ腫60倍、メタ解析のオッズ比12.92、95%信頼区間2.15〜77.63)、原発性甲状腺リンパ腫自体が非常にまれなので絶対リスクは小さいままである、と整理した。乳頭癌との関連は1.6倍程度(オッズ比1.65)で、研究のバイアスリスクと異質性が大きく危険因子と断定できない位置づけであることも追記した。女性が男性の7〜10倍という性差、レボチロキシン1.4〜1.8µg/kg/日という補充量の目安、線維性亜型・IgG4陽性橋本病・Riedel甲状腺炎という亜型の存在も加えた。
    • トピックEndometriosis ovarii鉄による酸化ストレス説の裏づけとして、内膜症性嚢胞21検体の内容液中の遊離触媒鉄濃度が100.9 mmol/Lで非内膜症性嚢胞11検体の0.075 mmol/Lより桁違いに高く、脂質過酸化物・8-ヒドロキシデオキシグアノシンの上昇を伴っていたという実測値を付与した。ARID1A変異の頻度(明細胞癌119例中55例=46%、類内膜癌33例中10例=30%、高異型度漿液性癌76例では0例)と、腫瘍に連続する異型内膜症のみが変異とBAF250a消失を共有し離れた病変には認められないことを追加し、これが早期事象と推測される根拠であることを示した。一方で癌化を過度に疑わせないため、良性の深部浸潤型子宮内膜症でも39病巣中10病巣にドライバー変異がありながら悪性転化リスクはほぼ無いこと、疫学的関連は組織型特異的で内膜症既往と明細胞癌のオッズ比が3.05であることを併記した。
    • トピックPapillary thyroid carcinoma核所見に依拠する診断がぶれることの根拠を付与した。経験豊富な甲状腺病理医10人が濾胞型乳頭癌87腫瘍を判定した研究で全員一致の累積頻度は39%にとどまり、有用とされた所見は核内細胞質封入体・豊富な核溝・すりガラス状核の3つで、転移例に限れば一致率が上がる(全員一致66.7%)ことを示した。NIFTPについては、2016年の改称であること、診断基準(乳頭構造1%未満・砂粒体なし・核スコア2〜3・被膜浸潤と血管浸潤なし・400倍10視野に分裂像3個以上がないこと)、改称の根拠(非浸潤例109例が中央値13年で全例無病生存に対し浸潤例101例は12%に有害事象)、WHO第5版で低リスク腫瘍カテゴリーに置かれ分裂像数で格上げされBRAF V600EやTERTプロモーター変異があれば除外されることを追加した。TCGA 496例で駆動異常不明例が25%から3.5%へ縮小した点も加えた。
    • トピックFibrocystic disease訂正はなく、通常型過形成か異型過形成かという線引きの意味と限界に出典を付けた。Mayo Clinicの良性乳腺疾患9,087人・中央値15年の追跡で乳癌の相対リスクが非増殖性1.27・異型なし増殖性1.88・異型過形成4.24と段階的に上がり少なくとも25年持続すること、その一方で病理医115人が乳腺生検240症例を判定した研究では異型過形成の一致率が48%(過大評価17%・過小評価35%)と浸潤癌96%・良性87%に比べ際立って低いことを、対にして追加した。
    • トピックPheochromocytoma「多くは良性だが、まれに悪性の経過をたどる」という記述を訂正した。WHO分類は第4版以降この腫瘍を良性・悪性に分けておらず、どの病変も転移能をもちうるうえ転移挙動を予測できる組織所見が存在しないためで、転移能はクロム親和性細胞が本来存在しない組織への転移で定義され、被膜・血管・周囲組織への浸潤だけでは悪性と呼ばないことを明記した。rule of 10sの家族性10%については、家族歴のない非症候群性褐色細胞腫271例の24%に生殖細胞系列変異があり、その92%は分子検査でのみ同定され、35%は30歳以降の発症だったという数値を付与した。VMAが一次検査でない理由も感度64%対血漿遊離メタネフリン99%という実数で示した。
    • トピックIntradermal nevus母斑細胞の成熟の起点を「表皮表皮境界部」から「真皮表皮境界部」へ誤記訂正した。BRAF変異の位置づけを数値化し、母斑77検体中63検体(82%)にBRAF V600E変異が認められ黒色腫転移巣の68%を上回ること、つまりBRAF変異は腫瘍化の開始段階の出来事で単独では黒色腫にならないことを明記した。癌遺伝子誘導性細胞老化については、培養ヒトメラノサイトでのBRAF V600E持続発現によるp16INK4a・老化関連酸性β-ガラクトシダーゼの誘導と、先天性母斑がテロメア短縮を伴わないことから能動的な老化過程と考えられる点を追加した。ABCD基準は1985年の考案で、直径基準を6mm未満へ引き下げる根拠はないがEvolvingの追加は支持されたという経緯も加えた。
    • トピックInvasive carcinoma – NST (image)訂正はなく、画像のみから所見を推定しないという既存の方針に根拠を付けた。病理医115人が乳腺生検240症例を判定した研究で参照診断との一致率が浸潤癌96%・非浸潤性乳管癌84%・異型過形成48%と判断が細かくなるほど落ちることを示し、浸潤癌という大枠は安定してもグレード・脈管侵襲・断端は標本を見なければ決まらないことを補強した。あわせて組織学的グレードが腺管形成・核多形性・分裂像数の3項目を組織切片で採点して初めて決まること(1,831例でグレードIはII・IIIより有意に良好、P<0.0001)を追加した。
    • トピックInvasive carcinoma – NST (image) (2)断端評価に基準を与えた。33研究28,162例のメタ解析を根拠とするSSO-ASTRO 2014合意ガイドラインから、I・II期浸潤癌の乳房温存手術+全乳房照射では腫瘍にインクが付いていないこと(no ink on tumor)が十分な断端であり、断端陽性は同側乳房内再発を2倍に増やすがそれより広く取っても再発率は下がらず、若年者・不良な生物学的性質・小葉癌・広範な乳管内成分でも同様であることを追加した。あわせて組織学的グレードが3項目の組織切片採点で初めて決まることを明記した。
    • トピックMalignant melanomaAJCC第8版(2017)で有糸分裂率がT分類の基準から外れたことを追記し、腫瘍厚の記録単位が0.1mmであること、T1aが0.8mm未満かつ潰瘍なし・T1bが0.8〜1.0mmまたは0.8mm未満で潰瘍ありと定義し直されたこと、潰瘍はa/bを分ける因子として残る一方Clarkレベルは病期の軸ではなくなったことを整理した。まとめの「分裂像も転移リスクの指標」という記述にも同じ但し書きを加えた。DREAMseq試験は本文中の略記から出典付きへ改め、2年全生存率71.8%対51.5%(log-rank P=.010、早期中止)という数値を明示した。ABCDのDについては、6mm未満へ閾値を下げる根拠はなく変化を追うことで小径病変を拾う設計であるという位置づけを補った。
    • トピックBasocellular carcinoma「転移はまれ」というヘッジに実数を与えた。デンマークの全国レジストリでBCC既往者126,627人を14年追跡し、転移候補170例のうち病理再検で確認できたのは5例のみ、14年累積発生割合0.0039%という水準である。増殖パターンによるリスク層別(結節型・表在型は低リスク、浸潤型/硬化型・微小結節型は高リスクで断端陽性・局所再発が多い)を追加しつつ、臨床挙動と完全に対応づく決定版の分類はまだ確立していないという位置づけも併記した。低リスク原発病変の切除マージン4mm、およびHedgehog経路遺伝子変異85%という分子背景も加えた。
    • トピックInvasive carcinoma – NST筋上皮マーカーの解釈に限界を書き加えた。DCIS 101例では84.2%でいずれかのマーカー発現が正常筋上皮より低下しており(SMM-HC 76.5%、CD10 34.0%、CK5/6 30.2%、カルポニン17.4%、p63 12.6%)、SMM-HCの低下は高異型度DCISで多い(84.8%対61.5%)ため、1マーカーの陰性化だけで浸潤と判定してはならない旨を追加した。表にも各マーカーの癖を付記し、p63は筋線維芽細胞・血管平滑筋を染めない一方11%の症例で腫瘍細胞自体が部分的に陽性になること、カルポニンは76%の症例で間質の筋線維芽細胞も染まることを明記した。
    • トピックInvasive lobular carcinomaE-カドヘリン不活化が小葉系発癌のごく早期の事象であること(浸潤成分を伴わないLCISで既に発現が消失、DCISでは保たれる)を追加した。遺伝性びまん性胃癌症候群については、原因の大半はCDH1だが少数の家系はCTNNA1によること、CDH1病的バリアント保持女性の80歳までの累積乳癌リスクが55%、胃癌は男性42%・女性33%で従来報告(男性40〜70%、女性56〜83%)より低く家系集積を条件にした選択バイアスの影響が大きいことを加えた。多形型については「HER2過剰発現を伴うことがある」を40例中HER2増幅35%(38例中14例)と数値化し、予後と有意に相関したのは多形型という組織型そのものではなく高齢とホルモン受容体陰性だった点を明記した。
    • トピックSPECIMEN - Kaposi sarcomaカポジ肉腫を「血管性悪性腫瘍」と記していたのを、2020年WHO軟部腫瘍分類(第5版)では良性でも悪性でもない中間群に置かれ、血管性腫瘍の悪性群は類上皮血管内皮腫と血管肉腫の2つだけであると訂正した(臨床的に悪性腫瘍として扱う点は変わらない旨も併記)。LANA-1免疫染色の有用性を数値化し、HIV陽性患者でLANA陽性がカポジ肉腫24例中22例(92%)に対し非カポジ肉腫血管腫瘍13例では0例であること、一方でHHV-8のリアルタイムPCRは非カポジ肉腫の血管腫4例でも陽性となり鑑別の決め手にならないことを追加した。唾液の伝播経路としての比重(中咽頭検体30%対肛門・性器1%、口腔のウイルス量が約2.5対数高い)と、糖質コルチコイド中に発症した10例が全例予後不良で寛解には中止が必要とされたことも加えた。
    • トピックKeloidケロイド膠原線維や結節、α-SMA陽性で肥厚性瘢痕と切り分けられるという前提が決着していないことを追記し、鑑別は創縁を越えるかどうかという臨床経過を主軸に置くべきだと整理した。ケロイドが表在拡大型(平坦型)と隆起型の少なくとも2表現型に分かれ、同一病変内でも辺縁と中心で性状が異なる不均一な病変であることも加えた。治療は第一選択をシリコンジェル・シートとステロイド局注の併用と明記し、大型ケロイド244例のメタ解析で補助療法を含めても再発率が21%であること、創を被覆した例のほうが再発が少なく局所皮弁+補助放射線療法が最良だったことを付与した。
    • トピックMicrocalcification, DCIS (HE)石灰化形態と核異型度の対応を数値化し、検診で診断されたDCISでは微小多形性の69%・線状分岐状の84%が高異型度であることを付与した。同時に、形態と分布は異型度をまたいで重なるため形態だけで高異型度と非高異型度を分けることはできないという原著の結論も明記した。針生検でDCISとされた7,350例のメタ解析で切除標本の25.9%に浸潤癌が見つかること(過小評価因子は高異型度・20mm超・BI-RADS 4〜5・腫瘤形成・触知可能)を加え、さらにDCISは病理側でも検体のサンプリング不足と観察者間変動のため異型度分類自体が揺れ、浸潤成分や進展リスクを予測できるバイオマーカーは現時点で存在しないことを補った。
    • トピックFibroepithelial tumors葉状腫瘍の発症年齢が線維腺腫より高いという記述に、切除確認例の診断時年齢中央値39.0歳対23.0歳という実数を付与した。線維腺腫と葉状腫瘍を連続体とみる見方の分子的裏づけとして、MED12変異が葉状腫瘍80%・線維腺腫62%に見られどちらも間質成分に限局することを加えつつ、葉状腫瘍ではグレードによらずほぼ同頻度(良性83%・境界悪性80%・悪性77%)なので鑑別やグレード判定には使えないことも併記した。米国乳房外科学会・乳房画像学会の2025年指針から、葉状腫瘍が疑われる線維上皮性病変は切除生検で完全切除する一方、画像・病理が一致し異型のない線維腺腫は症状や増大がなければ切除も画像フォローも不要という方針を追加した。
    • トピックMacroglossia propter adenoma hypophysissomatotrophを「体細胞性」と訳していた箇所を「成長ホルモン産生細胞(somatotroph)」へ本文・図・まとめで統一訂正した。WHO 2022で下垂体腺腫が下垂体神経内分泌腫瘍(PitNET)へ改称され従来名も併用可であること、亜型分類の軸がホルモン染色から下垂体特異的転写因子(PIT1・TPIT・SF-1・GATA2/3・ERα)へ移り全陰性のときだけ系列不明とすることを追加した。先端巨大症の生化学的診断がGH単回測定ではなく年齢補正IGF-1を第一とし判然としない場合に75g OGTTで確定する流れであることも明記した。シーハン症候群には妊娠後期のラクトトロフ増生で血流需要が増える一方前葉の血流量自体は増えないという機序、後葉が高圧の血流で温存されること、空虚トルコ鞍が約70%という所見を、下垂体卒中には頭痛80〜90%・視野障害30〜71%・眼球運動障害39〜52%という頻度と、続発性副腎不全45〜70%のため画像を待たず糖質コルチコイドを優先する点を加えた。
    • トピックOsteochondroma – BONE遺伝性多発性骨軟骨腫症の悪性転化リスクを「孤発例より高い」から数値へ改め、孤発例1%未満に対し遺伝性多発例3〜5%(文献によっては5〜10%)、生涯リスクを2〜10%とし年齢とともに上昇するとする記載があることを付与した。軟骨帽の肥厚という所見にも具体的な目安を与え、正常は通常2〜3mm程度で成人で2cmを超える場合は二次性軟骨肉腫を疑い組織採取の対象とすることを追加した。EXT1・EXT2変異が機能喪失型であること、約90%は罹患した親からの遺伝で約10%が新規変異であることも加えた。
    • トピックSPECIMEN - Malignant breast tumorHER2の陽性/陰性という二分がもはや治療上の区別を尽くしていないことを追記した。従来HER2陰性に一括されていた腫瘍のうちIHC 1+、またはIHC 2+かつin situ hybridization陰性はHER2低発現と呼ばれ、トラスツズマブ デルクステカンが有効である(既治療の転移例で無増悪生存10.1か月対5.4か月、ハザード比0.51)。IHC 4分類が遺伝子発現分類の代理指標であるという既存のヘッジにはSt Gallen 2013合意を、境界例が揺れるという記述にはKi-67の国際再現性研究(施設内ICC 0.94に対し施設間ICC 0.59〜0.71、施設ごとの幾何平均6.1〜30.1%)を付与した。
    • トピックENODCRINE Multinodular goiterTSH抑制そのものが心房細動の危険因子であることを追加し、60歳以上を10年追跡した研究でTSH 0.1 mU/L以下群の心房細動累積発症率が28%とTSH正常群の11%を上回ること、それを根拠にTSH 0.1 mU/L未満が持続する65歳以上や心疾患・骨粗鬆症合併例には治療が推奨されることを示した。抗甲状腺薬は放射性ヨウ素治療や手術までの待機・術前処置に用いる非根治的治療であり自律性結節が残るため根治にならないことを本文・図・まとめに明記した。Plummer病の好発(女性・50歳以上に多く甲状腺中毒症の発症は60〜70歳代がピーク)も追記した。
    • トピックOsteosarcoma – BONE二峰性の年齢分布にSEER 3,482例の裏づけを付け、若年ピークが思春期最頻であること、高齢側の第2ピークが60歳超にあり高齢層ではPaget病関連と二次癌としての骨肉腫の割合が高いことを明記した。予後の記述をCOSS 1702例の実数で具体化し、10年全生存59.8%、遠隔転移があると26.7%(なしは64.4%)、切除が不完全だと14.6%(肉眼的完全切除は64.8%)、化学療法への組織学的反応が不良だと47.2%(良好は73.4%)へ低下することを示した。あわせて反応良好の線引きが壊死率90%(残存生存腫瘍細胞10%未満)であること、反応不良例にイホスファミド・エトポシドを追加しても無イベント生存は改善せず(ハザード比0.98)grade 4非血液毒性だけが24%対12%と増えたことを追加した。
    • トピックFasciitis Nodularis – SUBCUTANEOUS TISSUE「ほぼ全例でUSP6遺伝子の再構成がみられる」を48例中44例(92%)と数値化した。融合の構造がプロモーター置換型(USP6のコード領域が保たれパートナー遺伝子のプロモーターが並置される)であり、パートナーはMYH9に限らず次世代シークエンシングで新規のものが同定され続けているため、MYH9-USP6融合の有無ではなくUSP6再構成の有無で捉えるべきことを追加した。長らく外傷を契機とする反応性・非腫瘍性の増殖とされてきた位置づけが2011年に一過性腫瘍(transient neoplasia)へ改まった経緯も明記し、急速増大・高細胞密度・高い核分裂活性が肉腫誤診の理由であることを補った。
    • トピックHashimoto thyroiditis鑑別表の「木村様線維化を伴うRiedel甲状腺炎」という誤記を「Riedel甲状腺炎(木様=ligneous thyroiditis)」へ訂正し、花筵状線維化を示しIgG4関連疾患のスペクトラムに属することを追加した。臨床像を破壊による漏出性の中毒症相・代償による機能正常期・機能低下症の3相に整理し、中毒症相は既成ホルモンの漏出で合成亢進ではないため抗甲状腺薬ではなくβ遮断薬で対応すること、機能低下へ移行したらレボチロキシン1.4〜1.8µg/kg/日を用いることを明記した。診断が甲状腺ペルオキシダーゼ・サイログロブリン抗体の証明と超音波の低エコー化の組み合わせであること、「橋本病」という語が線維化型・IgG4関連型・若年型・橋本中毒症・無痛性甲状腺炎(産後型を含む)まで含む広い範囲を指すことも加えた。
    • トピックDesmoid fibromatosis – MESENTERIUMCTNNB1変異を「多くは」から孤発例の約85%へ数値化し、変異がexon 3の2コドンに集中すること(T41A 59%、S45F 33%、S45P 8%)と、S45F変異例の5年無再発生存率が23%でT41A 57%・非変異例65%を大きく下回ることを追加した。核内β-カテニン染色の限界も実数で示し、核陽性が孤発性デスモイドの80%・家族性大腸腺腫症例の67%にとどまる一方、表在性線維腫症56%・低悪性度筋線維芽細胞肉腫30%・孤在性線維性腫瘍22%でも陽性となるため、陽性でも他疾患を除外できず陰性でも否定できないことを明記した。広範切除第一選択からの転換については、2018年ミラノの国際合意会議を経て2020年に公表された世界共同ガイドラインが保存的管理へのパラダイムシフトを明示したという経緯を付与した。
    • トピックPapillary thyroid carcinomaNIFTPの位置づけを補正した。2016年に非浸潤性の被包型濾胞型乳頭癌が改称され名称から癌が外されたこと(根拠は非浸潤例109例が中央値13年で全例無病生存に対し浸潤例101例では12%に有害事象)、追加の全摘術・放射性ヨウ素療法・病期分類がいずれも不要とされたこと、WHO第5版(2022)では乳頭癌の亜型ではなく低リスク腫瘍という別カテゴリーに置かれること、BRAF V600EやTERTプロモーター変異があれば除外されることを追加し、表では便宜上亜型の行に並べている旨も注記した。低リスク乳頭癌微小癌1235例を平均75か月観察した報告(若年ほど進行しやすいが遠隔転移も乳頭癌死もゼロ)と、葉切除の適応が対側良性結節・微小な甲状腺外進展・小さなリンパ節転移・多発病巣まで広がっていることを加えた。あわせて葉切除後は残存葉のためサイログロブリンの再発検出能が限られ頸部超音波が主軸になることを明記した。
    • トピックPheochromocytoma現行WHO分類では良性・悪性の二分そのものを用いないことを追記し、表中の悪性(転移性)褐色細胞腫という言い方が転移が生じた褐色細胞腫を指すにすぎず転移していないものが良性という含意を持たないこと、局所浸潤だけを根拠に悪性と呼ばないこと、肺や肝など通常と異なる部位のパラガングリオーマはその場所の原発でありうるため転移の証明にならないことを整理した。PASSなどの組織学的スコアリングについてはWHO自身が推奨も否定もしていないという位置づけを付与した。生化学診断には感度の実数(血漿遊離メタネフリン99%、尿中分画メタネフリン97%、尿中カテコールアミン86%、尿中VMA 64%、VMAの特異度は95%と最高)と、複数検査の組み合わせでも血漿遊離メタネフリン単独を超えないという結果を、遺伝学的検査には非症候群性271例中24%に生殖細胞系列変異でその92%が分子検査でのみ判明という数値を加えた。
    • トピックRhabdomyosarcoma – BRAINぶどう状(botryoid)型を胎児型の亜型として独立に扱っていた記述を、WHO骨格筋腫瘍分類では独立した亜型として分けられず胎児型に含まれると訂正し、硬化型が2013年のWHO分類で胎児型から切り離され紡錘細胞型の一型となった経緯を追記した。あわせて旧国際横紋筋肉腫分類との対応(ぶどう状型と通常の胎児型は原発部位で層別化すると有意差なし、ただし傍髄膜領域の紡錘細胞型は無イベント生存率28%と例外的に予後不良)を示した。リスク層別化の軸が組織型からPAX-FOXO1融合の有無へ移ったことを、5年無イベント生存率PAX3-FOXO1陽性54%・PAX7-FOXO1陽性65%・胎児型77%で融合陰性胞巣型は胎児型と同等という前向き解析で裏づけた。ミオゲニンの特異性にも但し書きを加え、非横紋筋肉腫107例中7例で巣状核陽性、非腫瘍性の骨格筋線維の核も陽性になることを明記した。傍髄膜原発の71%に頭蓋内進展という数値、および末尾の「小児の骨に生じる」を粘膜に覆われた管腔臓器に生じるへ訂正した点も含む。
    • トピックIntradermal nevus表記の誤り「先天性メラサイト母斑」を「先天性メラノサイト母斑」に訂正した。訂正以外は出典付与が中心で、母斑数と黒色腫リスクの関係(径2mm以上の非異型母斑は26〜50個で相対危険度4.4、100個超で9.8、異型母斑は1〜5個で3.8、6個以上で6.3)、先天性メラノサイト母斑7915例のメタ解析(黒色腫1.15%、15歳時点で大型〜巨大型は小型〜中型の21.9倍、小型のリスクは不明のまま)、CDKN2A病的バリアントの浸透率28〜76%と遺伝学的検索の閾値を新たに書き加えた。Spitz母斑で「専門家の再評価を要する」というヘッジには根拠が書かれていなかったため、病理医187名が同一の皮膚生検240例を2回判定した研究から、同一医の再現性がクラスII(中等度異型)35.2%・クラスIII 59.5%と中間域で落ちる実測値を付与した。
    • トピックLiposarcoma – RETROPERITONEUM分類の典拠がWHO軟部・骨腫瘍分類第5版(2020年5月刊行)であることを明記した。「後腹膜では高分化型〜脱分化型が代表的」という記述に、根治手術された原発性後腹膜脂肪肉腫177例の内訳(高分化型56%、脱分化型37%、粘液型5%、円形細胞型2%)と腫瘍量中央値26cmを付けた。MDM2・CDK4は免疫染色に導かれ遺伝子増幅の証明で確定するという順序と、p16を加えた組み合わせの意義を追記し、さらに初回局所再発421例で脱分化型の15%が再発時に高分化型を、高分化型の28%が再発時に脱分化型を示すという分化度の入れ替わりを新設した。
    • トピックMalignant melanoma薄い病変の閾値がAJCC第8版(2017年)で0.8mmになり、有糸分裂率がT分類の基準から外れたという分類改訂を書き加えた。SOX10の記述には結合組織形成性黒色腫15例で100%びまん性陽性・癌や肉腫は陰性という実測と、悪性末梢神経鞘腫瘍の30%が巣状陽性になるという限界、さらにリンパ節内免疫細胞を染めないためセンチネルリンパ節評価に推奨される点を足した。センチネルリンパ節生検の位置づけにはMSLT-I(中間厚1.20〜3.50mmで10年無病生存71.3%対64.7%)とMSLT-II(郭清追加で黒色腫特異的生存は改善せず86%対86%)を、結合組織形成性黒色腫の低い転移率には1519例で6.5%、純粋型5.4%対混合型13.8%という内訳を付与した。
    • トピックSynovialis sarcoma – SUBCUTANEOUS TISSUE「真の滑膜組織との関連は証明されていない」というヘッジに根拠が無かったので、正常滑膜・絨毛結節性滑膜炎がケラチン陰性・上皮膜抗原陰性であるのに対し滑膜肉腫の裂隙被覆細胞は両者陽性で、名称は誤称であると結論した古典的研究を付けた。TLE1の「特異度は限定的」も数値化し、13研究のメタ解析で感度94%・特異度81%・陽性的中率75%・陰性的中率96%、骨軟部腫瘍163例では非滑膜肉腫143例中53例(37%)が陽性でシュワン細胞腫は100%染まると補った。あわせてSS18-SSX融合が90%超に認められること、好発年齢が30歳未満であることを追記した。
    • トピックBasocellular carcinoma (image)「亜型を勝手に補ってはならない」という注意に、基底細胞癌には臨床挙動と対応する決定版の分類がまだ無く現行では組織学的増殖パターン(結節型・表在型・浸潤型/硬化型・微小結節型)による分類が最も支持されている、という典拠を付与した。「転移はまれ」には、デンマークの既往者126,627人を14年追跡して確認された転移が5例のみ、14年累積発生割合0.0039%という桁の数値を付けた。切除範囲についても、低リスク原発巣の標準マージン4mmと、部位をH・M・L領域に分けて大きさと組み合わせるリスク層別化を追記した。
    • トピックSPECIMEN - ChondromaOllier病・Maffucci症候群を「体細胞モザイク変異」とする記述の根拠が書かれていなかったため、両症候群40例中37例にIDH1/IDH2変異があり、複数腫瘍を調べた19例中18例が同一のIDH1 Arg132変異を共有し非腫瘍組織にも低頻度に検出されたという原著所見を付けた。悪性転化リスクも病変分布別に数値化し、全体40%に対し手足の小骨限局例は15%、長管骨・肩甲骨・骨盤に及ぶ群は43〜46%、骨盤病変のオッズ比3.8と補った。加えて良性内軟骨腫と軟骨肉腫grade 1が組織像だけではほぼ判別不能で細胞密度の傾向差にとどまるという注意書きを新設した。
    • トピックBasocellular carcinoma免疫染色パネル表のBerEP4欄を訂正した。従来は毛芽腫側を「陰性〜弱陽性」とだけ書いていたが、線維形成性毛芽腫21例中16例が陽性で硬化型BCC全17例と区別できないという実測を加え、まとめでも「BerEP4は毛包系良性腫瘍との区別には使えない」と書き換えた。CK20欄も硬化型/浸潤型BCCで31例中1例(3%)、線維形成性毛芽腫で15例中15例(100%)と数値化し、CK20よりPHLDA1のほうが毛芽腫19例全陽性・BCC 11例全陰性と完全に分離すること、アンドロゲン受容体陰性かつCK20陽性で感度87%・特異度100%になることを追記した。
    • トピックNeurofibroma病名を更新した。表の「両側性聴神経腫はNF2」を、2022年の国際コンセンサスで「neurofibromatosis 2(神経線維腫症2型)」という用語が廃止され現行呼称がNF2関連schwannomatosisであるという記述に置き換え、旧称との対応づけを促す注意を新設した。あわせてNF1の診断基準が2021年の国際コンセンサスで改訂され遺伝学的検査とモザイク型の基準が組み込まれ、Legius症候群の基準が新設されたことを追記した。「叢状型はMPNSTへ転化しうる」というヘッジには、NF1患者の生涯リスク約10%(一般人口約0.001%)とNF1関連MPNSTの全死亡ハザード比1.63という数値を付与した。
    • トピックOsteosarcoma傍骨性・骨膜性骨肉腫の表に数値と出典を入れた。傍骨性は84例で全生存率5年95.2%・10年91.7%・15年88.1%、骨膜性は遠隔転移なし例の死亡率11.3〜16.3%である。「予後良好」を早期の追跡打ち切りと読ませないため、局所再発22.6%のうち47%・遠隔転移13.1%のうち45%が診断から10年より後に生じ、脱分化も7.1%に中央値8.7年で起こること、髄内進展が晩期再発の独立予測因子(ハザード比2.52)であることを新設した。良性線維性病変との鑑別にはMDM2・CDK4免疫染色が感度100%・特異度97.5%であること、骨膜性への補助化学療法は291例の系統的レビューで死亡率11.3%対16.3%と有意差が出ておらず決着していないことも追記した。
    • トピックSPECIMEN - Kaposi sarcoma (image)「疾患名から標本所見を補ってはならない」という注意の根拠として、皮膚カポジ肉腫の組織像が斑状期・局面期・結節期の3段階に加え退形成型・毛細血管拡張型・過角化型・微小結節型・血管内型など多数の亜型に広がるという記載を付けた。背景因子の欄には、HHV-8感染が発症の必要条件であって十分条件ではなく、HIVとHHV-8の重複感染男性でもカポジ肉腫発症の10年確率は49.6%にとどまるという数値を追記した。血管系マーカー(CD31・CD34・D2-40・FLI1)の染色性がAIDS関連の別でも病期の別でも有意差を示さず病型・病期の判定材料にならない点も足した。
    • トピックGlioblastoma現行分類の出所を2021年のWHO中枢神経系腫瘍分類第5版(WHO CNS5)と明示し、従来「IDH変異型膠芽腫」と呼ばれた腫瘍がastrocytoma, IDH-mutant, grade 4へ名前ごと移されたことを書き加えた。壊死・微小血管増殖を欠いてもTERTプロモーター変異・EGFR増幅・7番増加/10番欠失のいずれかがあればグレード4として扱う分子基準と、MGMTプロモーターメチル化が診断基準ではなく予測マーカーである位置づけも追記した。生存期間中央値については、ノートの「15〜18か月」という幅をそのまま残したうえで、無作為化試験(Stuppレジメン)での実測は14.6か月対12.1か月・2年生存率26.5%であることを併記して差の由来を説明した。
    • トピックSPECIMEN - Kaposi sarcomaLANA-1の診断的価値を数値化し、カポジ肉腫24例中22例(92%)陽性・非カポジ肉腫の血管腫瘍13例で0例という実測を付けた。多中心性Castleman病の欄は「HIV感染者に多いが非HIV例もある」という記述を、HIV陽性例はほぼ全例がHHV-8陽性である一方で非HIV例でHHV-8陽性なのは40〜50%にとどまるという内訳に置き換えた。PELについても最多発生部位が胸腔(67%)であること、地中海地域の高齢者に生じる古典型PEL(105例で年齢中央値77歳、86%が男性)を加え、KSHV関連疾患としてKICS(KSHV炎症性サイトカイン症候群)を新たに列挙した。
    • トピックKeloid訂正は無く、既存のヘッジへの出典付与が中心である。「人種・家族歴は素因であり局所因子が関与する」という記述には、病因が遺伝的素因・制御不全の炎症・異常な機械的張力の多因子性であり力学-炎症-線維化の自己増強ループが駆動するという整理を付けた。誘因となる真皮損傷がざ瘡・虫刺され・ピアス孔のように軽微でありうること、掻痒に小径神経線維障害・神経原性炎症・Th2優位の炎症が関与すること、そして「予防しても再発を完全には防げない」というヘッジに単独療法後の再発率が50%を超えることが多いという数値を付与した。
    • トピックMedulloblastoma「SHH活性化型は一律に予後良好とまとめない」というヘッジに数値を与えた。397例の解析でSHH群の5年全生存率はTP53変異例41%±9%対非変異例81%±5%(P<0.001)で、5歳超のSHH髄芽腫の死亡の72%をTP53変異例が占める一方、WNT群では同じTP53変異でも90%±9%対97%±3%(P=0.21)と差が出ないため、分子群込みで覚えるよう書き換えた。SHH/TP53変異例の小児の56%が生殖細胞系列変異をもつことも追記した。5年生存率75%という記載はそのまま残しつつ、国際コンセンサスのリスク層別(低リスク90%超・標準75〜90%・高リスク50〜75%・超高リスク50%未満)を併記して全体の目安であることを示した。
    • トピックMacroglossia propter adenoma hypophysis誤訳を訂正した。流れ図の「下垂体前葉の体細胞性(somatotroph)腺腫」を「成長ホルモン産生細胞(somatotroph)腺腫」に改めた。名称面では、2022年のWHO分類で下垂体神経内分泌腫瘍(PitNET)という用語が優先される一方で従来の下垂体腺腫も引き続き使用可であること、転写因子による系列判定がこの分類で正式採用されたことを追記した。顆粒化パターンの記述は増殖能の話にとどめず、SSTR発現・顆粒化・T2信号の3つがソマトスタチンアナログへの反応を予測する指標であること、ただしSSTR2陽性腫瘍の約半数は第一世代アナログに反応しないことを加え、生化学的診断もGHが拍動性分泌のため単回測定では診断できず年齢補正IGF-1を第一とする手順に書き直した。
    • トピックMeningioma「grade 1は必ず低リスクと単純化しない」というヘッジに1964例のコホートを付与した。WHO grade 1でも1p欠失があると無増悪生存期間の中央値が34.54年から5.83年へ落ちてgrade 2(4.48年)と同等になり、1p欠失に1q獲得が加わると当初のgradeによらずgrade 3相当(1.9〜2.3年)になる。加えてgrading基準そのものの判定者間のばらつき(RTOG 0539中央判定との一致率は全体87.2%で、脳浸潤や20個以上/10HPFは一致度が高い一方、小型細胞・シート状増殖・4個以上/10HPFは低い)を新設し、grade 1と2を分ける基準ほど主観が入りやすい点を明示した。WHO第5版の刊行年(2021年)も明記した。
    • トピックOsteochondroma – BONE軟骨帽の記述を補正した。従来は「骨端線閉鎖とともに菲薄化する」とのみ書いていたが、成熟後の正常な軟骨帽が通常2〜3mm程度であることと、2cm超は二次性軟骨肉腫を疑って組織採取の対象になることを加えた。「実際に転化する症例は少数にとどまる」というヘッジには、孤発例の進展率1%未満に対し遺伝性多発例3〜5%(文献によっては5〜10%)、別の資料では生涯リスク2〜10%で年齢とともに上昇という報告間のばらつきを付け、「少数」という言い方の幅がこの不一致に由来することを明示した。
    • トピックParkinson’s diseaseBraak仮説の起始部位の記述を原著に合わせて訂正した。「嗅球・迷走神経背側核」を「前嗅核・舌咽/迷走神経背側運動核」とし、皮質への進展も前内側側頭部mesocortexから高次感覚連合野・前頭前野を経て一次感覚運動野へ至るという順序に書き直した。あわせて、Braakの分布はLewy小体型認知症や無症候例ではしばしば観察されず、剖検で病期4〜6に達しながら神経学的徴候を欠く高齢者が多数あり、病期と臨床重症度に相関がないという批判を新設した。黒質脱落の定量(発症時に外側腹側層で68%・尾側黒質全体で48%が脱落、前症状期はおよそ5年、加齢による脱落は10年あたり4.7%で部位選択性が逆)も加え、脱落率の数値は算出部位とセットで覚えるよう注記した。
    • トピックOsteosarcoma – BONE壊死率90%という線引きの典拠として、国際共同試験EURAMOS-1が反応不良を生存腫瘍細胞10%以上残存と定義して618例を無作為化したことを付けた。そのうえで、反応不良例にイホスファミド・エトポシドを追加したMAPIEは無イベント生存を改善せず(ハザード比0.98)grade 4の非血液毒性が24%対12%へ増えただけだったという結果を新設し、壊死率は治療変更のスイッチではなく予後の層別指標だと位置づけ直した。1702例の解析から10年生存率(反応良好73.4%対不良47.2%、肉眼的完全切除64.8%対不完全14.6%)を、放射線誘発性骨肉腫には頭頸部148例で平均潜伏期11.79年・72.3%が平均23か月で死亡という数値を追記した。
    • トピックSchwannoma断定の度合いを2か所で緩めた。「シュワン細胞腫は悪性転化しない」を「通常は悪性転化しない」に改め、小脳橋角部の神経鞘腫瘍のうち悪性は1000件あたり1件、NF2データベースの2114個の前庭神経鞘腫で自然発生のMPNSTは0例(発生2例はいずれも定位放射線手術後)、組織学的に確認された報告は計8例という根拠を添えた。病名も更新し、2022年の国際コンセンサスで神経線維腫症2型という用語が廃止されNF2関連schwannomatosisとなったこと、遺伝子名のNF2は変わらないことを明記した。S-100びまん性陽性についても、非schwann性・非メラノサイト性腫瘍668例中53例が陽性(特異度91%)でSox10の99%に劣るという数値を付け、決め手は形態との組み合わせだと補った。
    • トピックFasciitis Nodularis – SUBCUTANEOUS TISSUEUSP6再構成を共有する病変群が「USP6関連腫瘍」という一つの生物学的スペクトラムとして扱われることを典拠つきで明記し、まとめの列挙にも動脈瘤様骨嚢腫と手指の線維骨性偽腫瘍を加えた。「同一疾患のバリエーションと単純化しない」というヘッジには、175例の解析で腫瘍の型が違えば融合パートナーの重なりがごくわずかであるという分子レベルの裏づけを付与した。さらに、標的RNAシークエンスでもUSP6再構成が検出されるのは結節性筋膜炎の85.4%(88/103)にとどまるため陰性でも否定できないという注意を新設し、非典型部位の症例ほどMYH9以外のパートナーが関与するという分子検査の使い分けの根拠も足した。
    • トピックSPECIMEN - Anencephaly葉酸の推奨内容を具体化した。前神経孔の閉鎖が受胎後およそ24〜26日で完了するため妊娠判明後では間に合わないこと、USPSTFのGrade A勧告が妊娠の少なくとも1か月前から妊娠2〜3か月ごろまで0.4〜0.8mg/日とすること、既往例では無作為化試験(MRC Vitamin Study)で再発が相対危険度0.28=72%減少することを書き加えた。出生前スクリーニングについても、母体血清AFPと超音波を対等に並べていた記述を改め、英国NHSのプログラムが妊娠中期(おおむね18〜20週)の詳細超音波を主たる検出法とし母体血清AFP単独のスクリーニングを行っていないことを明示して、AFPを補強指標と位置づけ直した。
    • トピックDesmoid fibromatosis – MESENTERIUMデスモイド型で経過観察が一次治療になった時期と経緯を明記した。2018年6月ミラノの合意会議に基づく2020年の国際共同ガイドラインが、広範切除中心から積極的経過観察を軸とする保存的管理へのパラダイムシフトを示したという記述を新設し、旧来の「見つけたら広範切除」は歴史的な位置づけとして扱うよう補った。表在型の保存的治療にはDupuytren拘縮でコラゲナーゼ注射により64.0%が伸展制限0〜5度まで改善(プラセボ6.8%)という数値を、FAPとの関連には腹腔内発生とのオッズ比18.9を付与した。
    • トピックHemorrhagia pontis主因の記述を訂正した。「橋穿通枝のCharcot-Bouchard微小動脈瘤破裂が主因である」を、微小動脈瘤の実在性そのものに論争があり硝子様動脈硬化・脂肪硝子変性による穿通枝壁の脆弱化のほうが確からしい、という書き方に改めた。根拠として、高血圧例35例・非高血圧例20例の厚切り切片をアルカリホスファターゼ内皮染色と高分解能マイクロラジオグラフィで再検討した研究で両群とも微小動脈瘤が際立たず、血管注入法では細動脈のコイル状構造が動脈瘤と誤認されうるという指摘を付けた。試験・実習では従来どおり問われるため名称と概念は保持するよう注記したうえで、予後の実測(20研究1,437例で早期死亡率48.1%、脳内出血全体の約10%)も新設した。
    • トピック4-Hematoma epidurale「意識清明期は必発ではない」というヘッジに、小児の連続手術例146例で清明期を認めたのは37%にとどまるという実測を付与した。あわせて同じ146例中30例(約2割)に頭蓋骨骨折が無かったことを新設し、骨折の不在は除外根拠にならないと明示した。手術適応も具体化し、米国の重症頭部外傷外科治療ガイドライン(2006年)が体積30cm3超はGCSにかかわらず血腫除去の適応とし、30cm3未満・厚さ15mm未満・正中偏位5mm未満でGCS 8超かつ巣症状なしの例に限って非手術的管理を許容していることを書き加えた。
    • トピックDesmoid fibromatosis – MESENTERIUM (2)「核内β-カテニン陽性は単独で確定診断としない」というヘッジを数値化した。軟部腫瘍270例の検討で核内陽性は孤発性デスモイド型の80%(24/30)・FAP関連例の67%(8/12)にとどまり、表在性線維腫症56%・孤在性線維性腫瘍22%・乳児線維肉腫20%でも陽性がみられるため陰性でも否定できない。逆側のGISTについてもDOG1とCD117の感度が94.4%と94.7%で、消化管GISTの2.6%は両者とも陰性、後腹膜の子宮型平滑筋腫や滑膜肉腫がDOG1陽性を示す例外があることを加え、どちらのマーカーも陽性なら支持・陰性でも否定しないという読み方を明示した。デスモイド型で経過観察が一次治療となった典拠(2020年の国際共同合意ガイドライン)も併記した。
    • トピックExternal hydrocephalus分類表の用語を訂正し、「圧排性水頭症(ex vacuo)」を「代償性水頭症(hydrocephalus ex vacuo)」に改めた。良性外水頭症(BESS)には住民ベースの追跡から発生率が生児出生1,000あたり約0.4、176例中86.4%が男児、平均3.4か月で頭囲が異常値に達し画像は生後12か月以降に正常化する、という経過を付与した。さらに「脳室拡大を伴わない」は原則であって同じ176例の約5分の4は側脳室拡大も示すという但し書きを新設し、虐待との鑑別についてもBESS例の5.8%に偶発的な硬膜下液体貯留がみられ関連はオッズ比3.68であることから、硬膜下貯留の存在だけでは虐待の証明にならないと双方向の注意に書き換えた。
    • トピックRhabdomyosarcoma – BRAIN「傍髄膜原発の直接進展は真の血行性脳転移より高頻度」というヘッジに実測を付けた。頭頸部RMSに強度変調放射線治療を行った28例では傍髄膜原発21例のうち71%に頭蓋内進展を認め、一方で転移性RMS 1,095例の国際共同解析では単一部位転移497例の内訳に脳実質が独立の分類項目として挙がっていない。予後の重みも数値化し、IRSGプロトコルII〜IVの転移を伴う頭蓋傍髄膜肉腫91例で10年無再発生存率32%(予後良好部位46%対それ以外18%)、および傍髄膜に生じた紡錘細胞型だけは無イベント生存率28%と際立って不良であることを追記した。
    • トピックInternal hydrocephalus特発性正常圧水頭症の画像診断について、脳室拡大の指標Evans index>0.3に加えシルビウス裂・脳底槽の開大と高位円蓋部・正中部でのくも膜下腔狭小化を組み合わせたDESHが中心的役割を果たすという診療ガイドラインの記載を新設し、萎縮による代償性拡大との分かれ目がこの組み合わせにあることを明示した。ETVについても数値を追加し、368件のコホートで成功率68.5%、2,985件の系統的レビューで合併症8.5%・永続的罹病率2.38%・術中出血3.7%・術後早期死亡0.21%とした。同レビューで術後25か月・60か月という遅い時期に開窓部閉塞から突然死した小児が2例(0.07%)報告されていることを根拠に、ETV後も長期の経過観察を要すると付け加えた。
    • トピックLiposarcoma – RETROPERITONEUM放射線療法の欄を書き換えた。「意義は確立しておらず」とだけ書いていた箇所に、無作為化第3相試験STRASS(266例)で術前照射の上乗せが腹部無再発生存を改善しなかったこと(中央値4.5年対5.0年、ハザード比1.01)と、試験外コホートを統合したSTREXIT解析では脂肪肉腫321例に限れば改善と関連し(ハザード比0.61)とくに高分化型とG1〜2脱分化型で有意だったことを併記し、結論が定まっていない二段構えとして示した。FNCLCCについても、原著が脱分化型脂肪肉腫などにgradingを用いるべきでないとし針生検検体には適さないと明記している点を新設したうえで、実務では後腹膜脂肪肉腫144例で5年全生存率が高分化型/G1 93%・脱分化型G2 57%・G3 21%と層別できていることを併記した。
    • トピックMeningioma (2)Simpson分類と再発率の対応が現代の手術・画像環境では確立した関係でないことを新設した。原著が1957年でMRIも画像誘導手術も無い時代の報告であること、近年のWHO grade 1初回切除コホートではSimpson grade I・II・III・IVの5年無再発生存率が95%・85%・88%・81%で有意差がないこと、批判の要点が判定の主観性・術後MRI普及以前の研究に依存すること・部位による分子生物学の違いの3点にあることを記載した。そのうえで、否定されているのは尺度と再発率の一対一対応であって「切除範囲を最大化し合併症を最小化する」という主張自体は有効であり、定義は定義として押さえる旨を添えた。
    • トピックSynovialis sarcoma – SUBCUTANEOUS TISSUE予後因子表に組織型(二相型対単相型)の行を新設し、243例・165例のいずれの解析でも全生存・疾患特異生存に有意な影響を示さなかったことを明記した。腫瘍径の閾値も研究により異なる(243例では5cm未満が有意に良好、165例では7cm超が予後不良因子)と補い、組織学的gradeが多変量解析で一貫して残る最有力因子であることを追記した。「SS18-SSX融合パートナーの予後的意義は確立していない」というヘッジには、SSX2群が有意に良好だが病勢で層別すると差が消える報告、融合型による差を認めない報告、SSX1が独立予後不良因子(相対危険度2.343)とする報告という3方向の結果を並べて根拠を与えた。表在型についても8例の集積(平均年齢36歳・平均径2.4cm、全例ケラチンまたはEMA陽性・CD34陰性)を加えつつ、症例数と追跡が限られるため悪性度評価を省く根拠にはならないと注記した。
    • トピックMetastasis multiplex cerebri「頭蓋内腫瘍の約半数が転移性」という目安に、分母の取り方で数字が動くという説明を加えた。癌患者側を分母にした集団ベース解析では脳転移の発生割合が全原発合計9.6%(肺癌19.9%・悪性黒色腫6.9%・腎癌6.5%・乳癌5.1%・大腸癌1.8%)で、乳癌・大腸癌が代表的原発巣に挙がるのは患者数が多いためだと明示した。灰白質・白質境界への分布には288例のCT解析(脳表面積の29%に転移の37%が集積)を、原発推定には脳転移生検75例の40%が生検時点で原発不明だったこと、TTF-1が転移性肺癌の78%陽性・非肺癌3%だが扁平上皮癌では0%であることを付与した。
    • トピックSPECIMEN - Chondroma名称と治療方針を更新した。四肢長管骨のgrade 1軟骨肉腫が現在は異型軟骨性腫瘍(ACT)という中間悪性の腫瘍名で呼ばれ、広範切除ではなく経過観察または病巣内掻爬で管理されることを新設し、流れ図の終端も「低悪性度軟骨肉腫として広範切除を検討」からACTとしての経過観察・掻爬を含む選択肢に書き換えた。IDH変異についても頻度を補い、内軟骨腫87%・通常型中心性軟骨肉腫約50%と良性側のほうがむしろ陽性率が高いため単独の鑑別マーカーにならないと明示した。ACTを掻爬+フェノール補助療法で治療した108例で無病生存率95.4%・骨折10.2%という数値も追加した。
    • トピックNeurofibromaセルメチニブの対象年齢を更新した。2025年11月に米国FDAが症候性・手術不能なNF1関連叢状神経線維腫をもつ成人にも承認を拡大したことを新設し、「小児に限る」という旧来の理解と食い違う点を注記した。根拠試験の数値も加え、SPRINT第2相で小児50例中35例(70%)が部分奏効・うち28例が1年以上持続する一方、5例が毒性中止・6例が病勢進行したことを併記した。FDG-PETの記述も具体化し、NF1患者85病変でMPNST診断の感度0.97・特異度0.87、遅延像のSUVmax 3.5がカットオフであること、これは90分の早期像と4時間後の遅延像を撮る前提の値であることを付け、PETは生検部位を決める道具で確定は生検によると明示した。
    • トピックOsteosarcomaEnneking分類の原記載(1980年)の中身を補い、stage I〜IIIを区画内(A)/区画外(B)で細分する構成と、切除断端をintralesional・marginal・wide・radicalの4段階で定義する体系が一組であることを新設した。予後の重みについては1702例の解析を引き、10年全生存率が診断時遠隔転移ありで26.7%(なし64.4%)、組織学的反応不良47.2%(良好73.4%)、不完全切除14.6%(肉眼的完全切除64.8%)と層別され、多変量解析で残るのは外科的寛解と組織学的反応であると明示した。あわせてEURAMOS-1で反応不良例に化学療法を強化しても無イベント生存が改善しなかったことを加え、壊死率は予後の指標であって治療変更のスイッチではないと位置づけた。
    • トピックGlioblastoma現行分類での腫瘍名を整理した。「膠芽腫、IDH野生型」とIDH変異型grade 4の「星細胞腫、IDH変異型、grade 4」が別の腫瘍名であること、旧称「多形膠芽腫(glioblastoma multiforme)」は現行分類の腫瘍名としては使われないことを新設し、分子基準が成人型びまん性膠腫の枠内の規則で小児には当てはめないことも明記した。「分子基準を満たせば膠芽腫と同等の予後不良群」という記述には、補助化学放射線療法を受けた連続708例で分子膠芽腫65例の全生存期間中央値26か月と組織学的膠芽腫643例21か月に有意差がなく(p=0.435)、無増悪生存はむしろ13か月対8か月と長かった(p=0.0237)という実測を付け、生物学的挙動が同一だとまでは示されていないと補足した。MGMTメチル化が診断基準ではなく予測マーカーである役割の階層も追記した。
    • トピックMedulloblastoma臨床因子による標準/高リスクの2群分けに、分子群を軸にした2015年の国際コンセンサスのリスク層別化(低リスク90%超・標準75〜90%・高リスク50〜75%・超高リスク50%未満)を表として重ねた。低リスクにWNT群と転移のないグループ4のうち全11番欠失または全17番増加をもつもの、超高リスクに転移のあるグループ3とTP53変異を伴うSHH群を割り当て、旧来の2群分けは置き換えではなく対応づけて覚えるよう注記した。現行WHO分類の遺伝学的区分が4つ(WNT活性化型、SHH活性化型かつTP53野生型、SHH活性化型かつTP53変異型、非WNT非SHH型)であること、SHH群の5年全生存率がTP53変異41%対非変異81%であるのにWNT群では差が出ないこと、陽子線が神経認知・内分泌合併症を減らすという報告も追記した。
    • トピックMeningioma妊娠中の急速増大の機序を書き加えた。妊娠中から産褥3週以内に切除された17例の病理検討では、grade 1の13例中11例でKi-67標識率が0.5〜3.6%と低く、代わりに血管過多50%・浮腫82%・腫瘍内出血や壊死29%が認められ、主因はホルモン誘導性の細胞増殖ではなく可逆的な血行動態の変化と結論されている。同じ17例の59%は頭蓋底発生で視覚障害や脳神経麻痺のため妊娠中でも手術を要したため、「妊娠中だから待てる」とは一律に言えないとも補った。経過観察の判断にも273病変の自然経過(44.0%が2mm以上増大、増大と関連するのは60歳以下・初診時25mm超・石灰化なし)を、grade 1でも1p欠失・1q獲得があれば経過が良性でないことを付与した。
    • トピックParkinson’s disease「Braak病期は臨床病期と一対一対応しない」というヘッジの根拠を明示した。Braakの分布パターンがLewy小体型認知症や神経症状を欠くシヌクレイン病変ではしばしば観察されないこと、剖検で病期4〜6に達しながら神経学的徴候を欠く高齢者が多数あり下位脳幹病変を早期パーキンソン病とみなす概念の予測妥当性が疑わしいこと、病期と臨床重症度に相関がないことの3点を書き加えた。原著の起始部位(舌咽・迷走神経背側運動核と前嗅核)と進展順序も補い、前駆期の非運動症状はMDSの前駆期研究基準(2015年策定・2019年改訂)で尤度比を掛け合わせて確率として扱う枠組みであること、病期3で運動症状が出るころには黒質外側腹側層で68%が脱落済みであることを追記した。
    • トピックSchwannoma担当分で最も加筆量が多い。前庭神経鞘腫の管理表に数値列を新設し、経過観察は全国コホートで治療移行19%、定位放射線治療は局所制御98〜100%だが聴力温存率が3年66%・5年57%・10年44%と経時的に低下、手術は全摘率98%だが顔面神経障害35.3%・死亡率1.1%・聴力温存14.4〜37.5%とした。増大割合が研究間で19%対46%と割れるのは「増大」の定義と評価法の差だと明示し、増大未確認の小型腫瘍への予防的照射の是非が現在も割れている論点であることも書いた。NF2とschwannomatosisの対比表も更新し、2022年の命名法改訂で神経線維腫症2型という用語が廃止されたこと、髄膜腫の合併がSMARCB1関連例に限られLZTR1関連例では報告がないこと、診断の分かれ目が両側性前庭神経鞘腫の有無であることを追加した。
    • トピックSPECIMEN - Anencephaly再発リスクを数値化し、米国CDCが神経管閉鎖不全児の妊娠既往のある女性の再発率を2〜3%としていることを書き加えた。高用量葉酸の根拠としてMRC Vitamin Studyの内訳(1,817例を4群に割り付け、転帰判明1,195妊娠で神経管閉鎖不全27例、葉酸を含む群6例・含まない群21例、予防効果72%)と、同時に検討された他の7種のビタミンには有意な予防効果がなかったことを付けた。一般集団向けの推奨量も0.4mg/日から、USPSTFのGrade A勧告に合わせて0.4〜0.8mg/日という幅に補正した。あわせて出生前スクリーニングの主役が妊娠中期の詳細超音波であり母体血清AFP単独のスクリーニングは行われていないことを追記した。
    • トピックHemorrhagia pontisくも膜下出血の発症年齢の記述を補正した。「40〜50歳代に多い」を、発症例が増え始めるのはその年代だが発症率自体は年齢とともに一貫して上昇し続ける(45〜55歳を基準に25歳未満0.10、85歳超1.61)と書き換え、日本の発症率が22.7/10万人年と世界的に高いことも加えた。Charcot-Bouchard微小動脈瘤についても、実在と脳内出血への寄与の両方に1世紀来の論争があり血管注入法では細動脈のねじれが動脈瘤と誤認されうるという再検討を新設し、表は旧来の説明として残しつつ位置づけを注記した。慢性硬膜下血腫についても、進行を駆動しているのは架橋静脈からの反復出血ではなく被膜の血管新生・線維素溶解・炎症であるという現在の理解を追記した。
    • トピック4-Hematoma epidurale年齢差の記述を数値で裏づけた。単一施設23年間の急性硬膜外血腫3,249例のうち65歳以上はわずか32例(1%未満)である一方、その32例では死亡率25%・良好な転帰34%にとどまり、昏睡例および75歳超では良好な転帰が1例も得られなかったため保存的治療も正当化されるという報告を新設した。「典型像に頼れない」という注意も形以外に広げ、小児手術例146例で意識清明期は37%、30例には頭蓋骨骨折すら無く、全体死亡率10%(CT導入後6%)であることを付けた。手術適応の閾値(30cm3超はGCSによらず適応、30cm3未満・厚さ15mm未満・正中偏位5mm未満・GCS 8超・巣症状なしなら非手術的管理可)も追記した。
    • トピックExternal hydrocephalus高齢者の代償性拡大の前提となる加齢性変化を実測値で補った。非認知症高齢者92人の4年追跡で全脳が年5.4±0.3 cm3・灰白質2.4・白質3.1減り脳室が年1.4±0.1 cm3増えること、極めて健康な24人に限っても同様の変化がみられること、健常高齢者142人では1年で尾状核と第四脳室を除く全領域が有意に変化することを新設し、CSF腔が広いこと自体は病的所見ではないと明示した。正常圧水頭症との鑑別ではEvans index>0.3という数値よりDESHの分布が効くこと、地域住民790人でEvans index>0.3は6.46%に対し症候を伴うiNPH疑いは0.51%にすぎないこと、Evans indexが感度96%・特異度83%で脳梁角(91%・93%)より特異度が劣ることを追記した。あわせて外水頭症/内水頭症という対語が肉眼病理学由来で近年の英語文献の呼称とは対応しない点も注記した。
    • トピックInternal hydrocephalus「脳室拡大だけでは真の水頭症と代償性拡大を区別できない」というヘッジを数値で裏づけた。加齢だけでも脳室は年1.4 cm3増えること、地域住民790人でEvans index>0.3が6.46%に対しiNPH画像所見まで満たすのは1.52%・症候を伴う疑い例は0.51%であること、Evans indexが感度96%・特異度83%と特異度に劣ることを追加し、読むべきは拡大の有無ではなく拡大の型だと明示した。脳梁角の閾値も具体化し、iNPH 66度・Alzheimer病104度・健常112度で90度を境にすると正確度93%・感度97%・特異度88%であること、萎縮側の脳梁角が健常とほとんど変わらない点が鍵だと書いた。逆に、iNPH 168例でDESH該当は36%にとどまりどの形態指標も術後改善を予測しなかったため、所見の欠如は除外根拠にならないという注意も新設した。
    • トピックMeningioma (2)dural tail signの性能を非対称なものとして書き分けた。造影MRI 98例の前向き研究で髄膜腫診断の感度58.6%・特異度94.02%(生検確定した髄膜腫でこの所見を示したのは58%)であること、表在性膠芽腫96例の30%にも出るため脳実質外病変の証明にもならないこと、実体は多くが反応性の血管拡張で腫瘍浸潤の有無はMRIから予測できないことを追加した。硬膜尾の組織学的な中身は研究間で一致せず、30例の検討では浸潤6/17例、406例の系統的レビューでは70.9%に浸潤で造影されない正常にみえる硬膜でも40.0%に浸潤という食い違いをそのまま記載した。好発部位も切除例1,113例(頭蓋底51%・円蓋部/大脳鎌/傍矢状洞39%)と病変頻度地図(上矢状静脈洞の中1/3と中心溝・シルビウス裂周囲に偏り、前頭・頭頂・後頭の円蓋部そのものには少ない)で具体化し、骨の過骨性変化はWHO gradeの基準ではないという注意も新設した。
    • トピックMetastasis multiplex cerebri原発巣一覧の各行に癌患者を分母にした脳転移の発生割合(肺癌19.9%・悪性黒色腫6.9%・腎癌6.5%・乳癌5.1%・大腸癌1.8%、全原発合計9.6%)を入れ、転移巣を分母にした構成比と取り違えないよう注記した。乳癌の亜型別累積発生率(HER2陽性31%・トリプルネガティブ32%・ホルモン受容体陽性/HER2陰性15%)も追加した。「病変数が治療選択を左右する」という記述には、JLGK0901で5〜10個が2〜4個に非劣性(生存期間中央値ともに10.8か月)であること、脳転移1〜3個の無作為化試験で全脳照射併用は3か月後の認知機能低下を63.5%から91.7%へ増やしながら生存を延ばさなかったことを付け、固定した閾値としては使わないと補正した。悪性黒色腫の色調についても、MRIの無色素型パターンを示した16病変のうち9病変が組織学的にメラニンを含み、5病変は血腫のため信号情報が失われていたという非特異性を追記した。
  4. 2026 08.22

    神経学的診察の各論(topics/neurology5)の全7ノートについて、Consensusが指摘した医学的な誤り・古さを Europe PMC で裏取りしたうえで反映し、出典を付けた。7ノートすべてが着手前は `sources` 0件で、3〜7件(計38件)を新設した。この科目は身体所見の各論なので、論点の中心は**古典的徴候の診断精度が実測では低い**ことにある。Kernig・Brudzinskiの感度5%、Babinskiの感度50.8%、痛覚検査の観察者間一致κ=0.45といった数値を入れ、「徴候の有無で断定できる」と読める書き方を軒並み補正した。定義そのものが誤っていた記載(Horner三徴に眼球陥凹、回内ドリフトを回内位から開始、MRC Grade 5を『検者の抵抗を凌駕』、小節が前庭小脳と脊髄小脳の両方に載る、嗅覚は1種類認知できれば保たれる)も直した。採用しなかった指摘の大半は、Consensus自身が『提示文献に根拠がない』と述べているだけでノートの記載は標準的に正しい型(尺骨反射、Mayer徴候、周径測定の7/14/21 cm、Babinski小脳性協働不全やBárány試験などの古典的補助手技)で、これらは削らず位置づけの注記を足すにとどめた。7ノートを3つのサブエージェントに複数件ずつ割り当てて並列処理し、親側で見出し数・wikilink増減・lint・出典id重複を全件再検証している。

    • トピックNeurological examination: general principles, consciousness (GCS), and skull/spine examinationGCSを合計点で扱う書き方を補正——E・V・Mの内訳で記録し、評価不能項目を明記し、瞳孔反応はGCS-Pに統合せず別建てにする(2024年NINDS外傷性脳損傷分類イニシアチブは三分類だけでは不十分と結論)。13点を軽症に含めるのはATLSの修正であって元来は中等症側であること(13=中等症とするモデルの方が院内死亡予測が良好、AUC 0.922 vs 0.908)、重症度区分の意味が年齢で変わること(NTDB 539,032例で年齢補正区分 AUC 0.800 vs 0.755、標準区分と一致するのは50歳代のみ)を追加した。
    • トピックNeurological examination: meningeal signs髄膜刺激徴候の診断精度を実測で表化した——成人297例の前向き研究でKernig 感度5%・LR+ 0.97、Brudzinski 感度5%・LR+ 0.97、項部硬直 感度30%・LR+ 0.94。陽性尤度比が1前後で確定にも除外にも使えず、陰性尤度比も0.86〜0.95なので『髄膜刺激徴候なし』は除外根拠にならない(疑ったら所見によらず腰椎穿刺)。例外は髄液細胞数1000/μL以上の高度炎症に限られること、髄膜炎患者の約半数は典型的徴候を示さないことを明記。Brudzinski徴候の陽性所見を『膝関節屈曲』から『股関節・膝関節の反射性屈曲』へ、手技も他動的頸部前屈と明確化した。Laségue徴候は感度0.91に対し特異度0.26と非対称で、『10〜60°』を角度基準に使わない理由(SDD95が13〜20°)を追加。精度データは髄膜炎を基準に測ったものでSAH・髄膜癌腫症へは外挿できない旨も添えた。
    • トピックNeurological examination: cranial nerves (CN I–XII)Horner三徴の『眼瞼下垂+縮瞳+眼球陥凹』を『眼瞼下垂+縮瞳+同側顔面の無汗』に訂正(眼球陥凹はMüller筋脱力による見かけ上のもの、無汗は一部の症例のみ、確定は薬理学的点眼検査)。嗅覚検査の『1種類でも認知できれば嗅覚は保たれている』を削除——正常者40例でも1種のみ正答が12.5%おり、カットオフ2以上で無嗅覚の感度99%・特異度40%。顔面神経麻痺の前額温存を『鑑別する』から『第一の手がかり』に緩め、早期の末梢性でも前額が動くこと、多変量解析では前駆症状と自覚・進行の方がオッズ比が高いことを追加。音叉検査を『鑑別する』から『当たりを付ける(確定は聴力検査)』へ改め、囁き声 LR+ 6.1/LR− 0.03に対しWeberは1.6/0.70で一般スクリーニングに用いるべきでないこと、Rinneの感度が256 Hzで43〜91%・512 Hzで16〜87%とばらつくことを明記。ロンベルグ検査を第VIII脳神経の検査として置いていたのを、本来は深部感覚の検査であると訂正した。
    • トピックNeurological examination: motor system (tone, bulk, and power)回内ドリフトの開始肢位を訂正——ノートは『上肢を回内・伸展』としていたが、検証した2論文とも前腕完全回外から始める(回外から始めるからこそ回内筋優位の所見が出る)。感度の一般化も補正し、CT確認の軽度一側大脳病変170例では感度92.2%・特異度90.0%だが、明らかな巣症状のない46例では感度0.22・特異度1.00で、陽性の価値は高いが陰性で除外できないと明示。MRC Grade 5の『検者の抵抗を凌駕して動かせる』を『検者の最大抵抗に抗しても動かせる(年齢・体格から期待される正常筋力)』へ訂正し、MRCが順序尺度で等間隔でないこと、再現性(検者間κ 0.77〜0.78、同一検者内0.82〜0.86)を追加。痙縮(速度+振幅依存・catch・錐体路系)と固縮(速度非依存・鉛管様・屈伸筋均等・錐体外路系)を責任部位まで含めて書き分けた。分節ごとの徒手筋力テストは特異度97.5%だが感度38.9%で、回内ドリフト・腱反射・finger tapのいずれか陽性なら感度97%になることも追記。
    • トピックNeurological examination: deep tendon reflexes and pathological (pyramidal) reflexesBabinski徴候の診断精度を数値化——感度50.8%・特異度99%・LR+ 51.8で、陽性ならほぼ確定だが陰性で除外できない。観察者間一致は神経内科医2名の標準化手技でもκ=0.73、医学生対神経内科医ではκ=0.45にとどまり、同じ研究で指・足の反復叩打(感度79.5%・特異度88.4%・κ=0.83)の方が上回った。頸髄症手術例225例でBabinski陽性は33%、軽症例では10%という実測も追加。『下肢の病的反射はいずれも足趾の伸展を誘発する』という記述が表のMendel-Bechterew・Rossolimo(底屈)と矛盾していたため2群に分けて解消し、『病的反射はすべて等価』という位置づけも撤回した(HoffmannはBabinskiと同格でなく、組み合わせて初めてAUC 0.956)。Jendrassik法は増強手技を試さずに消失と書かないこと、機序がγループ非依存のα運動ニューロン直接促通であること、効果のタイミングが200〜400 ms(300 msで170%)であることを追加。
    • トピックNeurological examination: sensory system感覚検査を『客観的所見』として扱う書き方に再現性の留保を付けた——17研究のメタ解析で痛覚κ=0.45(0.22–0.69)、128 Hz音叉κ=0.42(0.15–0.70)と弱く、128 Hz音叉は同一検者内でもκ=0.54。振動覚閾値0.61・アキレス腱反射0.60・モノフィラメント4部位法0.61。検査の目的を『分布の判定』だけでなく『どのモダリティ/線維径か』『陰性か陽性(gain of function)か』の2軸へ拡張し、神経根痛51例で感覚低下80%に対し陽性徴候も35%あることを追加。標準診察が88%に異常を検出したが痛覚+軽触覚の2つだけで同じ症例をすべて拾えたという優先順位も明記。関節位置覚と振動覚は受容器も皮質投射も異なるため両方検査すること、皮質性感覚は一次感覚が保たれて初めて解釈できること、QSTは単独では神経障害性疼痛を確定しないことを追記。まとめの伝導路対応も補正し、軽触覚は皮節重複が大きく単一路の代表にならない(レベル決定は痛覚が鋭い)とした。
    • トピックNeurological examination: cerebellar function小脳の区分表で『小節』が前庭小脳と脊髄小脳の両方に載っていた矛盾を解消(小節は片葉とともに前庭小脳、脊髄小脳側は虫部垂)。脊髄小脳の機能を『四肢の粗大な運動の協調』から『体幹・近位筋の姿勢制御と歩行』へ訂正し、病変-症候マッピング(立位歩行失調=内側・中間部、眼球運動=内側部、構音=中間部、四肢失調=中間部と外側部)を根拠として添えた。前庭小脳の検査に眼球運動(眼振・saccadic intrusion・追従眼球運動障害・VOR障害・眼位ずれ)を追加。ロンベルグ検査の位置づけも訂正——小脳症候の中核検査ではなく、『閉眼増悪=後索性』も成り立たない(小脳疾患患者は開眼でも動揺が大きくRomberg商はむしろ高い)。鑑別点を『開眼時点で動揺しているか』と他の小脳徴候の有無に置き換えた。3区分の境界は厳密でなく限局症候群の方がまれであること、後葉(Crus I・II、小葉VII-VIII)病変では失調を伴わず認知・情動障害のみが出るCCAS(Schmahmann症候群)を追加した。
  5. 2026 08.22

    Embryologyの全88ノートを、対応するConsensus 88件と1対1で照合した。Europe PMCの抄録で書誌・年・DOIと主張方向を確認し、起源・時系列・形態形成機序・臨床的因果の誤りや過度な単純化を修正した。新規sourceエントリは288件で、同一文献は既存IDを再利用し、DOI優先・accessed 2026-08-22へ統一した。各エージェントへ概ね5件ずつ割り当て、完了後は担当外15ノートをクロスレビューした。見出し数・Wikilink数・Mermaid数を全88件で保持し、Consensusファイルとreviewedは変更していない。抄録で直接確認できず据え置いた事項はreview-flagsへ記録した。

    • トピックMolecular Regulation and Signaling — Induction & signaling分子制御とシグナル伝達:誘導とシグナル伝達について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックMolecular Regulation and Signaling — Signaling pathways分子制御とシグナル伝達:シグナル伝達経路について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックMolecular Regulation and Signaling — Gene regulation分子制御とシグナル伝達:遺伝子調節について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックGametogenesis — Primordial germ cells配偶子形成:始原生殖細胞について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックGametogenesis — Chromosomes & cell division配偶子形成:染色体と細胞分裂について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックGametogenesis — Spermatogenesis配偶子形成:精子形成について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックGametogenesis — Oogenesis配偶子形成:卵子形成について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックGametogenesis — Abnormalities配偶子形成:異常について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックFirst Week of Development — Ovarian cycle第1週(排卵〜着床):卵巣周期について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックFirst Week of Development — Fertilization第1週(排卵〜着床):受精について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックFirst Week of Development — Cleavage & blastocyst第1週(排卵〜着床):卵割と胚盤胞について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックFirst Week of Development — Uterus at implantation第1週(排卵〜着床):着床時の子宮について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックSecond Week of Development — Day 8第2週(二層性胚盤):第8日について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックSecond Week of Development — Day 9第2週(二層性胚盤):第9日について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックSecond Week of Development — Days 11–12第2週(二層性胚盤):第11〜12日について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックSecond Week of Development — Day 13第2週(二層性胚盤):第13日について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックSecond Week of Development — Clinical第2週(二層性胚盤):臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThird Week of Development — Gastrulation & primitive streak第3週(三層性胚盤・原腸形成):原腸形成と原始線条について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThird Week of Development — Notochord formation第3週(三層性胚盤・原腸形成):脊索の形成について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThird Week of Development — Body plan第3週(三層性胚盤・原腸形成):体制(ボディプラン)について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThird Week of Development — Trophoblast development第3週(三層性胚盤・原腸形成):栄養膜の発生について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThird Week of Development — Clinical第3週(三層性胚盤・原腸形成):臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThe Embryonic Period, Weeks 3–8 — Ectoderm derivatives胚子期(器官形成):外胚葉由来組織について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThe Embryonic Period, Weeks 3–8 — Mesoderm derivatives胚子期(器官形成):中胚葉由来組織について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThe Embryonic Period, Weeks 3–8 — Endoderm derivatives胚子期(器官形成):内胚葉由来組織について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThe Embryonic Period, Weeks 3–8 — Embryonic folding胚子期(器官形成):胚子の折りたたみについて、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThe Embryonic Period, Weeks 3–8 — External appearance胚子期(器官形成):外観(発生時期の推定・胎齢)について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThe Fetus and Placenta — Fetal development胎児期と胎盤:胎児の発育について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThe Fetus and Placenta — Placenta & fetal membranes胎児期と胎盤:胎盤と胎膜について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThe Fetus and Placenta — Umbilical cord & amnion胎児期と胎盤:臍帯と羊膜について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThe Fetus and Placenta — Twins胎児期と胎盤:双胎について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックThe Fetus and Placenta — Parturition胎児期と胎盤:分娩について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックBirth Defects and Prenatal Diagnosis — Types of anomalies先天異常と出生前診断:異常の種類について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックBirth Defects and Prenatal Diagnosis — Principles of teratology先天異常と出生前診断:催奇形学の原則について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックBirth Defects and Prenatal Diagnosis — Prenatal diagnosis先天異常と出生前診断:出生前診断について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックBirth Defects and Prenatal Diagnosis — Fetal therapy先天異常と出生前診断:胎児治療について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックSkeletal System — Skull骨格系:頭蓋について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックSkeletal System — Vertebral column骨格系:脊柱について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックSkeletal System — Ribs & sternum骨格系:肋骨と胸骨について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックSkeletal System — Limb skeleton骨格系:四肢の骨格について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックSkeletal System — Clinical骨格系:臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックMuscular System — Skeletal (striated) muscle筋系:骨格筋(横紋筋)について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックMuscular System — Head, limb & body-wall muscles筋系:頭部・四肢・体壁の筋について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックMuscular System — Cardiac & smooth muscle筋系:心筋と平滑筋について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックMuscular System — Clinical筋系:臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックBody Cavities — Intraembryonic coelom体腔:胚内体腔について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックBody Cavities — Serous membranes & mesenteries体腔:漿膜と腸間膜について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックBody Cavities — Diaphragm formation体腔:横隔膜の形成について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックBody Cavities — Clinical体腔:臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCardiovascular System — Heart tube & looping心血管系:心筒とループ形成について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCardiovascular System — Cardiac septation心血管系:心臓の中隔形成について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCardiovascular System — Valves & conducting system心血管系:弁と刺激伝導系について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCardiovascular System — Vascular development心血管系:血管の発生について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCardiovascular System — Fetal circulation心血管系:胎児循環について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCardiovascular System — Clinical心血管系:臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックRespiratory System — Respiratory diverticulum呼吸器系:呼吸器憩室について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックRespiratory System — Larynx, trachea, bronchi & lungs呼吸器系:喉頭・気管・気管支・肺について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックRespiratory System — Clinical呼吸器系:臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックDigestive System — Gut tube divisions消化器系:腸管の区分について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックDigestive System — Foregut消化器系:前腸について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックDigestive System — Midgut消化器系:中腸について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックDigestive System — Hindgut消化器系:後腸について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックDigestive System — Clinical消化器系:臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックUrogenital System — Urinary system泌尿生殖器系:泌尿器系について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックUrogenital System — Genital system泌尿生殖器系:生殖器系について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックUrogenital System — Clinical泌尿生殖器系:臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックHead and Neck — Pharyngeal (branchial) apparatus頭頸部:咽頭(鰓)装置について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックHead and Neck — Tongue & thyroid頭頸部:舌と甲状腺について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックHead and Neck — Face & palate頭頸部:顔面と口蓋について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックHead and Neck — Clinical頭頸部:臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCentral Nervous System — Neural tube & neurulation中枢神経系:神経管と神経胚形成について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCentral Nervous System — Spinal cord中枢神経系:脊髄について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCentral Nervous System — Brain vesicles中枢神経系:脳胞について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCentral Nervous System — Brain differentiation中枢神経系:脳の分化について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCentral Nervous System — Cranial nerves & autonomic NS中枢神経系:脳神経と自律神経系について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックCentral Nervous System — Clinical中枢神経系:臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックEar — Internal ear耳:内耳について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックEar — Middle ear耳:中耳について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックEar — External ear耳:外耳について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックEar — Clinical耳:臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックEye — Optic vesicle & cup眼:眼胞と眼杯について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックEye — Retina, iris & ciliary body眼:網膜・虹彩・毛様体について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックEye — Lens, cornea, choroid, sclera & vitreous眼:水晶体・角膜・脈絡膜・強膜・硝子体について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックEye — Clinical眼:臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックIntegumentary System — Skin外皮系:皮膚について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックIntegumentary System — Appendages外皮系:付属器について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックIntegumentary System — Teeth外皮系:歯について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
    • トピックIntegumentary System — Clinical外皮系:臨床について、Consensusの指摘を抄録レベルで照合し、誤り・過度な単純化を修正して検証済み出典を追加。
  6. 2026 08.22

    分子細胞生物学(topics/mcb)の全80ノートを、Consensusの指摘文書なしで自己点検した。これまでのバッチと違い外部からの指摘リストが無いため、「読んで違和感があるか」ではなく『教科書が古びやすい類型』を先に列挙してから一次資料に当たる、という順序を強制した。類型は6つ——①カウント系の数値、②「〜のみ/常に」型の断定、③分類・命名の枠組み、④手法の位置づけ、⑤臨床応用の現況、⑥ノート内部の矛盾。⑥は外部知識が要らないため全80件で必須にした。80ノートすべてが着手前は `sources` 0件で、2〜19件(計366件)を新設した。検出できた誤りは大きく3種類ある。第一に**単純だが影響の大きい事実誤認**——アンピシリンが「翻訳装置を破壊する」(β-ラクタムなので細胞壁合成阻害)、メンケス症候群が「銅の食事性欠乏による代謝性疾患」(X連鎖劣性のATP7A変異)、ボルチモア分類が6群(正しくは7群でグループVII=dsDNA-RTが欠落)、ONPGが「オルト-ニトロフェニル-β-ガラクトシダーゼ」(酵素ではなく配糖体)など。第二に**古い定説のまま止まっていたもの**——Pol δ/ε の鎖分担(2007〜2008年にε=リーディング、δ=ラギングで決着済み)、テロメラーゼ活性化の機序(脱メチル化ではなくTERTプロモーター変異とTHOR領域の高メチル化)、CpGアイランドのメチル化状態(向きが逆)、遺伝子治療の「実験的技術である」(FDA承認20品目超、Casgevyが世界初のCRISPR承認薬)など。第三に**ノート内部およびノート間の矛盾**で、これが最も多く、外部知識なしで検出できた——58の「老化の9つの特徴」の下に8項目しかない、60でゲルゾリンが同一ノート内でゲル形成蛋白と切断蛋白の両方に分類されている、62のCOP-Iの方向が61の表と正面から食い違う、59のミトコンドリアの機能「カスパーゼの貯蔵」が53・54と矛盾する、など。過剰な書き換えを抑えるため『既定は変更しない/文体改善のための書き換えはしない/修正ゼロでもよい/無理に出典数を稼がない』という歯止めを置き、実際に38(膜受容体)は事実誤りゼロでカウントの補足のみ、というノートも出た。**確認できなかった項目は憶測で書き換えず記載を残した**(28のヒドロキシプロリン尿中排泄40%、56のADAM17によるRIPK3リン酸化、58のHayflick限界50〜60回、24のリボソーム構成蛋白数など)。80ノートを16のサブエージェントに5件ずつ割り当てて並列処理し、親側で見出し数・wikilink増減・lint・出典id重複を全件再検証している。並列作業の副作用として『同一論文に別々のid』が4組発生したため統一した。

    • トピックChemical structure of nucleotides; primary and secondary structure of nucleic acids (DNA and different types of RNA)「syn型・anti型は回転の自由度がなく相互変換不可能」を訂正——プリンヌクレオシドは溶液中でsyn⇄antiの動的平衡にあり、NMRで存在比が定量されている。同ノートのZ型DNA表が「プリンはsyn、B型はanti」と書いており内部矛盾でもあった。「ヌクレオチド間の結合はエステル1つと酸無水物2つ」も訂正(これはヌクレオシド三リン酸1分子内のリン酸鎖の話で、ヌクレオチド間は3′,5′-ホスホジエステル結合)。B型の10塩基対/回転が繊維X線回折の値で、溶液中の実測は10.4±0.1であることを追記。
    • トピックCondensation of the genetic material in pro- and eukaryotic cells; the role of topoisomerases and chromatin proteins「トポイソメラーゼII(DNAジャイレース)が負の超らせんを導入」が真核生物には当てはまらないことを明示(負の超らせんを導入できるのは細菌ジャイレースのみで、高等真核生物には存在しない=キノロンの選択毒性の根拠)。「コンデンシン-ATPaseはSMCヒストン蛋白質ファミリー」を訂正(同ノート前段でSMCを非ヒストンに分類済みの内部矛盾)。30 nm線維の階層モデルについて、ChromEMTでは細胞内クロマチンが直径5〜24 nmの不規則な鎖であり規則的線維は観察されないことを、5段階モデルを残したうえで追記。
    • トピックStructure of the human genome: coding and regulatory sequences; noncoding genomic sequences: introns, pseudogenes, repetitive sequences (only for EM-students)本ノート最大の誤り「ヒトゲノムのうちRNAをコードするのは1.5〜2%」を訂正——1.5〜2%は蛋白コード配列の割合で、ENCODEによればゲノムの約4分の3が転写されうる。「テロメラーゼは胚性幹細胞でのみ発現」も訂正(正常卵巣・精巣は陽性、腫瘍生検101検体中90検体が陽性)。偽遺伝子を「3タイプ」と書いて表が4行という内部矛盾、および孤発型偽遺伝子の「機能喪失変異(例:熱)」という意味不明な訳語を修正。T2T-CHM13でセントロメア反復がゲノムの6.2%を占めることを追記。
    • トピックThe role of genetic variations in the pathogenesis of diseases; methods to study genetic factors「0.1〜0.5%(約300万塩基対)=約99.5%同一」の数字が噛み合っていない点を、数え方の違いとして整理(300万塩基は0.1%側、99.5%は0.5%側)。「頻度1%を境に変異/多型」という枠組みが臨床遺伝学では2015年のACMG/AMPガイドラインで5段階分類に置き換わっていることを、旧枠組みを残したうえで追記。GWASが「ゲノム全体を読む」のではなくタグSNPアレイによる間接的検出であり希少バリアント・構造変異を取りこぼすことを、UK Biobank 490,640人のWGSと対比して明示。
    • トピックPrinciples of the semiconservative DNA replication; replication fork, leading and lagging strand synthesisラギング鎖の表の「3′→5′方向にしか進めないため」が直前の本文「ポリメラーゼは5′→3′のみ」と矛盾していた点を修正。岡崎フラグメント長が酵素固有の値ではなく真核生物ではヌクレオソーム反復長に一致し、連結部がヌクレオソーム中央付近に偏ることを追記。ヒトの複製起点が最大150 kbの幅を持つ「開始ゾーン」内での確率的開始であり、oriCのような単一点ではないため一意に数えられないことを明示。
    • トピックComparison of DNA-replication in pro- and eukaryotesPol δ/ε の鎖分担を現行の理解へ更新——表は「δ=リーディング+ラギング両方、ε=修復」だったが、2007〜2008年の低忠実度変異型ポリメラーゼ実験でε=リーディング鎖、δ=ラギング鎖(δの複製の90%超がラギング鎖鋳型)と決着している。「真核は全起点で同時に開始」を訂正(約40 kb間隔の小クラスタ単位で順次発火)。複製起点「1000超」をini-seqの実測25,000か所超へ(桁が1つ以上違う)。大腸菌の複製速度も生体内実測(550〜750 nt/秒)へ。
    • トピックTelomeric repeat sequences: replication of the telomeric regions of eukaryotic chromosomes; functions and importance of the telomerase「腫瘍細胞はプロモーターを脱メチル化してテロメラーゼを発現する」という方向が現在の理解と逆であることを明示——主役はTERTプロモーター変異(汎癌30,773例の11.3%、皮膚メラノーマ82%)とTHOR領域の高メチル化(低メチル化ではない)。「胚性幹細胞・始原生殖細胞・癌細胞でのみ機能する」の「でのみ」も補正(CD34陽性造血幹細胞、抗原刺激後のナイーブCD4 T細胞)。ALT(癌の10〜15%、ATRX欠損を伴い抗テロメラーゼ薬が効かない)が欠落していたため追加。表で同じものが2行に分かれていた重複も統合。
    • トピックThe most important types of DNA damage; repair of base deamination (only for EM-students)「DNA損傷は常に2本鎖の一方のみ」が同ノートの二本鎖切断・鎖間架橋の節と正面から食い違っていた点を3箇所修正。DNA自然崩壊の主要3経路のうち酸化が6分類に立っていなかったため、8-oxoGとMTH1/OGG1/MUTYHの3段構え、MUTYH両アレル変異=MUTYH関連ポリポーシスを追加。脱アミノ化の表に5-メチルシトシン→チミンが無く本文と不一致だった行を補い、CpGトランジションが全点突然変異の約3分の1であることを追記。なお『1日あたり約10,000箇所の脱プリン化』はLindahlの古典的推定だが原著抄録に数値が無く、そのまま残した。
    • トピックFormation and repair of thymine dimers; mismatch repair (only for EM-students)「原核生物のみが持つ直接修復(DNA光回復酵素)」が二重に誤りであることを訂正——光回復酵素は菌類・植物・魚類・有袋類にもあり、逆にヒトを含む有胎盤類は遺伝子ごと失っている。ヒトに残る直接修復=MGMTが欠落していたため追加し、膠芽腫206例の45%でプロモーターがメチル化しその群だけがテモゾロミドの上乗せを得たという臨床的逆転関係を明示。「真核生物のミスマッチ修復は詳細未解明」も更新(PCNAに活性化されたMLH1-PMS2が新生鎖の既存ニックを手がかりに鎖識別する機構が解明済み)。dMMR/MSI-Highへの免疫療法(12腫瘍型で奏効率53%)も追加。
    • トピックTypes of point mutations; mechanisms of their development; possible effects of DNA sequence variations on the corresponding protein「頻度1%で変異と多型を分ける」枠組みがACMG/AMP 2015で廃止され5段階分類に置き換わったことを、旧表を残したうえで追記。「サイレント変異=影響なし」の断定を訂正(MDR1の同義SNPは稀コドンによる共翻訳的フォールディングのタイミング変化でP糖蛋白の立体構造と薬物相互作用を変える)。「挿入・欠失=フレームシフト」も3の倍数はインフレームである旨を補正。de novo変異率(1世代1ヌクレオチドあたり1.20×10⁻⁸、ばらつきはほぼ父の年齢のみで説明され1歳につき約2変異増)を追加。
    • トピックStructure and function of the RNA-polymerase of E. coli; initiation and termination of transcription in prokaryotes大腸菌RNAポリメラーゼのωサブユニットが欠落していた点を補正——コア酵素はα₂ββ′ω、ホロ酵素はα₂ββ′ωσ。あわせて「組み立てを助ける」のはσではなくω(真核RPB6の相同体)であること、「σは最小サブユニット」も誤り(σ70約70 kDa>α約36.5 kDa>ω約10 kDa)であることを明示。σ解離のタイミングがノート内で「最初のヌクレオチド合成後」と「約10 nt合成後」に分裂していた矛盾を、半減期4〜7秒の確率過程として統合。ρ依存性終結の「Rho因子がポリペプチド鎖のループを形成」も訂正(RNA鎖)。
    • トピックCharacterization, role and synthesis of different types of RNA「ゲノムの90%超が転写される」を3箇所訂正——ENCODEの原著は約4分の3(75%)で、「生化学的機能割り当て80%」との混同。lncRNAを「約200 nt」から「200 ntを超える」へ直し、circRNAの行を新設(CDR1asがmiR-7結合部位63個を持つスポンジ)。「rRNA・tRNAの遺伝子はいずれも核小体に集簇」が後段の「Pol IIIが核質でtRNAを合成」と矛盾していた点、節見出しが「原核生物型」なのに内容が全て真核だった点、「原核生物:核内リボヌクレアーゼD」(原核生物に核はない)を修正。
    • トピックRegulation of transcription in prokaryotes, definition of operon; positive and negative regulation (only for EM-students)「ヒト消化管内の大腸菌がヒトのラクトース分解を可能にしている」を訂正——ヒトの乳糖分解は小腸刷子縁のラクターゼ(LCT産物)が担い、離乳後の活性低下が成人型乳糖非持続症。「ヒトはトリプトファンを細菌の助けを借りて合成できる」も訂正(必須アミノ酸で生合成経路を持たない)。「オペロンは原核生物のみに存在する」も、C. elegansに約1,000個のオペロンがあり全遺伝子の約15%が含まれることを、元の記述を残したうえで追記。trpオペロンのアテニュエーションが欠落していたため補い、コリプレッサーの因果の逆転も修正。
    • トピックStructure of the eukaryotic genes, initiation and termination of transcription in eukaryotesTATAボックスの位置づけを実測へ——ヒトのコアプロモーターの約76%はTATA様配列を欠き、コンセンサスINRを持つのは約46%でTATAより優勢。「4要素が必ず揃う」わけではないことを明示。高等真核生物の主要な調節点であるプロモーター近傍ポーズ(NELF/DSIF、P-TEFb/CDK9によるSer2リン酸化)が欠落していたため追加。終結機構が実質トルピードモデルなのに名称もXrn2も無かった点を補い、伸長速度との速度競合が終結位置を決めることを追記。ノート11のω追加に合わせて原核ホロ酵素の表記も統一。
    • トピックRegulation of the transcription in eukaryotes (only for EM-students)メディエーターのサブユニット数「約20」を26(1.4 MDa)へ補正。「メディエーター=エンハンサーに結合する複合体」も不正確なため訂正——メディエーター自身に配列特異的DNA結合活性はなく、エンハンサー結合転写因子に呼ばれて橋渡しをする。相分離による転写調節の層が丸ごと欠落していたため、メディエーターがIDRに富み相分離能を持つこと、スーパーエンハンサー上でBRD4とMED1が液滴様凝縮体を形成することを追加。
    • トピックProcessing of the eukaryotic mRNAmermaidノードの脱字(本文と食い違う `c3'スプライス部位`)を修正。m6Aが第4の加工層であること(ヒト7,000超遺伝子・12,000超部位、終止コドン周辺と長い内部エキソンに集中)を追加。「U5=3′スプライス部位結合」「U4・U6=触媒活性」という記述を、3′部位認識はU2AFが担いU5は両エキソン末端を整列させること、U4は触媒活性を持たずU6を覆うシャペロンであることとして補正。U12型(マイナースプライソソーム)の存在も追記。
    • トピックFunction and application of PCR and real-time PCR「プライマーは人工の一本鎖DNA(自然界のような通常の二本鎖RNAではない)」を訂正——天然のプライマーはプライマーゼが作る一本鎖RNA。mermaidのアニーリング温度68℃が本文の50〜72℃/55℃前後と食い違っていた点を統一。相対定量を「定性的」、絶対定量のみ「定量的」としていた表を書き直した(2^(-ΔΔCt)は変化倍率を出す定量法)。デジタルPCR(検量線不要、qPCR比でCV 37〜86%低下)とCRISPRベース検出(SHERLOCKはアトモル感度・1塩基識別)を追加。
    • トピックMethods for the investigation of genetic mutations and polymorphisms (RFLP, allele-specific PCR, DNA-sequencing and primer extension)プライマー伸長法の説明「異なる蛍光で標識したプライマーを用いて、どのプライマーが結合するかを見る」を訂正——プライマーは1本で、4色に色分けしたddNTPを取り込ませ産物の色で塩基を読む。「プロファイリード活性」という崩れた語を「校正活性を持たないポリメラーゼを使うので3′末端のミスマッチは修正されない」という正しい機序へ。3′-/5′-エキソヌクレアーゼの向き(3′→5′、5′→3′)を明記し、後者が岡崎フラグメントではなくRNAプライマーの除去であることを補正。サンガー法の実装の変遷とNGSへの位置づけの変化も追記。
    • トピックGeneration and application of recombinant DNA, reporter- and expression vectors「アンピシリン(β-ラクタム系)は翻訳装置を破壊する」を訂正——細胞壁ペプチドグリカン架橋のトランスペプチダーゼ阻害。「制限酵素切断で遊離3′-OHと5′-OH」も訂正(5′-リン酸。リガーゼが繋ぐ相手そのものの誤り)。「トランスフェクション(ウイルス様粒子を用い…)」も訂正し、トランスフェクション(非ウイルス的)/トランスダクション(ウイルスベクター)/形質転換(細菌)の3語を区別。レポーターにGFPが完全に欠落していたため発光系と蛍光系の2系統を追加し、Gibsonアセンブリへの移行も追記。
    • トピックRegulation of eukaryotic gene expression at post-transcriptional level (alternative splicing, RNA editing, regulation of RNA stability, RNA quality control) (only for EM-students)「転写後調節は真核生物にのみ存在する」を緩め、細菌のリボスイッチ・sRNA・アテニュエーションを提示。真核生物固有なのは核/細胞質の分離とスプライシングに由来する層であることを明示。タイトルにあるのに本文が欠落していた2項目(RNA安定性の調節=脱アデニル化律速・ARE・m6A→YTHDF2、およびRNA品質管理=NMD)を補完。HIVの本文で伏せられていた「特異的蛋白質」をRev(RRE結合、CRM1経由)と明示(まとめだけがRevに言及しており本文と不整合だった)。ヒトの複数エキソン遺伝子の約95%が選択的スプライシングを受けることも追加。
    • トピックRegulation of eukaryotic gene expression by RNA interference (miRNA, siRNA)「パッセンジャー鎖が標的mRNAに結合する」を本文2箇所で訂正——RISCに残って標的を読むのはガイド鎖で、パッセンジャー鎖はAgo2に切断・廃棄される。「Dicerがdsdsを中央で切断」も訂正(末端から測って切る分子定規、PAZ〜RNase III間 約65Å ≒ 25 bp)。「miRNA→翻訳阻害」の単純化も、リボソームプロファイリングで蛋白産生低下の84%以上がmRNA量低下で説明されることを添えて補正。Drosha・Exportin-5が無名だった点を補い、siRNA医薬(パチシラン、2018年承認の世界初のRNAi医薬)を追加。
    • トピックEpigenetic regulation of eukaryotic transcription: the role of DNA methylation and histone modifications「メチル化は通常CpGアイランドで起こる」を訂正——向きが逆で、バルクDNAのCpGは大半がメチル化、CpGアイランドは正常組織では非メチル化(不活性X・インプリント座位を除く)。「メチル化=発現抑制」の一律化も、gene body内部のメチル化が発現と正の相関を示すことを添えて補正。能動的脱メチル化「メチル基の直接除去」も訂正(5mCから直接メチル基を外す酵素は無く、TETによる5mC→5hmC→5fC→5caCの酸化+除去修復)。表で「脱アセチル化」の行の効果欄がアセチル化の説明になっていた矛盾も解消。
    • トピックThe genetic code; structure and function of tRNAs; aminoacyl-tRNA synthetases; codon-anticodon connections「アミノ酸の数だけアミノアシルtRNA合成酵素が存在する」に例外を追記——グラム陽性菌・シアノバクテリア・古細菌・オルガネラはGlnRSを持たず、GatCABアミドトランスフェラーゼによる誤アシル化+アミド化が唯一の供給路(枯草菌では破壊が致死)。遺伝暗号の例外(UGA→セレノシステイン、UAG→ピロリジン)が皆無だったため表で追加し、ヒトにセレノ蛋白が実在することも明示。ミトコンドリア暗号・繊毛虫などの例外、クラスI/クラスIIの区分も追記。
    • トピックThe structure of prokaryotic and eukaryotic ribosomes; the ribosome cycle; binding of tRNA to ribosomesリボソームがリボザイムであることが一切書かれていなかったため追加(ペプチジル転移中心は23S rRNAドメインVのみで構成され、形成されるペプチド結合の約18Å以内に蛋白側鎖が存在しない)。2014年の統一命名法(uS/uL、b・e接頭辞)も旧命名を残して追記。リボソームサイクルが「IF-3の多寡」だけで説明されていた点を補正——終結後複合体を割るのは細菌ではRRF+EF-G+GTP+IF3、真核ではABCE1。なお構成蛋白数(原核54、真核80〜82)は参照した構造解析論文の抄録に記載が無く、現行値のまま残した。
    • トピックInitiation of the translation in pro- and eukaryotes; regulation of eukaryotic translation; the role of phosphorylation of eIF2α冒頭が「原核はシャイン・ダルガーノ配列」と書いているのに原核の節にSDが一度も出てこなかった内部ギャップを、16S rRNA 3′末端との塩基対合として補完。「eIFのα-サブユニット」をeIF2αSer51へ修正。「GDPをGTPと交換できない」の実体である交換因子eIF2Bが登場していなかったため追加し、4つのeIF2αキナーゼ(PERK/PKR/GCN2/HRI)と統合的ストレス応答を明示。「翻訳を全面停止」の断定も、ATF4がuORFの使い分けによりストレス時にむしろ翻訳が上がることを添えて補正。コザック配列とリーキースキャニングも追加。
    • トピックElongation and termination of pro- and eukaryotic translation; pharmacological inhibitors of translation伸長の三者複合体を「tRNAiMet+GTP結合eIF2」としていた本文を訂正——同じ節のmermaidは正しく「EF1α-GTP」と書いており、本文だけが開始の三者複合体と取り違えていた。「EF-Tu(熱不安定性)、EF-T(熱安定性)」の表記も補正(熱安定側はEF-Ts)。ストレプトグラミンの「50SのP部位に結合」を訂正し、B群は出口トンネル、A群はペプチジル転移酵素中心に結合してA・P両部位のtRNA占有を妨げることを明示。スペクチノマイシンも小サブユニット頭部のswivelを立体的に固定して転座を阻害すると具体化。
    • トピックPost-translational modifications of proteinsリシルオキシダーゼの補因子「銅→ノルロイシン」を訂正(Cu(II)とLTQ=リシンチロシルキノン。ノルロイシンは架橋産物名の混入)。架橋の相手「リジン/プロリン」も訂正(アリシン同士、またはリジン/ヒドロキシリジン。プロリンは関与しない)。N-型糖鎖付加の酵素「N-アセチル基転移酵素」をオリゴ糖転移酵素(OST)へ。O-型糖鎖付加の「ゴルジ体内、O-GlcNAc転移酵素により付加」も2系統の混同として分離——ムチン型はppGalNAc-Tがゴルジで開始し、OGTは核・細胞質で働く。
    • トピックTypes, structure and synthesis of collagenメンケス症候群を「リシルオキシダーゼに必要な銅の食事性欠乏」「代謝性疾患」としていた記述を訂正——X連鎖劣性のATP7A変異による銅代謝異常症で、分類ごと遺伝性へ移した。プロリル水酸化酵素の生成物にH₂O₂が挙がっていた点も訂正(Hyp・コハク酸・CO₂)。コラーゲンの型の総数(28メンバー)とエーラス・ダンロス症候群の2017年国際分類(13亜型)を、元の4型・Villefranche分類を残したうえで位置づけとして追記。なお『ヒドロキシプロリンの40%が尿中に分泌される』は一次資料で確認も反証もできず、憶測での書き換えを避けて残した。
    • トピックInvestigation of gene expression by real-time PCR and DNA-microarray methodologyTaqManプローブの「アニーリング中(プローブがDNAポリメラーゼにより結合したとき)クエンチャーが除去される」を2点訂正——プローブは相補性により自力でアニーリングし、増幅(伸長)中にTaqの5′→3′エキソヌクレアーゼ活性が分解する。「閾値サイクル(Cт)」もMIQE 2.0でCq(quantification cycle)が正式名称となったことを旧名を残して追記。マイクロアレイがRNA-seqに置き換わった位置づけ(背景ノイズ・ダイナミックレンジ・スプライシングや融合遺伝子の検出)を、アレイの記述を削らずに補った。
    • トピックDefinition of proteostasis; types of intracellular protein degradation「N末端則(N-end rule)」が2019年にN-degron pathwayへ改称提唱されたこと(20アミノ酸すべてが文脈次第で不安定化N末端残基になりうると判明したため、およびC-デグロン経路が対として加わったため)を旧名を残して追記。「ユビキチンは細胞質蛋白質をプロテアソームでの分解のために標識する」という限定型の断定も、鎖の繋ぎ方が8種でK48鎖→プロテアソーム/K63鎖→リソソームと行き先が分かれることを添えて補正。CMAとeMIがKFERQモチーフ依存で単一蛋白を選択的に分解することも補強。
    • トピックStructure and function of the proteasome; role of immune-proteasome and TAP (only for EM-students)表の「β3=キモトリプシン様」を訂正——7種のβのうち触媒活性を持つのはβ1・β2・β5の3つのみで、キモトリプシン様はβ5。まとめの `β1/β2/β3` も同時に修正(表と本文の内部整合)。20Sコアのサブユニット数を28((α1-7,β1-7)×2)と明記。免疫プロテアソームの触媒サブユニット(β1i/β2i/β5i)と誘導因子(IFN-γ・TNF-α)、およびTAPがTAP1/TAP2のヘテロ二量体でありペプチド装填複合体が7サブユニットからなることを具体化した(元ノートはPLCの中身を一切書いていなかった)。
    • トピックTypes, mechanism and role of autophagy「ULK1→Beclin1→PIP3」の脂質の取り違えを訂正——オートファゴソーム形成に必要なのはPI3P(PtdIns3P)であってPIP3ではない。しかも原文は「PIP3タンパク質」と書いており脂質を蛋白と書く二重の誤りだった。CMA受容体をLAMP-2Aと特定し、加齢によるCMA低下の実体がLAMP-2A量の減少であることも追記。本文「選択的オートファジーもオートファゴソームを使う」とまとめ「マクロオートファジー=非選択的なバルク分解」の矛盾を、2つの軸が直交することとして解消。癌における役割が発癌の段階で逆転することも数値つきで補正。
    • トピックLytic and lysogenic replication cycles of bacteriophages (only for EM-students)「RecAがλリプレッサー/LexAを蛋白質分解する」の機構を訂正——cIもLexAも分子内自己切断で、RecAは反応速度を上げるコプロテアーゼであり通常のプロテアーゼではない。「2つのリプレッサー二量体(cI+croリプレッサー)」も訂正(別々の蛋白質でそれぞれホモ二量体を作り同じO_R部位を奪い合う。親和性の順序も逆)。溶原サイクル冒頭「ファージDNAは複製されず」と段階4「プロファージとともに複製する」の矛盾、まとめの「宿主DNAをヒドロキシメチルシトシン化により保護」(保護されるのはファージDNA側)、膜と壁の混在も解消。
    • トピックClassification of animal viruses; structure and replication of retroviruses (only for EM-students)ボルチモア分類が6群になっていた点を訂正——正しくは7群で、グループVII=dsDNA-RT(HBV等ヘパドナウイルス)が欠落していた。グループIの記述が挙例のポックス・ヘルペスの両方に当てはまらない点(いずれも自前のDNAポリメラーゼをコードし、ポックスは核に入らない)、グループIIの3行が「宿主DNAポリメラーゼで複製」の直後に「RNAポリメラーゼによりdsDNAへ変換」と壊れていた点を修正。「(ランダムな組み込み)」も訂正(HIVは活発な転写単位内部、MLVは転写開始点近傍を好む)。ICTV分類体系の改訂も追記。
    • トピックPrinciples of human gene therapy (in vivo vs. ex vivo methods, gene augmentation, CRISPR/Cas9 system) (only for EM-students)最も古びていたノート。「実験的技術である」を訂正(2024年時点でFDA承認20品目超、うちrAAV製品7品目、定価1人400万米ドル超)。AAV行の「染色体19番へ組み込み可能/免疫応答なし」が3点とも誤りであることを明示——chr19部位特異的組み込みはrepを持つ野生型AAVの話で治療用rAAVはほぼエピソーム、255試験のメタ解析で38.7%が中和抗体で被験者選別、高用量では肝毒性・血栓性微小血管症の致死例(8試験計11例の死亡)。レンチ/レトロウイルスベクターの挿入変異(SCID-X1試験のLMO2上流35 kb組み込み→T-ALL)が全く書かれていなかったため追加。Casgevyが世界初のCRISPR承認薬でありBCL11Aエンハンサー破壊による抑制解除であること、塩基編集・プライム編集も世代表として追加した。
    • トピックBiomedical application of genetic engineering processes (transgenic animals; knock-out, knock-in and knock-down techniques; cloning) (only for EM-students)CRISPRに一切触れておらず手法の位置づけが2013年以前で止まっていた点を補った——ノックアウト=「ES細胞+相同組換え+キメラ」のみだったところへ、ZFN→TALEN→CRISPRの世代交代と、Cas9 mRNA+sgRNAの受精卵共注入で両アレル変異マウスが80%得られることを、ES細胞ルートを消さずに追記。塩基編集(二本鎖切断・ドナー不要、約5塩基の窓、修正率15〜75%、indel通常≤1%)とプライム編集(12種類すべての点変異、既知疾患関連変異の最大89%)も追加。
    • トピックNuclear receptors: steroid, thyroid, retinoid and Ah receptorsベンゾ[a]ピレンを「ハロゲン化芳香族炭化水素」としていた記述を訂正(多環芳香族炭化水素。ハロゲン化はダイオキシン側)。核内受容体スーパーファミリーがヒト48個であることを追記し、AhRがbHLH/PASクラスでこの48個に含まれないため「機序上の相似形」として覚えるべきことを、元の記述を消さずに明示した。
    • トピックClassification and function of membrane receptors点検したが現行コンセンサスとのずれは見つからず、事実誤りの修正はゼロ。3分類が冒頭・本文・まとめで一致しており内部矛盾も無かった。欠落していたカウント系の数値のみ補った——ヒトGPCR配列800個超、非嗅覚の機能的GPCR 342個、GRAFS 5大ファミリー、FDA承認薬475剤(約34%)が108個のGPCRに作用し、非嗅覚GPCRの224個(56%)は臨床試験未着手。
    • トピックTypes and functions of GTP-binding proteins in signalingGタンパク質αサブユニットの4大ファミリーが誤っていた点を訂正——ノートは「Gs/Gi/Gq/Gt」としていたが標準分類はGs・Gi/o・Gq/11・G12/13で、Gtは独立ファミリーではなくGiファミリーの一員、逆にG12/13が表から欠落していた。「Raf自身もRasの下流で活性化される小分子G-タンパク質である」も訂正(RafはRasのエフェクターであるSer/Thrキナーゼ。ノート40にも同じ誤りが波及していた)。化学名の誤り2点(ホスホイノシトール-4,5-ビスリン酸→ホスファチジルイノシトール、AMPホスホジエステラーゼ→cAMP)も修正。
    • トピックActivation mechanisms of serine / threonine protein-kinases with examples「Raf自身は小分子G-タンパク質である」が同一段落の「MAP3キナーゼファミリーの一員」とノート内で矛盾していた点を訂正。「TGFβ(transformation growth factor β)」の略語展開も修正(transforming)。PDK1のアロステリック活性化因子が「ホスファチジルイノシトール3-リン酸」と読める記載も訂正——PDK1はPtdIns(3,4,5)P3にKD 1.6 nMで結合し、PtdIns3PやPIP2には低親和性。ヒトキノームが518遺伝子であることも追加。
    • トピックcAMP signaling pathway; regulation of gene expression by cAMPcAMPの直接標的がPKAしか出てこなかった点を補い、Epac(Rap1/Rap2のGEF)を追加。環状ヌクレオチド依存性チャネルとcAMPホスホジエステラーゼによる終息機構も追記した。ノート39・40で見つかった「AMPホスホジエステラーゼ」型の誤記はこのノートには波及していなかった。本文中で行途中に割れていた語(ヒスト/ンアセチル基転移酵素)の表示崩れも修復。
    • トピックPhosphatidylinositol signaling pathways「クラスI.Bの活性化:受容体チロシンキナーゼ(例:インスリン受容体)」を訂正——PI3Kγ(クラスIB)は三量体Gタンパク質のβγサブユニット(とRas)で活性化される。直前の表(βγ+p110γ)と矛盾していた内部矛盾でもある。「不活性型PDK1がPI 3-キナーゼによりリン酸化される」も訂正——PI3Kは脂質キナーゼで蛋白質はリン酸化しない。PDK1はもともと活性を持ちPHドメインでPIP3に結合して形質膜に恒常局在し、動くのはPKBの方(Thr308=PDK1/Ser473=mTORC2)。
    • トピックNFκB and TGFβ signaling「p50:NF-κB1とNF-κB2からなる」を訂正——p50はNF-κB1(前駆体p105)由来、p52はNF-κB2(前駆体p100)由来で、同ノート後半の「p52=成熟NF-κB2」と矛盾していた。「p65:RelA、RelB、c-Relからなる」もp65=RelAそのものなので「Rel型サブユニット群」へ整理。「SARAが受容体に結合しR-SMADをリン酸化する」も訂正——SARAはキナーゼではなくFYVEドメインの足場で、リン酸化するのはtype I受容体のSer/Thrキナーゼ。mermaidも同じ誤りだったため同時修正。
    • トピックStructure and function of tyrosine kinase receptors, the Erkl / Erk2 MAP kinase cascade「細胞外シグナルがない状態では、RTKは二量体化しておらず単量体として別々に存在する」という断定に例外を追記——インスリン受容体ファミリーはリガンド非存在下でも恒常的二量体で、リガンドの役割は二量体化ではなく立体構造の切り替え。細胞外領域はジスルフィド結合した二量体として結晶構造が解かれている。ノート39・40で見つかった「Raf=Gタンパク質」型の誤りはこのノートには波及していなかった。
    • トピックInsulin signalingAS160の項の「GLUT4の合成とその形質膜への転位を誘導する」を訂正——インスリンが誘導するのは新規合成ではなく既存のGLUT4貯蔵小胞のトランスロケーション。IRSがIRS-1だけでなくファミリーであり、IRS-1欠損(インスリン抵抗性+成長遅延)とIRS-2欠損(肝インスリン抵抗性と代償性β細胞過形成の欠如による2型糖尿病)で表現型が異なることも追加。ノート44と整合させ、インスリン受容体がα₂β₂の恒常的二量体である点も明記。
    • トピックIntegrating role of mTOR, and its effects on translationサブユニット略号の展開が3つ誤っていた点を訂正——Raptorは regulatory associated protein of mTOR、Rictorは rapamycin-insensitive companion of mTOR、Protorは protein observed with Rictor。「エネルギーの存在(Akt経由)」も訂正(伝えるのはAMPKで、TSC2に加えRaptorの保存2セリンを直接リン酸化する)。mTORC2の記述が細胞骨格調節因子のみで最も確立したAkt Ser473リン酸化が欠落していた点も補い、Ragulator・Sestrin2によるアミノ酸センシングも追加。
    • トピックRole of AMPK in the regulation of the metabolism and autophagy表の「PP2A・PP2C、PKA、PKC——いずれもThr172残基を脱リン酸化する」という論理的にありえない記述を訂正——PKA/PKCはキナーゼで脱リン酸化できない。PKAはα1-Ser485/α2-Ser491をリン酸化し、別途cAMP上昇がCaMKKを阻害してThr172リン酸化を減らす。「ATPの役割」の2箇条が実質重複していた壊れた記述も、AMPがThr172の脱リン酸化を妨げATPが促進するという本来の点へ補正。ULK1のリン酸化部位(AMPKがSer317/Ser777、mTORC1がSer757)も特定した。
    • トピックMechanisms of cellular oxygen sensing; adaption to hypoxia枠組み自体は正しかったが3つの層がまるごと欠落していたため補った——①FIH-1(CADの保存アスパラギンをヒドロキシル化してp300/CBP結合を阻む。PHD=安定性、FIH-1=転写活性の二段構え)②HIF-1αとHIF-2αの分業(EPOはHIF-2α依存でHIF-1α非依存、解糖系はHIF-1α依存)③臨床応用(ロキサデュスタットでHb +1.9 g/dL、ベルズチファンのVHL病関連腎細胞癌で奏効率49%)。ジオキシゲナーゼの化学量論「1分子の酸素が基質に取り込まれ」も訂正(O₂の2原子は分かれ1原子が基質へ、1原子がコハク酸へ)。
    • トピックRegulation of the cell cycle in the G1 phase, transition to S phaseサイクリン/CDK対応表は全行正しく番号の取り違えは無かった。「阻害性リン酸化はWee1が媒介」を訂正——Wee1が付けるのはTyr15のみで、Thr14の主要キナーゼは膜結合性のMyt1。CAKをCdk7-サイクリンH-MAT1の三量体と具体化し、CIP/KIPのCdk4,6-サイクリンDに対する作用が純粋な阻害ではなく会合促進(p21で35倍、p27で80倍)であることを表を残したうえで補足。CDK4/6阻害薬(PALOMA-2でPFS 24.8 vs 14.5か月)も臨床接続として追加。
    • トピックRegulation of the cell cycle in the G2 and M phases見出し「MPFは後期まで有糸分裂を指揮する」と総括表「MPF:中期まで」の食い違いを、サイクリンB1の分解が紡錘体チェックポイントにより中期→後期移行まで遅らされるという同一の事実として整理。「APCは(ユビキチンリガーゼにより)分解の標的とする」も訂正(APC/C自身がE3ユビキチンリガーゼ)。「APCはMPFの分解」も訂正(壊れるのはサイクリンBでCdk1は残る)。共役因子Cdc20/Cdh1が完全に欠落していたため追加し、セパラーゼ・SACの実体(MCC)も具体化した。
    • トピックMolecular sensors detecting DNA damage and completion of DNA replication during the cell cycle14-3-3σの向きが逆だった点を訂正——本文「細胞質中でMPFを不活性化し核内へ転位させる」を「細胞質に隔離し核内への移行を阻止する」へ(原著の prevent them from entering the nucleus の読み違いと思われる)。mermaidノードも同時修正。センサーの実体(DSB側はMRN複合体→ATM、ssDNA側はRPA-ssDNA→ATRIP→ATR)とγH2AX→MDC1→RNF8/RNF168→53BP1のメディエーター連鎖を補い、表題にある「DNA複製完了の検知」に対応する記述が本文に無かった点も複製ストレス応答として補完した。
    • トピックMolecular background of tumor generation「INK蛋白質はRb蛋白質を阻害する」を訂正——INK4が阻害するのはCDK4/6で、結果としてRbは低リン酸化=活性型のまま保たれる。同ノートのmermaid「p16INK4aがCdk4,6:サイクリンDを阻害」と矛盾していた。がんの特徴(hallmarks of cancer)が全く無かったため2000年版6つ/2011年版/2022年版の3世代を年次つきで追加。「腫瘍抑制遺伝子の変異は劣性」にTP53の優性阻害・機能獲得という例外を追記し、レトロウイルスの⚠️が本文と矛盾していた点も解消した。
    • トピックStructure and function of the apoptosome, DISC and PIDDosome complexes「DISCは……デス受容体である」という定義の誤りを訂正——DISCは受容体そのものではなく、オリゴマー化した受容体+FADD+プロカスパーゼ8/10の複合体。「2つのアダプター蛋白質——プロカスパーゼ8/10とFADD」もアダプターはFADDのみ。アポトソームの七量体構造を追加し、PIDDソームについて現在もっとも確かな生理的引き金が中心体数の増加であり、カスパーゼ2→MDM2切断→p53安定化→p21依存性の細胞周期停止というアポトーシス以外の経路に至ることを、古い理解を消さずに併記した。
    • トピックMembers of the Bcl-2 superfamily and their roles in various apoptotic pathways, the „survival signal”「BH3onlyはBak/Baxを直接活性化するのではなく」という断定が3か所(冒頭・本文・まとめ)に複製されていたが、現在の理解では誤りであることを明示——Bid/BimのBH3ペプチドはBaxを直接活性化し、抗アポトーシス因子の阻害だけでは直接活性化因子が無い限りアポトーシス誘導に不十分。脱抑制モデルは残したうえで直接活性化型(Bid/Bim/Puma)と増感型(Bad/Noxa)の表を追加。BH3ミメティック(ナビトクラクスの血小板減少とベネトクラクスの選択性)も追加し、Bidの「カスパーゼ非依存性経路」が経路全体ではなくBidを切る段階のみを指すことも明記した。
    • トピックFunction and activation of apoptotic caspases, role of granzyme B「IAP蛋白質はカスパーゼの活性化に結合・阻害できる」がファミリー全体には当てはまらないことを明示——ヒトで直接カスパーゼを阻害できるのはおそらくXIAPのみで、cIAP1/2は主にユビキチンリガーゼ。表題にあるグランザイムBの記述が1行しかなく不正確だった点も補正——無傷の細胞内ではグランザイムB単独でプロカスパーゼ3を完全には活性化できず、ミトコンドリアからのシトクロムc・Smac・HtrA2放出で初めて自己プロセシングが進む。Smac/DIABLO・HtrA2、AIFによるカスパーゼ非依存性経路も追加。
    • トピックTypes of non-apoptotic programmed cell death (only for EM-students)「カスパーゼ1依存性の孔」を訂正——孔を作るのはガスデルミンDのN末端断片で、カスパーゼ4/5/11(細胞質LPS直接認識)も切断する。同ノートのmermaidと後段の「ガスデルミン孔」と食い違う内部矛盾でもあった。「AIFがMIFにより核へ転位する」(向きが逆)、「A20が複合体にMLKLを活性化させる」(A20はRIPK3のK63ユビキチン化を制限するブレーキ)も訂正。NCCD 2018が分子基準で十数種を定義していることを、元の4様式を残して追記。なお『ADAM17もRIPK3をリン酸化する』は支持する抄録が皆無だったが、置き換え先を特定できなかったため記載を残した。
    • トピックRegulation of p53 levels and activity; role of p53 in determining the cell’s fate「ストレスのない細胞におけるp53の自己調節」という見出しなのに自己調節ループそのものが書かれておらずMdm2がp53の標的遺伝子であることに一切言及が無かった点を補完。G1停止の実行分子p21が本文に無く下の補足にだけ登場していた不整合も解消。Li-Fraumeni症候群の記載が皆無だったため追加し、p53標的遺伝子の表もノート内に既出の標的と検証済みのものだけで新設した。
    • トピックMolecular mechanisms involved in aging (only for EM-students)「老化の9つの特徴」という見出しの下に8項目しかなかった点を補正——欠けていたのは蛋白質恒常性の喪失(loss of proteostasis)で、まとめの箇条書きも同じ8項目を「9つ」と呼んでいた。数え直せば分かる誤りである。あわせて2023年にCell誌で12項目へ拡張されたこと(マクロオートファジー不全・慢性炎症・ディスバイオーシスの追加)を、9つを一切消さずに「置き換えではなく拡張」として表つきで上乗せした。がんでのテロメラーゼ活性化も実数(不死化細胞株100中98、腫瘍生検101中90、正常体細胞50中0)で補強。
    • トピックPrinciples of the organization of the eukaryotic cells; compartmentation; main features of subcellular organelles原核/真核比較表の「細胞骨格:存在しない」を補正——FtsZ(チューブリン相同体、Zリング)とMreB/Mbl(アクチン相同体)が知られており、両者を分ける本質は区画化の有無であることを、元の記述を消さずに位置づけとして明示。ミトコンドリアの機能「カスパーゼの貯蔵」も訂正——同フォルダのノート53・54が一貫してシトクロムc放出→アポトソーム→カスパーゼ9としており、ノートをまたいだ矛盾だった。染色体の塩基対数もT2T-CHM13の3.055 Gbへ補正。
    • トピックStructure of cytoskeleton; structure and function of motor proteins「ゲル形成蛋白質(ゲルゾリンなど)が2本の繊維を大きな角度で保持する」を訂正——同じノートの8行下ではフィラミンをゲル形成、ゲルゾリンを切断蛋白質として挙げており、ゲルゾリンは架橋しない。「繊毛:ネキシンなし=滑るのみ/鞭毛:ネキシンあり=曲がる」も、2行上と6行下ではネキシンが滑りを制限する架橋として登場する矛盾で、そもそもこの対比は繊毛vs鞭毛ではなく同じ軸糸の連結の有無の話であるため対比軸ごと差し替えた。ミオシンの「3つの型」も18クラス以上ある旨を、元の3型を残して補足。
    • トピックThe protein secretory pathway; role of the rab cycle in the regulation of vesicular transport「REPがプレニル基をRabへ転移する」を訂正——転移を触媒するのはRabゲラニルゲラニル転移酵素で、REPは未修飾Rabを酵素へ提示する役(ただし転移はREPの参加に絶対的に依存する)。「NSF=ATP加水分解のエネルギーで界面からH₂Oを排除」「SNAPはSNARE複合体を安定化」も訂正——NSFはα-SNAPとともにcis-SNARE複合体を解体するATPaseで、融合の駆動力はSNARE会合そのもの。「AP4:あまり知られていない」も、積み荷がATG9Aで欠損がSPG47/50/51/52であることを添えて更新した。
    • トピックEndo- and exocytosis「エキソサイトーシスは通常ゴルジからPMへ(COP-I小胞による)」を訂正——COP-Iはゴルジ→ERの逆行性専用で、ノート61の表と正面から矛盾していた。「Rabは……モータータンパク質であり」も訂正(低分子量GTPaseで、エフェクター経由でモーターに繋ぐ。これもノート61と矛盾)。「コルタクチンはダイニンに結合し」も訂正(結合相手はダイナミン2)。「エンドサイトーシスは3種類」という断定にカベオラとマクロピノサイトーシスを、元の3分類を残して補足した。
    • トピックFormation of the proteome of subcellular organelles; principles and mechanisms of protein sorting (only for EM-students)「ペルオキシソーム=酸素を用いて有機基質を還元するオキシゲナーゼ」という二重の誤りを訂正——オキシダーゼが基質を酸化する(ノート65は正しく書いており内部矛盾でもあった)。「RIP、regulated intermembrane proteolysis」もintramembrane(膜内切断)へ。「ERへの返送シグナル=C末端の負電荷と疎水性(Lys, Leu, Arg)」も訂正——LysとArgは塩基性で、実体は内腔側KDELと膜貫通型のKKXX二重リジン。
    • トピックProtein targeting in the secretory pathway (only for EM-students)「全ての膜貫通蛋白質はERに取り込まれ」という断定に例外を追記——ミトコンドリア/ペルオキシソーム膜蛋白質はER非経由で、テールアンカー型はSRPが使えず翻訳後にGet3/TRC40経路で挿入される。「SRPが疎水性セグメントを走査し開始転移シグナルを見分ける」も、実際に側方ゲートで疎水性ドメインを膜へ送るのはSec61であることを原文を残して補正。ERリトリーバルシグナルが一般名詞のままだった点をKDEL/HDELと受容体ERD2として具体化した。
    • トピックProtein targeting into mitochondria and peroxisomes; uptake of substrates into lysosomes (only for EM-students)「約1500のミトコンドリア蛋白質のうちミトコンドリア内で合成されるのはわずか10個」の両方の数字を訂正——MitoCarta3.0でヒト1,136遺伝子、mtDNA由来は13個で99%が核コード。「SAM=外膜蛋白質の折り畳み」もβ-バレル型専用と具体化し、TIM22とOXAも追加。Zellweger症候群の記載が皆無だったため追加(ZS/NALD/乳児Refsum病は同一連続体、CG1=PEX1が最大群、PEX7変異だけPTS2経路が選択的に障害)。I細胞病とM6P経路も補った。
    • トピックNuclear import and export of macromolecules (only for EM-students)「各NPCは約30種のヌクレオポリン」が出芽酵母由来の古い数字であることを補正(ヒトNPCは約110 MDa・約1,000分子・約34種)。「輸出はRan-GTPのエネルギーを要するが輸入は要さない」という断定も、同ノートの輸入サイクル図が最終段でRan-GAPによる加水分解を置いており矛盾していた点を含めて整理——輸入の転位段階も輸出も複数の基質でGTP加水分解を要さず、実際にエネルギーを消費しているのはRan-GTP勾配(核内が細胞質の約1,000倍)の維持である。
    • トピックEndoplasmic reticulum stress, connection between the Unfolded Protein Response (UPR) and apoptosis「D5R(デス受容体)」の綴りを訂正(DR5=death receptor 5/TRAIL-R2。コーパス全体でこのノート3箇所のみの表記でvault独自の用語決定ではないことを確認済み)。「GADD34(eIF2を脱リン酸化するホスファターゼ)」も訂正——GADD34はPP1の調節サブユニットで、脱リン酸化するのは触媒サブユニットPP1c、部位はeIF2αのSer51。XBP1スプライシングの詳細(26塩基イントロン、リガーゼはRtcB)、RIDD、ATF6を切るのがSREBPと同じS1P/S2Pであることも補足した。
    • トピックProtein quality control in the endoplasmic reticulum; the fate of misfolded proteins; ERADユビキチン化と脱グリコシル化の順序が本文とmermaid・番号列で食い違っていた内部矛盾を解消——膜からの引き抜きにはまずポリユビキチン化が必要で、脱グリコシル化は細胞質のPNGaseが後段で行う。匿名のままだった「AAA-ATPaseファミリーの六量体ATPase」「少なくとも4つの内在性膜蛋白質からなる複合体」「マンノシダーゼ」をp97/VCP-Ufd1-Npl4、Hrd1複合体、ER ManI+EDEMとして具体化。なお『最大80%が折り畳みに失敗する』は抄録で裏が取れず数値はそのまま残し、本文が持っていた「一部の型では」という限定が冒頭とまとめで落ちていた内部不整合だけを補った。
    • トピックCharacteristics of the metabolome of subcellular organelles; maintenance of the internal milieu of subcellular organelles「ERは自身の還元性中間体のプールを持つ」の論理が逆である点を訂正——ジスルフィド結合を作らせているのは酸化力で、ERのE_GSHは−208±4 mV、細胞質は−310 mVより負。まとめの記述が冒頭の「ERは細胞質より酸化的」と矛盾していた。「その酵素の1つがグルタチオンであり」も訂正(トリペプチドで酵素ではない)。「ミトコンドリア=酸化的」も内部ミリューとしては逆であること(マトリックスも膜間腔もグルタチオンプールは高度に還元されている)を、代謝の話との混同として整理した。
    • トピックRole of the extracellular matrix in signal transduction (e.g., integrin receptors), role of the extracellular matrix in the formation of metastasis (only for EM-students)「サブユニットの型は異なる遺伝子によってコードされるのではなく、翻訳後修飾によって達成される」を訂正——α・βは別々の遺伝子産物で、直前の箇条書き(18種・8種・24の結合対)とも矛盾していた。「化学療法は主に緩徐に非対称分裂する細胞を標的とする」も向きが逆で、同じ段落の後半「緩徐分裂細胞が化学療法で死滅しない場合」と矛盾——緩徐分裂・標識保持性細胞は従来型化学療法を生き延びる能力が数倍高い。RGD含有接着蛋白質がフィブロネクチン等より広いことも補足した。
    • トピックMethods in cell biology: cell culturing, cell fractionation, in vivo microscopy, flow cytometry, FACS (only for EM-students)「初代培養…約40〜50継代/分裂」の単位を訂正——Hayflick限界は継代回数ではなく集団倍加数(約50 population doubling)で、一様な50倍加は最後まで生き残ったクローンの結果である。「光学顕微鏡は回折のため解像度が限定される」に具体数(Abbe限界約200 nm、実用約250 nm)と超解像法(STED/PALM/STORM、生細胞62 nm)を追加。本文「蛍光マーカーを用いるフローサイトメトリー=FACS」と後段「FACS=分取するもの」の矛盾も、分取機構の有無で切り分けた。
    • トピックQuantification of proteins by biuret reaction and Ellmann-methodEllman法のモル吸光係数について、実習の13,600(Ellman 1959)が広く使われてきた一方で推奨値が412 nmで25度14,150・37度13,800 M⁻¹cm⁻¹であることを、実習値を残して追記。黄色発色種を「TNB(酸)」からTNB²⁻(dianion)へ修正。「システインを含む蛋白質は陽性」という断定も、DTNBが検出するのは接近可能な遊離チオールのみであること(GAPDH四量体でDTNBに即応するSHは2個、8 M尿素変性で+7個)を添えて補正。εの単位表記の内部不整合も整えた。
    • トピックInvestigation of subcellular cell fractions「分画遠心法は密度の違いを利用する」を訂正——分けているのは沈降速度(大きさが支配的)で、密度で分けるなら密度勾配遠心。4分画表が理想化されすぎている点も、古典的5分画とマーカーが複数画分にまたがる実測を添えて補足。基質がp-ニトロフェノールなのに「反応の産物はビリルビンのモノ/ジグルクロニド」と書かれていた内部矛盾も、実習の産物と生体内の代表反応を切り分けて解消。UGTの潜在活性(触媒ドメインがER内腔側にありTriton X-100で初めて全活性)も追記した。
    • トピックInvestigation of the gene expression in prokaryotes: induction of β-galactosidase in E. coliONPGを「オルト-ニトロフェニル-β-ガラクトシダーゼ」としていた化学名の取り違えを訂正——正しくはo-ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシドで、酵素ではなく配糖体。LacYの「ガラクトシダーゼパーミアーゼ」も訂正(ラクトース/β-ガラクトシドパーミアーゼで、ガラクトシド/H⁺シンポーター)。lacリプレッサーを外す誘導物質がラクトースではなくアロラクトースである点も明示し、基底発現が誘導の前提になること、IPTGがチオ配糖体のため分解されないことも補った。
    • トピックPurification of a bacterially expressed protein by affinity chromatography「DNaseが全ての型のDNA+RNAを分解し」を訂正(DNaseはRNAに作用せず、粘度上昇の原因は放出された染色体DNA)。Ni²⁺がどう樹脂に保持されているかの記述が欠落していたため、NTAが四座配位子で2座が残って生体高分子が可逆結合すること、イミダゾール溶出がヒスチジン側鎖と同じ配位座の奪い合いであることを追加。「1段階で高純度」という断定も、SlyDやトリオースリン酸イソメラーゼがHisタグIMACの一般的夾雑物であり実務ではIEX/SECを重ねることを添えて補正した。
    • トピックSDS-polyacrylamide gel electrophoresis and Western blot「SDSにより各蛋白質はほぼ同じ電荷を持つ」を訂正——SDSはg/g基準で同一量が結合し(飽和時1.4 g SDS/g、2残基あたり1分子)、一定になるのは総電荷ではなく電荷/質量比。ノート冒頭が既に「同じ電荷密度」と書いており内部矛盾でもあった。本文が還元剤・加熱に触れないまま図に「SDS+DTT+加熱」がある不整合、ブロッキング段階の欠落も補い、見かけの分子量が糖鎖付加・リン酸化でずれること、ECLが発色法の最大500倍であることも追記した。
    • トピックIn silico tools in molecular biologyツールの現況を実地に確認し、NEBcutterがV2.0(nc2.neb.com)から現行V3.0(nc3.neb.com)へ移行していることを明記(OMIM・NCBI Gene/dbSNP・Primer-BLASTはいずれも名称・位置づけとも現行のまま稼働で変更不要と確認)。構造予測がAlphaFold以降で一変している点が反映されていなかったため、CASP14とAlphaFold DBの2億1,400万構造を追記。「SNP=集団の1%超/点変異=1%未満」の二分法についてもACMG/AMP 2015の5段階分類を追記した(同じvault内のmcb/04・mcb/10は既にこの注記を持っており、77だけ抜けていた)。
    • トピックGenotyping of the TAS2R38 tasting receptor by PCR-RFLP冒頭のフレーミングだけがtaster/non-taskerの割り当てを逆にしていた点を、本文3か所の多数派に合わせて修正。原因も特定した——前半のT/tはメンデル式の対立遺伝子記号(T=優性=PAV)、後半のT/CはSNP部位の塩基(T=AVI側)で、同じ「T」が逆のものを指していた。3つの多型(A49P・V262A・I296V)とハプロタイプ(PAV/AVI)を一次資料で確認し、3か所の寄与が同等でないこと、世界で5種のハプロタイプがありPTC感受性の分散の55〜85%しか説明できないことも追記。なお§3と§4の断片長は別プロトコルで、数値はどちらも消さず矛盾の指摘にとどめた。
    • トピックAnalysis and generation of a recombinant DNA「アンピシリン(βラクタム系抗生物質→翻訳機構を破壊する)」を訂正(PBP阻害による細胞壁合成阻害。vault内のtopics/medical-microbiology-y2/1-16が既に正しく記載しておりコーパス内矛盾でもあった)。「制限酵素は切断の結果、遊離の3′ OHと5′ OH基を形成する」も訂正——産物は3′-OHと5′-リン酸で、次段落の「リガーゼは3′-OHと5′-リン酸をつなぐ」と真っ向から矛盾していた。「水平遺伝子伝達=取り込まれたプラスミドが細菌ゲノムへ組み込まれること」という定義の誤り、SP6プロモーターの説明も修正した。
    • トピックIn vitro transcription and translation「二層構造:1本の試験管には全成分、もう1本にはRNAポリメラーゼを含めない(対照)」という読み違いを訂正——コムギ胚芽系でいう二層(バイレイヤー)法は翻訳混合液と基質混合液の界面を通じて基質を連続供給しバッチ法の10倍超の収量を得る反応形式で、対照実験のことではない。元の対照の記述は残したうえで両者を分けた。オメガ配列の実体(TMV RNA 5′リーダー由来67ヌクレオチドで、5′キャップの有無によらず翻訳が2〜10倍)も裏取りして具体化した。
  7. 2026 08.21

    法医学(topics/forensic)の全33ノートについて、Consensusが指摘した医学的な誤り・古さを Europe PMC で裏取りしたうえで反映し、出典を付けた。33ノートすべてが着手前は `sources` 0件で、3〜7件(計141件)を新設した。採用しなかった指摘は主に2型ある——①根拠文献が Europe PMC に収載されていない低位誌のもの(死後変化系の01・02・04では参照リストの大半がこれに該当し、02では10件中1件しか検証できなかった)、②授業由来の分類・表を丸ごと置換する提案(検死官の評決表、胃心臓反射、老人性心筋変性、触診の温度×硬さ表など。これらは保持し、注記で限界を書く形にした)。Consensusが挙げていない一次資料を `npm run papers` で探し当てて差し替えた例も多い(Henssge 1988/1992/2000、Panjabi 1998、Vercellotti 2009、Karger 2002、Gibbon 2025、Corban 2014 ほか)。なお `src/content/topics/forensic-medicine-y5/consensus/` の19番と20番のファイルは中身が入れ替わっている(19番のファイルに飲酒運転、20番のファイルに性犯罪被害者診察の指摘)ため、内容で対応づけて適用した。

    • トピックDefinition of death. Post-mortem changes大脳皮質ニューロンが「完全な酸素欠乏から3〜7分で死滅する」を訂正。重度虚血の2〜5分後に無酸素性脱汲が始まるが、この段階はまだ可逆的で不可逆的細胞死の確定はその後である(Dreier 2018, Ann Neurol)。「脳(幹)死は事実上、個体死と同義」を削除し、脳全体の不可逆的かつ完全な機能喪失へ。植物状態を「深昏睡状態」としていた記載を、覚醒能と睡眠覚醒周期が保たれるUWSへ訂正し最小意識状態との区別を追記(Yamamoto 2025)。死体冷却の「約0.8°C/時間」を非線形・断熱条件依存へ(Henssge 1992)。
    • トピックThe early post-mortem interval死体痙攣を「死後硬直とは全く異なる別のプロセス」と断定していた記載を、独立した現象かどうかに議論があり終末期の神経筋活動が早期硬直で固定されたものという連続的理解も提案されている旨へ訂正(Mittal 2026)。直腸温の「最初の3〜4時間は1°C/時間」を二重指数関数的で一定でないと明示(Henssge 1992)。「体温低下は最も有用な指標」を、体温単独より死斑・死後硬直・骨格筋の興奮性を組み合わせた複合法のほうが推定幅が狭いことへ(Henssge 2000)。排尿・精液排出の「ほぼすべての死亡例で」という過剰断定を緩和。
    • トピックThe late post-mortem interval. Estimation of post-mortem interval死蝋の「水中で発見された遺体に最も多い」をさまざまな環境で生じる旨へ、「軟部組織の完全な変化は2年以内」を数百年持続しうる保存的変化へ訂正(Ubelaker 2011)。白骨化「1〜2年以内」の一律断定を緩和(Weisensee 2024)。浸漬・埋葬は「腐敗を遅らせる」だけでなく地表とは別の様式で分解する旨(Pittner 2020)。ミイラ化の条件に乾燥・通風・閉鎖環境を加え、着衣は乾燥を遅らせる方向に働くことを追記(Ceciliason 2023)。
    • トピックEstimating the time of death冷却速度の「約0.8°C/時間」と「環境温度+5°C付近で緩やかになる」を訂正し、Henssgeのノモグラム法とその的中率(実際の死後経過時間が95%信頼区間に入ったのは72.8%、Laplace 2021)を追記。触診の温度×硬さ表と死斑の表に、実際の推定幅がはるかに広い旨の注記(Stigter 2024)。腐敗の進行が初期体温・昆虫の侵入・保管期間で加速すること(Lanzinger 2026)。硝子体液カリウム・超生体反応を含む複合法へ。
    • トピックDetermining the cause of death. Medico-legal investigation of death「病理解剖は変化の記載にとどまる」という対比を、目的の違い(疾患過程の解明 対 司法への応用)へ訂正し両者がしばしば重なることを追記(Kotabagi 2005)。死因診断の情報源に毒物・組織・画像・DNAの補助検査を追加し、肉眼で死因が決まらない症例では組織検査が最終判断を決めること(法医解剖87例で組織検査待ちの23例中21例、Mukherjee 2025)を明記。解剖直後の暫定判断と最終報告の診断が17%で変わる実測を追加(Shergill 2024)。
    • トピックThe autopsy臨床解剖の執刀者を「病理医または法医学専門家1名」から「病理専門医、またはその監督下の研修医」へ訂正(欧州病理学会の実施基準 Alfsen 2022)。同基準が法医解剖を対象外としていることを根拠に、臨床解剖と法医解剖を同義語として扱えないことを明示。執刀者数の基準が法域依存であることと、専任病理医1人あたり年50件・最終報告3週間(追加検査があれば6週間)という最低基準を追記。
    • トピックMethods of identification. Identification of decomposed or skeletonized remains年齢推定の「成人では±5年」を撤回し、実測の誤差幅(人類学的方法4〜25年、歯科的方法2.5〜12.5年、DNAメチル化等±3〜10年、Rojas-Torres 2025)へ。頭蓋縫合と歯の咬耗が最も好まれない方法であること(Garvin 2012)、腸骨耳状面の適用率92%・第4肋骨16%(Morandini 2025)を追記。閉鎖孔による性別判定の正答率が約46〜75%にとどまること(Rennie 2023)。「人種・民族」を人口集団親和性へ改め、報告書に載せること自体に議論がある旨(Gibbon 2025)。身長回帰式の集団依存性(Vercellotti 2009)。
    • トピックSudden death of cardiovascular disorders突然死の定義を目撃例1時間未満・非目撃例24時間未満の二本立てへ(Sheppard 2023)。「自然死が非常に急速である場合、その原因はほぼ常に心血管系」を撤回——院外心停止として届け出られた死亡の40%は実際には突然でも予期しないものでもなく、WHO基準を満たした突然心臓死の約半数は不整脈死でなかった(POST SCD 2018)。陰性剖検にSADSの語と分子剖検・遺族評価を追加。心室肥大や軽度冠動脈疾患などの意義不明所見を死因と読む誤り(Papadakis 2013)。睡眠時無呼吸のリスクが既存心疾患の有無で異なること(Martinez 2024)。「拘束型/閉塞性」という用語の誤りを訂正。
    • トピックSudden death of respiratory and gastrointestinal disorders「呼吸器領域における突然死の主因は血管性」を訂正。肺塞栓症の危険因子を実測へ置換(不動・外傷・手術・帝王切開・精神疾患、曝露から8〜15日がピーク、致死例の87.6%が両側肺門部閉塞、Chen 2023)。死因統計での過小評価(剖検1.6%対統計0.3%、Christensen 2025)と救急での見逃し(Lucena 2009)。消化器の節から「血管性の機序」の限定を外し、最多の機序が消化管穿孔で78.4%に消化器疾患の既往が無いこと(Abderrahim 2022)を追記。
    • トピックSudden infant death剖検の胸腔内点状出血「約70%」を実測(胸腺89.5%・胸膜80%・心外膜79.9%)へ訂正し、「非特異的」という一律断定も是正——非SIDS死亡でも約半数にみられる一方、3部位すべてにあればSIDSを84.9%予測する(Goldwater 2008)。危険因子の重みをアンブレラレビューの等価オッズ比へ(頭部被覆11.01が最大、Kim 2024)。病因仮説の羅列をトリプルリスクモデルと覚醒反応障害中心の整理へ(Carlin 2017)。
    • トピックChild abuse. Safeguarding children身体的虐待の定義から「加害者には人格障害や精神疾患を有する例が多い」という一般化を削除し、評価が損傷の性状・受傷機転との整合・発達段階・多職種評価に基づくこと、AHTの診断が医学的結論であって加害者の意図についての法的判断ではないこと(Choudhary 2018)へ。単独で虐待性と非虐待性を区別できる骨折は無いこと(Kemp 2008)と、歩行前乳児の長管骨骨折のオッズ比15.12(Marletta 2026)。性的虐待の定義を成人加害者に限定しない形へ。
    • トピックTerminology of injuries. Types of injuries帽子のつばラインの法則を補助所見へ格下げ。ベルリンの剖検78例では外耳孔より下方の骨折がむしろ他害例に有意に多く法則と逆で、つばライン帯はどの受傷機転でも大半の症例で巻き込まれていた(Poli 2026)。殴打を支持する追加基準として骨折の左側優位と裂創の数(Kremer 2008)を明記。切創の「通常は皮膚全層を貫く」、刺創の「体腔穿通性」という定義要件の誤りを訂正。
    • トピックSelf-inflicted injury鑑別表の「現場に凶器が残るか」の向きが逆だったのを訂正——凶器が近くに無いことのほうが他害の典型像である(Manso 2021)。ためらい傷を自殺例の74%、防御創を他害例の61%という実測へ(Racette 2008)。体幹前面の刺創の長軸方向、骨・軟骨に達する創、創の部位という予測因子を追加(Brunel 2010)。「遺書は約50%で存在」は検証できず数値を外した。
    • トピックInjury patterns. Documentation of injuries and marks of injury靴底パターンが「加害者の同定」につながるという記載を、受傷機転の推定や履物の評価へ訂正。咬傷分析について、系統的レビューの3分の1が統計学的に有意な結果を示さず咬傷分析のみに依拠しないよう警告していること(Christoloukas 2024)を明記。防御創の部位を実測(手80%・前腕65%・手指40%)と凶器別の性状差(Das 2025)で補強。治療前の写真記録の重要性(Verhoff 2012)。
    • トピックHead and neck injuries脳振盪を「脳浮腫を伴って生じる」「構造的損傷を伴わない意識消失」から、通常は構造的損傷を伴わない一過性の脳機能障害(意識消失は必須でない)へ訂正。びまん性軸索損傷の確定が画像ではなくβ-APP免疫染色による病理診断であること(Davceva 2026)、従来染色での検出率が生存72時間以降に急増すること(Rungruangsak 2021)。硬膜下血腫を一律「緩徐」としていた記載を急性/慢性で分けた。穿通性頸部外傷のゾーン別アプローチが放棄されつつあること(Loss 2025)。
    • トピックSpinal, chest and abdominal injuriesむち打ちを「頸部の過伸展によって生じる」から、第1相で上位頸椎が屈曲し下位頸椎が過伸展するS字状変形を含む二相性運動へ訂正(Panjabi 1998)。CTでの動揺分節と臨床的な奇異呼吸の区別(Seok 2023)。左下位肋骨骨折と脾損傷の対応づけに、実質臓器損傷との関連は中位肋骨のほうが強い点を追加(Rostas 2017)。CPR後骨折の頻度を実測へ(肋骨66.1%・胸骨52.8%、Yamaguchi 2017)。「腎臓と脾臓は血管茎のみで固定されている」という解剖学的誤りを訂正。
    • トピックGunshot injuries出口創を「星芒状・すす等の随伴物質を認めない」と断定していた記載を訂正。shored exit wound では出口創にも擦過輪が生じる(Nishshanka 2026)。bullet wipe は射距離によらず入口創の周囲に残り、煤は接射〜30.5 cmで視認・274 cmでは消失する(Hlavaty 2019)。一時空洞が効くのは主にライフル弾で、非変形の拳銃弾では損傷は弾道に沿う(Stefanopoulos 2017)。射距離と発射残渣量の関係が非線形であること(Cecchetto 2011)。
    • トピックDifferentiation of accident, suicide, or homicide in gunshot injuries「可動範囲内で説明できなければならない」という必要条件的な書き方を緩和し、剖検624例の実測を追加——自殺の89%が接射・近接射(他殺は7.5%)、複数創は自殺5.6%対他殺53.9%、右側頭部の自殺で下向きの弾道は6%(Karger 2002)。眼への銃創でも自殺例は存在するため部位だけで否定しない旨。他害側・自殺側に振れる変数を多変量解析から追加(Karlsson 1999)。現場工作の範囲を血痕分布・遺書・供述・デジタル証拠まで拡張。
    • トピックSexual assault: examination requirements, evidential samples, and documentation診察者を産婦人科医に寄せていた記載を、SANE・法医学看護師を含む「特別な訓練を受けた者」へ改め、重複した診察を避けるべきこと(Ludes 2018)を追記。法医学医が明らかにすべきことを「性交渉の有無」「有形力の有無」という二択から、申告された接触を裏づける所見の評価へ改め、損傷が乏しくても性暴力は否定できない旨を明記。採取されたキットがDNA検査へ提出されない問題(Campbell 2017)。血液検体を紙袋保存と読める記載を訂正。
    • トピックDriving under the influence: drink and drive problems, Widmark's formulaBAC段階表の「結膜下出血」「心房細動」を段階所見から外し、Dubowskiの段階表が個人差を反映して各段階の濃度範囲を意図的に重ねてあること、同じ濃度でも上昇相か下降相かで障害が違うこと(Mellanby効果)を明記(Jones 2024)。致死濃度の目安を実測(中央値3.6‰、90%範囲2.1〜5.0‰)へ。Widmark係数の実測幅(女性0.44〜0.80、男性0.60〜0.87、Seidl 2000)と全身水分量版の優位(Maskell 2020)。逆算が消失相にあることを前提とする旨(Szecsi 2021)。
    • トピックRoad traffic injuries被害者割合の表を普遍値として読ませない注記を追加(歩行者は低所得国45%・高所得国18%、Naci 2009)。歩行者損傷を一次・二次・三次の3段階へ改めた。小児歩行者では年齢によって重症部位が変わりWaddellの三徴が当てはまらないこと(Halari 2022)。バンパー高が上がると下肢損傷が脛骨・膝靱帯から大腿骨へ移ること(Matsui 2005)。むち打ちの単純な過屈曲・過伸展モデルをS字状変形の二相性へ(Panjabi 1998)。
    • トピックRailway injuries, aircraft fatalities線路上で発見された遺体が鉄道外傷による死亡とは限らない旨と、法医病理・法化学・繊維鑑定・遺伝子検査・現場検証を組み合わせる必要性(Amadasi 2023)。航空機事故で「火災が最大の死亡要因のひとつ」という書き方を訂正——一般航空の致死事故で死亡したパイロット559例では鈍的外傷が主死因の86.0%(Wiegmann 2003)。シートベルトと与圧破壊の断定を緩和。調査主体を医療従事者限定から多職種へ。毒物検査に一酸化炭素ヘモグロビンとシアンを追加(Chaturvedi 2010)。
    • トピックClassification of asphyxia, signs of asphyxia溺水を「気道の閉塞」の下位分類から独立した大分類へ移し、標準化された4分類(suffocation/strangulation/mechanical asphyxia/drowning)へ再構成(Sauvageau 2010)。CO中毒・シアン中毒は酸素の移送・利用の障害という別の軸で整理。古典的窒息徴候が非特異的であることと、頸部圧迫による死亡の38%で点状出血を欠く実測(Qin 2025)。頸部の層状剥離の必要性と、決定的な単一所見・手法が無いこと(Porzionato 2024)。
    • トピックTypes of mechanical asphyxial mechanism溺水を独立分類へ、外傷性窒息と体位性窒息を機械的窒息の下で並列へ(Sauvageau 2010)。縊頸と索条絞頸の鑑別表を典型像として書き直し、深頸筋出血の部位差(縊頸は胸鎖乳突筋、索条絞頸は胸骨舌骨筋・胸骨甲状筋)、出血斑の分布、死亡様式を実測で追加(縊頸141例対索条絞頸178例、Jing 2016)。喉頭・舌骨の骨折を認めるのは約17%にとどまる旨。索状痕の生活反応判定の限界(Mansueto 2022)。
    • トピックImmersion deaths: evidence of immersion. Post-mortem artefact and immersion「血中アルコール濃度は必ず確認」を毒物学的検査全般へ。入水前後の自然死について「稀」「心血管疾患が多い」という頻度の断定を緩和。溺水に固有といえる肉眼所見は引き揚げ直後の完全な外部泡沫のみで、他の徴候はすべて溺水以外の水中死亡でもみられる実測(Schneppe 2021)。珪藻検査の証拠価値が確立していないこと(Tyr 2025)と、定量・水試料採取条件・分類同定という要件(Ludes 2025)。
    • トピックPathological diagnosis of drowning. The role of alcohol in drowningアルコールを「間接的な促進因子」に限定していた記載を訂正。致死性溺水の49.46%に関与(Hamilton 2018)、アルコール寄与割合0.31(Alpert 2022)で、気道保持能の低下という直接的な経路も含む多因子として整理。危険因子は男性・ボート・救命胴衣未着用・単独遊泳。死後所見は所見ごとに科学的根拠の強さが異なり、溺水していない浸水遺体という対照群の不足で知見が確立していない旨(Tyr 2024)。
    • トピックInjury caused by heat. Cold injury, hypothermia熱傷深達度の定義を訂正(第3度=皮膚全層、第4度=皮下脂肪以深)し、「第2度B=表皮再生不能・皮膚移植が必要」という断定を緩和。小児の熱傷面積評価にLund and Browder chartを追記。虐待による熱湯損傷の意図性指標5項目(Shields 2025)。熱射病で受動的冷却より能動的冷却(冷水・氷水浸漬が最速)が推奨され体温に作用する薬物は避けるべきこと(Barletta 2025)。低体温の病期分類を改訂スイス病期分類へ——深部体温でなく心停止リスク、AVPU、震えは病期規定徴候から除外(Musi 2021)。ECLS搬送基準を年齢・併存疾患別へ(Paal 2022)。
    • トピックElectrical injury致死機序を心室細動主体へ改め、「直流は心室細動ではなく心静止を起こす」が今も残る誤った定説であること、致死量の電流なら通常1〜2秒で心室細動に至り通電が長いほど危険になるわけではないこと(Kroll 2023)を明記。リヒテンベルク図形が皮膚の一過性の毛細血管拡張であって熱傷ではなく、常在もしないこと(Byard 2023、Pulagura 2025)。電撃損傷例の約3分の2で体表に典型的な電撃痕を認めないこと(Jin 2021)。
    • トピックPrinciples of toxicology致死量を「全ての被験者が死亡する用量」としていた定義とLD50の定義を訂正。血液採取を腸骨・大腿静脈の並列から末梢静脈優先へ改め、中枢血は末梢血が得られない場合の補助資料と位置づけた。採取部位による濃度差(中枢/末梢1.3、長い死後経過では動脈/静脈2.0、Zilg 2017)と、手術側の大腿血でロピバカインが対側の24倍という警告(Oura 2023)。臨床の治療域を死後の参照値として使えないこと(Stephenson 2024、剖検57,903例のLauniainen 2014)。
    • トピックCommonly misused drugs and drug-related deathコカインの死因を「呼吸中枢・循環中枢の抑制」で説明していた記載を心血管系の機序へ訂正し、心毒性が血中濃度と独立していること(死後49例中、完全剖検43例の14例に有意な心疾患、Pilgrim 2013)を追記。メタンフェタミンの心室性不整脈ハザード比1.90(Noubiap 2025)。オピオイド死の41.88%に胃内容の誤嚥があり、誤嚥例では血中濃度がむしろ低いこと(Nicolakis 2020)。LSDの4段階グレード表を重症度による整理へ改め、LSD単独の毒性死が43例中1例にとどまる実測(Darke 2024)。
    • トピックCarbon-monoxide poisoning. Arsenic, cyanide, lead and methanol poisoningメタノール毒性の主因をホルムアルデヒドからギ酸へ訂正し、ギ酸濃度が罹病率・死亡率と直接相関しシトクロム酸化酵素を阻害して眼毒性を起こすこと、12〜24時間の潜伏期があること、解毒補助が葉酸ではなく静注ホリナートであることを明記(AACT実施指針 Barceloux 2002)。「嫌気性代謝でも生成される」を内因性の微量存在と経口摂取が中毒の主因である旨へ。COのシトクロムオキシダーゼ結合に関する断定と高気圧酸素療法のCOHb閾値を緩和。ヒ素の「2形態」を複数の化学種へ、「唯一信頼できる死後変化」という断定を緩和。鉛の好塩基性斑点を「DNAの残骸」とする誤った説明を訂正し、δ-アミノレブリン酸脱水酵素とフェロケラターゼの阻害を追記(Balali-Mood 2021)。煙吸入例へのヒドロキソコバラミン経験的投与の根拠が限定的であること(Jin 2025)。
    • トピックScene examination and evidence recovery. Examination on the scene汚染防止を個人防護具からchain of custody(個別包装・封印・記録・追跡管理)まで広げた。死斑・死後硬直・腐敗変化による死後経過時間の評価が現場では暫定的にとどまる旨。点状出血の機序を静脈圧上昇だけでなく低酸素性内皮障害を含む複数因子へ改め、出現頻度が致死性絞頸の91%に対し非致死性では4%(Sundwall 2025)、検出が時間と部位に左右されること(受傷から平均26時間対61時間、結膜は早期・耳後部は長く残る、Babigian 2026)を追記。
    • トピックForensic DNA analysisPCRが「理論上無制限に増幅できる」という記載を、分解検体では増幅産物の長さそのものが制限される旨へ訂正(Pajnič 2025)。「法医DNA鑑定はコード配列を調べない」という断定を、目的が個人識別にあることと、NGSによりSTRの長さだけでなく配列多型も読まれるようになっている旨へ(Matute 2025)。劣化検体の代替をmtDNAだけとせず、SNP・InDel・miniSTRを併記。InDelの利点(低変異率・短い増幅産物・スタターがない)と分解検体でSTRを上回る検出数(Liu 2022)。mtDNAと核DNAの同時判定(Peng 2025)。
  8. 2026 08.21

    婦人科(topics/gynecology)の全40ノートについて、Consensusが指摘した医学的な誤り・古さを Europe PMC で裏取りしたうえで反映し、出典を付けた。40ノートすべてが着手前は `sources` 0件で、2〜8件(計183件)を新設した。方向が逆だった記載(乳房発育から3年『以内』/『経っても』、TOAのドレナージを抗菌薬不応時にのみ行う、PFMTは軽症のみ有効)や、定義そのものが違っていた記載(FIGO 2023のIA1に『低異型度』条件を付けていた、ICに筋層浸潤なしの要件が抜けていた、葉状腫瘍のマージンを一律1cmとしていた)を優先して直した。採用しなかった指摘は主に3型ある——①Consensusの提示文献が学会抄録・非収載誌で数値を検証できないもの、②Consensus自身が『提示文献には根拠がない』と認めているだけで記載自体は標準的に正しいもの(FIGO 2021外陰癌の病期表、砂粒体、腹膜偽粘液腫の虫垂原発、MTXの授乳禁忌など)、③vaultの方針決定と衝突するもの。③の代表がPCOS→PMOS改称で、Consensusは複数ノートで繰り返し『PMOSはPCOSの誤記』と指摘してくるが、これは検索コーパスが改称前の文献で構成されているために生じる系統的な指摘であり、全件不採用にした(review-flagsに記録)。27〜40の14ノートはサブエージェントに並列で担当させ、親側で見出し数・wikilink増減・lint・出典id重複を全件再検証している。

    • トピックPrimary amenorrhea原発性無月経の定義で方向が逆だった記載を訂正——「乳房発育から3年**以内**に初経がない」を「3年**経っても**初経がない」へ(乳房発育が10歳未満なら5年)。CAISの性腺摘出時期を、前悪性病変6.14%・悪性1.3%でいずれも思春期後という実測に基づき思春期後まで待つ方針とし、46,XY完全型性腺形成不全(診断時に摘出)と書き分けた(Barros 2021)。
    • トピックSecondary amenorrhea早発卵巣不全の診断基準からエストラジオール低値を削除し、FSH >25 IU/L の単回測定で足りることを明示(ESHRE 2024)。プロラクチン測定のhook effectを追記。
    • トピックStein-Leventhal syndrome (PMOS)PCOS→PMOS改称を、56組織・14,360人が参加した多段階の国際コンセンサスとして位置づけ直した(vaultの `lancet-pmos-rename-2026` のclaimにあった「22,000件超」は抄録の実数と食い違うためreview-flagsへ)。思春期の『at risk』カテゴリー、レトロゾールのIPDメタ解析の実数を追加。
    • トピックDysfunctional uterine bleedingPALM-COEINへの読み替え表からAUB-Cが抜けていたのを補った。トラネキサム酸の出血量減少26〜60%と活動性VTEでの禁忌、LNG-IUSがトラネキサム酸より優ること、過多月経の最大20%に遺伝性出血性疾患があることを追加。
    • トピックDysmenorrhea. Premenstrual tensionドロスピレノン配合COCの効果量を実数へ(SMD −0.41、中止のOR 3.41、全有害事象のOR 2.31)。
    • トピックCauses of infertility. The infertile couple妊娠可能期間をWilcox 1995の実測へ(排卵日に終わる6日間、排卵日当日は0.33)。性交後の仰臥位安静の根拠がIUIに限られ、メタ解析は有意差なしであることを明記。
    • トピックExaminations and treatment in infertility治療を原因別に段階づけ、原因不明不妊の第一選択がIUI-OSであることを明示。IVFとIUI-OSの直接比較(50.3% vs 43.2%、HR 1.19で有意差なし、Lai 2024)を追加。Consensus指摘の対応で誤って追加した `###` 見出しは箇条書きへ変換した。
    • トピックHormonal contraception. Intrauterine devicesVTEリスクを製剤別に整理——貼付剤・腟リングは経口以上、DMPAは上昇、LNG-IUS・低用量POPは上昇させない。LNG-IUD vs 銅IUD(Liu 2024)、UPA(Glasier 2010)、緊急避妊としてのLNG-IUDについてTurok 2021とCochrane 2023の食い違いを併記した。
    • トピックBarrier and chemical contraceptives. Natural contraceptive methodsノノキシノール-9の性器病変RR 1.18、女性用コンドームが男性用と同等であることのRCT根拠、FABMの失敗率がSensiplan 1.8からPersona 25.6まで大きく開くことを追加。
    • トピックPuberty8歳未満の二次性徴の大半が正常変異で、4〜6か月での進行速度が鑑別点であること(AAP)を追加。乳房発育の平均年齢が10年あたり約3か月早まっていること、15歳(原発性無月経)と16歳(遅発思春期)が別の枠組みであることを書き分けた。
    • トピックPediatric gynecologyノート01と同じ方向逆転(「乳房発育から3年以内」)を訂正。思春期早発でのMRI適応を男児全例・6歳未満女児で必須、6〜8歳女児は未確立と整理。Turner症候群のエストロゲン開始11〜12歳・2〜3年かけた漸増・経皮エストラジオール優先・結合型エストロゲンは非推奨を追加。
    • トピックMenopauseNAMS 2023が**推奨していない**非ホルモン療法(冷却・誘因回避・運動・ヨガ)を明示。MHTの血管運動症状抑制約75%に対し非ホルモン薬は40〜65%。CGHFBCによる乳癌リスクの定量(E+PでRR 2.08、50歳から5年で約50人に1人)を追加。
    • トピックInflammatory disorders of the vulva and vagina細菌性腟症の男性パートナー治療を2025年NEJMのRCTで更新——12週再発35% vs 63%、女性のみ治療が劣るため試験が早期中止。再発率が3〜6か月で50%超であること、外陰腟カンジダ症の gold standard が培養であること、妊娠中のフルコナゾールを追記。
    • トピックSexually transmitted diseases in female性暴力被害後の抗菌薬予防を「地域により大きく異なり流動的」と枠組み直した(アイルランドのクラミジアPEP 75.1%、HIV PEP 11.0%)。CDC 2021が淋菌の二剤併用を外した論拠、尖圭コンジローマの第一選択(イミキモド・ポドフィロトキシン)、先天梅毒+261%を追加。
    • トピックBenign lesions of the vulva and vagina硬化性苔癬の癌リスクを定量(SIR 16.2(扁平上皮癌)・8.5(前癌病変)で追跡期間とともに減衰しない、累積VSCC 6.7%、VIN合併の有無で18.8% vs 2.8%)。生検適応を広げ、カルシニューリン阻害薬を代替として、Bartholin腺嚢胞にWord catheterを造袋術より先に置いた。
    • トピックMalignant tumors of the vulva and vaginaHPV非依存の前駆病変をdVINだけに限定していたのを訂正——p53野生型の一群(VAAD/DEVIL/VAM、PIK3CA・HRAS変化)が存在し、p16とp53の免疫染色を定型的に行う(Parra-Herran 2022)。dVIN由来の癌はHSIL由来より再発が多く死亡率も高いこと、乳房外Paget病の外陰型は70.3%が表皮内なのに34%が再発するため低侵襲治療+綿密な監視へ向かっていること(Kibbi 2024)を追加。Consensusが問題視したFIGO 2021外陰癌の病期表は、Consensus自身が『提示文献に病期表は載っていない』と認めており実際にFIGO 2021どおりなので変更しなかった。
    • トピックEtiology and precancerous states of cervical cancerCIN 2を「中間の重症度」ではなく性質の違う病変の寄せ集めとして書き直した(HPV E4陽性はLSIL 41%からCIN 3で3%へ低下、p16広範+E4陰性の生検は85%がLEEPでもHSIL以上)。コルポ下生検の陰性を最終結論にしない根拠を追加——細胞診HSILで生検陰性の49例中67.3%がLEEPでHSIL以上(浸潤癌4例含む)、コルポの感度はLSIL+で0.92/HSIL+で0.68。CIN 2の管理を年齢とHPV型で層別化(25〜40歳では24.9%に潜在CIN 3+)。
    • トピックSymptoms, signs and screening of cervical cancer警告症状の重みを実測で差をつけた(閉経後出血のOR 43、55歳以上のPPV 4.6%、それ以外の症状は単独では高リスクといえない)。一次hrHPV優先の根拠をスウェーデンの政策試験で具体化(浸潤癌17%減、HPV陰性者1.3/10万人年 vs 細胞診正常9.1、代償はコルポ紹介7.5% vs 6.9%)。HPV陽性・細胞診陰性が安全域でないこと(16/18陽性で318.2/10万人年)と拡張ジェノタイピングによる型別トリアージを追加。
    • トピックStaging and therapy of cervical cancer. Pathology早期癌の手術を2つの試験で方向づけた——SHAPE(低リスクでは単純子宮全摘が根治的子宮全摘に非劣性、3年骨盤内再発2.52% vs 2.17%、尿失禁4.7% vs 11.0%)とLACC(低侵襲根治的子宮全摘は開腹より4.5年無病生存が劣る、86.0% vs 96.5%)。いずれもノートに欠けていた。週1回シスプラチン40 mg/m²の上乗せ効果、根治的腟式子宮頸部摘出術の実数(再発3.4%・うち43%は5年以降、早産46%)、KEYNOTE-826、組織型別予後(SEER)を追加し、MSI/MMRとPD-L1を同列に並べていた記述をPD-L1中心へ改めた。
    • トピックBenign diseases of the uterus子宮内膜ポリープに盲目的D&Cを用いないこと(level A)、外来子宮鏡が診断精度・費用対効果とも最良であること、無症候性ポリープを一律に切除しないこと(閉経後は2 cm超またはリスク因子)、不妊女性への定型的切除が支持されないことを追加(Vitale 2021)。Asherman症候群の原因に子宮鏡下手術・子宮動脈塞栓術・子宮結核を加え、**再癒着予防も最適治療もエビデンスが不足している**ことを明示。筋腫は妊孕性への影響が主に粘膜下に限られること、治療の実態が手術に偏り比較試験が乏しいことを補った。
    • トピックEtiology and precancerous states of corporal cancer (hyperplasias)リスク因子表を「因果の強さの序列」と読ませない注記を追加——53因子・171メタ解析のアンブレラレビューで強いエビデンスと判定されたのは3つだけ(閉経前BMI RR 1.49、ウエスト・ヒップ比 RR 1.21、経産 RR 0.66)。高血圧が独立因子として弱いこと、喫煙の逆相関が観察研究由来であることを明記。PMOSの機序を黄体期プロゲステロン不足だけに還元していた記述を是正(名称は維持)。4分子群の臨床適用をリスク層別化・補助療法判断に限定し、PORTEC-3の実数(5年無再発生存 p53異常48%/POLE 98%、化学放射線が有効なのはp53異常型のみ)を追加。
    • トピックSymptoms signs and screening of corporal cancer「2026年ACOG更新はTVUSと生検の組合せを推奨」という帰属を撤回し、どちらから入ってもよいという確立した枠組みへ書き換えた(当該文書の抄録では推奨内容を確認できないためreview-flagsへ)。Lynch症候群の監視が国際的に不一致であること、生検の感度57.1%・経腟超音波34.4%で死亡率低下のデータがなく最も確実なのはリスク低減手術であることを追加。
    • トピックStaging and therapy of corporal cancer. PathologyFIGO 2023の病期表を原典で精密化——IA1から誤った「低異型度」条件を削除、IA3を「子宮限局+同時性の低異型度類内膜卵巣病変」へ、ICに**筋層浸潤がない**という要件を明示、IIIA1/2・IIIB1/2・IIIC1/2のi/ii(微小/肉眼的転移)を反映。攻撃的組織型に高異型度類内膜癌・混合型が含まれることを補った。分子分類は表記の修飾ではなく**病期そのものが変わる**(I・II期でp53abnは上がりPOLEmutは下がる)と訂正。免疫療法の上乗せを進行・再発例に限定し、RUBYとメタ解析の実数、HER2陽性漿液性癌へのトラスツズマブ(8.0→12.6か月)を追加。
    • トピックFunctional cysts of ovariesRMIを古典的指標と位置づけ、閉経後ではIOTA ADNEX 10%がRMI1(閾値250)より感度13.9%ポイント高く新標準とすべきとされていること(ROCkeTS)を追加。単純嚢胞の陰性所見としての強さを定量(50歳以上でも尤度比0.10、3年絶対リスク0〜0.5/1000)し、根拠不明だった『2025年RCOG更新で≤3 cmは追跡不要』の帰属を外した。保存的管理の安全性をIOTA5で裏づけ(2年で20.2%が自然消失、浸潤癌0.4%)。超音波所見表から裏づけの弱い『可動性』『固定』を外した。
    • トピックBenign neoplasms of ovariesMeigs症候群を卵巣線維腫に限定していた記述を性索間質性腫瘍全般へ広げ、**CA-125が上昇しうるため卵巣癌と紛らわしい**ことを明示。Brenner腫瘍が偶発発見中心(9例中7例)でWalthard細胞巣を伴い粘液性嚢胞腺腫と併存しうることを追加。成熟嚢胞性奇形腫を「若年女性の卵巣胚細胞腫瘍の69%」と実数化し、卵巣温存の判断軸としてovarian crescent signを導入した。
    • トピックEtiology, clinical presentation and screening of ovarian tumorsHGSCの卵管起源を「多くは」に保ち、すべてのSTICが癌化するわけでもすべてのHGSCがSTIC由来でもないこと、STICの意義が明確なのはBRCA変異保有者でHGSCの85〜90%を占める一般集団では相対的に不明確であることを追加。検診の害を定量(癌のない女性の1〜3%が手術、その3〜15%に主要合併症)。RRSOの適応閾値を生涯リスク4〜5%超と明記し、対象遺伝子にBRIP1・RAD51C/D・Lynch関連を追加、**RRSO後51歳までのHRT**という欠けていた項目を補い、高リスク監視がdownstagingまでで生存利益は未証明であることを示した。
    • トピックStaging and therapy of ovarian neoplasms. PathologyFIGO IIIA1に細胞診・組織診による証明が必要(画像だけでIIIA1としない)ことを明示し、IVBの定義を具体化。ベバシズマブを「併用のみでは無効、維持まで継続して初めてPFSが延びる(14.1 vs 10.3か月)」と方向を補正し、最終解析でITT全体のOSは改善しない(IV期のみ改善)ことを追記。SOLO1のPARP維持(56.0 vs 13.8か月)、CA-125単独で再発治療を開始しない根拠(OV05/55955)、R0の定義と全例遺伝子検査を追加。
    • トピックEndometriosis and adenomyosis経腟超音波(特異度)とMRI(感度)の使い分けを具体化し、普遍的に受け入れられた重症度分類も標準撮像プロトコルも存在しないことを明記。治療表の妊孕性温存行を訂正——ホルモン抑制療法は妊娠希望例には使えず、手術は自然妊娠率を上げうるが卵巣予備能に負の影響がある。不妊の機序が癒着だけでなく慢性炎症・卵巣予備能低下・内膜受容性低下にわたること、腺筋症は画像の進歩で生殖年齢に臨床診断でき内膜症・筋腫との併存が多いことを追加。診断遅延の年数はどの抄録にも無かったため定性記述にとどめた。
    • トピックNormal and abnormal positions of the vagina and uterus (genital prolapse) and their treatment骨盤底筋訓練を「軽症で特に有用」から Stage I〜III で症状軽減・病期1段階改善へ訂正する一方、**周術期にPFMTを足す上乗せ効果は10件中9件のRCTで示されていない**ことを追加。ペッサリーの装着成功率90%超・継続率約60%、無症状例の最長60か月で最大40%が安定または改善、正常女性の最大40%がStage 2であるため病期の数字だけで治療適応を決めないことを明示。POP-Qの6点測定と手技、手術適応の4条件を具体化した。
    • トピックUrinary incontinence22ガイドライン横断で必須とされる基本評価5項目を明示。PORTRET 12年追跡でITTに有意差が出ない理由が理学療法群の86.9%の手術クロスオーバーであること、post hocでは絶対差50.6%で手術有利であることを追加。AUA/SUFUのindex/non-index患者の枠組み、ESTEEMでスリングへの行動療法上乗せがMCIDに届かない(−13.4点、MCID 35点)ことを追記し、無出典だった過活動膀胱の記述をAUA/SUFU 2024の内容へ置き換えた。
    • トピックPelvic inflammatory disease卵管卵巣膿瘍のドレナージを「抗菌薬不応・増大・破裂疑い」に限定していた記述を訂正——**診断時から抗菌薬に加えて併用**し、骨盤内貯留3 cm超は適応(grade B)、重症敗血症型は手術、それ以外は経腟超音波ガイド下穿刺。複雑性PIDの静注レジメンと抗嫌気性菌カバー、メトロニダゾール併用のRCT実数(30日後の子宮内膜嫌気性菌 8% vs 21%)、Mycoplasma genitalium(PIDの10〜25%、NAAT+マクロライド耐性変異検索、モキシフロキサシン)を追加。外来レジメンの地域差も併記した。
    • トピックPelvic pain経腟超音波単独で異所性妊娠を除外できないこと(不確定例は腹腔鏡、未破裂安定例はメトトレキサート)をフロー図に反映。卵巣捻転に術前確定所見が存在せずDoppler単独で判断しない、腹腔鏡の約50%は捻転陰性、壊死様外観でも温存する、小児・思春期では最大46%が正常卵巣に生じることを追加。癒着剥離をレビューではなくRCT本体で否定的に具体化(12か月VAS差3ポイント、p=0.53)。慢性骨盤痛の薬物療法を学際的管理の補助的位置づけへ限定した。
    • トピックEctopic pregnancy判別域3,000 mIU/mLの診断能が感度35%・特異度58%にとどまること、異所性妊娠519例でhCGは病変径とも破裂とも相関せず来院時22.9%に破裂所見・14.4%が循環不安定であることを追加し、**hCG低値を理由に超音波を遅らせない**と明示。同時妊娠を自然約1/30,000→ART後約1/1,000と数値化。メトトレキサートの成功率(初回hCG<5,000でも単回完全消退77.9%)を追加した。
    • トピックBreast diseases葉状腫瘍のマージンを「境界悪性・悪性は一律1 cm」としていたのをWHO grade別に書き分けた——良性は断端陽性でも再切除不要(陰性断端が得られればマージン幅と再発は無相関)、境界悪性は10 mm目標、リンパ節郭清・系統的乳房切除は行わない。乳頭分泌は初期画像陰性で終わらせずMRIへ(原因同定56〜61%、NPV 87〜98.2%)。線維腺腫は一致・異型なしなら画像フォロー不要。「…を伴えば悪性を除外する」という誤読を招く表現を「悪性を疑い除外のための精査を行う」へ修正した。
    • トピックBreast cancerUSPSTF単独だった検診記述に23ガイドラインの系統的レビューとEUSOBI(定期マンモグラフィで乳癌死亡率を少なくとも20%低下)を加え、高リスクMRIの3条件と開始年齢(25〜30歳)を具体化。コア針生検と手術標本の一致率がER 96.7%/PR 93.2%/HER2判定100%に対しグレード72.6%・Ki-67 70.5%と落ちること、サブタイプ別頻度と予後、免疫療法が乳癌全体に効く薬ではないことを追加。非浸潤性小葉腫瘍を「浸潤癌そのものではなく両側乳癌リスクの指標」と明確化した。
    • トピックGynecologic operation techniques (D and C, conisation, hysterectomy, hysteroscopy)円錐切除の術式選択を「治療失敗 vs 早産」のトレードオフとして表化(LLETZ基準でCKCは失敗OR 0.63だが早産OR 2.27、焼灼法は早産を増やさないが失敗が多い)し、産科リスクを決めるのが術式ではなく**円錐の深さ**であることを追加。子宮鏡の灌流液不足量を数値化(生食1,000〜2,500 mLで厳重監視、2,500 mL以上で中止、高齢・心腎疾患では750 mL)。子宮摘出経路をACOG 701の階層(低侵襲優先→経腟第一選択→不可なら腹腔鏡)で明示し、D&Cの遠隔合併症として次回妊娠の早産を追記した。
    • トピックVirilism and hirsutism赤旗に**閉経後発症**を追加し、閉経後のテストステロン>5 nmol/Lを腫瘍除外の目安として明示。原因表に頻度列を新設(PMOS 80〜90%、特発性5〜10%、非古典型CAH 1〜10%)。アンドロゲン値と多毛症の重症度の相関が乏しく**テストステロン正常でも多毛症・PMOSを否定できない**ことを追加。治療にネットワークメタ解析の効果量(抗アンドロゲン −1.29/COC −0.94/インスリン抵抗性改善薬 −0.62)とCochrane(157試験10,550人でメトホルミンは無効、生活介入はBMIを下げても多毛症スコアは改善せず)を入れた。ConsensusのPMOS→PCOS指摘は不採用。
    • トピックHydatidiform molep57免疫染色が分けるのは「全奇胎かそれ以外か」だけで、**p57陰性は全奇胎の確定ではない**(母性11番染色体の残存・喪失、家族性両親性奇胎、モザイク)こと、部分奇胎と非奇胎の区別にはSTR genotypingが要ることを追加。超音波の診断正確度44.38%・形態診断65.97%(κ=0.364)で形態単独に頼らないことを明示。hCG追跡短縮のエビデンス(正常化後GTN 0.2%、56日未満正常化なら確認1回で足りる)を追記した。
    • トピックChoriocarcinoma「組織採取は常には必要でない」の適用範囲を**胞状奇胎後GTNに限定**——絨毛癌一般・PSTT・ETTでは組織診断が重く、子宮外病変では免疫染色・genotypingによる妊娠性/非妊娠性の判定が治療に直結する。WHO 5〜6点では70〜80%が初回単剤に抵抗性(ただし救済で全生存ほぼ100%)であることを数値で補強し、リスク表に転帰の目安列を追加。超高リスクGTNの死亡予測因子と脳転移への照射併用、FIGO≥12でのレジメン別奏効を追記した。
    • トピックPrinciples of cancer therapy併用療法の根拠3点を明示し、**投与順序でも効果が変わる**細胞周期依存性薬剤耐性を追加。耐性が薬剤排出・標的変化・DNA修復亢進・アポトーシス回避・微小環境にわたる多層機序であること、反復照射の選択圧で放射線抵抗性形質が出現することを追記。効果判定では径だけで分子標的薬を測りきれないこと、免疫療法の偽増悪とiRECIST(**試験用**の枠組みである点を明記)、新病変単独の進行が生存延長と関連しないことを追加した。
  9. 2026 08.20

    麻酔科学A-01〜A-10をConsensusレビューと照合し、体液・酸塩基、各種ショック、輸液、敗血症、呼吸不全の主要主張を更新して検証済み引用を追加した。

  10. 2026 08.20

    麻酔科学A-11〜A-19・B-01をConsensusレビューと照合し、呼吸救急、蘇生、ICUケア、薬理、急性腎障害の記述を更新して検証済み引用を追加した。